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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルのプランニング
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1 Oracle WebCenter Portalでのポータルのプランニング

このガイドでは、ポータル開発プロジェクトの出発点を提供します。ここでは、ポータルとそのユースケースの概要、適切な開発手法の選択方法、およびプランニングが必要な開発タスクの種類について説明します。可能なかぎり、このガイドでは、Oracle WebCenter Portalドキュメント・セットに含まれる背景情報や実装の詳細へのリンクを提供します。

1.1 プランニング・ガイドの役割

企業では、Oracle WebCenter Portalを使用して、企業規模のイントラネットおよびエクストラネット・ポータルを構築します。通常、Oracle WebCenter Portalを使用して構築されたポータルでは、何千ものユーザーによる、複数のバックエンド・ソースからのコンテンツおよびデータの作成、更新およびアクセスがサポートされます。ユーザーの観点から見た場合、統合はシームレスです。

図1-1は、ポータルの基本的な構造を示しています。ヘッダー領域内の企業ロゴによるブランド、「サインイン」リンク、ナビゲーション領域、コンテンツ領域などがあります。

図1-1 Oracle WebCenter Portalを使用して構築されたサンプル・ポータル

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle WebCenter Portalを使用して構築されたサンプル・ポータル」の説明

このプランニング・ガイドの重要な目的は、読者がプランニング・プロセスにおいて、情報に基づく決定を、迅速かつ適切に下すことができるようにすることです。ポータル・アーキテクトまたは設計者にとっての最初の課題は、基礎となる最適な開発手法を選択することです。後ほど説明しますが、この選択によって、ポータル・プロジェクトの全体的な方向性と実装が決まります。選択できるのは、WebCenter Portal Frameworkを使用したJDeveloper中心の手法またはポータル・ビルダーを使用したブラウザ中心の手法です。これらの手法については、このガイドの第1.8項「ポータルの開発手法の選択」で説明します。

最初に、ポータル(Oracle WebCenter Portalを使用して構築されたポータルを含む)で提供されるいくつかの一般的な機能と、ポータルが企業にもたらす多くの利点について説明します。ポータルのテクノロジとユースケースについて理解している場合は、第1.5項「Oracle WebCenter Portalの起動と実行」に進んでください。

1.2 ポータルとは

ポータルでは、データ、コンテンツ、ビジネス・アプリケーションおよびサービスへのセキュアなアクセスが提供されます。通常、ポータルで提供されるのは、パーソナライズされた情報とコンテンツ、および複数のバックエンド・ソースから集約されたアプリケーションと情報の統合ビューです。ポータルは、従業員、チーム・メンバー、顧客、ビジネス・パートナといったユーザーのコラボレーション環境としても機能します。

wcgs_7_p2.gifの説明が続きます
図wcgs_7_p2.gifの説明

企業では、ポータルを様々に工夫して使用できます。

このような場合、ポータルをOracle Enterprise SuiteなどのOracleビジネス・アプリケーション、またはOracle BPMやOracle Business IntelligenceなどのFusion Middlewareコンポーネントに統合できます。

ポータルが持っている価値の大部分は、データ、コンテンツ、ビジネス・アプリケーションおよびサービスを、統合されたユーザー・エクスペリエンスに集約(ブラウザ、スマートフォン、タブレットなどに表示)する方法にあります。

pywcp_solution.gifの説明が続きます
図pywcp_solution.gifの説明

WebCenter Portalユーザーは、ポータルに表示されるデータ、コンテンツおよびアプリケーションが、多くの場合、まったく異なるバックエンド・ソースから取得されていることに気付かない場合があります。さらに、集約されたこれらのコンポーネントは、ポータル主導のイベントを通じて、ブラウザ内で相互に対話できます。ユーザーには、すべての内容がシームレスな統合インタフェース内で提供されます。

1.3 Oracle WebCenter Portalの主な機能の理解

Oracle WebCenter Portalでは、ポータルの迅速な作成とデプロイを可能にする、オープンかつセキュアで、標準ベースの拡張可能なフレームワークが提供されます。この項では、Oracle WebCenter Portalの主な機能について、その一部を簡単に説明します。

1.3.1 ポータルのセキュリティ

新しいポータルを作成する際、そのポータルにアクセスできるユーザーを定義する、特定のセキュリティ・ポリシーを設定できます。通常、ポータルでは、ユーザーがログイン・ページを通じて認証を受けるよう求められます。ポータル・ページおよびコンポーネントへのアクセスは、委任管理を通じて指定できます。委任管理では、ユーザー・ロールに基づいてポータル・リソースを保護するメカニズムが提供されます。たとえば、あるロール(マネージャなど)のユーザーにすべてのポータル機能へのアクセスを許可し、それ以外のロール(従業員など)のユーザーには特定の機能を非表示にできます。

詳細は、次の資料を参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のセキュリティの理解に関する項も参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータル内のセキュリティ管理に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のユーザーに対するポータルへのアクセス権の付与に関する項

セキュリティについては、このプランニング・ガイドの第1.11項「ロールに基づく表示」で詳しく説明します。

1.3.2 その他のOracle製品およびアプリケーションとの統合

Oracle WebCenter Portalは、合理化されたユーザー・エクスペリエンスを提供するために、多くのOracleテクノロジおよびアプリケーションと統合および動作保証されています。

ポータルで使用したり、ポータルに統合できるその他のテクノロジには、Oracle Fusion Applications、Oracle Identity Management Suite、Oracle SOA Suite、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle eBusiness Suite、さらにPeopleSoft、SiebelおよびJD Edwardsエンタープライズ・アプリケーションがあります。

詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のその他のOracleアプリケーションとの統合に関する項を参照してください。

1.3.3 Oracle WebCenter Contentとの統合

Oracle WebCenter PortalはOracle WebCenter Contentと統合されているため、柔軟かつセキュアで集中化されたWebベースのリポジトリによって、コンテンツ・ライフ・サイクルのすべてのフェーズ(作成と承認から公開、検索、失効およびアーカイブや配置に至るまで)を管理できます。

たとえば、認可されたユーザーがコンテンツをポータルにアップロードした場合、そのコンテンツをOracle WebCenter Contentに格納して管理できます。Oracle WebCenter Contentでは、複数のバージョンの格納、アーカイブへの使用、承認プロセスとワークフローの管理、および様々なレンダリングの作成が可能です。

Oracle WebCenter Portalのコンテンツ・プレゼンタ機能を使用すると、ポータル内のコンテンツの選択およびプレゼンテーションを正確にカスタマイズできます。コンテンツ・プレゼンタは、接続先のOracle WebCenter Contentと密接に統合されています。

コンテンツの統合については、第1.8.1.3項「ポータル・ビルダーを使用したポータルへのコンテンツの統合」および第1.8.2.3項「ポータル・フレームワークを使用したポータルへのコンテンツの統合」で詳しく説明します。

詳細は、次の資料を参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のコンテンツ・リポジトリの管理に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のコンテンツの操作の概要に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のコンテンツ・プレゼンタを使用したコンテンツの公開に関する項

1.3.4 検索の統合

Oracle Secure Enterprise Search (Oracle SES)は、WebCenter Portalのデフォルトの検索プラットフォームです。Oracle SESでは、優れたスケーラビリティとパフォーマンスが提供されます。また、統合ランキング結果と外部リポジトリの検索も提供されます。

詳細は、次の資料を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルへの検索の追加に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の検索の統合に関する項

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のWebCenter PortalでのOracle Secure Enterprise Searchの管理に関する項

1.3.5 ポータルへのツールとサービスの統合

Oracle WebCenter Portalには、ポータルに統合できる様々なツールとサービスが含まれています。これらのツールとサービスには、ドキュメントとコンテンツの管理、ディスカッション・フォーラム、Wiki、ブログ、タグ付け、アクティビティ追跡、パーソナライズ、投票などがあります。

多くの場合、なんらかのバックエンド構成が必要になります。たとえば、ポータル内でディスカッションを使用するには、ディスカッション・サーバーが稼働しており、サーバーへのバックエンド接続が構成されている必要があります。これらの実装タスクの詳細は、Oracle WebCenter Portalのドキュメントを参照してください。

