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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド
11g リリース1 (10.3.6)
B61642-04
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E サイレント・アップグレード用XMLスクリプト・リファレンス

WebLogicアップグレード・ウィザードをサイレント・モードで使用する前に、アップグレード要件を定義するXMLスクリプトを作成してコマンド・ラインでウィザードに渡すことができます。

アップグレード・ウィザードは、サイレント・モードで実行した場合、実行するアップグレード・タスクのタイプを表す名前を持つXMLスクリプトをドメインのルート・ディレクトリから検索します。XMLスクリプトを検索できなければ、システムのデフォルト値が使用されます。

この付録では、次のサンプルXMLアップグレード・スクリプトを示します。

ここで説明しているように、これらのスクリプトの特定の値は、アップグレードしている環境の構成に応じて変更し、WebLogicアップグレード・ウィザードで変更後の値を使用することができます。この付録では、それらの値とデフォルト値を示し、その変更方法について説明します。


注意:

サイレント・モードでアップグレードできるのはWebLogicドメインだけです。


サンプルXMLスクリプトの変更について

サイレント・モードのアップグレード用のXMLスクリプトを作成するには、ここで提供されているいずれかのサンプル・スクリプトを変更します。次の点に注意してください。

セキュリティ・プロバイダのアップグレード・スクリプト

WebLogicアップグレード・ウィザードは、ドメインのセキュリティ・プロバイダをアップグレードするため、例E-1に示しているweblogic-upgrade-securityproviders-responses.xmlという名前のXMLスクリプトを検索します。変更可能な値は、太字で示しています。

例E-1 セキュリティ・プロバイダをアップグレードするためのサンプル・サイレント・モードXMLスクリプト

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<plugin-silent-responses>
</plugin-silent-responses>

<!--
<plugin-silent-responses>
  <group name="SecurityProviderUpgradeGroup">
    <plugin name="SecurityProviderUpgradeStepOne">
      <input-adapter name="IA">
        <bind-property name="selectedFileNames">
          <value>__INPUT_DIRECTORY__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
    <plugin name="SecurityProviderUpgradeStepTwo">
      <input-adapter name="IA">
        <bind-property name="selectedFileNames">
          <value>__OUTPUT_DIRECTORY__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
  </group>
</plugin-silent-responses>

表E-1に、このスクリプトに含まれるキーワード、それらのキーワードに対して指定可能な値、および変更しない場合にWebLogicアップグレード・ウィザードで使用されるデフォルト値を示します。

表E-1 セキュリティ・プロバイダをアップグレードするためのサイレント・モードXMLスクリプトの値

キーワード 設定する値 キーワード・デフォルト
INPUT_DIRECTORY

アップグレードする必要のあるセキュリティ・プロバイダJARが格納されているディレクトリのパス。例:

d:/bea/weblogic81/server/lib/mbeantypes

デフォルトでは、セキュリティ・プロバイダはWL_HOME\server\lib\mbeantypesに格納されています。ここで、WL_HOMEは9.0より前のインストールのルート・ディレクトリを示します。

実行されるアップグレード・ウィザードが格納されているディレクトリのパス。たとえば次のようになります。

c:\bea\wlserver_10.3\server\lib\mbeantypes
OUTPUT_DIRECTORY

新しいセキュリティ・プロバイダJARファイルの保存先のディレクトリのパス。例:

d:/bea/wlserver_10.3/server/lib/mbeantypes

WL_HOME\server\lib\mbeantypes(WL_HOMEはWebLogic Server 10.xのインストール先のルート・ディレクトリ)


ノード・マネージャのアップグレード・スクリプト

WebLogicアップグレード・ウィザードは、既存のドメインのノード・マネージャをアップグレードするため、例E-2に示しているweblogic-upgrade-nodemanager-responses.xmlという名前のXMLスクリプトを検索します。変更可能な値は、太字で示しています。

例E-2 ノード・マネージャをアップグレードするためのサンプル・サイレント・モードXMLスクリプト

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<plugin-silent-responses>
</plugin-silent-responses>

