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Oracle® Database Appliance Oracle WebLogic Server on Oracle Database Applianceの使用
リリース2.7 for Linux x86-64
B72798-03
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目次

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2 インストールと構成

この章では、Oracle WebLogic Server Configuration for Oracle Database Applianceユーティリティ(構成ユーティリティ)を使用して、Oracle Database ApplianceでWebLogic Server (前面のロード・バランサを含む)をプロビジョニングする方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

OVMテンプレートおよび構成ユーティリティのダウンロード

異なるバージョンのOracle WebLogic Server on Oracle Database Applianceを入手できます。

次の手順は、主に2.7.0.0.0バージョンおよび2.6.0.0.0バージョンに適用されます。2.5.0.0.0バージョンの詳細は、必要に応じて明記しています。

WebLogic Serverのサポートは、Oracle Database Appliance環境に事前構成済のOracle Virtual Machine (OVM)テンプレート・バンドルを介して提供されます。各バンドルは、WebLogicのいずれかのバージョン(11g (10.3.6)または12c (12.1.1および12.1.2))に対応しています。これらのバンドルにはそれぞれ、次のものが含まれています。

前提条件の設定手順を完了した後、次の手順を実行してOracle Database Appliance Kit for WebLogic Serverをダウンロードします。

Oracle Database Appliance Kit for WebLogic ServerをOracle Software Delivery Cloudからダウンロードするには、次の手順に従います。

  1. https://edelivery.oracle.comに移動します。

  2. Oracleアカウントを使用してサインインします。

  3. 「Oracle Software Delivery Cloud Trial License Agreement」および「Export Restrictions」を読んで受諾します。

  4. 「Continue」をクリックします。

  5. 「Select Product Pack」フィールドで、「Oracle Fusion Middleware」を選択します。

  6. 「Platform」フィールドで、Linux x86-64を選択します。

  7. 「Go」をクリックします。

  8. 表示された結果から、「Oracle Fusion Middleware 11g Media Pack for Linux x86-64」を選択し、「Continue」をクリックします。

  9. 適切なファイルを選択し、「Download」ボタンをクリックします。

    • WebLogic Server 12.1.2の場合: V43086-01.zip

    • WebLogic Server 12.1.1の場合: V43085-01.zip

    • WebLogic Server 10.3.6の場合: V43084-01.zip

OVMテンプレートおよび構成ユーティリティのインストール

次の手順は、主に2.7.0.0.0バージョンおよび2.6.0.0.0バージョンに適用されます。2.5.0.0.0バージョンの詳細は、必要に応じて明記しています。

ダウンロード完了後、次の手順を実行してWebLogic ServerとOracle Traffic Director OVMテンプレートをインストールします。

  1. ローカル・クライアント上の任意の場所に、ダウンロード済のZIPファイルを展開します。展開すると、ディレクトリに次のファイルが配置されます(ここで、versionは1036、1211、1212のいずれか)。

    表2-1 ZIPファイルの内容

    リリース ファイルのリスト

    Oracle WebLogic Server on Oracle Database Appliance 2.7.0.0.0

    WLS_version_VMT.tar.gz_aa

    WLS_version_VMT.tar.gz_ab

    OTD_11117_VMT.tar.gz

    wls_oda_configurator_2.7.0.0.0.tar.gz

    Oracle WebLogic Server on Oracle Database Appliance 2.6.0.0.0

    WLS_version_VMT.tar.gz_aa

    WLS_version_VMT.tar.gz_ab

    OTD_11117_VMT.tar.gz

    wls_oda_configurator_2.6.0.0.0.tar.gz

    Oracle WebLogic Server on Oracle Database Appliance 2.5.0.0.0

    WLS_version_VMT.tar.gz_aa

    WLS_version_VMT.tar.gz_ab

    OTD_11116_VMT.tar.gz

    wls_configurator_2.5.0.0.0.tar.gz



    注意:

    再プロビジョニングせずにOracle WebLogic Serverの1つのバージョンから別のバージョンにアップグレードすることはできません。Oracle WebLogic Server 12.1.1を使用してプロビジョニングを開始した場合、再プロビジョニングせずにOracle WebLogic Server 12.1.1へ自動アップデートすることはできません。12.1.2のテンプレートをダウンロードして、12.1.2のテンプレートを使用して再プロビジョニングする必要があります。Oracle WebLogic Serverの適切なバージョンのテンプレートをダウンロードしてください。