ツールとサービスのわかりやすい概要、および詳細な背景情報へのリンクについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータル・ツールおよびサービスの概要に関する項を参照してください。

ツールとサービスの統合については、第1.9項「ツールとサービスのプランニング」で詳しく説明します。

1.3.6 デバイスのサポート

WebCenter Portalは、デフォルトで、よく使用される様々なブラウザ、スマートフォンおよびタブレットでサポートされます。また、WebCenter Portalでは、ポータル・ビルダーから開発およびデプロイできるモバイル・デバイス・テンプレートを使用して、このようなデバイスのサポートを追加できます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「デバイス設定の管理」の章を参照してください。

1.3.7 ポートレットのサポート

標準ベースのポートレットは、複数のソースからのデータを意味のある関連した方法で提示する手段を提供します。ポートレットでは、他のWebサイトからの抜粋の表示、主要情報のサマリーの生成、検索の実行および多様なデータ・ソースの情報を収集したコレクションへのアクセスなどを実行できます。様々なポートレットを単一のページに配置できるため、ユーザーはコンテンツが実際には複数のソースからのものであっても単一のソースとして利用できます。

詳細は、次の資料を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のポートレットの概要に関する項

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のポートレット・プロデューサの管理に関する項

1.3.8 ページレットのサポート

ページレットは、再使用可能なユーザー・インタフェース・コンポーネントです。任意のHTMLフラグメントをページレットにできますが、ページレット開発者は、パラメータ化された構成可能なページレットを記述し、その他のページレットと動的にやりとりし、ユーザー入力に応答するようにすることもできます。ページレットは、ポータルやその他のWebアプリケーション内など、任意のWebページで実行できます。ページレットを使用すれば、他のWeb環境でプラットフォーム固有のポートレットを公開できます。Oracle WebCenter Portalのページレット・プロデューサは、動的ページレットの開発を容易にする有用なツールと機能のコレクションを提供します。

詳細は、次の資料を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の「ページレット・プロデューサを使用したページレットの作成」の章

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「ページレット・プロデューサの管理」の章

1.3.9 ローカライズされたコンテンツと言語のサポート

ポータルを複数の国のユーザーに表示する場合、ユーザーが選択した言語とロケールに基づいて、ローカライズされたコンテンツを表示できます。

また、選択するロケールによっては、そのロケールに適用される特殊な書式設定を考慮する必要があります。たとえば、情報の通常の表示方向(左から右または右から左)や、数字の表記(通貨情報など)を考慮する必要があります。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のデフォルト表示言語の選択に関する項を参照してください。

1.3.10 ポータルのライフ・サイクル

ポータルのライフ・サイクルとは、ポータルの開発から本稼働までの過程を表します。ライフ・サイクルのフェーズには、通常、開発、テスト、ステージングおよび本稼働が含まれます。各フェーズでは特定のタスクを実行する必要があります。コンテンツ・リポジトリの設定など、一部のタスクは、特定の環境で一度のみ実行します。コンテンツの更新など、他のタスクは、より頻繁に実行します。

通常は、ポータルに必要なバックエンド・サービスや、各環境のポータルによって使用されるアプリケーションをインストールして構成します。たとえば、ステージング環境には、Oracle WebCenter Contentなどの専用のコンテンツ・サーバーの他に、専用のポートレット・プロデューサ・サーバー(WC_Portlet)、分析、アクティビティ・グラフおよびデータ統合用のユーティリティ・サーバー(WC_Utilities)、およびディスカッションとお知らせ用のコラボレーション・サーバー(WC_Collaboration)を配置することが考えられます。ステージング・サーバーは、通常、本番サイトのミラーとして保持されます。詳細な説明と図については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のOracle WebCenter Portalのトポロジに関する項を参照してください。

ポータル・プランニング・プロセスでは、ポータルだけでなく、そのアセット、データおよびコンテンツを、ある環境から別の環境に移行する方法も理解する必要があります。ポータルのライフ・サイクルに対してポータル・ビルダーおよびポータル・フレームワークを使用する手法については、このガイドの後述の第1.8.1.1項「ポータル・ビルダーを使用したポータルのライフ・サイクルの管理」および第1.8.2.1項「ポータル・フレームワークを使用したポータルのライフ・サイクルの管理」を参照してください。

1.3.11 アセットのラウンドトリップ開発

ラウンドトリップ開発とは、メンテナンスや拡張のため、デプロイされた実行時ポータルからJDeveloperに、スキンやページ・テンプレートなどのポータル・アセットを戻すことができる機能および技法です。JDeveloperでアセットを編集した後、デプロイされたポータルにアセットをアップロードしなおすことができます。ラウンドトリップ開発機能では、アプリケーション全体を再デプロイしなくてもポータル・アセットを変更できる簡単で便利な方法が用意されています。

ポータル・ビルダーおよびポータル・フレームワークでラウンドトリップ開発をサポートする方法については、後述の第1.8.1.2項「ポータル・ビルダーを使用したアセットのラウンドトリップ開発」および第1.8.2.2項「ポータル・フレームワークを使用したアセットのラウンドトリップ開発」を参照してください。

1.4 ポータルの一般的なユースケース

多くの企業では、Oracle WebCenter Portalを使用して、次に示す基本的なタイプのポータルを作成します。

このようなポータルの基本的な要件について、その一部を詳しく見ていきましょう。

1.4.1 企業のイントラネットおよびエクストラネット・ポータル

イントラネット・ポータルを使用すると、組織内のユーザーによるコラボレーション、重要な情報へのアクセスおよびセルフサービスのセキュアな取得が可能になります。イントラネット・ポータルには、数多くの用途があります。その一部を次に示します。

  • セルフサービス・ポータルを使用すると、従業員によるタイム・カードの更新、休暇の申請、パフォーマンスの評価および有益な情報の表示が可能になります。

  • 企業規模の情報やお知らせは、ポータルのすべてのユーザーに提供されます。

  • チームはプロジェクトやプログラムに関する共同作業を行い、ドキュメントを共有したり、アクティビティを追跡します。

エクストラネット・ポータルでは、対象が組織の外部まで拡大され、顧客やベンダー向けのサービスが提供されます。エクストラネットには、次のようなユースケースがあります。

  • 認可されたユーザーに、ポータルの機能へのログインとアクセスを許可します。たとえば、ベンダーはサイトにアクセスして、入札の機会や状況を確認する場合があります。顧客は製品の購入、支払履歴の表示、サポートの依頼などを行うことができます。

  • カスタム・アプリケーション機能を、ポートレット、ビジネス・マッシュアップまたはタスク・フローとしてポータルに提供します。

  • 一貫性のあるルック・アンド・フィールをユーザーに提供し、企業ブランドを強調します。顧客固有のブランドが必要になる場合があります。

イントラネットおよびエクストラネット・ポータルの一般的な要件は、次のとおりです。

WebCenter Portalを使用すると、これらすべての要件と、その他多くの要件を満たすことができます。

このようなポータルの構築に必要なスキル・セットは、様々な要因によって異なります。このようなタイプのポータルで、通常必要になるスキル・セットの大まかなリストを次に示します。ここで説明するポータル・チームの役割をもう一度確認するには、第1.6項「ポータル・チームの構築: 人物紹介」を参照してください。

  • アプリケーション・スペシャリストは、ブラウザベースのツールを使用してポータルを構築します。

    あるいは、開発者はJDeveloperでポータル・アプリケーションを作成します(第1.8項「ポータルの開発手法の選択」で説明されているように、実行する手法によって異なります)。

  • ナレッジ・ワーカーは、毎日コンテンツを追加および保守します。

  • アプリケーション・スペシャリストは、バックエンド・アプリケーションをポータルに統合します。

  • システム管理者は、ポータル・デプロイメントの管理、アプリケーション、データベースおよびコンテンツ・リポジトリへのバックエンド接続の確立、およびグローバル・レベルでのポータル・セキュリティの管理を行います。

  • Web設計者は、ポータルに一貫性のあるルック・アンド・フィールとブランドを提供することに取り組みます。

  • 選択した開発手法によっては、開発者はPortal Frameworkアプリケーションを作成する場合があります。開発者は、JDeveloperを使用してカスタム・コンポーネントを開発およびデプロイします。第1.8項「ポータルの開発手法の選択」を参照してください。

