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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
11gリリース2 (11.1.2)
B70751-03
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7.8 Oracle Process Manager and Notification ServerおよびOracle Enterprise ManagerによるReports Serverの構成

Reports Serverの起動、停止、監視および管理を行う方法としては、Oracle Process Manager and Notification Server (OPMN)およびOracle Enterprise Managerの使用をお薦めします。

Oracle Fusion Middlewareコンポーネント(Reports Serverなど)の初期化、維持および停止を一元化したメカニズムをOPMNにより実現します。Oracle Reportsコンポーネントの障害検出とリカバリはデフォルトでOPMNによって管理されており、Oracle Reports 11gリリース2 (11.1.2)のヘルス・チェック・メカニズムが強化されています。

Oracle Enterprise Managerを使用してReports Serverを便利に監視できます。また、なんらかの原因でプロセスが失敗した場合、OPMNによりReports Serverが自動的に再起動します。

Oracle Fusion Middlewareをインストールする際、Reports Serverは自動的にOPMNで構成され、Oracle Enterprise Managerに登録されます。

7.8.1 opmn.xml

コンポーネントは、OPMNによって、INSTANCE_HOME/config/OPMN/opmn/opmn.xmlにあるopmn.xmlファイルで構成されます。次の各項では、OPMNを使用して次のコンポーネントを構成する方法を説明します。


関連項目:

OPMNの構成およびopmn.xmlの内容の詳細は、次のドキュメントを参照してください。

  • 『Oracle Fusion Middleware Administrator's Guide』

7.8.1.1 モジュールの指定

moduleタグは、デフォルトではopmn.xmlに含まれ、特定のモジュールのロードをOPMNに指示します。Reports Serverの場合は、OracleAS Reports Servicesモジュールをロードする必要があります。このモジュールは、デフォルトでは、次の情報によってopmn.xmlにロードされます。

<module path="/private/oraclehome/opmn/lib/libopmnreports"><module-id id="ReportsServices"/></module>

7.8.1.2 スタンドアロンのReports Serverの指定

スタンドアロンReports Serverの場合、Reports Serverは専用コンポーネントで実行されます。したがって、OPMNによってサーバーを制御するには、Reports Serverの個別コンポーネントを指定する必要があります。例:

<ias-component id="<ServerName>">
 <process-type id="ReportsServerComponent" module-id="ReportsServices">
   <process-set id="<ServerName>" restart-on-death="true" numprocs="1">
      <environment>
         <variable id="PATH" value="<PATH environment variable> "/>
      </environment>
      <module-data>
         <category id="general-parameters">
            <data id="batch" value="yes"/>
         </category>
         <category id="restart-parameters">
            <data id="reverseping-timeout" value="120"/>
         </category>
      </module-data>
      <start timeout="75" retry="2"/>
      <stop timeout="120"/>
      <restart timeout="75"/>
      <ping timeout="30" interval="30"/>
   </process-set>
 </process-type>
</ias-component>

注意:

前述の例のtimeout値は、すべて秒単位です。

Oracle Reportsのこの指定で重要なセグメントは次のとおりです。

<ias-component id="<RSName>" ...>

このタグにより、Reports Serverの名前を指定します。これは、targets.xmlにある内部Reports Server名と一致する必要があります。


関連項目:

targets.xmlの詳細は、第19章「OracleAS Reports Servicesの管理と監視」を参照してください。

 

<process-type id="ReportsServer" module-id="ReportsServices">

このタグにより、指定されたReports Serverのプロセスを定義し、これをOracleAS Reports Servicesのプロセス・モジュールに関連付けます。

<process-set id="<RSName>" restart-on-death="true" numprocs="1">

このタグにより、指定のReports Serverのプロセス特性を定義します。これによって、Reports Serverの失敗時に再起動するかどうかを指定します。さらに、このプロセス・セットについて起動されるReports Serverの数も指定しますが、プロセスセットIDにより単一のReports Server名を識別するため、その値は1である必要があります。