  2. 展開済のファイルが配置されたディレクトリから、次のコマンドを実行して2つのWebLogic Server (WLS)ファイルを結合します。

    cat WLS_version_VMT.tar.gz_aa WLS_version_VMT.tar.gz_ab > WLS_version_VMT.tar.gz

  3. 元のWLSファイル2つを削除します。

    rm WLS_version_VMT.tar.gz_aa

    rm WLS_version_VMT.tar.gz_ab

  4. scpを使用して、2つのテンプレート・アーカイブをクライアントからノード0のDomain-0とノード1のDomain-0/OVS/stagingディレクトリに転送します。

    scp WLS_version_VMT.tar.gz root@ip_address:/OVS/staging

    scp OTD_11116_VMT_tar.gz root@ip_address:/OVS/staging

    ip_addressはノード0のDomain-0のIPアドレスで置き換え、その後でノード1のDomain-0のIPアドレスを使用して同じように操作してください。


    注意:

    Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのアーキテクチャの詳細は、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』のOracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのOracleソフトウェアのデプロイに関する項を参照してください。

    WLSおよびOTDのtar.gzファイルは展開しないでください。


  5. 構成ユーティリティ・ファイルwls_configurator_2.5.0.0.0.tar.gz/wls_oda_configurator_2.6.0.0.0.tar.gzを、ノード0のODA_BASEドメインの任意の場所に転送します。

    表2-2 構成ユーティリティ・ファイルを転送するコマンド

    リリース コマンド

    Oralce WebLogic Server on Oracle Database Appliance 2.7.0.0.0

    scp wls_oda_configurator_2.7.0.0.0.tar.gz root@ip_address:dest_dir

    Oracle WebLogic Server on Oracle Database Appliance 2.6.0.0.0

    scp wls_oda_configurator_2.6.0.0.0.tar.gz root@ip_address:dest_dir

    Oracle WebLogic Server on Oracle Database Appliance 2.5.0.0.0

    scp wls_configurator_2.5.0.0.0.tar.gz root@ip_address:dest_dir


    ip_addressはノード0のODA_BASEドメインのIPアドレスで置き換えてください。dest_dirは宛先ディレクトリで置き換えます。

  6. sshを使用してrootユーザーとしてノード0のODA_BASEドメインにログインし、構成ユーティリティ・ファイルを格納したディレクトリに切り替えて、構成ユーティリティ・ファイルをノード0のODA_BASEドメインの任意のディレクトリに展開します。

  7. 構成ユーティリティの実行方法の詳細は、「構成ユーティリティの使用」を参照してください。


注意:

構成ユーティリティを使用してローカル・クライアント上に構成ファイルを作成する場合は、ローカル・クライアントの任意の場所にwls_configurator_version.tar.gzを展開します。


構成ユーティリティのダウンロード

構成ユーティリティを使用すると、簡単に単一クラスタWebLogicドメインを作成および構成してビジネス・アプリケーションにサービスを提供したり、Oracle Traffic Director (1つのWebLogicクラスタに対する受信リクエストを効率的に分散できるソフトウェア・ロード・バランサ)を構成したりできます。

構成ユーティリティをダウンロードして、ローカルのWindows、MacOSまたはLinuxクライアントで実行し、後で使用できるように構成ファイルを作成して保存するには、次の手順を使用します。

最新の構成ユーティリティをダウンロードして、WindowsまたはLinuxクライアントおよびOracle Database Applianceにインストールするには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザを開き、次のURLにアクセスします。

    http://www.oracle.com/technetwork/middleware/weblogic-oda/downloads/index.html

  2. 「Oracle Database Appliance Manager Configurator」セクションで、「Oracle WebLogic Server Configuration for Oracle Database Appliance」リンクを右クリックし、WindowsまたはLinuxクライアント・マシン上の任意の場所にファイルを保存します。

  3. クライアント・マシン上の任意の場所にファイルを展開します。

  4. 次のscpコマンドを使用して、ダウンロード済のtar.gzファイルをクライアントからノード0のODA_BASEドメインの任意の場所にコピーします。

    scp filename root@ip_address:dest_dir

    filenameはダウンロード済ファイルの名前で置き換え、ip_addressはノード0のODA_BASEのIPアドレス、dest_dirは宛先ディレクトリでそれぞれ置き換えてください。

  5. ODA_BASEの任意のディレクトリにファイルを展開します。


    注意:

    更新された構成ユーティリティをダウンロードして既存のものと置き換える場合は、元のファイルと同じディレクトリに最新のファイルを展開して、システム上にユーティリティの複数のバージョンが存在しないようにすることをお薦めします。


