この章では、Oracle GoldenGate for Microsoft SQL Serverのインストール手順を説明します。Oracle GoldenGateをインストールすると、処理の実行および管理に必要なすべてのコンポーネントが(ドライバやライブラリなどの他のベンダー製の必要なコンポーネントを除いて)インストールされ、また、Oracle GoldenGateユーティリティがインストールされます。
この章の内容は次のとおりです。
次の手順は、Oracle GoldenGateを初めてインストールする場合に実行します。また、Oracle GoldenGateの新規バージョンのベース・リリースをダウンロードする場合のものでもあります。
それ以降のパッチをダウンロードしてベース・リリースにインストールするには、次の場所でMy Oracle Supportの「パッチと更新版」タブにアクセスします。
Oracle GoldenGateをあるバージョンから別のバージョンにアップグレードするには、次の場所にあるアップグレード手順に従います。
http://docs.oracle.com/goldengate/1212/gg-winux/docs.htm
ソースMicrosoft SQL Serverデータベースから取得する場合、Oracle GoldenGateはデータベース・サーバー上にインストールする必要があります。リモート・サーバー上にはインストールしないでください。
Microsoft SQL Serverデータベースに適用する場合、Oracle GoldenGateはデータベース・サーバーまたはリモート・サーバー上にインストールできます。
Oracle GoldenGate構成に含まれる各システムに適したOracle GoldenGateのビルドをダウンロードします。
http://edelivery.oracle.com">>http://edelivery.oracle.comに移動します。
「Oracle Software Delivery Cloud」ページが表示されます。
「Sign In/Register」をクリックします。
|
注意: まだログインしていない場合、「Single Sign-on」ページが表示されます。Oracle IDとパスワードを入力し、「Sign In」をクリックします。 |
「Terms & Restrictions」ページが表示されます。
「Oracle Software Delivery Cloud Trial License Agreement」および「Export Restrictions」を受諾し、「Continue」をクリックします。
「Media Pack Search」ページが表示されます。
「Media Pack Search」ページで次のようにします。
「Select Product Pack」ドロップダウン・コントロールをクリックし、リストから「Oracle Fusion Middleware」を選択します。
「Platform」ドロップダウン・コントロールをクリックし、リストからOracle GoldenGateをインストールするプラットフォームを選択します。
「Go」をクリックします。
「Results」リストが拡張され、検索基準を満たす使用可能なメディア・パックがすべて表示されます。
「Results」リストでダウンロードするメディア・パックを選択し、「Continue」をクリックします。
メディア・パックのダウンロード・ページが表示されます。各データベースまたは各データベース・バージョン用のビルドなどの複数のダウンロード用選択肢が表示される場合があります。このページには、ダウンロード可能な各ファイルの部品番号とサイズが含まれていることに注意してください。
ファイルを正常にダウンロードするには、まず「Readme」をクリックして メディア・パックReadmeでダウンロード手順と製品情報を確認します。Readmeには、現在の構成に影響を与える新機能、新要件またはバグ修正および他の既知の問題に関するリリース・ノートが含まれています。
ダウンロード・プロセスを開始するには、ダウンロードするOracle GoldenGateビルドの名前の横にある「Download」をクリックします。
「File Download」ダイアログ・ボックスが表示されます。
「Open with」または「Save File」を選択します。
| 処理 | 選択 |
|---|---|
| メディア・パックをただちにインストール | 「Open」を選択してファイル抽出ユーティリティを選択し、ファイル・システム上の指定した場所にファイルを抽出します。 |
| ファイルを保存し、後でインストール | 「Save」を選択し、ファイル・システム上の場所を指定します。 |
この項では、Oracle GoldenGateをクラスタ環境にインストールする場合に適用されるインストール要件について説明します(フェイルオーバーを自動化する機能を持つソリューション)。
最低でも、なんらかのOracle GoldenGateオブジェクトを共有記憶域にインストールする必要があります。クラスタのどのノードからも独立していて、すべてのノードから使用可能なクラスタ対応の共有記憶域を選択します。
ベスト・プラクティスは、Oracle GoldenGate全体を共有記憶域にインストールすることです。これによって、パラメータ・ファイルを変更せずにどのノードからもOracle GoldenGateプロセスを起動できます。アクティブ・ノードに障害が発生した場合、インストール・ディレクトリに保持されている処理のチェックポイントを使用して、別のノードでプロセスをただちに起動できます。