詳細

  • 第1.6項「ポータル・チームの構築: 人物紹介」

  • 第1.8項「ポータルの開発手法の選択」

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のWebCenter Portalを使用したポータルの構築の概要に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のWebCenter Portalフレームワーク・アプリケーションの理解に関する項

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperによるポータルの開発のJDeveloperを使用したWebCenter Portal用コンポーネントの開発に関する項

1.4.2 チーム・コラボレーション・ポータルの構築

通常、このタイプのポータルは、ドキュメントやその他の情報の共有、およびそれらに対するコラボレーションを必要とする、企業内のグループによって使用されます。

  • チーム・ポータルを使用すると、特定のプロジェクトに関するコラボレーションや、すべての従業員を対象とするトレーニング・コンテンツを提供できます。

  • チーム・ポータルは、企業内のユーザーに公開したり、認可されたユーザー(通常は、チーム・メンバーやその他の招待ユーザー)のみに使用を制限できます。

  • チーム・ポータルを使用すると、ユーザーにドキュメントの投稿、表示および編集を許可できます。

  • コラボレーション・ポータルには、アクティビティ追跡も含まれる場合があるため、ユーザーは、他のアクティビティでドキュメントが追加または変更されたときに、そのことを確認できます。

チーム・コラボレーション・ポータルの主な機能は、次のとおりです。

  • チーム・ポータルを作成、プロビジョニングおよび保守するために、IT部門が作業を行う必要はありません。これらは主に、ナレッジ・ワーカーとアプリケーション・スペシャリストによって保守されます。これらの役割と、その他のポータル・チームの役割については、第1.6項「ポータル・チームの構築: 人物紹介」を参照してください。

  • ポータル・ビルダーを使用すると、複数のチーム・ポータルを1つのWebCenter Portalインスタンス内でホストできるようになります。第1.8.1項「ポータル・ビルダーを使用する手法の検討」を参照してください。

  • ドキュメントを共有したり、アクティビティ・ストリーム、Wiki、ブログなどのソーシャル・コンポーネントを使用できます。第1.9項「ツールとサービスのプランニング」を参照してください。

  • システム管理者が管理権限を委任した場合、チーム・リーダーとその他の個人は自らチーム・ポータルを管理できます。これにより、IT部門のコストが削減され、最小限のサポート・オーバーヘッドで多くのユーザーをサポートできるようになります。第1.11項「ロールに基づく表示」を参照してください。

一般的なスキル・セットを次に示します。ここで説明するポータル・チームの役割をもう一度確認するには、第1.6項「ポータル・チームの構築: 人物紹介」を参照してください。

  • ナレッジ・ワーカーは、ブラウザベースのツールを使用してポータルを構築および保守する作業を中心的に行います。

  • アプリケーション・スペシャリストは、必要に応じてバックエンド・アプリケーションをポータルに統合します。

  • Web設計者は、ポータルに一貫性のあるルック・アンド・フィールとブランドを提供することに取り組みます。

  • システム管理者は、ポータル・デプロイメントの管理、アプリケーション、データベースおよびコンテンツ・リポジトリへのバックエンド接続の確立、およびグローバル・レベルでのポータル・セキュリティの管理を行います。

  • JDeveloperを使用する開発者は、ポータルを構築および保守するナレッジ・ワーカーとその他のメンバーに提供するカスタム・コンポーネントを構築します。

これらのポータル・チームの役割については、第1.6項「ポータル・チームの構築: 人物紹介」を参照してください。選択した開発手法がこれらの主な役割に与える影響については、第1.8項「ポータルの開発手法の選択」を参照してください。

詳細

ポータルの作成と管理については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』を参照してください。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』では、WebCenter Portalで提供される機能の使用方法が重点的に説明されており、これはすべてのポータル・ユーザーに役立ちます。

1.5 Oracle WebCenter Portalの起動と実行

この項では、Oracle WebCenter Portalのインストールと構成に関するドキュメントへのリンクを提供します。通常は、システム管理者がこれらの作業を行います。詳細は、次を参照してください。

Oracle WebCenter Portalでは、インストールを完了した後、管理上の構成をある程度行う必要があります。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理』では、Oracle WebCenter Portalの標準のポータル・アプリケーション「WebCenter Portal」、およびJDeveloperを使用して構築したすべてのポータル・アプリケーションの設定、実行および管理に関して知っておく必要があるすべてのことについて説明します。詳細は、次の資料を参照してください。

1.6 ポータル・チームの構築: 人物紹介

WebCenter Portal製品およびドキュメントは、ユーザーの人物像に注意して設計されています。つまり、特定のユーザーが、自分の役割に応じて特定の種類のタスクを実行するという考え方です。このような人物と、それらが通常実行するタスクの種類を理解することは、企業全体のポータルを作成および管理する上で役立つ場合があります。

人物の概要と、それらが通常実行するタスクおよび使用するツールを次に示します。

各人物に最も適したガイドなどの詳細は、WebCenter Portalの各主要ガイドの先頭に記載された、「人物紹介」の章を参照してください。

1.7 Oracle WebCenter Portalドキュメント・セットの紹介

この項では、第1.6項「ポータル・チームの構築: 人物紹介」で概説したOracle WebCenter Portalの主要ガイドとそれらの対象読者を示します。

1.8 ポータルの開発手法の選択

設計に関して行う最初の決定は、ポータルの基礎となる開発手法を選択することです。Oracle WebCenter Portalでは、ポータル・ビルダーおよびポータル・フレームワークという2つのまったく異なる開発手法を使用できます(図1-2を参照)。ポータル・プロジェクトの実装、管理およびライフ・サイクルに関するタスクのほとんどは、選択する手法によって異なります。

図1-2 開発手法の選択

図1-2の説明が続きます
「図1-2 開発手法の選択」の説明

この項では、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワークの両方を使用した手法について詳しく説明し、これら2つを比較します。その後、それぞれの手法で一般的に実行されるタスクを示します(また、各タスクの詳細へのリンクを提供します)。

1.8.1 ポータル・ビルダーを使用する手法の検討

ポータル・ビルダーは、ポータルの構築を目的とする、ブラウザベースのパッケージ化された環境です。ポータル・ビルダーを使用する場合、ポータル作成者はデフォルトまたはカスタムのポータルおよびページ・テンプレートを選択するため、ポータル作成プロセスが単純化および標準化されます。

ドラッグ・アンド・ドロップによって簡単に、コンテンツ、レイアウトおよび機能のコンポーネントをポータルに追加できます。ポータル・ビルダーは、アプリケーション・スペシャリストナレッジ・ワーカーに適しています。ポータル・ビルダーは、個々のポータルを作成、構築、カスタマイズおよび管理するために使用できます。ポータル・ビルダーには、システム管理者がポータルのグローバル設定を管理するために使用できる管理ページも含まれています。図1-3は、ブラウザ内のポータル・ビルダーを示しています。

図1-3 ポータル・ビルダーでの新しいポータルの作成

図1-3の説明が続きます
「図1-3 ポータル・ビルダーでの新しいポータルの作成」の説明

ポータル・ビルダーを使用する際、ADFやJavaなどの開発者のスキルが必要になるのは、WebCenter Portalによってデフォルトで提供されないカスタム・コンポーネントを開発する場合のみです。開発者はJDeveloperを使用して、ポータル・ビルダーで提供できる、スペシャリスト・スキン、ページ・スタイル、ページ・テンプレート、コンテンツ表示テンプレート、ナビゲーション、リソース・カタログ、データ・コントロール、タスク・フロー、ポートレットおよびマネージドBeanを構築およびデプロイできます。

ポータル・ビルダーが複数ポータルのソリューションであることは、知っておく必要があります。企業用に1つのインスタンスをインストールし、その中で複数のポータルをホストできます。最初はデフォルト・テンプレートを使用し、後からそれらをカスタマイズできます。通常は、システム管理者によって管理権限を委任された特定の個人が自らポータルを管理するため、IT部門のコストを削減し、最小限のサポート・オーバーヘッドで多くのユーザーをサポートできます。ポータル・ビルダーは、モバイル・デバイスのサポートと機能が組込みで提供される唯一の手法です。

