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Oracle® Oracle Fusion Middlewareパフォーマンスおよびチューニング・ガイド
11gリリース2(11.1.2.2.0)
B71702-05
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30 Oracle Entitlements Serverのパフォーマンス・チューニング

この章では、Oracle Entitlements Server (OES)のチューニングおよびサイズ設定のガイドラインを示します。内容は次のとおりです。


注意:

エンタープライズ・クラスのどのようなビジネス・アプリケーションにおいても、すべてのシステムに通用するような単純なチューニング方法はありません。この章のチューニングに関する項では、構成のサンプルを(場合によっては)示し、Oracle Identity Managerのチューニングの原則の概要について説明します。各自のユースケース・シナリオを検討し、適切な設定を判断してください。


30.1 Oracle Entitlements Serverについて

Oracle Entitlements Server (OES)は、アプリケーション、サービス指向アーキテクチャ(SOA)およびデータベースの各環境でリアルタイムのファイングレイン認可を可能にする、標準ベースのポリシー駆動型のセキュリティ・ソリューションです。

Oracle Entitlements Serverは、組織のリソースに対するアクセスや使用を制御するポリシーを定義、管理することで、組織がリソースを保護できるようにします。アクセス権限は、誰が、どのリソースに、いつ、どのように行うことができるかを指定することにより、ポリシーに定義されます。ポリシーでは、ソフトウェア・コンポーネント(URL、Javaサーバー・ページ、Enterprise JavaBeans、メソッド、サーブレット、およびアプリケーションの構築に使用されるもの)、ビジネス・オブジェクト(銀行アプリケーションでの銀行口座や医療アプリケーションでの患者レコード、ビジネス関係の定義に使用されるものなどの、ユーザー・アカウントの表現、個人プロファイル、契約)を含む、あらゆるタイプのリソースの制御を実行できます。

Oracle Entitlements Serverの使用の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Entitlements Server管理者ガイド』を参照してください。

30.2 Oracle Entitlements Serverのパフォーマンスに関する考慮事項

効率的なOracle Entitlement Serverのパフォーマンス・チューニングを行うには、まずその使用方法と一般的なパフォーマンスの問題について十分に理解します。Oracle Entitlement Serverのパフォーマンスのチューニングを開始する前に、この項と、第2章「主なパフォーマンス分野」で説明した推奨事項に目を通してください。

ユーザー数

全体のユーザー規模、グループ数、メンバーシップ数、属性数、権限受領者、リソース、パーミッション、権限とポリシー、データ型、およびLDAPとデータベースの構成パラメータを把握する必要があります。

規模に関するデータを使用したパフォーマンスの向上の詳細は、第3章「パフォーマンス計画」を参照してください。

毎日のアクティビティ使用量

24時間の間にアクティブになっているユーザー数、および予想されるトラフィックを把握することは重要です。使用量が急激に増加する時間帯がある場合、パフォーマンスの問題を回避するために、追加のチューニングが必要になることがあります。

パフォーマンス・データの収集の詳細は、第4章「Oracle Fusion Middlewareの監視」を参照してください。

ハードウェア・リソースおよびトポロジ

負荷の高いリアルタイム環境にデプロイされるアプリケーションの場合と同様、許容されるOracle Entitlements Serverのパフォーマンスを実現するには、サーバーのサイズ設定および構成を適切に行うことが重要です。Oracle Entitlements Serverのパフォーマンス・チューニングにおける重要な要素は、使用するハードウェアでボトルネックを回避できるだけの処理能力を提供することです。

ハードウェア・リソースの最適化の詳細は、「十分なハードウェア・リソースの確保」を参照してください。

JVMおよびガベージ・コレクション

Oracle Entitlements Serverの最適なパフォーマンスを実現するには、JVMヒープ・サイズおよびガベージ・コレクションを正しくチューニングする必要があります。