共有記憶域ではなく、各ノードにOracle GoldenGateバイナリとファイルをインストールする場合、次の条件を満たす必要があります。
Oracle GoldenGateインストールの場所が、すべてのノードで同じパスである必要があります。
最低でも次のディレクトリを共有記憶域にインストールし、Oracle GoldenGateのリカバリ要件をサポートします。
dirchk
dirdat
dirprmディレクトリのパラメータ・ファイルは、共有ドライブに配置されていない場合、すべてのノードで同一である必要があります。ノードごとに異なる環境設定を解決するために、ローカルManagerプロセスから継承するか、ノード固有のOracle GoldenGateマクロ・ファイルを参照するよう環境設定を設定できます。このシナリオを実現するのは難しいため、パラメータ・ファイルを共有ドライブに格納することで内在する問題を回避できます。
Oracle GoldenGateのインストール後、2.5項「クラスタへのOracle GoldenGateの統合」も参照してください。
次の手順に従って、Windowsシステムまたはクラスタ内の適切な場所にOracle用のOracle GoldenGateをインストールします。詳細は、2.3項「クラスタ内にOracle GoldenGateをインストールする準備」を参照してください。ここに記載されている説明は、Microsoft SQL Serverのすべてのバージョンに当てはまります。Oracle GoldenGateプロセスを実行する前に追加のデータベースの準備が必要です。詳細は、第3章「Oracle GoldenGateのためのシステムの準備」を参照してください。
Oracle GoldenGateをWindowsクラスタにインストールするには、次の手順を実行します。
クラスタの1つのノードにログインします。
Oracle GoldenGateのインストール場所のドライブを選択します。このドライブは、データベース・インスタンスが含まれる同じクラスタ・グループ内のリソースである必要があります。
このクラスタ・グループが、ログインしているクラスタ・ノードによって所有されていることを確認します。
次の手順に従って、Oracle GoldenGateをインストールします。
Oracle GoldenGateファイルをインストールするには、次の手順を実行します。
WinZipまたは同等の圧縮製品を使用して、ダウンロードしたファイルを解凍します。
Oracle GoldenGateをインストールするドライブ内のフォルダに、バイナリ・モードでファイルを移動します。パスが引用符で囲まれている場合でも、名前に空白が含まれているフォルダにOracle GoldenGateをインストールしないでください。例:
C:\"Oracle GoldenGate"は有効ではありません。
C:\Oracle_GoldenGateは有効です。
Oracle GoldenGateフォルダからGGSCIプログラムを実行します。
GGSCIで次のコマンドを発行して、Oracle GoldenGate作業ディレクトリを作成します。
CREATE SUBDIRS
次のコマンドを発行してGGSCIを終了します。
EXIT
次のいずれかが当てはまる場合は、Managerプロセスのカスタム名を指定する必要があります。
デフォルトのGGSMGR以外の名前をManagerに使用します。
複数のManagerプロセスがWindowsサービスとしてこのシステムで実行されています。システム上の各Managerの名前を一意にする必要があります。先に進む前に、すべてのローカルManagerサービスの名前を確認します。
Managerのカスタム名を指定するには、この手順を使用します。
ManagerプログラムがあるディレクトリからGGSCIを実行します。
次のコマンドを発行します。
EDIT PARAMS ./GLOBALS
|
注意: GLOBALSファイルはOracle GoldenGateインストール・ファイルのルートにあるため、このコマンドの./の部分を使用する必要があります。 |
ファイルに次の行を追加します。nameは、Managerサービスの1語で構成される名前です。
MGRSERVNAME name
ファイルを保存します。ファイルは、ファイル拡張子なしのGLOBALSという名前で自動的に保存されます。このファイルは移動しないでください。Windowsサービスのインストール中、およびデータ処理中に使用されます。
デフォルトでは、Managerはサービスとしてインストールされず、ローカルまたはドメイン・アカウントで実行できます。ただし、この方法で実行した場合は、ユーザーがログアウトするとManagerは停止します。Managerは、サービスとしてインストールすると、ユーザー接続とは関係なく操作でき、手動起動に設定することも、システム起動時に起動するように設定することもできます。
WindowsクラスタではManagerをサービスとしてインストールする必要がありますが、それ以外ではオプションです。
WindowsサービスとしてManagerをインストールするには、次の手順を実行します。
(推奨)システム管理者としてログオンします。
「スタート」、「ファイル名を指定して実行」の順にクリックし、「ファイル名を指定して実行」ダイアログ・ボックスにcmdと入力します。
サービスとしてインストールしようとしているManagerプログラムを含むディレクトリから、次の構文でinstallプログラムを実行します。
install option [...]