構成ユーティリティの実行方法の詳細は、「構成ユーティリティの使用」を参照してください。

構成ユーティリティの使用

構成ユーティリティを使用してWebLogicドメイン構成を作成するには、次のいずれかの方法を使用します。

必要な構成情報の収集

構成ユーティリティを実行する前に、次のネットワーク構成情報を収集します。

  • WebLogic Server管理サーバーのVMに使用するホスト名およびIPアドレス。

  • WebLogic Server管理対象サーバーの各VMに使用するホスト名およびIPアドレス。選択したクラスタ・サイズによって、2、4または8つずつ必要です。

  • OTDロード・バランサに使用する仮想IPアドレス。

  • OTD管理サーバーのVMに使用するホスト名およびIPアドレス。

  • OTD管理VM (2台)に使用するホスト名およびIPアドレス(各2)。

  • アプリケーションで使用するデータ・ソースを追加作成する必要がある場合は、次の情報が必要です。データ・ソースは、このOracle Database Applianceで稼働しているOracleデータベースを対象とする必要があります。

    • データ・ソースのJNDI名(データ・ソース名)

    • Oracleデータベースのサービス名

    • データベースへの接続に使用する、スキーマのユーザー名およびパスワード

リソース要件

WebLogicドメインをプロビジョニングする前に、作成するクラスタのサイズ(クラスタ内の管理対象サーバー数: 2、4または8)に応じてCPUとメモリーのリソースが十分にあることを確認する必要があります。Oracle Database Appliance上に作成するデータベースは、使用可能なマシン・リソースを消費します。データベースのサイズが大きいと、管理対象サーバーのクラスタに使用できるマシン・リソースは大幅に少なくなるため、パフォーマンスに影響します。データベースに使用されるODA_BASE仮想マシンのサイズ設定の詳細は、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのODA_BASEのサイズ設定に関する項を参照してください。

次の表に、使用可能なWebLogicクラスタ・サイズ別のリソース要件を示します。

表2-3 使用可能なクラスタ・サイズのリソース要件

クラスタ・サイズ vCPU (ノード0) RAM (ノード0) vCPU (ノード1) RAM (ノード1)

2サーバー・クラスタ

6

12GB

6

11GB

4サーバー・クラスタ

8

18GB

8

17GB

8サーバー・クラスタ

12

30GB

12

29GB


構成ユーティリティのオフラインでの実行

WindowsまたはLinuxクライアントで構成ファイルを作成し、Oracle Database Applianceで後で使用するには、次の手順を実行します。

  1. 構成ユーティリティ・ファイルをダウンロードして展開したディレクトリに移動します。

  2. 次のコマンドを入力して、構成ユーティリティを起動します。

    config.bat (Windows)

    ./config.sh (LinuxまたはMac OSX)

    既存の構成ファイルをロードする場合は、次のようにしてファイル名へのパスをコマンドに含めます。

    ./config.sh /config/myconfig.properties

  3. WebLogic Serverドメインを構成します(「構成ユーティリティの各画面」を参照)。「Summary」画面で、「Save」をクリックして構成をファイルに保存します。

  4. Oracle Database ApplianceにWebLogicドメインを新規作成する準備ができたら、構成ユーティリティを展開したノード0上の同じディレクトリに構成ファイルをコピーします。

Oracle Database Applianceでの構成ユーティリティの実行

Oracle Database Applianceで構成ユーティリティを実行する前に、次の手順を実行します。

  • Javaのbinディレクトリがクラスパスに設定されていることを確認します。JDKの最小要件はJDK 1.6です。

  • XWindowsを起動するか、ノード0のODA_BASEの表示をリダイレクトします。

前の項の説明に従ってクライアント上で構成ファイルが作成済の場合、そのファイルを使用してWebLogic Serverドメインをプロビジョニングするには、Oracle Database Applianceにファイルがすでにコピーされていることを確認してください。

Oracle Database Applianceで構成ユーティリティを実行するには、次の手順を実行します。

  1. SSHを使用して、Oracle Database Applianceのノード0のODA_BASErootとしてログインします。

    ssh root@ip_address

    ip_addressはノード0のODA_BASEのIPアドレスで置き換えてください。

  2. 構成ユーティリティ・ファイルを展開したディレクトリに移動します。

  3. 次のコマンドを入力します。

    ./config.sh config_file

    property_fileは保存済の構成ファイルのパスとファイル名で置き換えてください。または、このパラメータを省略して、「Welcome」画面からファイルを参照することもできます。

  4. 構成ユーティリティを実行するOracle Database Applicationのバージョンを選択します。Oracle Database Appliance V1を選択するには「1」、Oracle Database Appliance X3-2を選択するには「2」と入力します。

    続行するには、次の「構成ユーティリティの各画面」の項を参照してください。

構成ユーティリティの各画面

構成ユーティリティを起動したら、次の手順を実行します。

  1. 表示される「Welcome」画面で、次のタスクを実行します。

    • コマンド行で構成ファイルをロード済であるか構成ファイルを新規作成する場合は、「Next」をクリックします。

    • 「Browse」をクリックし、既存の構成ファイルを選択してロードすると、その内容が後続の画面のすべてのフィールドに反映されます。

      リモート・クライアントで構成ファイルを作成してからOracle Database Applianceに転送した場合は、ファイルの格納先ディレクトリに移動してそれを選択します。