詳細は、「ガベージ・コレクションの構成」および「ヒープ・サイズ値の指定」を参照してください。

OESキャッシュのチューニング

最適なパフォーマンスを実現するには、OESキャッシュ(決定キャッシュおよび権限キャッシュ)の把握と、その同じキャッシュのチューニングが必要です。


30.3 チューニングに関する基本的な考慮事項

OESの使用状況およびパフォーマンスの問題に応じて、次の基本的なパラメータのチューニングを検討してください。チューニングに関するその他の考慮事項については、第2章「主なパフォーマンス分野」を参照してください。

この項には次のトピックが含まれます:

30.3.1 OESポリシー・ストアのチューニング

OESポリシー・ストアは、パフォーマンス・チューニング全体の中で最初にチューニングする必要があるコンポーネントです。ポリシー・ストアのチューニングには、基礎となるデータベースとEclipseLinkのチューニングが関係します。次の各項では、ポリシー・ストアのチューニングの一環として、チューニングの個々の側面について説明します。

この項には次のトピックが含まれます:

30.3.1.1 Oracle Databaseのシステム・パラメータのチューニング

第2.6項「データベース・パラメータのチューニング」で説明されている標準的なデータベース・チューニング・パラメータに加え、OESの使用時には、表30-1に示すプロパティもチューニングする必要があります。

表30-1 Oracle Databaseのシステム・パラメータ

プロパティ名

Processes

1500

sga_target

3221225472 (3GB)

audit_trail

なし

open_cursors

500

pga_aggregate_target

1610612736 (1.5GB)

nls_sort

BINARY

filesystemio_options

SETALL

fast_start_mttr_target

3600

db_securefile

ALWAYS

session_cached_cursors

500

plsql_code_type

NATIVE

"_b_tree_bitmap_plans"

False

Memory_target

0

kernel.shmallkernel.shmmaxkernel.semおよびfs.file-max

kernel.shmallkernel.shmmaxkernel.semおよびfs.file-maxが最適な値に設定されている必要があります(すべてのカーネル・レベル・パラメータはチューニング可能で、/etc/sysctl.confから取得できます)。



注意:

前述の値は、一般的なチューニング構成を示しています。そのため、例外と制限事項が存在します。たとえば、SGAとPGAのサイズは、基礎となるオペレーティング・システムにおける使用可能な最大メモリー容量によって制限されます。一部のプラットフォームでは、各プロセスを接続プールの設定に基づいて計算できます。チューニングは、DBAが必ず検証する必要があります。


Oracle Databaseチューニングの詳細は、第2.7項「データベース接続の再利用」を参照してください。

30.3.1.2 ユーザー・スキーマ作成における表領域のチューニング(RCU)

OES DBスキーマは、RCU (リポジトリ作成ユーティリティ)を介して作成されます。RCUを使用してデータベース・スキーマを作成するには、次の作業を行います。

  • OES表領域用に大きなディスク領域を割り当てることにより、最適なパフォーマンスを実現します。IAS_OPSSおよびIAS_TEMPの各表領域には、6GBファイルを使用します。

  • ポリシー・ストアで多くの大規模なアプリケーションを管理する場合は、大量の表領域を割り当てます。たとえば、IAS_OPSS表領域には40 GBを、IAS_TEMP表領域には15 GBを割り当てることができます。

  • アプリケーションをポリシー・ストアに追加する場合は、満杯になった表領域を絶えず拡張しなくてもよいように、表領域の増分値を100MBではなく1GBに設定します。

30.3.1.3 OESスキーマのチューニング

前述の各項に記載されている手順の実行後は、OESデータベース(DB)スキーマで必要とされるチューニングは完了しているはずです。OES DBスキーマ・ユーザーとしてのDB統計の実行は、監視が必要な継続的な業務です。ポリシー・データは、DBに格納されているからです。

JPS_DN.PARENTDN列については、スキーマ統計を収集しないでください。JPS_DN.PARENTDN列のヒストグラムを収集すると、問合せのパフォーマンスに影響が生じます。ヒストグラムを無効にするには、次のSQLスクリプトを使用します。

EXECUTE dbms_stats.delete_column_stats(ownname=>'<SCHEMA_NAME>', tabname=>'JPS_DN', colname=>'PARENTDN', col_stat_type=>'HISTOGRAM');

