Property Description Record (PDR)

Property Description Record (PDR)は、Endecaデータ・ドメインの標準属性のレコードを定義するシステム・レコードです。

PDRについて

Oracle Endeca ServerはPDRを使用して標準属性に関するメタデータを格納し、データ・レコードのスキーマを構築するにはPDRを作成する必要があります。また、管理属性を作成するには、PDRとDDRの両方が必要です。

PDR自体はレコードとして必須属性を持ち、任意のユーザー定義属性を持つこともできます。

各標準属性について、関連付けられたPDR内の属性は次のような属性の特性を定義します。
  • 名前とタイプ
  • 表示名
  • 言語
  • 構成パラメータ。たとえば、属性が検索可能かどうか。
  • ナビゲーション設定。たとえば、使用可能な絞込みのレコード数を表示するかどうか、複数選択を有効にするかどうか、ソートの調整方法などです。

PDRの作成と更新

Endecaデータ・ドメインは、新しいレコードを取得すると、それを格納し、レコードに見つかった属性のPDRを構築します。PDRを更新すると、Oracle Endeca Serverのナビゲーション動作が即時に変更されます。PDRを作成または変更するには、データ・インジェストWebサービスまたはIntegrator ETLを使用できます。

PDRの必須スキーマ属性

PDRには、次の表の属性があります。(ここで言う必須とは、PDRで指定しなかった場合にデフォルト値が使用されることを意味します。)PDRを作成する場合は、キーのみが必須属性です。他の属性を指定しなかった場合は、デフォルト値が使用されます。
スキーマ属性 タイプ 説明
mdex-property_Key string 標準属性のキー名。この属性は必須です。

キー名はNCNameである必要があります。NCName書式は、http://www.w3.org/TR/REC-xml-names/#NT-NCNameにあるW3Cのドキュメント「Namespaces in XML 1.0 (Second Edition)」に定義されています。NCNameではハイフンが有効ですが、キー名にはハイフンを使用しないことをお薦めします。その理由は、EQL文でハイフンを含む標準属性を使用する場合、引用符で囲む必要があるためです。

標準属性の名前を変更できます。このような変更に関する制限はありません。

mdex-property_DisplayName string わかりやすい形式での標準属性の名前。表示名にはNCName以外の書式を使用できます。

属性の表示名を変更できます。このような変更に関する制限はありません。

mdex-property_Type string
標準属性のデータ・タイプ。使用可能な値は、次のとおりです。
  • mdex:boolean
  • mdex:dateTime
  • mdex:duration
  • mdex:double
  • mdex:geocode
  • mdex:int
  • mdex:long
  • mdex:string
  • mdex:time

デフォルトはmdex:stringです。

データ・タイプは変更できません。

mdex-property_Language string 標準属性の言語(RFC-3066言語コードとして設定)。

言語IDは、特殊文字unknown (変更されない場合はデフォルト)、または(変更される場合は)構成WebサービスのsetPropertyDefaultLanguage操作で設定されたRFC-3066言語コードのいずれかになります。

このスキーマ属性は変更できますが、値を変更するとパフォーマンスのコストが発生します。

mdex-property_IsSingleAssign boolean true(デフォルト)に設定した場合、各レコードには属性割当てに対して最大で1つの値を使用できます(つまり、属性は単一割当てです)。

falseに設定した場合、各レコードには属性割当てに対して複数の値を使用できます(つまり、属性は複数割当てです)。

設定は次のように変更できます。
  • 単一割当て設定は、PDRが一意でない場合(つまり、mdex-property_IsUniquefalseに設定されている場合)にのみ、複数割当て設定に変更できます。
  • 複数割当て設定は、この標準属性のすべての割当てが単一割当てである場合にのみ、単一割当て設定に変更できます。1つ以上のレコードにこの標準属性の複数割当てがある場合は、設定を変更しようとしても失敗します。
mdex-property_IsUnique boolean trueに設定した場合、2つのレコードがこの属性に同じ値を使用できません。trueに設定した場合、mdex-property_IsSingleAssigntrueに設定する必要があることに注意してください。

false(デフォルト)に設定した場合、複数のレコードでこの属性に同じ値を使用できます。

この属性の割当てが行われていない場合(つまり、どのレコードにもこの属性の割当てを使用できない場合)にのみ、(trueからfalseまたはその逆に)設定を変更できます。

mdex-property_IsTextSearchable boolean trueに設定した場合、標準属性はテキスト検索で有効です。

falseに設定した場合、標準属性はテキスト検索をサポートしません。

デフォルトはfalseです。

このスキーマ属性は、string型の標準属性に対してのみ変更できます。

レコードに多くの割当てがある属性でこの変更を行うと、再索引付けのためにパフォーマンスのコストが発生します。

mdex-property_TextSearchAllowsWildcards boolean trueに設定した場合、この標準属性でワイルドカード検索が有効です。

falseに設定した場合、ワイルドカード検索は有効ではありません。

これがtrueに設定される場合、mdex-property_IsTextSearchabletrueに設定する必要があります。

デフォルトはfalseです。

この属性の値を変更するとパフォーマンスのコストが発生します。この変更の制限は、mdex-property_IsTextSearchabletrueに設定する必要があることです。

mdex-property_IsPropertyValueSearchable boolean trueに設定した場合、標準属性は値検索で有効です。タイプmdex:stringの属性のみを値検索で有効化できることに注意してください。

falseに設定した場合、属性は値検索できません。

デフォルトはtrueです。

このスキーマ属性は、string型の標準属性に対してのみ変更できます。このスキーマ属性の値を変更するとパフォーマンスのコストが発生します。

このスキーマ属性は、値検索が常に有効になり無効にできない管理属性には適用されません。

system-navigation_Select string 標準属性の複数選択機能を構成します。この属性の値によって、問合せパラメータのデフォルト値が指定されます(これはオーバーライドできます)。許可される値は、次のとおりです。
  • single。ユーザーは、この属性からただ1つの絞込みを選択できます。
  • multi-and。ユーザーは、属性から複数の絞込みを選択できます。返されるレコードには、選択したすべての絞込み(A AND B)からの割当てが必要です。この値の選択に意味があるのは、複数割当ての属性のみです。
  • multi-or。ユーザーは、この属性から複数の絞込みを選択できます。返されるレコードには、選択した絞込みの少なくとも1つ(A OR B)からの割当てが必要です。

デフォルトはsingleです。

このスキーマ属性の値の変更に関する制限はありません。

system-navigation_Sorting string ナビゲーション・メニューに絞込みを表示する順序。許可される値は、次のとおりです。
  • lexicalは絞込みをアルファベット順または数字順にソートします。
  • record-countは、絞込みを、絞込みごとに使用できるレコード数別に降順でソートします。

デフォルトはrecord-countです。

このスキーマ属性の値の変更に関する制限はありません。

system-navigation_ShowRecordCounts boolean 絞込みのレコード数を表示するかどうか。

trueに設定した場合、レコード数が表示されます。

falseに設定した場合、レコード数は表示されません。

デフォルトはtrueです。

このスキーマ属性の値の変更に関する制限はありません。

PDRのユーザー定義スキーマ属性

他のユーザー定義属性の割当てをPDRに追加して、データ・レコードの様々な編成を表示できます。これらの属性の名前の先頭にmdexまたはsystemを付けることはできません。