      構成ファイルをロードしたら、「Next」をクリックして続行します。

  2. 表示される「WebLogic Domain Configuration」画面で、次の設定を構成し、「Next」をクリックして続行します。

    設定 説明

    WebLogic Version

    Oracle Database Applianceでプロビジョニングする適切なOracle WebLogic Serverのバージョンを選択します。

    プロビジョニング・プロセスを正常に実行するには、選択したバージョンに対応するOracle VMテンプレート・アーカイブがノード0およびノード1の両方のDomain-0の/OVM/stagingディレクトリに存在する必要があります。

    再プロビジョニングせずにOracle WebLogic Serverの1つのバージョンから別のバージョンにアップグレードすることはできません。Oracle WebLogic Server 12.1.1を使用してプロビジョニングを開始した場合、再プロビジョニングせずにOracle WebLogic Server 12.1.1へ自動アップデートすることはできません。12.1.2のテンプレートをダウンロードして、12.1.2のテンプレートを使用して再プロビジョニングする必要があります。

    Domain Name

    Oracle WebLogic Serverドメインの名前を入力します。ドメイン名は、英数字、アンダースコア(_)およびハイフン(-)のみで構成できます。ドメイン名には少なくとも1つのアルファベット文字を含める必要があり、先頭は数字以外とし、長さは最大100文字まで可能です。

    Cluster Name

    Oracle WebLogic Serverクラスタの名前を入力します。クラスタ名は、英数字、アンダースコア(_)およびハイフン(-)のみで構成でき、長さは最大100文字まで可能です。

    Cluster Size

    クラスタ内に作成する管理対象サーバーの数を選択します。ドメインの作成後に管理対象サーバーのインスタンスは追加できません。

    Listen Port

    Oracle WebLogic Serverインスタンスのリスニング・ポートに使用する値を入力します。t3sおよびhttpsを処理できるネットワーク・チャネルが、このポート番号でリスニングする各Oracle WebLogic Serverインスタンス上に作成されます。

    Password

    Confirm Password

    Oracle WebLogic Serverを実行する仮想マシンにおいてOracle WebLogic Server管理ユーザー(system)およびオペレーティング・システム・ユーザー(root)に使用するパスワードを入力します。

    「Confirm Password」フィールドにパスワードを再度入力します。

    JMS Distributed Destinations

    JMS分散宛先を構成する場合は、このオプションを選択します。選択した場合、高可用性永続ストアに支援されたサンプルJMS分散キューおよびトピックが作成され、Oracle WebLogic Serverクラスタにターゲット設定されます。

    Oracle WebLogic Server管理コンソールから、またはWLSTを使用して、プロビジョニング後さらにJMS構成をカスタマイズできます。

    JDBC Data Source

    WebLogic Serverクラスタにデプロイされたアプリケーションで使用できるデータ・ソースを作成するには、このオプションを選択します。データ・ソースは、同じOracle Database Applianceマシンで稼働しているOracleデータベースを対象とする必要があります。選択した場合、データ・ソース構成を収集するための画面が表示されます。


  3. 表示される「WebLogic VM Information」画面で、次の設定を構成し、「Next」をクリックして続行します。

    設定 説明

    Network Interface

    Oracle WebLogic Server仮想マシンに使用するネットワーク・インタフェースを選択します。

    同一ネットワーク・インタフェースは複数のサブネットワークにマップできないため、マシン上のOracle WebLogic Server、Oracle Traffic DirectorおよびOracle Databaseの各層にネットワーク情報を提供する際には注意する必要があります。

    • Oracle Database Appliance X3-2: eth1 (bond0)は、パブリック・ネットワーク・アクセス用の光ファイバー10GbEインタフェースです。eth2 (xbond0)は、光ファイバー10GbEインタフェースです。

    • Oracle Database Appliance V1: eth1 (bond0)は、パブリック・ネットワーク・アクセス用の1GbEインタフェースです。eth4 (xbond0)は、光ファイバー10GbEインタフェースです。

    使用しているネットワーク・スイッチとケーブルが、選択したGbE速度に対応できることを確認してください。すべてのネットワーク・アドレスは、冗長性とスループットを確保するために結合されています。

    詳細は、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』Oracle VMのネットワーク・インフラストラクチャに関する項を参照してください。

    Admin Server VM

    Oracle WebLogic Server管理サーバーのホスト名[1]およびIPアドレス[2]を指定します。

    Managed Server n VM

    管理対象サーバーのVMの行数は、手順0の「WebLogic Domain Information」画面でクラスタ・サイズについて選択した値(2、4または8)によって決まります。