<!--
<plugin-silent-responses>
  <group name="NodeManagerPlugInGroup">
    <plugin name="NodeManagerPlugIn">
      <input-adapter name="IA">
        <bind-property name="selectedFileNames">
          <value>__NODE_MANAGER_HOME__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
  </group>
</plugin-silent-responses>

表E-2に、このスクリプトに含まれるキーワード、それらのキーワードに対して指定可能な値、および変更しない場合にWebLogicアップグレード・ウィザードで使用されるデフォルト値を示します。

表E-2 ノード・マネージャをアップグレードするためのサイレント・モードXMLスクリプトの値

キーワード 設定する値 キーワード・デフォルト
NODE_MANAGER_HOME

ローカルのディレクトリ階層を移動してアップグレードするノード・マネージャのディレクトリのパス。

デフォルトでは、ノード・マネージャのホーム・ディレクトリは、WL_HOME\common\nodemanagerに格納されています。ここで、WL_HOMEは9.0より前のインストールのルート・ディレクトリを示します。

実行されるアップグレード・ウィザードが格納されているディレクトリ。たとえばc:\bea\wlserver_10.3\common\nodemanagerです。


ドメインのアップグレード・スクリプト

WebLogicアップグレード・ウィザードは、既存のドメインをアップグレードするため、例E-3に示しているweblogic-upgrade-domain-responses.xmlという名前のXMLスクリプトを検索します。変更可能な値は、太字で示しています。


注意:

表E-3で説明するように、キーワードADMIN_SERVER_NAMEにはデフォルト値がないため、ドメイン管理サーバーの名前を指定する必要があります。


例E-3 ドメインをアップグレードするためのサンプル・サイレント・モードXMLスクリプト

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>

<plugin-silent-responses>
</plugin-silent-responses>

<!-- SAMPLE BELOW -->
<!--
<plugin-silent-responses>
  <group name="DomainSelectionGroup">
    <plugin name="SelectWebLogicVersionPlugIn">
      <input-adapter name="ChoiceIA">
        <bind-property name="selectedChoiceIds">
          <value>__WEBLOGIC_VERSION__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
    <plugin name="DomainDirectorySelectionPlugIn">
      <input-adapter name="IA">
        <bind-property name="selectedFile">
          <value>__DOMAIN_DIR__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
  </group>
  <group name="PostDirSelectionGroup">
    <plugin name="AdminServerSelectionPlugIn">
      <input-adapter name="IA">
        <bind-property name="selectedChoiceIds">
          <value>__ADMIN_SERVER_NAME__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
    <plugin name="NodeManagerCredentialsPlugIn">
      <input-adapter name="UsernameIA">
        <bind-property name="value">
          <value>__NODE_MANAGER_USERNAME__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
      <input-adapter name="PasswordIA">
        <bind-property name="value">
          <value>__NODE_MANAGER_PASSWORD__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
      <input-adapter name="PasswordConfirmIA">
        <bind-property name="value">
          <value>__NODE_MANAGER_PASSWORD__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
    <plugin name="OptionalGroupsSelectionPlugIn">
      <input-adapter name="IA">
        <bind-property name="selectedChoiceIds">
          <value>__OPTIONAL_ACTION_1__</value>
          <value> . . . </value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
  </group>
  <group name="PostDirSelectionPost81Group">
    <plugin name="AdminServerSelectionPlugIn">
      <input-adapter name="IA">
        <bind-property name="selectedChoiceIds">
          <value>__ADMIN_SERVER_NAME__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
    <plugin name="OptionalGroupsSelectionPlugIn">
      <input-adapter name="IA">
        <bind-property name="selectedChoiceIds">
          <value>__OPTIONAL_ACTION_1__</value>
          <value> . . . </value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
  </group>
  <group name="DomainBackupGroup">
    <plugin name="DomainDirectoryBackupPlugIn">
      <input-adapter name="FileSelectionIA">
        <bind-property name="selectedFileNames">
          <value>__BACKUP_DIR__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
      <input-adapter name="TextIA">
        <bind-property name="value">
          <value>___BACKUP_FILE_NAME__</value>
        </bind-property>
      </input-adapter>
    </plugin>
  </group>
</plugin-silent-responses>

