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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity Manager管理者ガイド
11g リリース2 (11.1.2.2.0)
B69535-08
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23 Enterprise Managerを使用した編成操作の診断

Oracle Identity Managerのユーザー中心の操作は、複数の編成ステージを通じて行われます。たとえば、ユーザーの作成操作には、複数の編成ステージがあります。いずれかのステージで操作にエラーが発生した場合は、Oracle Enterprise Managerの編成ダッシュボードを使用することで、そのエラーを追跡できます。編成ダッシュボードに表示される内容は次のとおりです。

編成ダッシュボードにアクセスするには:

  1. Oracle Enterprise Managerにログインします。

  2. 「Farm_WLS_IDM」「Identity and Access」「OIM」の順に開きます。

    「OIM」ページが表示されます。このページには、「ダッシュボード」、「操作」および「インスタンス」の3つのタブがあります。これらのタブの詳細は、後続の項を参照してください。

23.1 「ダッシュボード」タブ

「ダッシュボード」タブでは、最新の操作と失敗のすべてを追跡して表示します。内容は次のとおりです。

  • 最新の操作: デフォルトでは、最新の操作が表形式で表示されます。表の右上にあるドロップダウン・リストで、別の値(「過去48時間」や「すべて」など)を選択すると、選択した時間間隔の情報を表示できます。

  • 失敗した操作: デフォルトでは、過去24時間以内に失敗した操作が表形式で表示されます。表の右上にあるドロップダウン・リストで、別の値(「過去48時間」や「すべて」など)を選択すると、選択した時間間隔の情報を表示できます。

表23-1に、「ダッシュボード」の「最新の操作」セクションと「失敗した操作」セクションにある列のリストを示します。

表23-1 「最新の操作」と「失敗した操作」

説明

操作

ユーザーの作成、アカウントのプロビジョニング、ロール・メンバーシップの割り当てなどの操作名。

操作ID

操作を一意に識別するID番号。これは、ハイパーリンクです。操作IDのハイパーリンクをクリックすると、操作に関する追加詳細(操作の一部として実行されたイベント・ハンドラ、編成ステージ、各イベント・ハンドラの実行ステータスなど)を表示できます。

受益者

操作の受益者のユーザー・ログイン。たとえば、ユーザーの作成操作の場合は、ユーザーが受益者になります。

ステータス

操作のステータス(COMPLETEDやFAILEDなど)。

失敗した操作の場合、ステータスはCOMPENSATEDまたはCANCELEDになります。

開始日

操作の開始日。

エラー・メッセージ

エラー・メッセージ(エラーが発生した場合)。

コンテキスト

操作のコンテキスト(ADMINやREQUESTなど)。コンテキストに関する情報は、次を参照してください。

コンテキストID

コンテキストを一意に識別するコンテキストID。コンテキストがREQUESTの場合は、リンクになります。

ECID

実行コンテキストID。複数のFusion Middlewareコンポーネント(SOAやOIDなど)に及ぶ操作を追跡するための一意のIDです。

バルクである

操作がバルク操作と単一操作のどちらであるか。この値は、バルク操作の場合はtrueになり、単一操作の場合はfalseになります。


23.1.1 操作の詳細の表示

「操作ID」列で操作IDをクリックすると、新しいタブに操作の詳細が表示されます。「操作の詳細」タブは、次のセクションで構成されています。

  • イベント・ハンドラ: 操作の一部として実行されたイベント・ハンドラの詳細。

  • フォルト・ハンドラ: 操作の一部として実行されたフォルト・ハンドラの詳細。

表23-2に、「イベント・ハンドラ」セクションと「フォルト・ハンドラ」セクションにある列のリストを示します。

表23-2 「イベント・ハンドラ」と「フォルト・ハンドラ」

説明

イベントID

イベント・ハンドラID。

原因イベントID

フォルト・ハンドラの実行結果として失敗したハンドラを追跡するための一意のID。

イベント・ハンドラ

操作の一部として実行されたイベント・ハンドラの名前。

ステージ

編成ステージ(VALIDATIONやPOST PROCESSなど)。

ステータス

操作のステータス(COMPLETEDやFAILEDなど)。

開始時間

イベント・ハンドラの実行の開始時間。

終了時間

イベント・ハンドラの実行の終了時間。

エラー・メッセージ

イベント・ハンドラの実行中に生成されたエラー・メッセージ。これは、ハイパーリンクです。クリックすると、完全なエラー・スタックまたは例外スタックがポップアップで表示されます。


23.1.2 ログ・メッセージの表示

「操作の詳細」ページの「ECID」列にある値をクリックすると、「ログ・メッセージ」ページが表示されます。このページには、ログに記録されたすべてのエラー・メッセージが表示されます。これらのエラー・メッセージは、検索およびフィルタ処理できます。「操作の詳細」ページでクリックしたECIDに対応する行が、デフォルトで選択されています。

23.1.2.1 ログ・メッセージの検索

ログ・メッセージを検索するには:

  1. 「ログ・メッセージ」ページの「検索」セクションで、表23-3に示すフィールドに値を指定します。

    表23-3 「ログ・メッセージ」の「検索」フィールド

    フィールド 説明

    日付範囲

    ログ・メッセージの表示対象にする日付範囲。日付範囲は、リスト・フィールドと入力フィールドの組合せで指定できます。たとえば、日付範囲を「最新」にして、ログ・メッセージの表示対象にする日数と週数を指定できます。

