ヘッダーをスキップ
Oracle® GoldenGate Oracle TimesTenのためのOracle GoldenGateのインストールおよび構成
12c (12.1.2)
E52453-01
  目次へ移動
目次

前
 
次
 

2 Oracle GoldenGateのインストール

Oracle GoldenGateをインストールすると、処理の実行および管理に必要なすべてのコンポーネント(ドライバ、ライブラリなど他のベンダーから要求されるコンポーネントを除く)がインストールされ、さらにOracle GoldenGateのユーティリティがインストールされます。

インストール・プロセスは短時間で終了します。


注意:

次の手順は、Oracle GoldenGateを初めてインストールする場合のものです。また、これは、新しいバージョンのOracle GoldenGateの基本リリースをダウンロードする場合のものです。

基本リリースへの後続のパッチをダウンロードおよびインストールするには、次の場所にあるMy Oracle Supportの「パッチと更新版」タブに移動します。

http://support.oracle.com

Oracle GoldenGateをあるバージョンから別のバージョンにアップグレードするには、次の場所にあるアップグレード手順に従います。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/goldengate/documentation/index.html


2.1 インストールの概要

Oracle GoldenGateをインストールするには、次の手順を使用します。

2.2 Oracle GoldenGateのダウンロード

Oracle GoldenGate構成に含まれる各システムにOracle GoldenGateの適切なビルドをダウンロードします。

  1. http://edelivery.oracle.comに移動します。

    「Oracle Software Delivery Cloud」ページが表示されます。

  2. 「サインイン/登録」をクリックします。


    注意:

    まだログインしていない場合、「シングル・サインオン」ページが表示されます。Oracle IDおよびパスワードを入力し、「サインイン」をクリックします。


    「条項および規制」ページが表示されます。

  3. 「Oracle Software Delivery Cloudトライアル・ライセンス契約」および「輸出規制」を受諾し、「続行」をクリックします。

    「メディア・パック検索」ページが表示されます。

  4. 「メディア・パック検索」ページで次の操作を実行します。

    1. 製品パックを選択ドロップダウン・コントロールをクリックし、リストから「Oracle Fusion Middleware」を選択します。

    2. 「プラットフォーム」ドロップダウン・コントロールをクリックし、リストからOracle GoldenGateをインストールしているプラットフォームを選択します。

    3. 「実行」をクリックします。

    検索基準が含まれる使用可能なすべてのメディア・パックが表示されるまで「結果」リストが拡張します。

  5. 「結果」リストで、ダウンロードするメディア・パックを選択し、「続行」をクリックします。

    メディア・パックのダウンロード・ページが表示されます。異なるデータベースや異なるバージョンのデータベースの別々のビルドなど、複数のダウンロードの選択内容が表示されます。このページには、ダウンロード可能な各ファイルのパート番号およびサイズが含まれていることに注意してください。

  6. ファイルのダウンロードが正常に実行されるようにするには、 まず「README」をクリックし、メディア・パックReadmeでダウンロードの手順および製品情報を確認します。Readmeには、新機能、新しい要件または現在の構成に影響するバグ修正に関するリリース・ノート、およびその他の既知の問題が含まれています。

  7. ダウンロード・プロセスを開始するには、ダウンロードするOracle GoldenGateビルドの名前の隣にある「ダウンロード」をクリックします。

    「ファイル・ダウンロード」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  8. 「次で開く」または「ファイルの保存」のいずれかを選択します。

    目的... 選択...

    メディア・パックをすぐにインストールする

    「開く」を選択し、必要なファイル抽出ユーティリティを選択し、ファイル・システムの指定の場所にファイルを抽出します。

    以降のインストール用にファイルを保存する

    「保存」を選択し、ファイル・システムの指定の場所を指し示します。


2.3 UNIXにおける動的ビルド用のライブラリ・パスの設定

Oracle GoldenGateでは共有ライブラリを使用します。UNIXシステムにOracle GoldenGateをインストールするとき、GGSCIまたは他のOracle GoldenGateプロセスを実行する前に、次の手順を実行しておく必要があります。

  1. データベースのライブラリがシステムの共有ライブラリ環境変数に追加されていることを確認します。通常、この手順はデータベースのインストール時に実行します。不明な点はデータベース管理者に問い合せてください。