SQLスクリプトは1回のみ実行します。

コマンドDBMS_STATS.gather_schema_stats('<SCHEMA_NAME>',DBMS_STATS.AUTO_SAMPLE_SIZE,no_invalidate=>FALSE)を実行します。

DB jobdB statsを必要な頻度で実行するように定義することにより、このコマンドを自動化できます。この収集操作は、ストアに大量のポリシー・データを移行した後に実行する必要があります。

30.3.1.4 EclipseLinkのチューニング

OESでは、EclipseLinkがDatabase操作用のJPA (Java Persistence API)の実装として使用されます。表30-2には、jps-config.xmlを介して設定可能なEclipseLinkチューニング・パラメータが定義されています。

表30-2 EclipseLinkのチューニング

プロパティ 説明 デフォルト

eclipselink.jdbc.connection_pool.default.max

内部接続プール内の最大読取り接続数

32

eclipselink.jdbc.connection_pool.default.min

内部接続プール内の最小読取り接続数

32


デフォルトのプロパティ値は、OES管理用にDBポリシー・ストアのサービス・インスタンスを設定するか、制御プル・モードでPDPサービスを設定することにより上書きできます。次に例を示します。

      <propertySet name="props.db.1">
       <property name="jdbc.url"
       value="jdbc:oracle:thin:@slc04jpa.example.com:1521/orcl2"/>
       <property name="oracle.security.jps.farm.name" value="cn=my_domain"/>
       <property name="server.type" value="DB_ORACLE"/>
... ...

       <property name=" eclipselink.jdbc.connection_pool.default.min" value="16"/>
        <property name=" eclipselink.jdbc.connection_pool.default.min" value="64"/>
</propertySet>
... ...

<serviceInstance name="policystore.db" provider="policystore.provider">
       <property name="policystore.type" value="DB_ORACLE"/>
       <propertySetRef ref="props.db.1"/>
</serviceInstance>

EclipseLinkプロパティの詳細は、http://www.eclipse.org/eclipselink/api/2.3/org/eclipse/persistence/config/PersistenceUnitProperties.htmlを参照してください。

30.3.2 OES管理サーバーのチューニング

この項では、大量のポリシー・データを対象に移行や配布などの操作を行う際に、JVMパラメータをチューニングして最適なパフォーマンスを実現する方法について説明します。

この項には次のトピックが含まれます:

30.3.2.1 WLSTのチューニング

WebLogic Scripting Tool (WLST)は、Oracle Middlewareのコマンド行スクリプト・インタフェースです。OESでは、セキュリティ・ストアの移行を含む一部の管理作業で使用されます。大規模なアプリケーションの移行では、次のようにJVMパラメータをチューニングして、WLSTツール用のJavaメモリー・サイズを設定する必要があります。

Sun:
"-Xms6144m -Xmx6144m -Xmn1900m -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=1024m"

JRockit:
"-Xms6144m -Xmx6144m -Xns1900m"

必要なヒープ・サイズ・パラメータ(ms, mx, mn)は、移行するアプリケーションのサイズに基づいて設定できることに注意してください。表30-3は、サンプル・データを示しています。

表30-3 データ・サンプル

アプリケーション XML2DB DB2XML ポリシーの数

Sample1KPolicyApp

650MB

1800 MB

1132

Sample5KPolicyApp

2.7 GB

6 GB

5351


30.3.2.2 OES管理サーバーのチューニング

大規模なアプリケーションのポリシー配布を行うには、OES管理サーバーをチューニングして最適なパフォーマンスを実現する必要があります。OES管理サーバーのチューニングに関するガイドラインを次に示します。

  • JDKバージョン1.6.0_31以上を使用します。

  • 次の図に、JDKメモリー・サイズのチューニングに関する情報を示します。アプリケーション・ポリシーのスナップショットを生成するには、管理サーバーに大量のメモリーが必要になります。

Sun:
"-Xms6144m -Xmx6144m -Xmn1900m -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=1024m"