ポータル・ビルダーを使用したポータルの構築と管理に必要なすべての知識は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』に記載されています。

1.8.1.1 ポータル・ビルダーを使用したポータルのライフ・サイクルの管理

ポータル・ビルダーを使用して構築したポータルのライフ・サイクル要件は、Portal Frameworkアプリケーションと似ており、ポータルを開発/ステージング環境から本番環境に移行する必要があることです。ポータル・ビルダーを使用すると、簡単に、ポータル全体または個々のアセットをエクスポートし、それらを異なる環境にインポートできます。第1.8.1.2項「ポータル・ビルダーを使用したアセットのラウンドトリップ開発」も参照してください。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のWebCenter Portalのライフ・サイクルの理解に関する項を参照してください。

ある環境から別の環境へのポータルの移行の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のポータルのデプロイに関する項を参照してください。

1.8.1.2 ポータル・ビルダーを使用したアセットのラウンドトリップ開発

ポータル・ビルダーでは標準で、スキンやページ・テンプレートなどのデフォルト・アセットがいくつか提供され、それらを直接使用したり、要件に合わせて変更できます。ポータル・ビルダーで提供される、ブラウザベースの編集機能を使用してもアセットの要件に対処できない場合は、特殊なJDeveloperプロジェクトであるWebCenterSpacesResources内から、さらに開発を進めることができます。このプロジェクトはJDeveloperワークスペースの一部であり、Oracle Technology Networkからダウンロードできます。このJDeveloperプロジェクトでは、ページ・テンプレート、スキン、ページ・スタイル、リソース・カタログなどのアセットを作成、変更およびアップロードするために必要なものがすべて提供されます。

JDeveloperでは、WebCenterSpacesResourcesプロジェクトおよびポータル・ビルダーに対して、直接アセットをアップロード/ダウンロードできます。また、アセットをファイルにエクスポートした後、それをポータル・ビルダーやJDeveloperにインポートすることもできます。

WebCenterSpacesResourcesプロジェクトの取得、設定、およびそれを使用したアセットのアップロードとダウンロードについては、次の項を参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle JDeveloperによるポータルの開発のWebCenter Portal用アセットの開発に関する項

ポータル・ビルダーとJDeveloperに対するアセットのエクスポートとインポートについては、次を参照してください。

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のアセットのデプロイに関する項

1.8.1.3 ポータル・ビルダーを使用したポータルへのコンテンツの統合

最も重要なポータル要件の1つに、コンテンツの統合があります。ポータルの作成者と管理者は、コンテンツを追加および更新したり、コンテンツ作成、ワークフロー、アーカイブなどの管理を行う必要があります。

ポータル・ビルダーを使用する場合、システム管理者がコンテンツ・リポジトリ接続を構成および管理します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「コンテンツ・リポジトリの管理」の章を参照してください。

ポータル・ビルダーに対しては標準で、バックエンド・コンテンツ・サーバー(Oracle WebCenter Content)への接続が作成されます。この接続が利用可能になると、図1-4に示すように、ポータル・モデレータは、ポータル・ビルダーの「ツールとサービス」ページからポータルのドキュメント・ツールを有効化することができます。その後、ドキュメント・ツールをポータル・ページに追加できます。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルで使用可能なツールとサービスの有効化と無効化に関する項を参照してください。

図1-4 ポータル・ビルダーでのポータルのドキュメントの有効化

図1-4の説明が続きます
「図1-4 ポータル・ビルダーでのポータルのドキュメントの有効化」の説明

Oracle Composer (ポータル・ビルダーのページ編集環境)でポータル・ページを編集すると、ドキュメント・コンポーネントを直接ページにドラッグ・アンド・ドロップできます。これらのコンポーネントは、「コンテンツ管理」カタログに表示されます(図1-5を参照)。これらのコンポーネントの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のリソース・カタログの「コンテンツ管理」の選択肢に関する項を参照してください。

図1-5 ポータル・ビルダーの「コンテンツ管理」カタログ

図1-5の説明が続きます
「図1-5 ポータル・ビルダーの「コンテンツ管理」カタログ」の説明

詳細は、次の資料を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のコンテンツ・リポジトリの管理に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のコンテンツ・プレゼンタを使用したコンテンツの公開に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のドキュメント・タスク・フローとドキュメント・コンポーネントの使用に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のドキュメントの共同作業に関する項

1.8.1.4 ポータル・ビルダーの管理

システム管理者は、WebCenter PortalのAdministratorロールが割り当てられる唯一のユーザーです。WebCenter Portal管理者は、(ポータル・ビルダーを含む) WebCenter Portalアプリケーションにおいて、最も強力なアプリケーション権限を持っています。この管理者は、WebCenter Portalのあらゆる側面の表示とカスタマイズ、ユーザーとロールの管理、および他のユーザーへの職責の委任を行うことができます。

個々のポータルを管理するユーザーは、(ポータルのModeratorロールが割り当てられた)ポータル管理者か、ポータルのManage AllまたはManage Configuration権限を持つポータル・メンバーです。ユーザーには、ポータル管理者(ポータル・モデレータと呼ばれることもあります)によってポータルの権限とロールが割り当てられます。

ポータルの管理設定にアクセスしたユーザーがManage権限を持っていない場合(たとえば、Participantロールを持っているユーザーに、ポータル内のページを編集する権限が付与されている場合)、そのユーザーには、付与されたロールと権限で使用可能な設定のみが表示されます。

図1-6は、ポータル・ビルダーの「ポータル」ページを示しています。このページには、使用可能なすべてのポータルを示す表が表示されます。前述で説明した、いずれかのポータル管理権限を持っている場合、リンク内の該当するポータルの横に、そのポータルの管理を可能にする「管理」リンクが表示されます。

図1-6 ポータル・ビルダーの「ポータル」ページ

図1-6の説明が続きます
「図1-6 ポータル・ビルダーの「ポータル」ページ」の説明

個々のポータル管理の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「ポータルの管理」の章を参照してください。

システム管理の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のWebCenter Portalのシステム管理に関する項およびポータル・ビルダーのシステム管理に関する項を参照してください。

1.8.2 ポータル・フレームワークを使用する手法の検討

Portal Frameworkアプリケーションは、より柔軟でカスタマイズ性の高いポータル構築手法ですが、より複雑な手法でもあります。ポータル・フレームワークを使用して構築されたポータルでは、Oracle ADFおよびJava開発に関するかなりの専門知識が必要になり、Oracle JDeveloperやOracleのJava開発環境を使用する必要があります。Portal Frameworkアプリケーションは純粋なADFアプリケーションであるため、他のADFアプリケーションと適切に統合されます。そのようなアプリケーションを所有している場合、この統合が重要になる可能性があります。図1-7は、JDeveloper内で開かれたポータル・プロジェクトを示しています。

図1-7 JDeveloper内のポータル・プロジェクト

図1-7の説明が続きます
「図1-7 JDeveloper内のポータル・プロジェクト」の説明

通常、ポータル・フレームワークを使用した手法では、ポータルとそこで必要になる可能性があるカスタム・コンポーネントの両方を作成する、専門の開発者チームが必要になります。管理者とその他のユーザーは、提供されたブラウザベースのポータル管理環境を使用して、ポータルがサーバーにデプロイされた後、そのポータルを管理およびカスタマイズできます。ただし、Portal Frameworkアプリケーションが主に開発者に重点を置いた手法であることを理解する必要があります。

ポータル・ビルダーとは異なり、ポータル・フレームワークは単一ポータルの手法です。Portal Frameworkアプリケーション内にサブポータルや他のポータルの階層を作成することはできません。

Portal Frameworkアプリケーションの構築に必要なすべての知識は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』に記載されています。

1.8.2.1 ポータル・フレームワークを使用したポータルのライフ・サイクルの管理

Portal Frameworkアプリケーションを構築する場合、チーム開発環境、ビルド環境、テスト環境、ステージング環境および本番環境の設定について検討する必要があります。ガイダンスについては、開発者ガイド『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の次の章を参照してください。