  2. Oracle GoldenGateプログラムをUNIXシステム上のOracle GoldenGateインストール・ディレクトリ外から実行する場合は、次のようにします。

    • (オプション) Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリをPATH環境変数に追加します。

    • (必須) Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリを共有ライブラリの環境変数に追加します。

たとえば、Oracle GoldenGateインストール・ディレクトリが/users/oggの場合、次の例の2番目のコマンドには、これらの環境変数が設定されている必要があります。

表2-1 ライブラリ要件の検証

コマンド 環境変数にライブラリが必要であるか

$ users/ogg > ./ggsci

いいえ

$ users > ./ogg/ggsci

はい


Kornシェルで変数を設定する場合

PATH=installation_directory:$PATH
export PATH
shared_libraries_variable=absolute_path_of_installation_directory:$shared_libraries_variable
export shared_libraries_variable

Bourneシェルで変数を設定する場合

export PATH=installation_directory:$PATH
export shared_libraries_variable=absolute_path_of_installation_directory:$shared_libraries_variable

Cシェルで変数を設定する場合

setenv PATH installation_directory:$PATH
setenv shared_libraries_variable absolute_path_of_installation_directory:$shared_libraries_variable

説明: shared libraries variableは、表2-1に示す変数のいずれかです。

表2-2 プラットフォームごとのUNIX/Linuxライブラリ・パス変数

プラットフォーム 環境変数

IBM AIX

LIBPATH

HP-UX

SHLIB_PATH

Sun Solaris

LINUX

LD_LIBRARY_PATH脚注 1 


脚注 1 32ビットのOracleデータベースが存在する64ビット環境の場合、Oracle GoldenGateでは32ビットのOracleライブラリが含まれるようにLD_LIBRARY_PATHを設定する必要があります。

次に、Bourneシェルでのパスの設定方法の例を示します。

export LD_LIBRARY_PATH=/ggs/11.0:$LD_LIBRARY_PATH

注意:

Oracle GoldenGateのプロセスに必要なライブラリを確認するには、そのプロセスを開始する前にldd goldengate_processシェル・コマンドを使用します。不足がある場合には、このコマンドによってエラー・メッセージも表示されます。


2.4 クラスタ内にOracle GoldenGateをインストールする準備

このトピックでは、Oracle GoldenGateをクラスタ環境にインストールする場合に適用されるインストール要件について説明します。Oracle GoldenGateは、オラクル社認定のどのクラスタ管理ソリューションにも使用できます。

ベスト・プラクティスは、Oracle GoldenGate全体を共有記憶域にインストールすることです。これによって、パラメータ・ファイルを変更せずにどのノードからもOracle GoldenGateプロセスを起動できます。アクティブ・ノードに障害が発生した場合、インストール・ディレクトリに保持されている処理のチェックポイントを使用して、別のノードでプロセスをただちに起動できます。

共有記憶域ではなく、各ノードにOracle GoldenGateバイナリとファイルをインストールする場合、次の条件を満たす必要があります。

Oracle GoldenGateのインストール後、2.7項「クラスタへのOracle GoldenGateの統合」を参照してください。

2.5 LinuxおよびUNIXにおけるOracle GoldenGateのインストール

次の手順に従って、LinuxまたはUNIXシステムまたはクラスタ内の適切な場所にOracle用のOracle GoldenGateをインストールします。詳細は、2.4項「クラスタ内にOracle GoldenGateをインストールする準備」を参照してください。

次の手順では、Oracle GoldenGateバイナリおよび作業ディレクトリをインストールします。

  1. Oracle GoldenGateインストール・ファイルを、Oracle GoldenGateをインストールするシステムおよびディレクトリに抽出します。

  2. コマンド・シェルを実行します。

  3. ディレクトリを、新しいOracle GoldenGateディレクトリに変更します。

  4. Oracle GoldenGateディレクトリからGGSCIプログラムを実行します。

    GGSCI
    
  5. GGSCIで、次のコマンドを発行してOracle GoldenGateの作業ディレクトリを作成します。

    CREATE SUBDIRS
    
  6. 次のコマンドを発行してGGSCIを終了します。

    EXIT
    

2.6 WindowsにおけるOracle GoldenGateのインストール

次の手順に従って、Windowsシステムまたはクラスタ内の適切な場所にOracle用のOracle GoldenGateをインストールします。

2.6.1項「Oracle GoldenGateファイルのインストール」

2.6.2項「カスタムManager名の指定」

2.6.3項「WindowsサービスとしてのManagerのインストール」

2.6.1 Oracle GoldenGateファイルのインストール

Oracle GoldenGateファイルをインストールするには、次の操作を実行します。

  1. (Windowsクラスタ)クラスタのノードの1つにログインします。

  2. (Windowsクラスタ) Oracle GoldenGateのインストール場所のドライブを選択します。このドライブは、データベース・インスタンスが含まれる同じクラスタ・グループ内のリソースである必要があります。

