| Oracle® Fusion Middleware Oracle Forms and Reportsアップグレード・ガイド 11gリリース2 (11.1.2.2) B66164-03 |
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Oracle Forms and Reports 11gリリース1からOracle Forms and Reports 11gリリース2にアップグレードするには、この章を使用します。
この章には次の項が含まれます:
次の項では、アップグレード手順を実行する前に知っておく必要がある情報について説明します。
11gリリース1 (11.1.1)からアップグレードする場合のアップグレード元Oracleインスタンスとアップグレード先Oracleインスタンスの識別
11gリリース1 (11.1.1)から11gリリース2 (11.1.2)へのアップグレード・スクリプトによって実行されるタスクの理解
Oracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)からOracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)へのアップグレードでは、アップグレード元の11gリリース1 (11.1.1) Oracleインスタンスからアップグレード先の11gリリース2 (11.1.2) Oracleインスタンスに構成情報をコピーするスクリプトを実行します。
アップグレード元Oracleインスタンスとは、現在実行しているOracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)のインスタンスです。
アップグレード先Oracleインスタンスとは、第3章「アップグレード準備としてのOracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)のインストール」で作成した、Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)のOracleインスタンスです。
スクリプトを実行する前に、アップグレード元およびアップグレード先のOracleインスタンスについての必要な情報をプロパティ・ファイルに入力する必要があります。その後、スクリプトを実行して手動手順を行い、アップグレードを検証することができます。
アップグレード・スクリプトを実行すると、スクリプトによって次の処理が自動的に実行されます。
アップグレード・プロパティ・ファイルに入力された値を使用して、アップグレード元およびアップグレード先の構成ファイルの場所を特定します。
詳細は、5.2項「Oracle Forms and Reportsアップグレード・プロパティ・ファイルの場所の特定および編集」を参照してください。
現在のdate_timeスタンプを接尾辞として使用して、アップグレード先Oracleインスタンスおよびアップグレード先ドメイン・ホームをバックアップします。
スクリプトによって、インスタンスのバックアップがアップグレード先Oracleインスタンス・ディレクトリの親ディレクトリに作成されます。スクリプトによって、ドメインのバックアップ・ディレクトリがドメイン・ホーム・ディレクトリの親ディレクトリに作成されます。
アップグレード元の場所からアップグレード先の場所に、構成ファイルをコピーします。
構成ファイルのアップグレード元のパスへの参照をアップグレード先のパスに置き換えます。
各コンポーネントが必要とするMBean操作またはシステム・コールを実行します。
アップグレード先Oracle WebLogic Serverドメイン・サーバーおよびOracleインスタンスを再起動します。
Oracle Forms and Reportsアップグレード・プロパティ・ファイルの場所を特定して編集するには、次の手順を実行します。
ディレクトリを、Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2) Oracleホームの次のディレクトリに変更します。
(UNIX) ORACLE_HOME/upgrade/scripts/ (Windows) ORACLE_HOME\upgrade\scripts\
テキスト・エディタを使用して、次のファイルを開きます。
upgrade.properties
プロパティ・ファイルに各要素の値を指定します。各要素の説明は、表5-1を参照してください。
注意:
接頭辞「d_」が付いている要素は、アップグレード先の11gリリース2 (11.1.2)ソフトウェアのプロパティを示します。接頭辞「s_」が付いている要素は、アップグレード元の11gリリース1 (11.1.1)ソフトウェアのプロパティを示します。
Windowsプラットフォームでは、プロパティ値としてディレクトリ・パスが必要な場合は、デリミタとしてスラッシュ(/)を使用する必要があります。次に例を示します。
C:/Oracle/Middleware/Oracle_FRHome/
プロパティ・ファイルのすべての要素が必要です。
プロパティ・ファイルに入力する値の前後には、空白を使用しないでください。使用した場合、Apache Antのビルドが失敗する可能性があります。
値を入力したファイルを保存します。
表5-1 upgrade.propertiesファイルの要素の説明
| 要素 | 説明 |
|---|---|
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d_fmw-home |
新しくインストールしたOracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)のOracleホームがインストールされているMiddlewareホームの完全パス。 |
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d_admin-server-host |
新しいOracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)ソフトウェアが構成されているOracle WebLogic Serverドメインの管理サーバーのホスト・コンピュータ名。 この値は、次のドメイン構成ファイルで確認できます。
DOMAIN_HOME/config/config.xml
この値は通常、UNIXシステムではHOSTNAME変数、WindowsシステムではCOMPUTERNAME変数で定義されています。 |
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d_hostname |
Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)がインストールおよび構成されたホストの名前。 このホスト名は、管理サーバーがインストールされているホストと異なる場合があります。たとえば、ドメインが複数のホストにまたがっている場合、このようなことがあります。 |
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d_domain-home |
Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)が構成されているOracle WebLogic Serverドメインのドメイン・ホーム・ディレクトリの完全パス。 |
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d_weblogic.username |
Oracle WebLogic Server管理ユーザーのユーザー名。ほとんどの場合、これは |
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d_weblogic.port |
Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)が構成されているOracle WebLogic Serverドメインの管理サーバー・ポート。デフォルトでは、このポートは |
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d_oracle-home |
Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)のOracleホームの完全パス。 |
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d_oracle-instance |
Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)のOracleインスタンス・ディレクトリの完全パス。 |
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s_fmw-home |
Oracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)のOracleホームがインストールされているMiddlewareホームの完全パス。 |
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s_domain-home |
Oracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)が構成されたOracle WebLogic Serverドメインのドメイン・ホームの完全パス。 |
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s_oracle-home |
Oracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)のOracleホームの完全パス。 |
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s_oracle-instance |
Oracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)のOracleインスタンスの完全パス。 |
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retain_source-ports |
trueまたはfalseを指定します。デフォルト設定はtrueです。 trueに設定した場合、アップグレード・スクリプトは、アップグレード元Oracleホームで使用されていたものと同じポートを使用するようにアップグレード先ソフトウェアを構成します。 falseに設定した場合、アップグレード・スクリプトは、アップグレード先インスタンスでポート値を変更しません。そのため、Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)をインストールして構成する際に設定された値が使用されます。 注意: 11gリリース1 (11.1.1)インスタンスにOracle PortalまたはOracle Business Intelligenceが含まれている場合、アップグレード後もOracle PortalおよびOracle Business Intelligenceを引き続き使用するには、この値をfalseに設定する必要があります。詳細は、1.8項「Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)でのOracle PortalおよびOracle Business Intelligence Discovererの使用について」を参照してください。 このプロパティは、Oracle Forms and Reports 10gからアップグレードする場合のUpgrade Assistantの「アップグレード先でソースOracleホーム・ポートを使用」オプションに似ています。詳細は、表4-1の「アップグレード・オプションの指定」画面の説明を参照してください。 |
プロパティ・ファイルに必要な値を入力したら、Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)アップグレード・スクリプトを使用して、11gリリース1 (11.1.1)の構成設定をOracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)にアップグレードできます。
アップグレード元Oracleインスタンスと、Oracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)製品が構成されているOracle WebLogic Serverドメインを停止します。
Oracleインスタンスを停止するには、プラットフォームに適したOPMNコマンドを使用します。
Oracle WebLogic Serverドメインを停止するには、ドメインの標準的な起動手順と停止手順を使用して、管理対象サーバーと管理サーバーを停止します。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のOracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。
アップグレード先Oracleインスタンスおよびアップグレード先Oracle WebLogic Serverドメインが起動して実行中であることを確認します。