  • チーム作業による生産性の向上

  • WebCenter Portal Frameworkアプリケーションのライフ・サイクルの理解

通常、開発者と管理者は、ポータル、ポータル・アセットおよびポータルのカスタマイズを、ある環境から別の環境に移行する場合、標準的なWebアプリケーションのデプロイメント・メソッド(EARデプロイメント)、WLST (WebLogicスクリプティング・ツール)、Enterprise Managerおよびデフォルトの伝播ツールを使用します。JDeveloperを使用すると、開発者はポータルをテストするために、そのポータルをすばやく何回も内部サーバーにデプロイできるようになります。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のPortal Frameworkアプリケーションのデプロイとテストに関する項には、ポータル・アプリケーションとポータル・アセットをあるサーバーから別のサーバーにデプロイするための様々な手法が記載されています。

1.8.2.2 ポータル・フレームワークを使用したアセットのラウンドトリップ開発

Portal Frameworkアプリケーションにおけるラウンドトリップ開発とは、メンテナンスや拡張のため、デプロイ済のPortal FrameworkアプリケーションからJDeveloperにアセット(ページ・テンプレートやスキンなど)を戻すことができる機能および手法です。JDeveloperでアセットを変更した後、リソース・マネージャという機能を使用して、デプロイ済のポータルにリソースをアップロードしなおすことができます。

Portal Frameworkアプリケーションにおける、アセットのラウンドトリップ開発で通常使用されるパターンは、デプロイ済のポータルからファイルに(管理コンソールの「アセット」ページを使用して)アセットをダウンロードすることです。その後、ダウンロードしたファイルをJDeveloperにインポートし、それに対する作業を行うことができます。次に、それをJDeveloperからエクスポートし、管理コンソールの「アセット」ページを使用して、エクスポートしたアセットをデプロイ済のポータルにアップロードしなおします。

このプロセスの詳細は、次を参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のラウンドトリップ開発の使用に関する項

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のPortal Frameworkアプリケーションに対するアセットの管理に関する項

1.8.2.3 ポータル・フレームワークを使用したポータルへのコンテンツの統合

開発者は、JDeveloper内で直接コンテンツ・リポジトリ接続を作成できます。これらの接続を使用すると、開発者がJDeveloperでポータルに対する作業を行っている間に、Portal Frameworkアプリケーションのコンテンツ・コンポーネントからコンテンツにアクセスし、それを表示できるようになります。開発チームは、独自のバージョンのOracle WebCenter Contentやその他のリポジトリを、専用にインストールして保守する場合があります。

JDeveloperにおけるリポジトリの構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の「コンテンツ・リポジトリ接続の構成」の章を参照してください。『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の「コンテンツの統合と公開の概要」の章も参照してください。

通常、ポータルが管理対象サーバーのステージングまたは本番環境内にある場合、システム管理者がコンテンツ・リポジトリ接続を構成および保守します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「コンテンツ・リポジトリの管理」の章を参照してください。

リポジトリ接続を作成したら、様々な方法でコンテンツをPortal Frameworkアプリケーションに統合できます。たとえば、ドキュメント・エクスプローラ(図1-8を参照)やその他の関連ドキュメント・ツールを使用できます。他には、コンテンツ・プレゼンタ、コンテンツ・データ・コントロール、REST APIなどの機能を使用できます。これらの手法は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』の「コンテンツの統合と公開の概要」の章で要約および比較されています。

図1-8 ドキュメント・エクスプローラ

図1-8の説明が続きます
「図1-8 ドキュメント・エクスプローラ」の説明

Portal Frameworkアプリケーションでは、アプリケーションとコンテンツ・リポジトリ間のセキュリティを構成する必要があります(ポータル・ビルダーを使用する場合は不要です)。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のコンテンツ・サーバーとWebCenter Portal Frameworkアプリケーション間のセキュリティの構成に関する項を参照してください。

1.8.2.4 ポータル・フレームワークの管理

Portal Frameworkアプリケーションでは、WebCenter Portal管理コンソールが提供されます(図1-9を参照)。このコンソールでは、認可されたユーザーが、アプリケーション全体のプリファレンスの管理、ユーザーとロールの管理、アセットの管理、コンテンツの管理、投票の作成、およびプロデューサと外部アプリケーションの登録を行うことができます。

図1-9 Portal Frameworkアプリケーションの管理コンソール

図1-9の説明が続きます
「図1-9 Portal Frameworkアプリケーションの管理コンソール」の説明

アプリケーション・ロールの割当ては、システム管理者の職責です。管理者は、メンバーにデフォルト・アプリケーション・ロールを割り当てるか、追加でポータル・アプリケーションに固有のカスタム・ロールを作成できます。

Administratorロールを持つユーザーは、アプリケーション全体のプリファレンスの設定、アセットの管理、コンテンツの管理、投票の作成、およびプロデューサと外部アプリケーションの登録を行うことができます。

管理者は、アプリケーションのユーザーとロールの管理、および他のユーザーへの権限の委任または取消を行うこともできます。

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「管理コンソールを使用したPortal Frameworkアプリケーションの管理」の章を参照してください。

1.8.3 ポータル・ビルダーおよびポータル・フレームワークを使用する手法の比較

表1-1では、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワークの機能と特性を比較します。この表は、どちらの手法を選択するかを決定する際に役立ちます。

表1-1 ポータル・ビルダーとポータル・フレームワークの機能の比較

ポータルの一般的な機能または要件 ポータル・ビルダー ポータル・フレームワーク

パッケージ化された事前構成済ポータル構築ソリューション

サポート対象

事前構成済ポータル・サーバー上で稼働する、パッケージ化されたポータル構築ソリューション。

サポート対象外

ポータル開発者は、独自のカスタムOracle ADFアプリケーションを設計および構成し、カスタム・サーバーへのデプロイメントを管理します。

複数のポータル

サポート対象

複数のポータルを、単一のWebCenter Portalデプロイメント内に作成して管理できます。

サポート対象外

単一ポータルのソリューション。各Portal Frameworkアプリケーションは、別のポータル・インスタンスです。サーバー上で複数のポータルをホストする場合、JDeveloperのポータルごとに個別のアプリケーションを作成してデプロイする必要があります。

複数のPortal Frameworkアプリケーション(J2EEアプリケーション)をホストすると、消費するリソースが増えます。

ポータル階層

サポート対象

サブポータルの階層を作成できるため、ポータルの編成に役立ちます。

サポート対象外

サブポータルがサポートされません。

ポータル・テンプレートの使用

サポート対象

様々な標準のポータル・テンプレートを提供します。任意のポータルをポータル・テンプレートとして保存し、それを再利用して、類似したポータルを作成することもできます。

サポート対象外

ポータル・テンプレートがサポートされません。開発者が各ポータルを一から作成します。

任意のタスク・フローまたはサービスの使用

サポート対象

すべてのWebCenter Portalタスク・フローおよびサービスがサポートされます。

サポート対象外

一部のWebCenter Portalタスク・フローおよびサービスがサポートされません。

  • お知らせ

  • ノート

次の項目に対する制約:

  • アクティビティ・グラフ

  • ディスカッション

  • ドキュメント

  • イベント

  • 検索

  • REST

詳細は、第1.9項「ツールとサービスのプランニング」を参照してください。

複数のデバイス上でのポータルの表示

サポート対象

ポータルは、ブラウザ、スマートフォンおよびタブレット上に標準で表示されます。必要に応じてデバイスのサポートを構成するためのツールが含まれています。

サポート対象

モバイルのサポートは一から開発する必要があります。

個人用ポータルの管理

サポート対象

ホーム・ポータルが含まれています。ホーム・ポータルは、ユーザーが自分のプロファイル、プリファレンス、個人用ページ、使用可能なポータルおよびその他の機能にアクセスできる領域です。