  3. (Windowsクラスタ)このクラスタ・グループがログインしているクラスタのノードによって所有されていることを確認します。

  4. WinZipまたは同等の圧縮製品を使用して、ダウンロードしたファイルを解凍します。

  5. それらのファイルをバイナリ・モードでOracle GoldenGateをインストールするドライブ上のフォルダに移動します。パスが引用符で囲まれている場合でも、名前に空白が含まれているフォルダにはOracle GoldenGateをインストールしないでください。例を次に示します。

    C:\"Oracle GoldenGate"は有効ではありません。

    C:\Oracle_GoldenGateは有効です。

  6. Oracle GoldenGateフォルダからGGSCIプログラムを実行します。

  7. GGSCIで、次のコマンドを発行してOracle GoldenGateの作業ディレクトリを作成します。

    CREATE SUBDIRS
    
  8. 次のコマンドを発行してGGSCIを終了します。

    EXIT
    

2.6.2 カスタムManager名の指定

次のいずれかに該当する場合、Managerプロセスのカスタム名を指定する必要があります。

  • デフォルトのGGSMGR以外のManagerの名前を使用する必要があります。

  • 複数のManagerプロセスがWindowsサービスとしてこのシステムで実行されています。システム上の各Managerの名前を一意にする必要があります。次の手順に進む前に、ローカルのManagerサービスの名前を書き留めてください。

カスタムManager名を指定するには、次の手順に従います。

  1. Managerプログラムが格納されているディレクトリから、GGSCIを実行します。

  2. 次のコマンドを発行します。

    EDIT PARAMS ./GLOBALS
    

    注意:

    GLOBALSファイルはOracle GoldenGateインストール・ファイルのルートにあるため、このコマンドの./の部分を使用する必要があります。


  3. ファイルに次の行を追加します。nameは、Managerサービスの1語で構成される名前です。

    MGRSERVNAME name
    
  4. ファイルを保存します。ファイルは、GLOBALSの名前でファイル拡張子を付けずに自動的に保存されます。このファイルを移動しないでください。Windowsサービスのインストール時とデータ処理時に使用されます。

2.6.3 WindowsサービスとしてのManagerのインストール

デフォルトでは、Managerは、サービスとしてインストールされず、ローカル・アカウントまたはドメイン・アカウントによって実行可能です。ただし、このように実行すると、ユーザーがログアウトしたときにManagerが停止します。Managerをサービスとしてインストールすると、ユーザーの接続に関係なくManagerを操作でき、さらに手動で、あるいはシステムの起動時にManagerを開始するようにManagerを構成できます。

WindowsクラスタではManagerをサービスとしてインストールする必要がありますが、それ以外の場合はオプションです。

  1. (推奨)システム管理者としてログオンします。

  2. 「スタート」「ファイル名を指定して実行」の順にクリックし、「ファイル名を指定して実行」ダイアログ・ボックスにcmdと入力します。

  3. サービスとしてインストールするManagerプログラムが格納されているディレクトリから、次の構文を使用してINSTALLユーティリティを実行します。

    install option [...]
    

    optionは次のいずれかです。

    表2-3 INSTALLオプション

    オプション 説明

    ADDEVENTS

    Oracle GoldenGateのイベントをWindowsのイベント・マネージャに追加します。

    ADDSERVICE

    GLOBALSファイルのMGRSERVNAMEパラメータで指定された名前がある場合はその名前で、そうでない場合はデフォルトのGGSMGRで、Managerをサービスとして追加します。ADDSERVICEでは、大部分のWindowsアプリケーションの標準であるローカル・システム・アカウントとして実行されるようサービスが構成されます。これにより、サービスをユーザー・ログインやパスワードの変更の影響を受けずに実行できます。Managerを特定のアカウントで実行するには、USERオプションとPASSWORDオプションを使用します。

    サービスがシステムの起動時に開始するようにインストールされます(「AUTOSTART」を参照してください)。インストール後に開始するには、システムを再起動するか、「コントロール パネル」の「サービス」アプレットから手動でサービスを開始します。

