Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド 11gリリース1 (11.1.1.7.0) B66694-02 |
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この付録では、アプリケーションおよび統合Excelワークブックの使用時にエンド・ユーザーが実行するアクションについて説明します。たとえば、ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションのインストール、統合Excel以外のワークブックからのデータのインポート、実行時のワークブックの変更、ワークブックでの日付/時刻の値のタイムゾーン変換の処理について説明します。
この付録で説明するアクションは、開発したFusion WebアプリケーションがMaster Price Listモジュールのように機能することを前提としています。
この付録の内容は次のとおりです。
エンド・ユーザーはADFデスクトップ統合のランタイム・エディションを、クライアント・インストーラを使用してインストールできます。
ADFデスクトップ統合のクライアント・インストーラを実行すると、必要なソフトウェアがシステムにインストールされているかどうかが検証されます。必要なソフトウェアの詳細は、次の項を参照してください。
注意:
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ランタイム・エディションをインストールするには、クライアント・インストーラがエンド・ユーザーのローカル・システムで使用可能になっている必要があります。システム管理者に、エンド・ユーザーがクライアント・インストーラ・ファイルを使用できるように依頼します。
ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションをインストールするには:
MW_HOME
\oracle_common\modules\oracle.adf.desktopintegration_11.1.1
ディレクトリ(MW_HOME
はミドルウェア・ホーム・ディレクトリ)にナビゲートします。
adfdi-excel-runtime-client-installer.zip
の内容をエンド・ユーザーのローカル・ファイル・システムの一時ディレクトリ(D:\Oracle\ADFDI_Client
など)に抽出します。
一時ディレクトリの完全修飾パスは248文字よりも少なくする必要があります。
adfdi-excel-runtime-client-installer.zip
ファイルの抽出先ディレクトリにあるsetup.exe
ファイルを実行します。
図H-1に、setup.exe
ファイルのローカル・システム上の場所およびランタイム・エディションのインストールの例を示します。
setup.exe
で起動したダイアログ・ボックスに表示される手順に従い、必要なコンポーネントを正しくインストールします。
プロンプトが表示された場合は「はい」をクリックしてシステムを再起動し、ADFデスクトップ統合の設定を完了します。
警告: ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションのインストール後、クライアント・インストーラ・ファイルをコピーしたディレクトリを削除しないでください。ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションをシステムから削除した後は、それらのファイルを削除できます。 |
Microsoft Windowsの「コントロール パネル」を使用して、ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションをシステムから削除します。
ADFデスクトップ統合のアドインを削除するには:
Windowsの「スタート」ボタンをクリックして、「コントロール パネル」を選択します。
「コントロール パネル」で、「プログラムと機能」を選択して開きます。
「プログラムのアンインストールまたは変更」ウィンドウでOracle ADFデスクトップ統合のExcel用ランタイム・アドインのエントリを選択して「アンインストール」をクリックします。
ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションをアップグレードするには、古いクライアント・バージョンをアンインストールし、新しいバージョンをインストールします。
ランタイム・エディションのアンインストールの詳細は、H.1.2項「ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションの削除方法」を、ランタイム・エディションのインストールの詳細は、H.1.1項「ADFデスクトップ統合のランタイム・エディションのインストール方法」を参照してください。
統合ExcelワークブックのADF表コンポーネントを使用して、Fusion Webアプリケーションにデータ行の大規模なバッチをアップロードする場合、エンド・ユーザーは、統合されていないExcelワークシートでこれらのデータ行を準備できます。その後、ADF表コンポーネントのUpload
アクションを起動する前に、ADF表コンポーネントにデータを挿入できます。