<variable id="PATH" value="your_shell_path"/>

1番目のタグは、そのプロセスで使用されるPATH環境変数の値を指定します。この変数の設定は、開始スクリプトがunameを検出するために必要です。このenvironment要素は、Microsoft Windowsプラットフォームでは不要です。

<category id="general-parameters"><data id="batch" value="yes"/></category>

このタグのグループは、プロセスに共通のデータ(パラメータ)をすべて集めます。この例では、BATCHパラメータがReports Serverに送信されるように指定する方法を示しています。batch=yes|noは、Reports Serverの起動や停止を行うコマンドのオプションです。構成されない場合、このオプションはReports Serverに渡されません。

<category id="restart-parameters"><data id="reverseping-timeout" value="120"/></category>

このタグのグループは、再起動パラメータ・カテゴリを指定します。このカテゴリでは、プロセスが失敗したかどうか、プロセスを再起動するかどうかを検出するときに使用するパラメータを定義します。指定されたreverseping-timeout期間内に通知が受信されなかった場合、プロセスは失敗したと見なされ、再起動されます。


関連項目:

opmn.xmlとその内容の詳細は、次のドキュメントを参照してください。

  • 『Oracle Application Server管理者ガイド』

7.8.1.3 Oracle Reportsブリッジの指定

Oracle Reports Bridgeは、その専用コンポーネント内で実行されます。したがって、OPMNによってブリッジを制御するには、Oracle Reports Bridgeに対して個別のias-componentタグを指定する必要があります。トラブルシューティングの例と解決策の詳細は、第D.8項「Oracle Reports Bridgeの問題の診断」を参照してください。

次は、最小のブリッジ構成と完全なブリッジ構成の例です。

例7-1 Oracle Reportsブリッジの最小構成

<ias-component id="your_bridge_name" status="enabled" id-matching="false"
xmlns="http://www.oracle.com/ias-instance">
 <process-type id="ReportsBridge" module-id="ReportsBridgeServices">
   <process-set id="your_bridge_name" restart-on-death="true" numprocs="1">
      <environment>
         <variable id="PATH" value="your_oracle_home_directory/jdk/jre/bin" append="true"/>
         <variable id="PATH" value="your_shell_path" append="true"/>
         <variable id="CLASSPATH" value="your_oracle_home_directory/jlib/zrclient.jar" append="true"/>
         <variable id="CLASSPATH" value="your_oracle_home_directory/reports/jlib/rwrun.jar" append="true"/>
      </environment>
   </process-set>
 </process-type>
</ias-component>

例7-2 Oracle Reportsブリッジの完全構成

<ias-component id="your_bridge_name" status="enabled" id-matching="false">
 <process-type id="ReportsBridge"module-id="ReportsBridgeServices">
   <process-set id="your_bridge_name" restart-on-death="true" numprocs="1">
      <environment>
         <variable id="PATH" value="your_shell_path" append="true"/>
         <variable id="CLASSPATH" value="your_oracle_home_directory/jlib/zrclient.jar" append="true"/>
         <variable id="CLASSPATH" value="your_oracle_home_directory/reports/jlib/rwrun.jar" append="true"/>
      </environment>
      <module-data>
         <category id="restart-parameters">
            <data id="reverseping-timeout" value="120"/>
         </category>
         <category id="start-parameters">
            <data id="jvm-options" value="="-Xms128mb -Xmx256mb"/>
            <data id="bridge-options" value="start_options_if_any"/>      
         </category>
        <category id="stop-parameters">
            <data id="jvm-options" value="-Xms128mb -Xmx256mb"/>
            <data id="bridge-options" value="stop_options_if_any"/>
        </category>
      </module-data>
      <start timeout="120" retry="3"/>
      <stop timeout="120"/>
      <restart timeout="120" retry="0"/>
   </process-set>
 </process-type>
</ias-component>