    次のいずれかを選択します。

    • 最新: これを時間間隔として選択すると、日数、時間数または分数を指定できます。

    • 時間間隔: これを時間間隔として選択すると、ログ・メッセージの表示対象にする開始日と終了日を指定できます。

    メッセージ・タイプ

    検索基準に含めるメッセージ・タイプ。このメッセージ・タイプには、インシデント・エラー、エラー、警告、通知、トレース、不明などがあります。これらのメッセージ・タイプを検索基準に含めるには、チェック・ボックスを選択します。これは、必須の検索基準であるため、検索を実行するには少なくとも1つのメッセージ・タイプを選択する必要があります。

    メッセージ

    特定の内容を含む1つ以上のメッセージを検索する場合は、このフィールドで基準を指定できます。たとえば、リストからcontainsを選択して、入力フィールドにNullPointerExceptionを入力します。このように指定することで、単語NullPointerExceptionを含むすべてのメッセージが表示されます。

    ECID

    検索基準として指定するECID。「操作の詳細」ページでECIDの値をクリックすると、このフィールドにECIDが選択された状態で「ログ・メッセージ」ページが表示されます。検索基準にECIDを含める必要がない場合は、このフィールドから値を削除するか、「ECID」フィールドの横にある十字アイコンをクリックします。


  2. 「検索」をクリックします。検索基準に一致する結果が表形式で表示されます。

  3. 検索結果の表で行を選択すると、その行の詳細またはログ・メッセージがページの下部に表示されます。

  4. 検索フィールドを追加または削除する場合は、「フィールドの追加」をクリックして、追加するフィールドをリストから選択します。同様に、削除するフィールドの選択を解除することもできます。「追加」をクリックします。

  5. 「ダッシュボード」に戻るには、ページ上部にある「Oracle Identity Managerクラスタ」をクリックして、「管理」を選択します。

23.1.2.2 コンテキスト詳細の表示

ログ・メッセージのステータスがFAILED_WITH_COMPENSATIONの場合、そのメッセージは表示されません。コンテキストに関する情報を取得する場合は、「コンテキストID」列でコンテキストIDをクリックします。コンテキストがREQUESTの場合は、対応するECID、コンポジット名および対話IDを示す「OIMコンテキスト・ワークフロー」ダイアログ・ボックスが表示されます。対話IDにより、各SOAインスタンスの呼出しが一意に区別されます。

23.2 「操作」タブ

「操作」タブには、構成およびデプロイされたすべての操作のリストが示されます。操作をクリックすると構成の詳細が表示されます。この詳細には、選択した操作用に構成されたすべてのイベント・ハンドラが含まれています。操作を選択すると、ページ下部の「構成」セクションに構成の詳細が示されます。このセクションには、選択した操作の一部として構成されたイベント・ハンドラとフォルト・ハンドラが表示されます。

表23-4に、「操作」タブの表に含まれる列のリストを示します。

表23-4 「操作」タブの表に含まれる列

説明

イベント・ハンドラ

選択した操作の一部として構成されたイベント・ハンドラまたはフォルト・ハンドラ。

クラス

イベント・ハンドラまたはフォルト・ハンドラのクラス(例: oracle.iam.request.eventhandlers.ChildRequestValidationHandler)。

ステージ

イベント・ハンドラが含まれる編成のステージ(PREPROCESSやVALIDATIONなど)。

順序

イベント・ハンドラが実行された順序。

場所

イベント・ハンドラまたはフォルト・ハンドラに関連付けられているEventHandler.xmlファイルのディレクトリ・パス。

カスタム/OOB

イベント・ハンドラまたはフォルト・ハンドラが、デフォルト・ハンドラとカスタム・ハンドラのどちらであるか。

条件付き

イベント・ハンドラまたはフォルト・ハンドラが条件付きであるかどうか。


23.3 「インスタンス」タブ

「インスタンス」タブには、操作インスタンスに関する情報が表示されます。このタブでは、特定の操作のインスタンスを検索できます。たとえば、ユーザーの作成操作が失敗したときに、診断とトラブルシューティングのためにプロセスIDを調べる必要がある場合は、それに対応する操作IDを「ダッシュボード」タブで表示するか、「インスタンス」タブで受益者などを基準にして操作を検索します。

操作インスタンスを検索するには:

  1. 「インスタンス」タブをクリックします。

  2. 「検索」セクションの「一致」フィールドで、次のいずれかを選択します。

    • すべてに一致: 検索基準に一致するすべてのインスタンスを検索結果に表示することを指定します。

    • いずれかに一致: 検索基準に一致するいずれかのインスタンスを検索結果に表示することを指定します。

  3. その他のフィールド(「操作」、「受益者」、「ステータス」、「操作ID」、「リクエストID」など)に値を入力します(それらの値がわかっている場合)。

  4. 「検索」をクリックします。検索結果は、ページ下部の「インスタンス」セクションに表形式で表示されます。検索結果表に表示される操作IDとECIDは、ハイパーリンクです。それらのリンクをクリックすると、操作の詳細とログ・メッセージが表示されます。