統合されていないExcelワークブックでデータを準備するには:
統合されていないExcelワークシートで、統合ExcelワークブックのADF表コンポーネントのレイアウトと一致するように、データのレイアウトを配置します。
たとえば、ADF表コンポーネントにProduct
、Price
およびDescription
などの列が含まれている場合、統合されていないExcelワークシートでこのレイアウトを複製します。
ヒント: ADF表コンポーネントの列ヘッダーを、統合されていないExcelワークシートにコピーします。 |
Excelの機能を使用して、手順1で配置した、統合されていないExcelワークシートの列の下に、データ行をインポートします。
TreeNodeListサブコンポーネントを使用するADF表コンポーネントの列に挿入される行の値は、値リストに含まれる選択肢の1つと一致する必要があります。
ヒント: このような行に対して適切な制約が定義され、複製が可能になるように、ADF表コンポーネントの行を統合Excelワークブックから同じワークブックの別のワークシートへコピーします。 |
統合されていないExcelワークブックからADF表コンポーネントへデータを挿入するには:
ADF表コンポーネントで、n行のダウンロードされた既存の行またはADF表コンポーネントの最後にある新しい行を選択します(nは挿入する行数)。
右クリックしてExcelのポップアップ・メニューから「挿入」を選択します。
統合されていないExcelワークシートで、手順2で作成したADF表コンポーネントの行に挿入するセルを選択します。
警告: 統合されていないExcelワークシートで、行や列ではなく、セルを選択してください。 |
Excelメニューで「ホーム」→「コピー」を選択します。
ADF表コンポーネントで、手順2で挿入した行の左上隅のセルを選択します。
Excelメニューで「ホーム」→「貼り付け」を選択します。
7.8項「ADF表コンポーネントから変更をアップロードするためのADFコンポーネントの構成」に従って構成した専用の機能を使用して、ADF表コンポーネントのUpload
アクションを起動できます。
Excelワークブックと統合するFusion Webアプリケーションで、シングル・サインオンなどのセキュリティ・メカニズムを使用する場合、 エンド・ユーザーが統合ExcelワークブックにアクセスするシステムのCookieに、個人識別情報を格納できます。エンド・ユーザーは、Microsoft Internet Explorerを使用してこの情報を削除できます。エンド・ユーザーは、アクティブなCookieベースのWebセッションをすべて無効にするために、ログアウトしてすべての統合Excelワークブックを閉じる必要があります。
個人情報の削除の詳細は、Microsoft Internet Explorerのドキュメントを参照してください。
開発者が第14章「統合Excelワークブックのデプロイ」に従って最終の統合Excelワークブックを公開およびデプロイした後、エンド・ユーザーは実行時にワークブックに対して次の変更を行えます。
ADF表コンポーネントまたはADF読取り専用表コンポーネントからの列の削除
ADFボタン・コンポーネント以外のADFコンポーネントを移動するためのセルのドラッグ・アンド・ドロップ
ADF表コンポーネントへの新しい行の挿入
ADF表コンポーネントまたはADF読取り専用表コンポーネントの列の順序変更
ADF表コンポーネントまたはADF読取り専用表コンポーネントの列間への統合されていない列の挿入
ただし、実行時のワークブックへの変更には、統合の破損を引き起こす、サポート対象外のものもあります。実行時に許可されない変更の詳細は、H.5項「実行時の統合Excelワークブックの制限」を参照してください。
ADFデスクトップ統合コンポーネントの実行時の変更には、既知の制限があります。
ADF読取り専用表コンポーネントの列の移動 – エンド・ユーザーがADF読取り専用表コンポーネントの列を移動して表の一番左の列にした場合、エンド・ユーザーがデータをダウンロードしようとすると、ADFデスクトップ統合によって例外が生成されます。
この問題を解決するには、変更を保存せずにワークブックを閉じて開きなおす必要があります。
統合Excelワークシートの削除 – エンド・ユーザーが統合Excelワークシートを削除した場合、エンド・ユーザーが統合Excelワークブックを保存しようとすると、ADFデスクトップ統合によって例外が生成されます。
この問題を解決するには、変更を保存せずにワークブックを閉じて開きなおす必要があります。
その他の既知の制限:
Excelの「条件付き書式」機能は、ADFデスクトップ統合の表コンポーネントでは効果的に使用できません。
エンド・ユーザーが統合Excelワークシートで拡大または縮小を行うと、ADFボタン・コンポーネントは無効になります。ADFボタン・コンポーネントがアクティブになるのは、ズームが100%の場合のみです。
ADFデスクトップ統合テクノロジおよび統合Excelワークブックを初めて使用するエンド・ユーザーは、次に示す一般的なアクションについて理解しておく必要があります。
変更済データのアップロード後にすべての行をダウンロードするには、「アップロード・オプション」ダイアログ・ボックスの「正常にアップロードした後はすべての行をダウンロードします」チェック・ボックスが選択されていることを確認します。