    AUTOSTART

    ADDSERVICEを使用して作成されたサービスをシステムの起動時に開始するように設定します。MANUALSTARTを使用しないかぎり、これがデフォルトです。

    MANUALSTART

    ADDSERVICEを使用して作成されたサービスを、GGSCI、スクリプトまたは「コントロール パネル」の「サービス」アプレットから手動で開始するように設定します。デフォルトはAUTOSTARTです。

    USER name

    Managerを実行するドメイン・ユーザー・アカウントを指定します。nameには、HEADQT\GGSMGRなどのようにドメイン名、バックスラッシュおよびユーザー名を含めます。

    デフォルトでは、Managerサービスは、ローカル・システム・アカウントを使用するようにインストールされます。

    PASSWORD

    password

    USERで指定されたユーザーのパスワードを指定します。


  4. (Windows Server 2008) Windows User Account Control(UAC)が有効である場合、コンピュータへのプログラム・アクセスを許可するか、または拒否するかを尋ねるプロンプトが表示されます。「許可」を選択して、INSTALLユーティリティを実行できるようにします。これによって、管理者権限付きで実行されているローカル・システム・アカウントを使用してManagerサービスがインストールされます。サービスとしてインストールすると、Managerの実行時にUACによるプロンプトが表示されません。


注意:

Managerをサービスとしてインストールしない場合、GGSCIコマンド・プロンプトから開始すると、Managerの権限レベルの引上げを確認するUACプロンプトがOracle GoldenGateユーザーに表示されます。他のOracle GoldenGateプログラムの実行でもプロンプトが表示されます。


2.7 クラスタへのOracle GoldenGateの統合

Oracle GoldenGateをクラスタにインストールした場合、次の手順を実行してOracle GoldenGateをクラスタ・ソリューション内に統合します。

2.7.1項「クラスタでの一般的な要件」

2.7.2項「Windowsクラスタ・リソースとしてのOracle GoldenGateの追加」

2.7.1 クラスタでの一般的な要件

クラスタでOracle GoldenGateをインストールする際、次の操作を実行します。

  1. Oracle GoldenGate Managerプロセス(Managerのみ)を、他のアプリケーションと同様にクラスタ管理対象リソースとして登録します。Managerは、他のすべてのプロセスを管理する親プロセスであるため、Managerのみがクラスタ管理ソフトウェアを起動および停止するOracle GoldenGateプロセスです。

  2. クラスタで仮想IPアドレスを使用する場合、Managerプロセス用に使用可能な固定IPアドレスを取得する必要があります。VIPは、パブリック・サブネット上の使用可能なIPアドレスである必要があり、DHCPを介して決定されません。Extractデータ・ポンプのパラメータ・ファイルで、リモートManagerのVIPをRMTHOSTパラメータの入力値として指定します。Managerにアクセスする他のOracle GoldenGate製品もVIPを使用する必要があります。

  3. Managerを構成する際、AUTOSTARTおよびAUTORESTARTパラメータを追加して、Managerでレプリケーション・プロセスを自動的に起動するようにします。必要に応じて、Oracle GoldenGateユーザー・インタフェース内からExtract、Replicatおよび他のOracle GoldenGateプロセスを制御できます。

  4. 1つのノードのみで共有ドライブをマウントします。これによって、他のノードでプロセスが起動されなくなります。すべてのノードで同じマウント・ポイントを使用します。

2.7.2 Windowsクラスタ・リソースとしてのOracle GoldenGateの追加

Oracle GoldenGateをWindowsクラスタにインストールする際、次の手順に従ってOracle GoldenGateをクラスタ・リソースとして設定し、すべてのノード上でManagerサービスを正しく構成します。

  • クラスタ・アドミニストレータで、Oracle GoldenGateの接続先のデータベース・インスタンスを含むグループにManagerプロセスを追加します。

  • Oracle GoldenGateが稼働するすべてのノードが、想定されるリソースの所有者として選択されていることを確認します。

  • Manager Windowsサービスに次の依存関係(「サービス」コントロール・パネルから構成可能)があることを確認します。

    • データベース・リソース

    • Oracle GoldenGateディレクトリを含むディスク・リソース

    • データベースのトランザクション・ログ・ファイルを含むディスク・リソース

    • データベースのトランザクション・ログ・バックアップ・ファイルを含むディスク・リソース