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Oracle® Fusion Middleware Oracle Adaptive Access Manager開発者ガイド
11gリリース2 (11.1.2.2)
B71697-05
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27 ネイティブ・アプリケーションのOAAM 11gへの移行

この章では、既存のネイティブ統合の10.1.4.5アプリケーションを、11gに移行するための関連作業について説明します。

この章は次の項で構成されています:

27.1 既存のネイティブ統合10.1.4.5アプリケーションを移行するための前提条件

既存のネイティブ統合アプリケーションを移行するための次の前提条件に従ってください。

  • クライアントが、SOAPを使用するネイティブ統合のためにOAAM共有ライブラリを使用する必要があります。

  • クライアントが、構成可能なプロパティをoaam_custom.propertiesで指定していて、このファイルがクライアント・アプリケーションのJavaクラスパスにある必要があります。

  • ネイティブ・アプリケーションでOAAM共有ライブラリを使用できない場合は、第27.4項「OAAM共有ライブラリを使用できないネイティブ・アプリケーションの移行」を参照してください。

27.2 ネイティブの静的リンク付けされた(In-Proc)アプリケーションのOAAM 11gへの移行

ネイティブ統合されたIn-ProcアプリケーションをOAAM 11gに移行するには、次のようにします。

  • OAAM共有ライブラリを使用できるようにするため、weblogic.xmlファイルでOAAM共有ライブラリへの参照を追加します。

  • すべての構成可能なプロパティをカスタム・プロパティ・ファイルに移動します。

27.2.1 OAAM JARファイルへの静的リンクのかわりとしてのOAAM共有ライブラリの使用

OAAM共有ライブラリをWebアプリケーションで使用するには、WebLogicデプロイメント記述子ファイルのweblogic.xmlファイルでoracle.oaam.libs共有ライブラリを参照する必要があります。weblogic.xmlに次のエントリを追加します。

<library-ref>
       <library-name>oracle.oaam.libs</library-name>
</library-ref>

27.2.2 すべての構成可能なプロパティのoaam_custom.propertiesファイルへの移動

アプリケーションの移行の一環として、次の手順を実行する必要があります。

  1. すべての構成可能なプロパティをoaam_custom.propertiesに移動します。

    10gでは、すべてのカスタム構成オーバーライドがbharosa_client.propertiesファイルで作成されました。

  2. ネイティブ・アプリケーションから他のすべてのOAAMプロパティ・ファイルを削除します。

  3. 古いOAAM JARファイルをすべて削除します。

27.3 ネイティブSOAPアプリケーションのOAAM 11gへの移行

ネイティブSOAPアプリケーションをOAAM 11gに移行するには、この項の手順に従ってください。

27.3.1 OAAM JARファイルへの静的リンクのかわりとしてのOAAM共有ライブラリの使用

OAAM共有ライブラリをWebアプリケーションで使用するには、WebLogicデプロイメント記述子ファイルのweblogic.xmlファイルでoracle.oaam.libs共有ライブラリを参照する必要があります。weblogic.xmlに次のエントリを追加します。

<library-ref>
       <library-name>oracle.oaam.libs</library-name>
</library-ref>

27.3.2 すべての構成可能なプロパティのoaam_custom.propertiesファイルへの移動

アプリケーションの移行の一環として、次の手順を実行する必要があります。

  1. すべての構成可能なプロパティをoaam_custom.propertiesに移動します。

  2. 次のプロパティをoaam_custom.propertiesに追加します。

    vcrypt.tracker.soap.useSOAPServer=true 
    vcrypt.soap.disable=false 
    bharosa.config.impl.classname=com.bharosa.common.util.BharosaConfigPropsImpl 
    bharosa.config.load.impl.classname=
        com.bharosa.common.util.BharosaConfigLoadPropsImpl
    

    これらの新規プロパティは、OAAMサーバー・コンポーネントとの通信に汎用SOAP実装クラスを使用するように新規ライブラリに伝えます。

  3. ネイティブ・アプリケーションから他のすべてのOAAMプロパティ・ファイルを削除します。

  4. 古いOAAM JARファイルをすべて削除します。

27.3.3 SOAP/Webサービス・アクセスの構成

SOAP/Webサービス・アクセスの構成の詳細は、4.3項「OAAM SOAP統合」を参照してください。

27.4 OAAM共有ライブラリを使用できないネイティブ・アプリケーションの移行

次のプロセスでは、現在SOAP認証を使用している、既存の10.1.4.5のネイティブ統合されたアプリケーションを11gに移行する方法について説明します。

27.4.1 OAAM 11g JARファイルの使用

上述のファイルをコピーした後で、$ORACLE_HOME/oaam/cli/libフォルダのoaam_core.jarファイルをアプリケーション・ライブラリ・フォルダにコピーできます。$ORACLE_HOMEは通常、ミドルウェア・ホームのORACLE_IDM1フォルダになります。

27.4.2 OAAM 11gプロパティ・ファイルのコピー

更新されたプロパティ・ファイルとライブラリはすべて、$ORACLE_HOME/oaam/cliフォルダに置かれます。conf/bharosa_propertiesフォルダには更新されたプロパティが、libフォルダには更新されたライブラリが含まれます。

既存のネイティブ統合されたアプリケーションをアップグレードする場合は、まず、既存のbharosa_propertiesフォルダの内容を削除してから、$ORACLE_HOME/oaam/cli/conf/bharosa_propertiesフォルダの内容に置き換えることができます。

27.4.3 oaam_custom.propertiesファイルの構成可能なプロパティの指定

10gでは、すべてのクライアント固有の構成オーバーライドがbharosa_client.propertiesファイルで作成されていましたが、今回はこれらのオーバーライドをoaam_custom.propertiesファイルで作成する必要があります。これは通常、同じ目的のためにサーバー側で変更されるファイルです。古いbharosa_client.propertiesの内容に次の新しいプロパティを追加したoaam_custom.propertiesファイルを、次の情報を含むアプリケーションのbharosa_propertiesフォルダで作成する必要があります。

# New Properties
vcrypt.tracker.soap.useSOAPServer=true
vcrypt.soap.disable=false
bharosa.config.impl.classname=com.bharosa.common.util.BharosaConfigPropsImpl
bharosa.config.load.impl.classname=
  com.bharosa.common.util.BharosaConfigLoadPropsImpl

これらの新しいプロパティは、OAAMサーバー・コンポーネントとの通信に一般的なSOAP実装クラスを使用することを新しいライブラリに指示します。また、OAAMデータベースを参照してBharosaConfigクラスから取得したプロパティを読み取るのではなく、ローカル・プロパティ・ファイルから取得します。

これらのプロパティは、既存のbharosa_client.propertiesファイルの内容とともに使用されることに注意してください。このファイルには、SOAPユーザー名やSOAPキーストア情報も含まれている必要があります。注意: 10gでSOAP認証を設定していない場合は、リリース10g (10.1.4.5)のOracle Adaptive Access Managerインストレーションおよび構成ガイド暗号化の設定に関する項を参照して、新しい11g環境で使用するSOAPキーストアを作成してください。