説明: optionは次のいずれかです。
表2-1 installオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
ADDEVENTS |
Oracle GoldenGateのイベントをWindowsのイベント・マネージャに追加します。 |
ADDSERVICE |
サービスはシステム・ブート時に起動するようにインストールされます(「 |
AUTOSTART |
|
MANUALSTART |
|
USER name
|
Managerを実行するドメイン・ユーザー・アカウントを指定します。 デフォルトでは、Managerサービスはローカル・システム・アカウントを使用するようにインストールされます。 |
PASSWORD password
|
|
脚注 1 ユーザー・アカウントは、Windowsの「コントロール パネル」の「サービス」アプレットからプロパティ・アクションを選択することで変更できます。
Windowsのユーザー・アカウント制御(UAC)が有効になっている場合、コンピュータへのプログラムのアクセスを許可または拒否するよう要求されます。「許可」を選択して、installプログラムを実行できるようにします。これにより、Managerサービスは管理者権限で実行されているローカル・システム・アカウントでインストールされます。サービスとしてインストールされたManagerを実行している場合、これ以降UACプロンプトが表示されることはありません。
|
注意: Managerがサービスとしてインストールされていない場合、ManagerをGGSCIコマンド・プロンプトから起動する際、Managerの権限の強化を確認するUACプロンプトがOracle GoldenGateユーザーに表示されます。他のOracle GoldenGateプログラムの実行でもプロンプトが表示されます。 |
Oracle GoldenGateをクラスタにインストールした場合、次の手順を実行してOracle GoldenGateをクラスタ・ソリューション内に統合します。
Oracle GoldenGateをクラスタに統合するための要件を次に示します。
Oracle GoldenGate Managerプロセス(Managerのみ)を、他のアプリケーションと同様にクラスタ管理対象リソースとして登録します。Managerは、他のすべてのプロセスを管理する親プロセスであるため、Managerのみがクラスタ管理ソフトウェアを起動および停止するOracle GoldenGateプロセスです。
クラスタで仮想IPアドレスを使用する場合、Managerプロセス用に使用可能な固定IPアドレスを取得する必要があります。VIPは、パブリック・サブネット上の使用可能なIPアドレスである必要があり、DHCPを介して決定されません。Extractデータ・ポンプのパラメータ・ファイルで、リモートManagerのVIPをRMTHOSTパラメータの入力値として指定します。Managerにアクセスする他のOracle GoldenGate製品もVIPを使用する必要があります。
Managerを構成する際、AUTOSTARTおよびAUTORESTARTパラメータを追加して、Managerでレプリケーション・プロセスを自動的に起動するようにします。必要に応じて、Oracle GoldenGateユーザー・インタフェース内からExtract、Replicatおよび他のOracle GoldenGateプロセスを制御できます。
1つのノードのみで共有ドライブをマウントします。これによって、他のノードでプロセスが起動されなくなります。すべてのノードで同じマウント・ポイントを使用します。
このドキュメントに記載のとおり、Oracle GoldenGateを構成します。
Oracle GoldenGateをWindowsクラスタにインストールした場合は、次の手順に従ってOracle GoldenGateをクラスタ・リソースとして設定し、すべてのノード上にManagerサービスを正しく設定します。
クラスタ・アドミニストレータで、Oracle GoldenGateの接続先のデータベース・インスタンスを含むグループにManagerプロセスを追加します。
Oracle GoldenGateが稼働するすべてのノードが、リソースの実行可能な所有者として選択されていることを確認します。
Manager Windowsサービスに次の依存関係(「サービス」コントロール・パネルから構成可能)があることを確認します。
SQL Serverリソース
Oracle GoldenGateディレクトリが含まれているディスク・リソース
データベースのトランザクション・ログ・ファイルが含まれているディスク・リソース
データベースのトランザクション・ログ・バックアップ・ファイルを含むディスク・リソース