サポート対象外

ホーム・ポータル機能または個人用ページまたはプリファレンスの組込みの機能は提供されません。

直感的なポータルUI

サポート対象

主なツールはブラウザベースです。ユーザビリティを強化するために、インタフェースの設計が新しく作成されています。

サポート対象

主なツールはJDeveloperベースです。ポータル管理者は、ブラウザベースの基本ツールを標準で使用できます。

組込みのセキュリティ

サポート対象

セキュリティ機能はポータルに組み込まれます。

サポート対象外

開発者がセキュリティ機能を一から構成します。


ポータルとOracle WebCenter Content間のセキュリティ構成は、組み込まれています。

ポータルとコンテンツ・リポジトリ間のセキュリティを構成する必要があります。


自己登録機能により、新しいユーザーがアカウントを作成しやすくなります。

事前作成されたいくつかのワークフローが、ポータル・サブスクリプション・リクエストとポータル・メンバーシップ通知を処理します。

ポータル登録またはサブスクリプション機能は提供されません。

ポータル管理ツール

サポート対象

ポータル管理ツールはパッケージ化されていますが、拡張できません。

サポート対象

必要に応じて、カスタム・ポータル管理ツールを作成して統合できます。


サポート対象

個人が自分のビジネス領域に関する重要な更新を常に把握できるように、管理者は特定のビジネル・ロールに関連する情報を出すことができます。

サポート対象外

ビジネス・ロール・ページはサポートされません。

ポータル・ライフサイクル・ツール

サポート対象

インポートおよびエクスポート機能を使用して、ポータルをある環境から別の環境に移行できます。

サポート対象

ポータルをある環境から別の環境に伝播するのに役立つ、WebLogicスクリプティング・ツール(WLST)・スクリプトなどのツールが提供されます。

パフォーマンス・ダッシュボード

サポート対象

Enterprise Managerでは、ポータル・ビルダーのデプロイメント用のカスタム・ホーム・ページに、個々のポータルやポータル・サーバーで使用されるすべてのコンポーネント、ツールおよびサービスのステータス、パフォーマンスおよび可用性をレポートする一連のダッシュボードが用意されています。

サポート対象外

ダッシュボードはありませんが、Portal Frameworkアプリケーションに対して、ページ、ドキュメント、ポートレットおよびWebLogic Serverの様々なメトリックが使用可能です。Enterprise Managerで使用可能な標準的なJ2EEデプロイメント・メトリックに加えて、これらのメトリックが使用できます。

ページ・パフォーマンス分析

サポート対象

速度の遅いページの診断に役立つポータル・ページ・アナライザが含まれています。ページの速度が遅いコンポーネントを一目で確認できます。

サポート対象外

機能を使用できません。

ブラウザを使用したカスタマイズ

サポート対象

ブラウザでの作成を目的とした設計。

ナレッジ・ワーカーやアプリケーション・スペシャリストが、この手法に最も適しています。

サポート対象

必要に応じて、開発者がブラウザベースのカスタマイズ機能を統合できます。

JDeveloperを使用したカスタマイズ

サポート対象

JDeveloperには、次のものを含むいくつかのカスタム・コンポーネントを組み込むことができます。ADFタスク・フロー、データ・コントロール、マネージドBean、およびその他のアセット(スキン、ページ・スタイル、タスク・フロー・スタイル、ページ・テンプレート、コンテンツ・プレゼンタ表示テンプレート、ナビゲーション、リソース・カタログなど)。

開発者の専門知識が必要です。

サポート対象

JDeveloperでの作成を目的とした設計。

開発者は、アプリケーション、その構成およびデプロイをすべて制御できます。

開発者の専門知識が必要です。

カスタマイズ可能なURL

サポート対象外

URLの形式は固定されています。

サポート対象

標準でURLの形式を制御する必要がある場合は、その形式を制御できます。


1.8.4 ポータルの構築に関する一般的なタスクの概要

表1-2は、選択した開発手法にかかわらず、プランニング段階の最中および後に実行する必要があるタスクを示しています。

表1-2 ポータルのプランニング、設定および開発に関する一般的なタスク

タスク ポータル・フレームワークの詳細 ポータル・ビルダーの詳細

Oracle WebCenter Portalのソフトウェアをインストールし、グローバル設定を構成します。


ポータルの要件を決定します。

第1.4項「ポータルの一般的なユースケース」を参照してください。

第1.4項「ポータルの一般的なユースケース」を参照してください。

ポータルのライフ・サイクルを検討します。開発、テスト、ステージングおよび本番環境に関するプランニングを行います。

第1.8.2.1項「ポータル・フレームワークを使用したポータルのライフ・サイクルの管理」を参照してください。

第1.8.1.1項「ポータル・ビルダーを使用したポータルのライフ・サイクルの管理」を参照してください。

必要に応じて、コンテンツ・リポジトリ、サービスおよびデータベースへのバックエンド接続を作成します。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のコンテンツ・リポジトリ接続の構成に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のWebCenterバックエンド・サービスの構成に関する項

  • Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のツールとサービスの管理に関する項

  • 第1.8.2.3項「ポータル・フレームワークを使用したポータルへのコンテンツの統合」を参照してください。

セキュリティ・プランを作成します。ページとアセットに対する委任されたセキュリティ、およびメンバーシップをポータルに追加します。

第1.11項「ロールに基づく表示」を参照してください。

第1.11項「ロールに基づく表示」を参照してください。

ポータルに追加するサービスを選択します。たとえば、ドキュメント・サービスを使用すると、ドキュメントを格納、アーカイブ、共有および編集できます。アクティビティ・サービスを使用すると、ポータル・メンバーのアクティビティを追跡できます。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のWebCenter Portalツールおよびサービスに対するアプリケーションの準備に関する項

第1.9項「ツールとサービスのプランニング」を参照してください。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータル・ツールおよびサービスに関する項

第1.9項「ツールとサービスのプランニング」を参照してください。

新しいポータルを作成します。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のWebCenter Portal Frameworkアプリケーションの作成に関する項

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の新しいポータルの作成と構築に関する項

ページ、ポータル・アセット、ナビゲーション要素およびその他の機能を追加して、ポータル構造を構築します。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のポータル・リソース管理の概要に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータル・ページの作成と編集に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のアセットの作成、編集および管理に関する項

コンテンツをポータルに追加します。Oracle WebCenter Contentまたはその他のコンテンツ・リポジトリへの接続が必要です。

  • 組織のコンテンツ・リポジトリ内にあるドキュメントやその他のタイプのコンテンツを表示および管理するには、ドキュメント・ツールを使用します。

  • ターゲット・コンテンツの追加にコンテンツ・プレゼンタを使用することを検討します。

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のコンテンツの操作の概要に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のコンテンツ・プレゼンタを使用したコンテンツの公開に関する項

  • 『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のドキュメント・タスク・フローとドキュメント・コンポーネントの使用に関する項

  • 第1.8.1.3項「ポータル・ビルダーを使用したポータルへのコンテンツの統合」を参照してください。

必要に応じて、ポータルに繰り返し変更を加えます。環境間で変更を再デプロイまたは移行します。


1.9 ツールとサービスのプランニング

表1-3は、ポータル内で使用できるツールとサービスを示しています。最後の列には、プランニングに関する考慮事項、つまりポータル・ビルダーまたはポータル・フレームワークのいずれかの手法を選択する前に、考慮する必要がある項目が記載されています。

表1-3 Oracle WebCenter Portalのツールとサービスのプランニング

ツールとサービス 説明 プランニングの考慮事項

アクティビティ・グラフ

ポータル内での既存の接続およびオブジェクトとの共有のやり取りに基づいて、ユーザーが接続先として興味を示す可能性がある人物、ポータルおよびコンテンツを推奨します。

ポータル・フレームワークの場合のみ、ページ・ビュー機能では、各ページにイベント・コードのスニペットが追加されていることが必要になります。

アクティビティ・ストリーム

接続のアクティビティ、ポータル内で実行されたアクション、およびビジネス・アクティビティのストリーミング表示が提供されます。

アクティビティ・ストリームについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

分析

ポータル・アプリケーションの使用状況とパフォーマンスのメトリックを表示できます。

分析について、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

お知らせ

認証されているすべてのユーザーに重要なアクティビティとインベントについてのお知らせを投稿する機能を提供します。

ポータル・ビルダーでのみ使用可能です。

ディスカッション

スレッド化されたディスカッションを作成し、質問の投稿と応答、回答の検索を行う機能を提供します。

通常、ディスカッションについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。ただし、ディスカッション・フォーラムにおけるRSSの使用は、ポータル・ビルダーでのみサポートされます。

