Oracle Endeca Serverソフトウェアは、フロントエンド・アプリケーション上にビルドされるその問合せエンジンです。これでは、エンドユーザーの問合せに応答し、フロント・アプリケーションのユーザーにビジネス分析情報を提供します。
Oracle Endeca Serverという用語は、関連する2つのコンテキストで使用されます。一方は、サーバーのソフトウェア・パッケージ全体の名前です。もう一方は、Oracle Endeca Serverはデータに問合せを発行したり、データを管理するWebLogic ServerにホストされるJavaアプリケーションです。このデータはEndecaデータ・ドメインにロードされます。Endecaデータ・ドメインは、Endeca Serverによって管理されるデータおよびメタデータの論理的集合です。Endeca Serverでは、そのインタフェースを通して、データ・ドメインのデータのロード、構成、および問合せを行うことができます。
Oracle Endeca ServerのJavaアプリケーションでは、データ・ドメインを1つ以上作成したり、それらを停止および起動したり、それらのステータスを参照および監視したり、自動的に再起動できます。
(しばしばEndeca Serverと呼ばれる)Endeca ServerのJavaアプリケーションは、その実際の問合せプロセスのほとんどを、アプリケーション層からクライアント要求を受信し、索引に問合せし、その結果を返す自身の内部コンポーネント、Dgraphプロセスに委任します。Dgraphプロセスは、サーバーで実行されるデータ・ドメインに対して発行されるクライアント要求にリアルタイムに応答することを可能にする、固有のデータ構造とアルゴリズムを使用する問合せエンジンです。各データ・ドメインに対して、1つ以上のDgraphプロセスがサービスを提供できます。データ・ドメインを作成して起動すると、Endeca Serverがそのために1つ以上のDgraphプロセスを起動し、それらのプロセスを管理して監視します。
Endeca Serverには、データ・ドメイン内のデータをロード、構成、問合せするためのバージョン付きのWebサービスのセットがあります。これらのWebサービスは、バルク・ロード・インタフェースとともに、Oracle Endeca Serverへのインタフェースを提供します。
Endeca Serverクラスタとは、複数のクラスタ化されたデータ・ドメインをホストおよび管理する、複数のEndeca Serverインスタンスのデプロイメントです。Endeca Serverクラスタは、Oracle Endeca Serverソフトウェアの上に他のサービスを構築するときのビルディング・ブロックとなります。また、Endeca Information Discoveryのオンプレミス・デプロイメントもサポートします。ハードウェア・ノードの同種クラスタ上にあるWebLogicで実行します。それらのすべてでは、共有記憶域に対する書込み権限でアクセスします。
システム管理者は、後でクラスタにサーバーを追加することもできます。エンド・ユーザーから非表示にされるホスト済データ・ドメイン・ノードとEndeca Serverノードの場所に関する詳細を保持することで、データ・ドメイン・クラスタの設定に関する詳細をカプセル化します。(エンド・ユーザーとは、特定のデータ・ドメイン・クラスタの上に構成された、Studioなどの任意のフロントエンド・アプリケーションのユーザーです。)
Endeca Serverクラスタは、データ・ドメインへのリソースの割当て方法を決定し、要求のロード・バランシングを実行して要求を適切なノードにルーティングし、データ・ドメインの可用性を維持します。データ・ドメイン・クラスタ設定の処理、処理リソースの割当ておよび構成を自動化しながら、データ・ドメインのプロビジョニングと管理を行うための統合インタフェースが用意されています。これでは、データ・ドメイン用の再利用可能なデータ・ドメイン・プロファイルのセットを作成できます(各データ・ドメイン・プロファイルは、Endeca Serverインスタンスをホストするハードウェア・ノード上の基盤となるハードウェア・リソースの異なる割当てにマップされます)。データ・ドメイン・クラスタを作成するとき、最初は以前に定義されたプロファイルが使用されますが、作成後に変更できます。
データ・ドメイン・クラスタは、すべて問合せリクエストを処理できるノード(Dgraphプロセス)のセットで構成されます。データ・ドメインのクラスタが読取り専用でない場合、更新要求の処理用として1つのノードをリーダー・ノードに指定できます(その他のノードは読取り専用の問合せ要求を処理するフォロワ・ノードとなります)。読取り専用のデータ・ドメイン・クラスタの場合は、すべてのノードがフォロワ・ノードとして機能します。すべてのDgraphノードは、データ・ドメインの1つの索引のコピーを共有して使用します。クラスタ・コーディネータは、データ・ドメイン・クラスタ内のノード間の通信を提供します。これは、フォロワ・ノードに対する索引の更新および構成への更新の通知も行います。
1つのデータ・ドメイン・クラスタ・ノードで障害が発生すると、問合せは引き続き別のノードで処理されます。データ・ドメイン・クラスタでは、Oracle Endeca Serverによるスループットも向上します。Endeca Serverインスタンスをデータ・ドメイン・クラスタをホストしているEndeca Serverクラスタに追加することにより、同じ割合でストレージ要件を増やすことなく、複数のOracle Endeca Serverにわたって問合せ負荷を分散させることができます。Endeca Serverインスタンスは、データ・ドメイン・クラスタを停止することなく、動的に追加または削除可能です。
開発環境では、1つ以上のデータ・ドメインをホストする単一のEndeca Serverから開始できます。この場合、すべてのデータ・ドメインが単一ノードのEndeca Serverクラスタで実行されます(この項のクラスタの説明を参照してください)。Endeca Serverを単一のノードで実行する場合、これは単一ノード構成のクラスタ(他のノードを追加して拡張可能)とみなされます。Endeca Serverインスタンスを追加し、このインスタンスを使用できるようにデータ・ドメインを拡張することができます。さらにデータ・ドメインを追加することも可能です。本番環境に移行する際には、開発環境で構築したマルチノード・データ・ドメイン・クラスタを複製できます。
Endeca Serverクラスタのインストールおよびデプロイについては、このガイドの該当する項を参照してください。
Endeca Serverクラスタおよびデータ・ドメイン・クラスタの詳細は、『Oracle Endeca Serverクラスタ・ガイド』を参照してください。
Endeca Serverの各インストールには、単一インスタンス・クラスタ・インストールであるかマルチインスタンス・インストールであるかにかかわらず、クラスタ・コーディネータが含まれています。これでは、Endeca Serverインスタンスのステータスを監視して可用性を高めます。
Endeca Serverのソフトウェア・パッケージには、Data Enrichmentプラグインのセットが含まれます。これらのプラグインのサブセットはStudioを介してEndeca Information Discoveryで使用されます。詳細は、『Oracle Endeca Information Discovery Studio Studioユーザーズ・ガイド』のData Enrichmentに関する説明を参照してください。