JRockit:
"-Xms6144m -Xmx6144m -Xns1900m"

30.3.3 OESセキュリティ・モジュールのパフォーマンス・チューニング

OESセキュリティ・モジュールが制御プル・モードで構成されている場合、これには次の2つの主要な機能があります。

  • PDPまたはPEP(あるいはその両方)として動作します。つまり、認可リクエストを受け取った後で決定を下し、その決定を実行します。

  • ポリシー配布コンポーネントを定期的にコールして、構成されたポリシーとポリシー・データを評価のために使用可能にします。

OESセキュリティ・モジュールをチューニングする際には、高スループットの認可リクエスト処理が行われていることと、効率的にポリシーが配布されていることを確認してください。

ポリシー・データのサイズは、セキュリティ・モジュールのパフォーマンスに影響します。関数、属性、ロール、リソースおよびポリシーの数は、認可のスループットに大きく影響します。セキュリティ・モジュールでは、配布時間とメモリー・サイズを見積もる必要があります。

例:

Application Name:  myapp
oracle.security.jps.ldap.root.name:  cn=jpsroot
oracle.security.jps.farm.name:  cn=base_domain

表30-4 セキュリティ・モジュールのチューニング属性

項目 数値 コメント 問合せSQL

リソース・タイプ

1



属性定義

17



関数定義

269


select count (*) from jps_dn where parentdn like ''cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,%cn=functions,';

アプリケーション・ロール

0

アプリケーション・ロールは作成されません。Weblogic Serverのロールとプリンシパルが使用されます。


権限受領者

5351

ポリシーのプリンシパルは権限受領者として格納されます(1つのプリンシパルにつき1つのポリシー)。

select count (*) from jps_dn where parentdn like 'cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,cn=jaas policy,cn=grantees,';

パーミッション

1772

ポリシーで使用されるリソース・アクションのペア。

select count (*) from jps_dn where parentdn like 'cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,cn=jaas policy,cn=permissions,';

リソース

3173


select count (*) from jps_dn where parentdn like 'cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,%cn=resources,';

権限

1806


select count (*) from jps_dn where parentdn like 'cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,%cn=permission sets,';

ポリシー

5351


select count (*) from jps_dn where parentdn like 'cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,%cn=policies,';

ルール

5351


select count (*) from jps_dn where parentdn like 'cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,%cn=rules,';

属性

1,484,356

前述のエントリの属性

select count (*) from jps_attrs where jps_dn_entryid in (select entryid from jps_dn where parentdn like 'cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,%');

割当て先の属性

1,220,877

ポリシー割当ての属性

select count (*) from ct_9_1 where jps_dn_entryid in (select entryid from jps_dn where parentdn like 'cn=jpsroot,cn=jpscontext,cn=base_domain,cn=myapp,cn=jaas policy,cn=permissions,');


前述のポリシー・データに対して、表30-5に示すように、サンプル・ランタイム・キャッシュのメモリー・サイズを計算できます。

表30-5 サンプル・ランタイム・キャッシュのメモリー・サイズ計算

キャッシュ・タイプ 合計ヒープ・サイズ 計算式

リソース・ポリシー・キャッシュ

476.91M

0.4K * 割当て先数

権限キャッシュ

143.78M

0.12K * 割当て先数 + 0.41K * 権限数

リソース・キャッシュ

0.13M

44 * リソース数

ポリシー・キャッシュ

1.46MB

286 * ポリシー数

リソース・タイプ・キャッシュ

少量なので無視


関数キャッシュ

少量なので無視


属性キャッシュ

少量なので無視



大規模なデータ操作のパフォーマンスを改善するには、セキュリティ・モジュールで合計6GBのヒープ・サイズが必要です。

セキュリティ・モジュール(WLS/Tomcat/Java)用のJVMチューニング

Sun JVM:

"-Xms6144m -Xmx6144m -Xmn1900m -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=1024m  -XX:+UseParallelGC "