ドキュメント

ファイルのアップロード、ファイルやフォルダの作成と管理、ファイルのチェックアウト、バージョニングなどの、コンテンツ管理機能やストレージ機能を提供します。これらの機能は、ドキュメント・エクスプローラやコンテンツ・プレゼンタなどのドキュメント・タスク・フローを通じて公開されます。

ポータル・ビルダー: ドキュメント・サービスは自動的に利用可能です。適切なアクセス権限を使用してOracle WebCenter Content Server上にフォルダが作成されます。

ポータル・フレームワーク: そのようなプロビジョニングは発生しないため、自らアクセス権を構成する必要があります。

Portal Frameworkアプリケーションでは、アプリケーションとコンテンツ・リポジトリ間のセキュリティを構成する必要があります(ポータル・ビルダーを使用する場合は不要です)。

イベント

より大きな認証済ユーザーのグループに関連するイベントのスケジュールを作成および保守する機能を提供します。Exchangeサーバーが構成されている場合は、Outlookカレンダから個人イベントへのアクセスも提供します。

ポータル・ビルダー: 個人イベントおよびポータル・イベントがサポートされます。ポータル・イベントは特定のポータルに関連しており、これらは、ポータルのすべてのメンバーに対して、ポータルの専用イベント・ページ(ポータル・モデレータによって公開されます)またはポータルのページ上にあるイベント・タスク・フローに表示されます。

個人イベントの提供元はMicrosoft Exchangeカレンダであり、そのイベントは自分にのみ表示されます。

ポータル・フレームワーク: 個人イベントのみがサポートされます。

インスタント・メッセージおよびプレゼンス

他の認証ユーザーのステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認し、そのユーザーとすぐに連絡を取る機能を提供します。

インスタント・メッセージおよびプレゼンスについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

リスト

リストを作成、公開および管理する機能を提供します。

ポータル・ビルダー: ポータル・モデレータは、ポータル用のリストを作成、削除または変更できます。必要に応じて、これらの権限を他のユーザーに委任できます。

ポータル・フレームワーク: デフォルトでは、管理者のみがリストを作成、削除または変更できますが、管理者はこの権限をポータルのデプロイ時に変更できます。

メール

IMAPおよびSMTPのメール・サーバーと簡単に統合できます。この統合により、ユーザーは、メッセージの確認、添付ファイル付きメッセージの作成、メッセージへの返信または転送、メッセージの削除など、メール機能を実行できます。

メールについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

メッセージとフィードバック

接続に対するメッセージ、添付ファイルおよびフィードバックをアクティビティ・ストリームに投稿する機能を提供します。

メッセージとフィードバックについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

ノート

個人的な関連情報を書き留めて、保持する機能を提供します。

ポータル・ビルダーでのみ使用可能です。

通知

サービス・オブジェクトおよびアプリケーション・オブジェクトへのサブスクライブの手段と、これらのオブジェクトが変更されたときに、1つ以上のメッセージ・チャネルを通じて通知を受信する手段を提供します。

通知について、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

投票

関係者にアンケート(意見や経験レベルなど)を実施したり、重要な情報を覚えているかどうかを確認したり、フィードバックを集めたりできます。

投票について、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

プロファイル

ユーザーの連絡先情報(電子メール・アドレス、勤務先住所、電話番号など)、部門、マネージャ、写真、ポータル・アクティビティ、パブリック・ドキュメントおよび接続を表示します。

プロファイルについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

最近のアクティビティ

最近変更したドキュメント、ディスカッションおよびお知らせのサマリー・ビューを提供します。

  • ポータル・ビルダー: 最近のアクティビティのタスク・フローに、ポータル・ビルダーを使用する特定のポータルで最近行われたアクティビティを表示します。

  • ポータル・フレームワーク: 最近のアクティビティがすべて表示されます。

RESTサービス

REpresentational State Transfer (REST)とは、分散型のリソースを均一なインタフェースで使用可能にするためのアーキテクチャ・スタイルであり、この均一なインタフェースには、Uniform Resource Identifier (URI)、明確に定義された操作、ハイパーメディア・リンクおよび制限された一連のメディア・タイプが含まれます。

  • ポータル・ビルダー: ピープル・コネクションやディスカッションなどのRESTをサポートするサービスでは、REST APIが完全にサポートされます。

  • ポータル・フレームワーク: ナビゲーションREST APIのみが使用可能です。

RSS

様々なWebサイトのコンテンツに1つの場所(ニュース・リーダー)からアクセスする機能を提供します。

RSSは、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワークの両方でサポートされます。ただし、ポータル・フレームワークのRSSは、ディスカッション・フォーラム内ではサポートされません。

検索

検索機能を提供します。これにはOracle Secure Enterprise Search (SES)の統合が含まれます。

  • ポータル・ビルダー: ドキュメント、ディスカッションおよびお知らせに加え、ページ・メタデータ、ポータル・メタデータ、プロファイルおよびリストが検索対象に含まれます。

  • ポータル・フレームワーク: デフォルトでは、クロールベースの検索が使用されますが、SES構成を実行する必要があります。また、ドキュメント、ディスカッションおよびお知らせのみが検索対象に含まれます。

タグ

特定のページやドキュメントに個人的に関係のあるキーワードを1つ以上割り当てるための機能を提供します。

  • ポータル・ビルダー: ユーザーはページとドキュメントにタグ付けできます。

  • ポータル・フレームワーク: ページとドキュメントだけでなく、カスタム・オブジェクトにもタグ付けできます。

ワークリスト

ユーザーに割り当てられているすべてのBusiness Process Execution Language (BPEL)ワークリスト項目へのアクセスを提供します。

ワークリスト通知およびアラートへの問合せは、WebCenter Portalで構成されたすべてのBPELサーバーから発生します。

ワークリストについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。

ポートレット

ポートレットは再利用可能なWebコンポーネントで、多数の異なるソースからコンテンツを描画できます。ポートレットには静的HTMLコンテンツから、複雑なWebサービスや処理負荷の高いアプリケーションのためのJavaのコントロールまで、あらゆるものを含めることができます。

ポートレットについて、ポータル・ビルダーとポータル・フレームワーク間の違いを考慮する必要はありません。


ツールとサービスの詳細は、次を参照してください。

1.10 一貫性のあるルック・アンド・フィールのプランニング

ポータルのプランニングに関する重要な作業には、ポータルのレイアウト、スタイルおよび編成の検討と、実際の実装の委任があります。企業ポータルの場合、数百または数千のページを含めるのが一般的であるため、すべてのページにわたって一貫性のあるルック・アンド・フィールのプランニングを行うことが、プランニングにおける1つの重要なステップになります。

WebCenter Portalでは、テンプレート、ページ・スタイル、スキン、ナビゲーションおよびその他のアセットをある程度使用して、ポータル・ページ間の一貫性を確保します。新しいポータルや新しいページを作成する際、カタログからこれらのアセットを選択すると、ポータルの目的や利用者に応じて、簡単に一貫性のあるユーザー・エクスペリエンスと適切な機能の組合せを提供できます。

表1-4では、ルック・アンド・フィールの関連機能について説明し、Oracle WebCenter Portalドキュメントに含まれる実装の詳細へのリンクを提供します。この表は、ポータル全体の一貫性を確保するのに役立つルック・アンド・フィール・アセットを示しています。ただし、おそらく実際は、ページ・テンプレート、ページ・スタイル、スキンおよびナビゲーション・コンポーネントが、最初に実装するアセットになります。


注意:

一貫性の確保に使用するテンプレートやその他のアセットのサンプル実装は、その多くがWebCenter Portalのデフォルトで提供されます。これらのシードされたコンポーネントは、直接使用するか、新しいカスタム・コンポーネントを作成するための基盤として使用できます。


表1-4 ポータルのルック・アンド・フィール関連アセット

ルック・アンド・フィール・コンポーネント 説明 ポータル・ビルダー ポータル・フレームワーク

ポータル・テンプレート

ポータル・テンプレートを使用すると、簡単にポータルの作成を開始できます。任意の既存のポータルをポータル・テンプレートとして保存できます。ドキュメントなどのサービスは、テンプレート内で有効にすると、そのテンプレートから作成したポータルでも有効になります。