インスタンスおよびドメインが実行中であることを確認するには、ドメインのOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにログインして、管理対象サーバーおよびOracle Forms and Reportsコンポーネントが実行中であることを確認します。
次の環境変数を設定します。
JAVA_HOME: 通常、オペレーティング・システムおよびプラットフォームに応じて、Oracle Forms and ReportsとともにインストールされるJDKは次のいずれかの場所にあります。
UNIX:
DEST_MW_HOME/jdkrel_version DEST_ORACLE_HOME/jdk
Windows:
DEST_MW_HOME\jdkrel_version DEST_ORACLE_HOME\jdk
ANT_HOME: 通常、オペレーティング・システムおよびプラットフォームに応じて、Oracle Forms and ReportsとともにインストールされるANTは次の場所にあります。
UNIX:
DEST_MW_HOME/modules/org.apache.ant_1.7.1
Windows:
DEST_MW_HOME\modules\org.apache.ant_1.7.1
PATH: Java Development Kit (JDK)およびApache AntバイナリがPATH変数に含まれていることを確認します。
UNIX:
JAVA_HOME/bin ANT_HOME/bin
Windows:
JAVA_HOME\bin ANT_HOME\bin
CLASSPATH: 次のものがCLASSPATH変数に含まれていることを確認します。
UNIX:
DEST_MW_HOME/wlserver_10.3/server/lib/weblogic.jar
Windows:
DEST_MW_HOME\wlserver_10.3\server\lib\weblogic.jar
ディレクトリを、Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2) Oracleホームの次のディレクトリに変更します。
(UNIX) DEST_ORACLE_HOME/upgrade/scripts/ (Windows) DEST_ORACLE_HOME\upgrade\scripts\
次のコマンドを入力し、必要な各アップグレード・スクリプトを実行します。
ant
アップグレード中にエラーが発生した場合、5.4項「11gリリース1 (11.1.1)から11gリリース2 (11.1.2)へのアップグレードのトラブルシューティング」を参照してください。
次の項では、Oracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)からのアップグレードで問題が発生した場合に使用できる情報を示します。
Oracle Forms and Reportsアップグレード・スクリプトを実行するたびに、アップグレードのトラブルシューティングに使用できるログ・ファイルが、スクリプトによって生成されます。ログ・ファイルは、アップグレード先Oracleホームの次のディレクトリに書き込まれます。
(UNIX) DEST_ORACLE_HOME/upgrade/logs/ (Windows) DEST_ORACLE_HOME\upgrade\logs\
確認するログ・ファイルを識別しやすいように、ログ・ファイルの名前には次の書式が使用されます。
upgrade_date-time.log
次に例を示します。
upgrade_08-22-2011-12_10_30_PM.log
アップグレード・スクリプトを実行するたびに、アップグレード先Oracleインスタンス・ディレクトリおよびOracle WebLogic Serverドメイン・ディレクトリ全体のバックアップ・コピーが、スクリプトによって作成されます。
これらのディレクトリは、元のOracleインスタンスおよびドメイン・ディレクトリが存在する場所と同じディレクトリに作成されます。ディレクトリの名前は、バックアップ・ディレクトリを識別しやすいように、次の書式を使用して保存されます。
instance_name.preUpgrade_date-time domain_name.preUpgrade_date-time
次に例を示します。
forms_reports_1112_instance1.preUpgrade_08-22-2012-12_10_30_PM forms_reports_domain1.preUpgrade_08-22-2012-12_10_30_PM
アップグレードが失敗した後でOracleインスタンスまたはドメインをリストアする必要がある場合、この場所からバックアップ・ファイルを取得できます。
環境のアップグレード中に問題が発生した場合は、ログ・ファイルを確認してアップグレード・スクリプトを再実行できます。アップグレード・スクリプトを再実行するには、次の手順を実行します。
5.2項「Oracle Forms and Reportsアップグレード・プロパティ・ファイルの場所の特定および編集」の説明に従い、プロパティ・ファイルで値を正しく設定していることを確認します。
5.3項「Oracle Forms and Reports 11gリリース1 (11.1.1)のアップグレードの実行」の説明に従い、スクリプトを再実行します。
Oracle Forms and Reportsの各コンポーネントで実行する必要があるアップグレード後のタスクの説明は、第6章「Oracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)へのアップグレード後のタスク」を参照してください。
アップグレードが成功したことを検証するには、次の手順を実行します。
ブラウザを使用してFusion Middleware Controlホーム・ページに移動します。
http://hostname:port/em
詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』のFusion Middleware Controlの表示に関する項を参照してください。
管理対象サーバーのリストを確認し、構成設定が新しいOracle Forms and Reports 11gリリース2 (11.1.2)インストールに移行されていることを確認します。
『Oracle Fusion Middleware Oracle Forms and Reportsインストレーション・ガイド』のブラウザのURLの確認に関する項で説明されているとおりに、Forms and Reports URLを確認します。