-XX :+UseParallelGC: スカベンジ用にパラレル・ガベージ・コレクションを使用します。このコレクション・アルゴリズムは、スループットを最大化するように設計されています。同時に、休止を最小限に抑えるため、セキュリティ・モジュールに適したGCアルゴリズムです。

JRockit:

"-Xms6144m -Xmx6144m -Xns1900m"

この項には次のトピックが含まれます:

30.3.3.1 OES配布サービスのチューニング

PDPサービス構成

oracle.security.jps.pd.client.PollingTimerInterval:

このプロパティは、PDの定期的な確認の間隔を指定します。デフォルト値は600秒です。ポリシー・データの変更頻度にあわせて、これを必要に応じて増減できます。

WSSM用のPDPサービス構成:

表30-6に、WSSMで使用可能なパラメータを示します。

表30-6 WSSMで使用可能なパラメータ

プロパティ 説明

oracle.security.jps.pdp.sm.IdentityCacheEnabled

アイデンティティ・キャッシュを使用している場合に設定されるフラグ。設定されない場合、デフォルトでアイデンティティ・キャッシュは有効にされます。

oracle.security.jps.pdp.sm.IdentityMaxCacheSize

最大キャッシュ・サイズを指定します。

デフォルト値は20000です。

すべてのサブジェクトの数に応じて、このパラメータをチューニングします。

oracle.security.jps.pdp.sm.IdentityCacheEvictionPercentage

キャッシュが最大サイズに達したときに削除する必要があるアイデンティティの比率を指定します。デフォルト値は20パーセントです。

oracle.security.jps.pdp.sm.IdentityCachedEntryTTL

キャッシュ内のアイデンティティ・レコードの存続時間を秒数で指定します。

デフォルト値は3600秒です。

oracle.security.jps.pdp.wssm.WSLoggingSoapHandlerEnabled

wssmのEnvelopLoggingSOAPHandlerを有効にしている場合に設定されるフラグ。デフォルト値はfalseです。


30.3.3.2 OESキャッシュのチューニング

この項では、セキュリティ・モジュールの決定キャッシュ属性について説明します。

次のプロパティを、PDPのjps-config.xmlに設定します。

<property name="oracle.security.jps.pdp.AuthorizationDecisionCacheEnabled" value="true"/>
<property name="oracle.security.jps.pdp.AuthorizationDecisionCacheEvictionCapacity" value="1500"/>
<property name="oracle.security.jps.pdp.AuthorizationDecisionCacheEvictionPercentage" value="10"/>
<property name="oracle.security.jps.pdp.AuthorizationPerUserDecisionCacheSize" value="1500"/>
<property name="oracle.security.jps.pdp.AuthorizationDecisionCacheTTL" value="300"/>

表30-7 プロパティの概要

プロパティ名 説明 許容値 オプション/必須 コメント

oracle.security.jps.pdp.AuthorizationDecisionCacheEnable

ポリシー決定キャッシュを有効化するかどうかを指定します。

true/false

Default: true

オプション

DW PS1以降

oracle.security.jps.pdp.AuthorizationDecisionCacheEvictionCapacity

これは、決定キャッシュ・サイズがこのサイズに達した場合に決定キャッシュを削除するのに使用する数です。

数値

Default:500

オプション

DW PS1以降

oracle.security.jps.pdp.AuthorizationDecisionCacheEvictionPercentage

決定キャッシュが最大容量に達した場合に削除する認可決定の比率。

数値

Default:10

オプション

DW PS1以降

oracle.security.jps.pdp.AuthorizationDecisionCacheTTL

これは決定キャッシュのTTL (秒)です。

数値

Default:60

オプション

DW PS1以降

oracle.security.jps.pdp.AuthorizationPerUserDecisionCacheSize

これは、第2レベルの決定キャッシュ・サイズがこのサイズに達した場合に各ユーザー(サブジェクト)の決定キャッシュを削除するのに使用する数です。

数値

Default:1000

オプション

DW PS2以降


30.3.3.3 ネットワークに関する考慮事項

ネットワーク全体のパフォーマンスは、システム・パフォーマンスを左右する主要な要因です。ネットワーク待機時間が短縮されると、ネットワーク・パフォーマンスが向上する場合があります。