変更をアップロードする前に、変更されたすべての行の「変更済」列に、上向き三角形のマークが付いていることを確認してください。上向き三角形をダブルクリックすると、このマークが削除され、関連する行のデータはアップロードされません。
テキスト・スタイルで書式設定されているセルの数値または日付値の書式が、データのアップロード時にExcelで保持されるようにするには、値を入力する前にアポストロフィ記号(')を追加します。アポストロフィ記号はエスケープ文字として機能するため、値と一緒に表示されません。
表のキー列のいずれのセルも、削除、編集またはクリアしないでください。これらの値を変更すると、アップロードの失敗およびデータの破損につながる可能性があります。
Excelの「シートの保護」または「ブックの保護」の設定を変更しないでください。これらの設定は、「校閲」タブの「変更」グループに含まれています。
Webアプリケーションと統合されているセルから値を消去するには、Excelのセルを削除するのではなく、セルの値をクリアします。
Fusion Webアプリケーションがhttps
プロトコル上で実行されていて、クライアントにセキュリティ証明書をインストールしていない場合、統合Excelワークブックではログイン時にエラーが発生し、接続は確立されません。接続を確立するには、セキュリティ証明書をインストールする必要があります。Excelから証明書をインストールできない場合は、Internet Explorerを開いて同じWebサイトにナビゲートします。証明書のインストールを求めるプロンプトが表示されます。
一部のADFコンポーネントに含まれるセルが、ダブルクリックに反応してアクションを実行するように構成されていることがあります。ADF表コンポーネントの「ステータス」列のセルは、その一例です。これらのセルを右クリックして、「処理の起動」を選択することもできます。
行の挿入または削除、ADF表のデータのソートなどの一般的なアクションについては、後続の項で説明します。
ADF表コンポーネントに行を挿入する際には、ワークシートの行全体を挿入し、すべての必須列にデータを追加します。詳細は、7.5項「データを挿入するためのADF表コンポーネントの構成」を参照してください。
1つ以上の行があるADF表の場合、表の最後の行の後にはプレースホルダ行がありません。そのため、表の最終行の後のワークブック・セルに挿入されたデータは、アップロードされません。最終行の後の行のデータをアップロードするには、Excelの行全体を挿入する必要があります。
ADF表コンポーネントに行を挿入するには:
ADF表コンポーネントで行ヘッダーをクリックし、新しい行の挿入位置の下の行全体を選択します。
行を選択した状態で右クリックし、「挿入」を選択します。
選択した行の上に、新しい行が挿入されます。
注意:
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表のデータをソートするには、Excelの「並べ替えとフィルタ」コマンドを選択します。
特定の列を基準にADF表のデータをソートするには:
ソートする列のヘッダーまたは任意のセルを選択します。
「ホーム」タブの「編集」グループで、「並べ替えとフィルタ」をクリックします。ドロップダウン・リスト・オプションから、目的のソート順序を選択します。
複数の列を基準に表のデータをソートするには:
表の任意のセルを選択します。
「ホーム」タブの「編集」グループで、「並べ替えとフィルタ」をクリックして「ユーザー設定の並べ替え」選択します。
「並べ替え」ダイアログで列を追加し、その優先順序を設定します。「先頭行をデータの見出しとして使用する」チェック・ボックスが選択されていることを確認してください。
「OK」をクリックします。
行のセルの値をクリアしても行は削除されず、Excelワークシートから行を削除しても、その行はWebアプリケーションから削除されません。
ADF表コンポーネントの行を削除するには、「フラグ付き」列の各セルをダブルクリックして行にフラグを付け、それぞれの削除ボタンをクリックします。行のフラグ付けの詳細は、7.10.2項「ADF表コンポーネントでの行のフラグ付け」を参照してください。
注意: 表に「フラグ付き」列が含まれていない場合、その表から列を削除することはできません。 |
統合Excelワークブックを構成して、日時を表すデータ値の取得、編集および送信を実行できます。システム・タイムゾーンの変更時に日時データを管理するための固有のサポートがExcelには用意されていないため、ADFデスクトップ統合は、ワークブックのタイムゾーンの変更を追跡し、検出します。ワークブックを開いたときにエンド・ユーザーにタイムゾーンの更新を通知し、その後、ワークブックの日時データをシステムの現在のタイムゾーン設定に変換します。
たとえば、アリゾナ(GMT -07:00)にいるエンド・ユーザーがサーバーから統合Excelワークブックへデータをダウンロードし、ワークブックの日時データを編集して保存したものの、アップロードしなかったとします。その後、ソウルに旅行してコンピュータのタイムゾーンの選択をGMT +09:00に変更したとします。このソウルのタイムゾーンに変更した後、エンド・ユーザーがワークブックを開き、メッセージを受信すると、ADFコンポーネントのすべての日時データの値がGMT -07:00(アリゾナ)からGMT +09:00(ソウル)に変換されます。