    管理対象サーバーの各仮想マシンについて、ホスト名[1]およびIPアドレス[2]を指定します。

    Netmask

    IPアドレスが属しているサブネットのネットマスクを指定します。

    Gateway

    ネットワークへのゲートウェイのIPアドレスを指定します。


    [1]: ホスト名はすべて、RFC 952規格に準拠する必要があります。ホスト名の完全修飾ドメイン名(FQDN)の構成には、データベースのプロビジョニング用に構成されたネットワーク・ドメインが使用されます。

    [2]: IPV4形式のアドレスのみがサポートされています。

  4. 表示される「Load Balancer Information」画面で、次の設定を構成し、「Next」をクリックして続行します。

    設定 説明

    Provision Load Balancer

    ロード・バランサをプロビジョニングするかどうかを選択します。デフォルトでは、「Provision Load Balancer」チェック・ボックスが選択されています。Oracle Weblogic Serverクラスタ・インスタンスで前面のロード・バランサをプロビジョニングしないようにするには、このチェック・ボックスの選択を解除します。「Next」をクリックして続行します。

    「Provision Load Balancer」の選択を解除すると、プロパティ・ファイルからロードされた詳細は削除されます。後でロード・バランサの詳細が必要になった場合は、「Back」をクリックして「Load Balancer Information」画面に移動し、「Provision Load Balancer」チェック・ボックスを選択します。

    このオプションは、Oracle WebLogic Server on Oracle Database Applianceリリース2.5.0.0.0では使用できません。デフォルトでは、ロード・バランサをプロビジョニングする必要があります。

    Network Interface

    Oracle Traffic Director (OTD)仮想マシンに使用するネットワーク・インタフェースを選択します。

    • Oracle Database Appliance X3-2: eth1 (bond0)は、パブリック・ネットワーク・アクセス用の光ファイバー10GbEインタフェースです。eth2 (xbond0)は、光ファイバー10GbEインタフェースです。

    • Oracle Database Appliance V1: eth1 (bond0)は、パブリック・ネットワーク・アクセス用の1GbEインタフェースです。eth4 (xbond0)は、光ファイバー10GbEインタフェースです。

    使用しているネットワーク・スイッチとケーブルが、選択したGbE速度に対応できることを確認してください。すべてのネットワーク・アドレスは、冗長性とスループットを確保するために結合されています。

    詳細は、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』Oracle VMのネットワーク・インフラストラクチャに関する項を参照してください。

    Virtual IP

    OTDインスタンスのパブリックIPアドレス[2]を入力します。

    OTDインスタンスはアクティブ-パッシブ構成で構成され、このIPアドレスの高可用性を確保します。OTDはこの仮想IPでフェイルオーバーする機能を備え、Oracle WebLogicクラスタにデプロイされているバックエンド・アプリケーションの高可用性を実現します。

    Listen Port

    これはOTDインスタンスのリスニング・ポートです。クライアントは、このポートで仮想IPアドレスを使用して接続できます。

    Password

    Confirm Password

    OTDを実行している仮想マシンにおいてOTD管理ユーザー(admin)およびオペレーティング・システム・ユーザー(root)に使用するパスワードを入力します。

    「Confirm Password」フィールドにパスワードを再度入力します。

    Admin Server VM

    OTD管理サーバーの仮想マシンのホスト名[1]およびIPアドレス[2]を指定します。

    Admin Node n VM

    管理ノードの各仮想マシンについて、ホスト名[1]およびIPアドレス[2]を指定します。

    Netmask

    IPアドレスが属しているサブネットのネットマスクを指定します。

    Gateway

    ネットワークへのゲートウェイのIPアドレスを指定します。


    [1]: ホスト名はすべて、RFC 952規格に準拠する必要があります。ホスト名の完全修飾ドメイン名(FQDN)の構成には、データベースのプロビジョニング用に構成されたネットワーク・ドメインが使用されます。

    [2]: IPV4形式のアドレスのみがサポートされています。

    OTDの管理および使用方法の詳細は、OTDオンライン・ドキュメント・ライブラリ(http://docs.oracle.com/cd/E23389_01/index.htm)を参照してください。

  5. 「WebLogic VM Information」画面で「JDBC Data Source」オプションを選択した場合は、「Data Source Configuration」画面が表示されます。それ以外はスキップして次の手順に進みます。