ネットワーク待機時間を制御するには、次のことを検討します。

  • OESサーバーの近くにデータベース・リポジトリを配置します。OESサーバーをリモート・サーバーにインストールすると、待機時間が長くなる場合があります。最適なパフォーマンスを維持するには、アプリケーション層とデータベース層の間の待ち時間を5ミリ秒以下に抑えてください。

  • SSLアクセラレータかロード・バランサをOracle Entitlement Serverシステムの外部に追加することにより、ネットワークのパフォーマンスを改善できます。

  • Oracle Entitlement ServerなどのWebベース・アプリケーションのパフォーマンスと可用性を改善する場合、Webサーバーやアプリケーション・サーバーの前方にロード・バランサを配置するのが最善の方法です。ただし、Oracle Entitlement Serverのコンポーネント間にロード・バランサを配置することはお薦めしません。

  • OESサーバーをOracle Internet Directory (OID)サーバーではなくクライアント・アプリケーションの近くに配置します。

30.3.3.4 リソースに負荷が集中する操作

一連のリソースに対して認可チェックを行うPepRequestFactory.newQueryPepRequest().decide()のプロセスが最適化されました。

この機能はデフォルトでは無効化されており、制御された配布モードにあるSMインスタンスに対して有効にする必要があります。

有効にするには、SMインスタンスのjps-config.xmlを更新してください。PDPサービス・インスタンスでは、次のプロパティを追加します。

<serviceInstance name="pdp.service" provider="pdp.service.provider">
         ... ...
         property name="oracle.security.jps.runtime.enableResourcePermissionCache" value="true"/>

30.3.3.5 パフォーマンス測定のロギングの有効化

移行、スナップショット生成および配布を含む一部の主要な操作では、パフォーマンス測定用にログが必要になります。

WLSTを介した移行では、INFOレベルのログがあります。次に示すように、タイムスタンプ付きのログをWLSTコンソールに直接出力できます。

Apr 19, 2013 3:07:00 AM oracle.security.jps.internal.tools.utility.JpsUtilMigrationPolicyImpl
migrateAppPolicyData
INFO: Migration of Application Policies in progress.....

... ...
Apr 19, 2013 3:07:39 AM oracle.security.jps.internal.tools.utility.util.JpsMigrateUtil cloneResourceType
INFO: Migration of Resources started
Apr 19, 2013 3:08:12 AM oracle.security.jps.internal.tools.utility.util.JpsMigrateUtil cloneResourceType
INFO: Migration of Resources completed in 00:00:33

... ...
Apr 19, 2013 3:08:44 AM oracle.security.jps.internal.tools.utility.util.JpsMigrateUtil clonePermissionSet
INFO: Migration of Permission Sets completed in 00:00:31

... ...
Apr 19, 2013 3:11:35 AM oracle.security.jps.internal.tools.utility.destination.apibased.JpsDstPolicy clone
INFO: Completed Migrating 5,351 policies in [170,914] ms.

... ...
Apr 19, 2013 3:20:57 AM oracle.security.jps.internal.tools.utility.destination.apibased.JpsDstPolicy clone
INFO: Migration of Grants completed in 00:09:22

... ...
Apr 19, 2013 3:20:57 AM oracle.security.jps.internal.tools.utility.JpsUtilMigrationPolicyImpl
migrateAppPolicyData
INFO: Migration of Application Policies completed, Time taken for migration is 00:13:57