7.8.1.4 COSネーミング・サービスの指定

デフォルトでは、Oracle ReportsではReports Serverの検出にビルトインのブロードキャスト・メカニズムを使用します。ただし、次の例のように、ビルトインのブロードキャスト・メカニズムが使用環境に適さない場合、Oracle Reportsクライアントは、Reports Serverの検出にCommon Object Service (COS)ネーミング・サービスを使用して、レポート・リクエストを送信できます。

  • VPNを使用してネットワークに接続しているマシン上にOracle Reportsがインストールされている場合

  • ネットワーク上のブロードキャスト・トラフィックを回避する必要がある場合

詳細は、第2.3.4.2項「COSネーミング・サービスを使用したサーバーの検出」を参照してください。OPMNを使用してCOSネーミング・サービスを制御するには、次のように、opmn.xmlファイルにias-componentカスタム・タグを含める必要があります。

<ias-component id="namingservice">
<process-type id="namingservice" module-id="CUSTOM">
      <environment>
         <variable id="PATH" value="ORACLE_HOME\jdk\bin"/>
      </environment>
   <process-set id="namingservice" numprocs="1">
      <module-data>
         <category id="start-parameters">
            <data id="start-executable" value="ORACLE_HOME\jdk\bin\orbd"/>
            <data id="start-args" value="-ORBInitialPort port"/>
         </category>
      </module-data>
   </process-set>
 </process-type>
</ias-component>

ここで、

ORACLE_HOMEは、使用しているOracleホーム・ディレクトリです。

portは、COSネーミング・サービスを起動するポートです。第7.5.1.3項「namingService」で指定されているように、このポートはrwnetwork.confファイルで指定する必要があります。

さらに、Reports Serverの起動前にOPMNでCOSネーミング・サービスを起動するには、opmn.xmlに次の依存関係を含める必要があります。

<ias-component id="<reports_server_name>" status="enabled" id-matching="false">
<process-type id="ReportsServer" module-id="ReportsServices">
...
<managed-process ias-component="namingservice" process-type="namingservice"
process-set="namingservice" autostart="true"/>
...
</process-type>
</ias-component>

OPMNを使用してCOSネーミング・サービスを制御するには、次のステップを実行します。

  1. Reports ServerとWLS_REPORTSを停止します。

  2. opmn.xmlファイルを編集してias-componentタグを追加します。例:

    ...
<ias-component id="namingservice">
<process-type id="namingservice" module-id="CUSTOM">
   <environment>
    <variable id="PATH" value="G:\FRHome_2\jdk\bin"/>
   </environment>
  <process-set id="namingservice" numprocs="1">
   <module-data>
    <category id="start-parameters">
     <data id="start-executable" value="G:\FRHome_2\jdk\bin\orbd"/>
     <data id="start-args" value="-ORBInitialPort 8988"/>
    </category>
   </module-data>
  </process-set>
 </process-type>
</ias-component>
...

  3. Reports Serverのias-componentタグに依存関係を追加します。例:

    <category id="general-parameters">
  <data id="batch" value="yes"/>
</category>
<category id="restart-parameters">
          <data id="reverseping-timeout" value="120"/>
</category>
  </module-data>
   <dependencies>
            <managed-process ias-component="namingservice"
            process-type="namingservice" process-set="namingservice"
            autostart="true"/>
   </dependencies>
<stop timeout="120"/>
<restart timeout="600"/>
<ping timeout="30" interval="30"/>
</process-set>
</process-type>
</ias-component>
...