    次の設定を構成してから、「Next」をクリックして続行します。データ・ソースはODAマシン上で稼働しているデータベースへの接続に対してのみ使用します。

    設定 説明

    Select Data Source Type

    データ・ソースがWebLogicマルチ・データ・ソース、GridLinkデータ・ソースまたは汎用データ・ソースのいずれであるかを選択します。

    RACデータベースの場合は、「GridLink」または「Multi Data Source」のいずれかを選択できます。

    RACOneノードの場合は、「GridLink Data Source」のみを使用できます。

    Enterprise Editionのデータベースの場合は、「Generic Data Source」のみを使用できます。

    JNDI Name

    データ・ソースに使用するJNDI名を入力します。この名前はデータ・ソース名としても使用されます。

    Service Name

    Oracle Databaseのサービス名を入力します。

    Database User Name

    Password

    データベース・スキーマにアクセスするための有効なユーザー名を入力します。指定したユーザー名のパスワードを入力します。

    Support Global Transactions

    このオプションを選択すると、データ・ソースに対するグローバル・トランザクションが有効になります。グローバル・トランザクションの詳細は、次を参照してください。


  6. 表示される「Summary」画面で、構成サマリーが正しいことを確認します。

    ローカル・マシン上でユーティリティを実行し構成ファイルを生成している場合、またはOracle Database Applianceで実行していて、この構成ファイルを後でプロビジョニングに使用する場合は、「Save」をクリックし、構成ファイルを保存してからユーティリティを終了します。構成を変更する必要がある場合は、「Back」をクリックして前の画面に戻ります。

    「Cancel」をクリックすると、Oracle WebLogic Serverのプロビジョニングや構成ファイルの保存を行わずに閉じます。

    Oracle Database ApplianceでWebLogic Server用のOracle Database Appliance構成ユーティリティを実行している場合、すぐにプロビジョニングを続行するには、「Install」をクリックします。「ドメインの作成と起動」を参照してください。

    「Licensed Core Count」ダイアログ・ボックスが表示されます。ドロップダウン・リストからライセンス保有コア数を選択し、「OK」をクリックします。選択後、プロビジョニングが開始されます。

ドメインの作成と起動

構成が完了したら、「Install」をクリックしてドメイン作成プロセスを開始します。

ドメイン作成プロセスでは、必要とされる仮想マシンおよびそれらの範囲内の対応するサーバーがクローニング、構成および起動されます。

作成プロセスが完了したとき、Oracle WebLogic管理サーバーおよび管理対象サーバー(ノード・マネージャを含む)は稼働中です。ロード・バランサが構成されている場合、Oracle Traffic Director管理サーバーおよびインスタンスも使用可能です。

物理ノードが単一障害点となるのを回避するには、仮想マシンを両方の物理ノード(ノード0とノード1)に分散します。


注意:

最初のプロビジョニング時に、ドメインは開発モードで構成されます。ドメインを本番モードに変更する際は、WebLogicサーバーを再起動する必要があります。

プロビジョニングが完了したら、CPUライセンス数に基づいて各ノードにCPUを割り当てる必要があります。詳細は、次の項「CPUの割当て」を参照してください。


CPUの割当て

Oracle Database Appliance V3-2上に構成されたOracle WebLogic Serverの場合、コアはプロビジョニング・プロセス中にすでに作成されています。

Oracle Database Appliance V1上のOracle WebLogic Server構成の場合、次の手順を使用してノードのコアを割り当てる必要があります。

ドメインの作成後、すべてのVMはdefault-unpinned-poolからのCPUを使用しています。ライセンス保有コア数に基づき、プロビジョニング済のWebLogic ServerとOTDのVMで使用されるコアの数がライセンス数を超えないよう、仮想マシンを構成する必要があります。最も簡単な方法は、使用可能なコアの半数を各ノードに割り当て、ノード上のWebLogic ServerとOTDのVMは自分のノードのCPUプールからコアを使用するように構成することです。この項の後半で説明する例を参照してください。


注意:

使用可能なCPUリソースを割り当てるには、様々な方法があります。たとえば、VMごとに別々のCPUプールを作成できます。また、CPUリソースは均等に割り当てなくても構わないので、たとえばライセンス保有コアが10個ある場合、1つを両方の管理サーバーで共有し、各OTD VMに1つずつ、そしてWebLogic管理対象サーバーのVMに7つ割り当てることができます。この項では、最も簡単な方法を例に説明します。


たとえば、ライセンス保有コアが8個ある場合、次の手順を実行して6つのコアを各ノードに割り当て、各ノードのVMがこれらのCPUプールを使用するように構成します。

  1. 次のコマンドを使用して、各ノードにCPUプールを作成します(この例で、wlsCpuPoolはプール名です。必要に応じて任意のプール名に置き換えられます)。

    oakcli create cpupool wlsCpuPool -numcpu 8 -node 0

    oakcli create cpupool wlsCpuPool -numcpu 8 -node 1

  2. WebLogic ServerとOTDの各VMに対して次のコマンドを入力し、VMがCPUプールを使用するように構成します。

    oakcli configure vm vm_name -cpupool wlsCpuPool

    このコマンドを実行したら、各VMを再起動して変更を有効にする必要があります。

  3. 各VMに対して次のコマンドを入力し、VMを再起動します。

    oakcli stop vm vm_name

    oakcli start vm vm_name

CPUライセンスの詳細は、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』コア数およびPay-As-You-Grow (システム規模に応じた支払い)に関する項を参照してください。