スナップショット生成測定のロギングの有効化

次に、ポリシー配布の一環としてのスナップショット生成のタイミングを測定するために有効化する必要のあるロギング・プロパティを示します。次に示すログ・レベル設定で、Javaのlogging.propertiesファイルを作成します。

handlers= java.util.logging.FileHandler
.level= INFO
############################################################
# Handler specific properties.
# Describes specific configuration info for Handlers.
############################################################# default file output is in user's home directory
java.util.logging.FileHandler.pattern =<Log_home>/performance.log
java.util.logging.FileHandler.limit = 10000000
java.util.logging.FileHandler.count = 200
java.util.logging.FileHandler.formatter =java.util.logging.SimpleFormatter
java.util.logging.FileHandler.level = FINE
java.util.logging.ConsoleHandler.level = INFO
java.util.logging.ConsoleHandler.formatter = java.util.logging.SimpleFormatter
############################################################
# Facility specific properties.
############################################################
# Provides extra control for each logger.
############################################################
# For example, set the com.xyz.foo logger to only log SEVERE
# messages:
oracle.security.jps.internal.policystore.SnapshotWorker.level=FINEST

<DOMAIN_HOME>/bin/startWeblogic.shでログを有効化します

${JAVA_HOME}/bin/java ${JAVA_VM} ${MEM_ARGS} -Djava.util.logging.config.file=./logging.properties -Dweblogic.Name=${SERVER_NAME} -Djava.security.policy=${WL_HOME}/server/lib/weblogic.policy ${JAVA_OPTIONS} ${PROXY_SETTINGS} ${SERVER_CLASS}

ログ・ファイルでは、アプリケーション・ポリシーのスナップショットの生成時に次のログ・メッセージが表示されるはずです。

Jan 31, 2013 1:07:49 AM oracle.security.jps.internal.policystore.SnapshotWorker run
FINE:SnapshotWorker begin.
.......... 
Jan 31, 2013 1:12:43 AM oracle.security.jps.internal.policystore.SnapshotWorker run
FINE: SnapshotWorker end.

配布のロギングの有効化

次に、ポリシー配布の一環としてのスナップショット生成のタイミングを測定するために有効化する必要のあるロギング・プロパティを示します。logging.propertiesファイルを作成して、次の行を追加します。

oracle.security.jps.az.internal.runtime.pd.receiver.UpdatePolicySet.level=FINEST

各セキュリティ・モジュール・タイプに応じて異なるスクリプトを更新する必要があります。

Java SM

java SMの起動スクリプトを編集して、ログ・プロパティを追加します。

例として、<OES_CLIENT_HOME>/oes_sm_instances/<SM_NAME>/run-j2se.shがあります。

${JAVA_HOME}/bin/java -Doracle.security.jps.config=${OES_INSTANCE_HOME}/config/jps-config.xml
${MEM_ARGS} -Djava.util.logging.config.file=./config/logging.properties
oracle.security.oes.tools.OESJ2SESampleApp PD

このログ・プロパティ・ファイルで、oracle.security.jps.az.internal.runtime.pd.receiver.UpdatePolicySet.level=FINESTを有効化します。

WS SM

<OESCLIENT>/oes_sm_instances/<wssm>/startWSServer.shに、次の行を追加します。

JAVA_OPT="$JAVA_OPT -Djava.util.logging.config.file=./config/logging.properties"

Weblogic SM

最後の<DOMAIN_HOME>/bin/startWeblogic.shファイルを編集します。

${JAVA_HOME}/bin/java ${JAVA_VM} ${MEM_ARGS}
-Djava.util.logging.config.file=./config/logging.properties

Tomcat SM

<TOMCAT_HOME>/ bin/catalina.shファイルを編集し、最後のJAVA_OPTS行の後に次の行を追加します。

JAVA_OPTS="$JAVA_OPTS -Djava.util.logging.config.file=./config/logging.properties".
Jan 31, 2013 10:11:19 PM oracle.security.jps.az.internal.runtime.pd.receiver.UpdatePolicySet commit
FINE: Starting ...

...........
Jan 31, 2013 10:20:06 PM oracle.security.jps.az.internal.runtime.pd.receiver.UpdatePolicySet commit
FINE: completed. Active Apps: [[]], Bounded Apps [[fidelity5000]
Jan 31, 2013 10:20:07 PM oracle.security.jps.az.internal.runtime.pd.receiver.UpdatePolicySet commit
FINE: afterCommit is finished
Jan 31, 2013 10:20:07 PM oracle.security.jps.az.internal.runtime.pd.receiver.UpdatePolicySet finishFirstDist