    注意:

    Reports 11gリリース2 (11.1.2)では、OPMNによってインプロセス・サーバーとWLS_REPORTSが管理されていないため、WLS_REPORTSで依存関係を追加できません。

  4. ORACLE_INSTANCE/binディレクトリに移動します。

  5. 次のいずれかのコマンドを実行します。

    • OPMNが稼動している場合、opmn.xmlファイルへの変更を再ロードします: opmnctl reload

    • OPMNが稼動していない場合: opmnctl start

  6. 次のいずれかのコマンドを使用して、COSネーミング・サービスを起動します。

    opmnctl startproc ias-component=namingservice

    または

    opmnctl startproc process-type=namingservice

  7. 第7.5.1.3項「namingService」の説明に従って、デフォルトのブロードキャスト・メカニズムのかわりにCOSネーミング・サービスを使用するように、rwnetwork.confファイルを変更します。

  8. WLS_REPORTSとReports Serverを起動します。

    COSネーミング・サービスを停止するには、次のコマンドを使用します。

    opmnctl stopproc ias-component=namingservice

    COSネーミング・サービスを再起動するには、次のコマンドを使用します。

    opmnctl restartproc ias-component=namingservice

    トラブルシューティング: Reports Serverの起動時にCOMM_FAILUREエラーが表示された場合、ネーミング・サービスが正しく起動していないか、ポートが正しく指定されていません。このエラーを解決するには、ネーミング・サービスのプロセスorbdが稼動しているか確認してください。稼動していない場合は起動します。orbdプロセスが実行中の場合は、rwnetwork.confファイルのnamingServiceで指定されたポートを確認してください。これは、orbdが起動されるポートと同じである必要があります。

    opmnctl stopallコマンドを実行すると、Reports Serverが正常に停止せず、OPMNによって強制終了される場合があります。これは、プロセスの停止中にOPMNが依存関係をチェックしないためです。Reports Serverを停止する前にOPMNがCOSネーミング・サービスを停止すると、Reports Serverは正常に停止しません。これは害がないため、無視してかまいません。

7.8.2 新規Reports Serverの作成

次のOPMNコマンドを使用して、新規Reports Serverを作成できます。

ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl createcomponent  
       -adminUsername weblogic  
       -adminHost ${ADMIN_HOST} 
       -adminPort ${ADMIN_PORT}   
       -oracleHome ${ORACLE_HOME} 
       -oracleInstance ${ORACLE_INSTANCE} 
       -instanceName  $INSTANCE_NAME 
       -componentName  <servername> 
       -componentType  ReportsServerComponent

たとえば、test_serverという名前で新規サーバーを作成するには、コマンドラインで次のコマンドを実行します。

ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl createcomponent 
  -adminUsername weblogic  
  -adminHost host.domain.com   
  -adminPort 7001  
  -oracleHome /path/oracle_home 
  -oracleInstance /path/instance_home 
  -instanceName  myinst 
  -componentName  test_server 
  -componentType  ReportsServerComponent

Reports Serverを作成したら、WLS_REPORTS管理対象サーバーを停止し、再起動します。これは、Reports Serverの新しい構成MBeanの登録を完了するために必要です。

7.8.3 新規ブリッジ・コンポーネント・タイプの作成

次のOPMNコマンドを使用して、新規ブリッジ・コンポーネント・タイプを作成できます。

ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl createcomponent  
       -adminUsername weblogic  
       -adminHost ${ADMIN_HOST} 
       -adminPort ${ADMIN_PORT}   
       -oracleHome ${ORACLE_HOME} 
       -oracleInstance ${ORACLE_INSTANCE} 
       -instanceName  $INSTANCE_NAME 
       -componentName  <Bridgename> 
       -componentType  ReportsBridgeComponent

たとえば、test_bridgeという名前で新規ブリッジ・コンポーネント・タイプを作成するには、コマンドラインで次のコマンドを実行します。

ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl createcomponent
  -adminUsername weblogic
  -adminHost host.domain.com
  -adminPort 7001
  -oracleHome /path/oracle_home    
  -oracleInstance /path/instance_home 
  -instanceName  myinst -componentName  test_bridge   
  -componentType  ReportsBridgeComponent

注意:

コマンドを実行すると、新規サーバーまたはブリッジが自動的にOPMNに登録されます。

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