『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータル・テンプレートの使用に関する項を参照してください。

サポート対象
サポート対象外

ページ・テンプレート

ページ・テンプレートによって、ポータル・ページのレイアウトと共通コンテンツがポータル全体にわたって制御されます。通常、ページ・テンプレートによって定義されるのは、ページのヘッダー、フッターおよびコンテンツ領域です。また、これを使用して、ロゴやナビゲーション要素といったブランド固有の要素や、ログイン/ログアウト・ボタンなどのアクション要素を追加することもできます。

ポータル・ビルダーについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のページ・テンプレートの使用に関する項を参照してください。

ポータル・フレームワークについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のページ・テンプレートの開発に関する項を参照してください。

サポート対象
サポート対象

ページ・スタイル

ページ・スタイルは、ページのレイアウトに関する側面も制御しますが、重点を置いているのは、ページ内におけるコンテンツの配置です。たとえば、ページ・スタイルを使用すると、コンテンツの配置を統一したり、ページ内に表示するコンテンツのタイプを指定できます。

ポータル・ビルダーについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のページ・スタイルの使用に関する項を参照してください。

ポータル・フレームワークについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のページ・スタイルとタスク・フロー・スタイルの開発に関する項を参照してください。

サポート対象
サポート対象

スキン

CSSベースのスキンはページ・テンプレートと連携して、ポータル内のページの全体的なルック・アンド・フィールを決定します。ページ・テンプレートはページ上のコンポーネントの場所と動作を制御しますが、スキンはそれらのコンポーネントの外観を制御します。

ポータル・ビルダーについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のスキンの使用に関する項を参照してください。

ポータル・フレームワークについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のスキンの開発に関する項を参照してください。

サポート対象
サポート対象

ナビゲーション

ナビゲーション・アセットには構造(タブ、ブレッドクラム、ツリーなど)があり、これらのアセットによって、移動先となる特定のターゲットが指定されます。

ポータル・ビルダーについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』の「ポータル・ナビゲーションの使用」の章を参照してください。

ポータル・フレームワークについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のナビゲーション・モデルの開発に関する項を参照してください。

サポート対象
サポート対象

表示テンプレート

表示テンプレートは、コンテンツ・プレゼンタがコンテンツ・アイテム(イメージやテキストなど)をポータルに表示する方法を定義します。コンテンツ・プレゼンタを使用すると、ポータルにおけるコンテンツの選択およびプレゼンテーションを細部までカスタマイズできます。

注意: 新しい表示テンプレートは、JDeveloperで作成する必要があります。

ポータル・ビルダーについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のコンテンツ・プレゼンタを使用したコンテンツの公開に関する項を参照してください。

ポータル・フレームワークについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のコンテンツ・プレゼンタ表示テンプレートの作成に関する項を参照してください。

サポート対象
サポート対象

タスク・フロー・スタイル

タスク・フロー・スタイルは、タスク・フローの作成に使用するテンプレートです。これによって、タスク・フローの外観の一貫性が確保されます。

ポータル・ビルダーについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のタスク・フロー・スタイルの使用に関する項を参照してください。

ポータル・フレームワークについては、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter PortalおよびOracle Jdeveloperでのポータルの開発』のページ・スタイルとタスク・フロー・スタイルの開発に関する項を参照してください。

サポート対象
サポート対象外


注意:

ポータル・ビルダーでは、管理者はすべてのポータルのデフォルト・ページ・テンプレートを設定できます。ポータル・モデレータ(新しいポータル・インスタンスを作成するユーザー)は、グローバル・デフォルトをオーバーライドし、特定のポータルのデフォルト・ページ・テンプレートを設定できます。このデフォルトは、特定のページではオーバーライドできません。このようにして、ポータル全体にわたってレイアウトの一貫性が確保されます。図1-10は、ポータル・ビルダーでデフォルト・ページ・テンプレートを設定するための管理UIを示しています。ここで、リストからデフォルト・テンプレートを選択します。


図1-10 ポータル・ビルダーにおけるデフォルト・ページ・テンプレートの選択

図1-10の説明が続きます
「図1-10 ポータル・ビルダーにおけるデフォルト・ページ・テンプレートの選択」の説明

1.11 ロールに基づく表示

通常、ユーザーはポータルにログインする必要があり、それらのユーザーには、管理者がロールに応じて定義した委任セキュリティ設定に基づいて、認可された情報とリソースのみが表示されます。

次に例を示します。

WebCenter Portalでは、このようなセキュリティに関する様々な側面にすべて対処します。


注意:

ポータル・ビルダーで新しいポータルを作成すると、全体的なアクセスをパブリック、プライベートまたは非表示に設定できます。パブリック・ポータルには、どのユーザーもアクセスできます。プライベート・ポータルと非表示のポータルでは、招待を通じたメンバーシップなど、なんらかの特殊な認可が必要になります。非表示のポータルは使用可能なポータルのリストに表示されず、検索結果にも表示されません。


シングル・サインオンなどの標準的なセキュリティ・パラダイムを通じて、基になるアプリケーションにポータルのセキュリティを渡し、ユーザーがポータルと対話するときのエクスペリエンスを統一することもできます。

ポータル・ページおよびコンポーネントへのアクセスは、委任管理を通じて、さらに細かく調整できます。委任管理では、ユーザー・ロールに基づいてポータル・リソースを保護するメカニズムが提供されます。たとえば、1つのロール(マネージャなど)のユーザーにすべてのポータル機能へのアクセスを許可し、それ以外のロール(従業員など)のユーザーには特定の機能へのアクセスを拒否できます。

委任されたセキュリティは、特に多くのページを含むポータルにとっては重要です。セキュリティ設定は(ページ階層内の)親ページから子ページに継承されるため、個々のページごとにセキュリティを設定する必要はありません。

ポータル・ビルダーのセキュリティに関する詳細情報

Portal Frameworkアプリケーションのセキュリティに関する詳細情報

1.12 システムおよびポータルの管理者ロールの理解

初回インストール後、システム管理者は通常ポータルのグローバル・オプションを構成します。通常、ポータル管理者は、必要に応じて、制限された管理権限をアプリケーション・スペシャリストとナレッジ・ワーカーに委任します。その後、これらのユーザーは、個々のポータルの日常的な管理業務のほとんどを代行します。

たとえばポータル管理者は、ポータルの作成および管理権限を、組織内の特定のアプリケーション・スペシャリストに委任できます。その後、これらのユーザーは、特定の権限を他のユーザー(毎日コンテンツを更新するナレッジ・ワーカーなど)に委任できます。さらに共同チームを結成し、チーム・ポータルを使用して、コンテンツの提供やそれに対する共同作業を行うチーム・メンバーに、権限を付与することもできます。

ポータルの管理権限を様々なユーザーに委任できることにより、IT部門の全体的なコストを大幅に削減し、最小限のサポート・オーバーヘッドで多くのユーザーをサポートできるようになります。

システム管理者は、サービス、データベースおよびコンテンツ・リポジトリへのバックエンド接続を構成して保守することもできます。ドキュメント・コンポーネント、ディスカッションやアクティビティ追跡といったコンポーネントなど、多くのポータル・コンポーネントは、これらの接続に依存しています。また、ポータルのバックアップおよびリカバリ戦略も管理対象になります。

ポータル管理の概要については、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理の「Oracle WebCenter Portalの管理の概要」の章を参照してください。

1.13 ポータルに関するプランニングのまとめ

複数のビジネス分野をサポートするためのイントラネット・ポータル、顧客やビジネス・パートナをサポートするためのエクストラネット・ポータル、チーム・コラボレーション・ポータルのいずれかを作成する場合や、その他の目的でポータルを使用する場合は、次の基本的なプランニング・タスクに取り組む必要があります。

Oracle WebCenter Portalの主要ドキュメント・セットでは、このガイドで説明したすべての機能と、さらに多くの機能の実装に関する詳細が提供されます。第1.7項「Oracle WebCenter Portalドキュメント・セットの紹介」を参照してください。