OAKCLIコマンドの詳細は、『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』Oracle Database Applianceコマンド行インタフェース(OAKCLI)・ユーティリティ・リファレンスに関する項を参照してください。

仮想マシンの構成

この項では、WebLogicドメインの仮想マシン(VM)の構成について説明します。内容は次のとおりです。

VMの命名規則

WebLogic管理サーバーと管理対象サーバーのVM名およびOracle Traffic Director (OTD)のVM名は、VMが存在する物理ホストの番号、ドメイン名、クラスタ名、および管理対象サーバーの番号(管理対象サーバーの場合)を基に設定されます。WebLogic ServerのVM名にはWLS_という接頭辞が付き、OTDのVM名にはOTD_という接頭辞が付きます。

WebLogic管理サーバーのVM名は次のようになります。

WLS_domainname_AdminServer

管理対象サーバーのVM名は次のようになります(ここで、#はクラスタでのVM番号です)。

WLS_domainname_ManagedServer_#

OTD管理サーバーのVM名は次のようになります。

OTD_domainname_AdminServer

各OTDサーバーのVM名は次のようになります(ここで、#はクラスタでのVM番号です)。

OTD_domainname_AdminNode_#

表2-4に、4台のWebLogic管理対象サーバーを持つmydomainというドメイン内の管理サーバーと管理対象サーバーのVM名を示します。


注意:

ドメイン名の長さが13文字を超えると、各VM名ではその部分が切り捨てられます。


表2-4 仮想マシン名の例

VM 物理ホスト VM名

WebLogic管理サーバー

1

WLS_mydomain_AdminServer

WebLogic管理対象サーバー1

1

WLS_mydomain_ManagedServer_1

WebLogic管理対象サーバー2

2

WLS_mydomain_ManagedServer_2

WebLogic管理対象サーバー3

1

WLS_mydomain_ManagedServer_3

WebLogic管理対象サーバー4

2

WLS_mydomain_ManagedServer_4

OTD管理サーバー

2

OTD_mydomain_AdminServer

OTD管理ノード1

1

OTD_mydomain_AdminNode_1

OTD管理ノード2

2

OTD_mydomain_AdminNode_2


VMリソースの割当て

各VMでは、インストールされたアプリケーション(WebLogic Serverなど)以外に、独自のOracle Enterprise Linuxオペレーティング・システムをホストしています。

表2-5に、各VMに割り当てられるリソースを示します。

表2-5 VMリソースの割当て(VM別)

VM vCPU MEM JVMヒープ

OTD管理サーバー

4

1GB

n/a

OTDサーバー・インスタンス

4

4GB

n/a

WebLogic管理サーバー

4

2GB

512MB

WebLogic管理対象サーバー

4

6GB

3GB


VMのディスク構造

各VMにはオペレーティング・システム・ディスクがあります(合計領域4GB)。この他に、/u01/opt/oracleにマウントされた2つの追加仮想ディスクがあります。/u01にマウントされたディスクには、WebLogic Serverドメイン構成およびOTDインスタンス・ホームが含まれ、合計領域は7.5GBです。マウント済のディスク/opt/oracleにはWebLogic ServerとOTDのインストールが含まれています。

表2-6に、主なディレクトリの場所を示します。

表2-6 主なディレクトリの場所

ディレクトリまたはファイル 場所

WebLogic Serverホーム

/opt/oracle/middleware/wlserver_version

WebLogic Serverドメインの場所

/u01/domain_name

WebLogic Serverドメインのログ・ファイル

/u01/domain_name/servers/admin_server_name/logs/domain_name.log

WebLogic Serverのサーバー・ログ

/u01/domain_name/servers/server_name/logs/server_name.log

ミドルウェア・ホーム

/opt/oracle/middleware

Oracle Traffic Directorホーム

/opt/oracle/trafficdirector

Oracle Traffic Directorサーバー・インスタンス

/u01/OTDInstanceHome


VMへのアクセス

プロビジョニングが完了すると、各VMにssh経由でアクセスできます。

各WebLogic Server VMのオペレーティング・システムのrootパスワードは、構成ユーティリティの「WebLogic VM Information」画面の「Password」フィールドで指定したWebLogic Serverのパスワードに設定されます。

各OTD VMのオペレーティング・システムのrootパスワードは、構成ユーティリティの「Load Balancer Configuration」画面の「Password」フィールドで指定したOTD管理者のパスワードに設定されます。