-->

表E-3に、このスクリプトに含まれるキーワード、それらのキーワードに対して指定可能な値、および変更しない場合にWebLogicアップグレード・ウィザードで使用されるデフォルト値を示します。

表E-3 ドメインをアップグレードするためのサイレント・モードXMLスクリプトの値

キーワード 設定可能な値 キーワードのデフォルト値
WEBLOGIC_VERSION

アップグレード対象のドメインに含まれるWebLogic Serverのバージョン。脚注 1 

アップグレード対象のドメインの構成ファイル(config.xml)で識別されているWebLogic Serverのバージョン。例: 8.1.4.0。

ソフトウェアのバージョン番号がドメインの構成ファイルで指定されていない場合、バージョン番号はデフォルトで8.1.0.0と表示されます。この場合、9.0より前のドメインの実際のバージョン番号とデフォルト値が一致しなくても問題はありません。

ADMIN_SERVER_NAME

ドメインの管理サーバー・インスタンスの名前。

注意 :このキーワードにはデフォルト値がないため、値を割り当てる必要があります。管理サーバー名を入力しない場合、このサイレント・アップグレード・スクリプトによって例外が生成され、処理が終了します。

デフォルト値は割り当てられていません。

DOMAIN_DIR

アップグレード対象のWebLogicドメインが格納されているディレクトリのパス。

アップグレード・ウィザードが実行されるディレクトリ。たとえばc:\bea\user_projects\domains\mydomainです。

NODE_MANAGER_USERNAME

ノード・マネージャのユーザー名。

weblogic
NODE_MANAGER_PASSWORD

ノード・マネージャのパスワード。

weblogic
NODE_MANAGER_PASSWORD

ノード・マネージャの確認パスワード。

weblogic
OPTIONAL_ACTION_1

次のオプションを1つまたは複数指定します。

  • DOMAIN_DIRECTORY_BACKUP_SELECTED_VALUE

    このオプションを指定すると、元のドメイン・ディレクトリのバックアップがzipファイルに保存されます。

  • DOMAIN_DIRECTORY_BACKUP_LOG_FILES_INCLUDED_SELECTED_VALUE

    このオプションを指定すると、バックアップ用のzipファイルにログ・ファイルが含められます。ログ・ファイルの数と容量は多大になる可能性があるため、このオプションを無効にしてログ・ファイルをバックアップ・ファイルから除外することもできます。デフォルトでは、ログ・ファイルはバックアップ・ファイルに含められます。

  • SKIP_BACKWARDS_COMPATIBILITY_FLAGS_SELECTED_VALUE

    9.0より前のバージョンのWebLogic Serverでサポートされていた動作の一部が、9.0以降はJ2EE 1.4に準拠するよう変更されています。デフォルトでは、以前サポートされていた動作が新しいドメインで有効になるようフラグが設定されます。このオプションを指定すると、後方互換性のためのこれらのフラグが設定されません。

OPTIONAL_ACTION_1は、複数のオプションのうちいずれかが使用されるように指定できることに注意してください。例:

DOMAIN_DIRECTORY_BACKUP_SELECTED_VALUE OR
DOMAIN_DIRECTORY_BACKUP_LOG_FILES_INCLUDED_SELECTED_VALUE OR
SKIP_BACKWARDS_COMPATIBILITY_FLAGS_SELECTED_VALUE
DOMAIN_DIRECTORY_
BACKUP_SELECTED_VALUE, DOMAIN_DIRECTORY_
BACKUP_LOG_FILES_INCLUDED_SELECTED_VALUE
BACKUP_DIR

バックアップ用のzipファイルが格納されるディレクトリのパス。

実行されるアップグレード・ウィザードが格納されているディレクトリ。たとえばc:\bea\user_projects\domains\mydomainです。

BACKUP_FILE_NAME

バックアップ用のzipファイルの名前。

weblogic-domain-backup-mydomain.zip


脚注 1 WebLogic Serverの複数のバージョンを指定する場合は6.1 OR 7.0 OR 8.1 OR "9.0 or higher"のようにします。