これらのパスワードは後で変更することもできます。

デフォルトのドメイン構成

構成ユーティリティを使用してドメインを作成する場合、ドメイン構成には、構成ユーティリティのセッションで手動定義した設定の他に、事前選択済のデフォルト設定が含まれます。事前選択済のデフォルト設定は、Oracle Database Appliance固有の機能を使用して、高可用性を最大化することを目的としています。

指定した値と事前選択済の設定を使用したドメイン構成の詳細は、次の各項を参照してください。

クラスタの設定

クラスタ名は「WebLogic VM Information」画面の「Cluster Name」フィールドで指定したものです。

管理サーバーの設定

表2-7に、ドメインの管理サーバーの設定を示します。

表2-7 管理サーバーの設定

設定 メモ

Name

自動的にAdminServerに設定されます。

Listen Address

デフォルト・チャネルのリスニング・チャネルは内部IPアドレスです。

External Listen Port

「WebLogic VM Information」画面の「Listen Port」フィールドで指定したリスニング・ポートで、外部ネットワークでのhttpsおよびt3sトラフィックに使用します。デフォルトは7001です。

Internal Listen Port

自動的に7001に設定されます。

Internal Secure Listen Port

自動的に7002に設定されます。


管理対象サーバーの設定

表2-8に、ドメインの管理対象サーバーの設定を示します。

表2-8 管理対象サーバーの設定

設定 メモ

Name

自動的にms#に設定されます(ここで、#はクラスタの各管理対象サーバーに割り当てられた番号)。

Listen Address

デフォルト・チャネルのリスニング・チャネルは内部IPアドレスです。

External Listen Port

「WebLogic VM Information」画面の「Listen Port」フィールドで指定したリスニング・ポートで、外部ネットワークでのhttpsおよびt3sトラフィックに使用します。デフォルトは7001です。

Internal Listen Port

自動的に7001に設定されます。

Internal Secure Listen Port

自動的に7002に設定されます。

Machine

自動的にm#に設定されます(ここで、#は関連する管理対象サーバーに割り当てられた数値と同じ)。たとえば、管理対象サーバーms1はマシンm1に割り当てられます。マシンはドメインの管理対象サーバーの仮想マシンごとに作成されます。

Cluster

「WebLogic VM Information」画面の「Cluster Name」フィールドで指定したクラスタ名に自動的に設定されます。

Transaction Log JDBC Store

クラスタ全体のJTAリカバリを許可するように自動的に設定されます。

Replication Group

セカンダリ・サーバーが別の物理マシン上にあることを確認するように自動的に設定されます。

Preferred Secondary Group

セカンダリ・サーバーが別の物理マシン上にあることを確認するように自動的に設定されます。

JTA Automatic Migration

自動的に有効化されます。


マシンおよびノード・マネージャの設定

表2-9に、ドメインのマシンおよびノード・マネージャの設定を示します。ノード・マネージャをサポートするには、ドメインのWebLogic Serverの仮想マシンごとにマシンを作成します。

表2-9 マシンおよびノード・マネージャの設定

設定 メモ

Machine Name

自動的にm#に設定されます。

Node Manager Listen Port

自動的に5556に設定されます。

Node Manager Type

自動的にJavaに設定されます。


内部データ・ソース

高可用性のためのトランザクション・ログ・ストア用に非XAデータ・ソースが自動的に作成されます。「WebLogic Domain Information」画面で「JMS Distributed Destinations」オプションを選択した場合、JMS永続性のためのJDBC永続ストアではこの非XAデータ・ソースが使用されます。

MSの設定

「WebLogic VM Information」画面で「JMS Distributed Destinations」チェック・ボックスを選択した場合は、Oracleデータベースを使用して永続化メッセージを格納し高可用性を維持するよう、WebLogic JMSが事前構成されます。JMSサーバー、分散トピックおよび分散キューが作成されて各WebLogic管理対象サーバーをターゲットとし(表2-10を参照)、サンプルのキューとトピックの両方を備えたJMSモジュールのターゲットがクラスタに設定されます(表2-11を参照)。

表2-10 JMSサーバーの設定

設定 メモ

Name

自動的にms#_JMSServerに設定されます(ここで、#は関連する管理対象サーバーに割り当てられた#値と同じ)。

Persistent Store

JMS永続性用に作成された永続ストアに自動的に設定されます。

Target

移行可能ターゲット・インスタンスに自動的に設定されます。


表2-11 JMSモジュールの設定

設定 メモ

Name

自動的にjms-sample-moduleに設定されます。

JMS Queue JNDI

自動的にjms/sample/queueに設定されます。

JMS Topic JNDI

自動的にjms/sample/topicに設定されます。