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Tuxedo Job Enqueueing Serviceのモニタリング

JESジョブの発行

「JESジョブの発行」タブには、ジョブ・リポジトリにあるすべての使用可能なJESジョブがリストされます。1つを選択して「発行」ボタンをクリックすると、そのジョブが発行されます。必要であれば、送信前にEJRおよびシェルの各オプションを入力できます。

JESジョブの問合せ

「Tuxedo JES管理」のターゲット・ホームページの「JESジョブ」タグをクリックすることにより、すべての利用可能なジョブの表示と一連のジョブ操作の実行が可能です。

ジョブの問合せ

ページの左側の「問合せ」フィルタ領域から、問合せ条件の組合せまたはジョブIDのいずれかの使用によりジョブを検索できます。

フィルタ条件にはジョブ名、ジョブの所有者、ジョブ優先度、ジョブ・クラス、ジョブ・ステータスおよび送信時間の範囲を設定できます。問合せ条件を指定して「問合せ」をクリック後、ページにジョブの検索結果が表示されます。ジョブ・アイテムをクリックすると、「問合せ」リスト内にジョブの詳細な情報が表示されます。

大量の問合せ結果を画面に表示させないために、戻されるレコードの最大数を指定できます。デフォルト値は1000です。

Job Log/Sysout Containsフィルタを指定することで、ジョブ・ログやジョブSysoutに特定のワードを含むJESジョブを検索できます。問合せにより、特定のワードを含むすべてのJESジョブのログ/Sysoutが出力され、右側の結果リストに表示されます。

ジョブの表示と管理

問合せ条件により検索されたジョブは、「ジョブの問合せ結果リスト」に表示されます。リスト上のジョブ・アイテムをクリックします。次のアクション・ボタンを使用して、ジョブを管理できます。

  • 取消: 選択されたジョブを取り消します。

  • パージ: 選択されたジョブをパージします。

  • 保留: 選択されたジョブでステータスがCONVINGまたはWAITINGのものを保留します。

  • リリース: 選択されたジョブでステータスがHOLD_WAITINGまたはHOLD_CONVINGのものをリリースします。

  • ジョブ・ログ: 選択されたジョブのジョブ・ログの内容を表示します。

  • ジョブSysout: 選択されたジョブSysout情報を表示します。

  • リフレッシュ: ジョブ・リストをリフレッシュします。「リフレッシュ」をクリックすると、前に指定された問合せ条件でジョブの問合せが再度実行され、画面に問合せ結果が表示されます。

高度なジョブ・ログ・ビューア

ログ・ビューアは、1つのダイアログで比較するログのビューを表示するために使用されます。ログ・パネルでは、同じ名前を持つ.jeslogファイルと.logファイルが、1つのタブ・ページに分類されます。タブでは、.jeslogが左に、.logが右に表示されます。同じ名前の.jeslogファイルと.logファイルのペアが複数存在する場合は、タブも複数になります。

1MB以上の大量のログをサポートするために、ログ・ビューアにページ別表示のサポートが追加されています。ログ・ビューアの下部にあるコントロールを使用して、ページ別表示をオン/オフにしたり、ページを移動できます。各行の行番号はグローバルな位置を示します。

ログ・ビューアの上部にある検索ボックスを使用して、ログ・ファイル全体を検索できます。検索キーワードは大/小文字の区別をしません。また、一致した結果はページ内で黄色の背景でマークされます。ページ別表示をオフにすると、提供された検索を使用できるため、検索ボックスが非表示になります。

JESジョブのログのアーカイブ/パージ

ログのアーカイブ

古い実装では、ログ・ビューアで「ジョブ・ログ」ボタンをクリックすると、EM OMSはJMXエージェントに接続してログ・ファイルの内容をリアル・タイムでフェッチします。このソリューションでは、ファイルの内容が常に最新のステータスであることを保証できますが、大きな短所が2つあります。その1つは終了ステータス(「完了」/「失敗」)のジョブについてです。ログ・ファイルのコンテンツはそれ以上変更されませんが、各ログ・ファイルはエージェント側からの同期によって取得され続けます。ログ・ファイルのサイズが大きい場合は、これにより多くのリソースが消費されます。2つ目の短所は、ジョブがパージされた場合、ファイル・システムでログ・ファイルが失われることです。ログは二度と表示することができません。

このため、この問題を解決するため、EM DBでログ・ファイルの内容を保持するためのログのアーカイブ機能が実装されています。ログのアーカイブ・プロセスは、特定のメトリック・イベントによって作成され、Tuxedoイベント・コネクタの呼出し中をインシデント・アクションとして実行するインシデントからトリガーされます。メトリック・イベントは、ジョブが「完了」または「失敗」のステータスの場合にEMエージェントからレポートされます。ターゲット・タイプが「Tuxedoバッチ・システム」で生成され、メトリック・グループは「JESジョブ統計」、メトリック列は「ジョブ統計」、重大度レベルは「警告」です。このため、ジョブの終了イベントを捕捉するために、インシデント・ルールをEMに定義して、特定のイベント・タイプに適用する必要があります。

アーカイブ・ログのパージ

「アーカイブ・ログ・パージ」タブは、保存されているジョブ・ログをパージするために使用されます。このタブでは、パージのスコープをジョブ番号の範囲またはジョブ・コレクションの日付範囲で指定できます。より詳細なスコープを指定するために、2つの範囲を組み合せることもできます。入力にはジョブIDとログ日付が含まれます。デフォルトの範囲では30日前までのすべてのログがパージされます。選択されたパージのスコープに対して、JESログ(.jeslogファイル)、ジョブ・ログ(.logファイル)およびジョブSysout (.sysoutファイル)などのログ・タイプを選択できます。さらに、1つ以上のドメインを指定する必要があります。

発行後、パージ・アクションが即時実行されます。

JESジョブ・ステップ戻りコードの統計

通常、1つのジョブには複数のステップが含まれています。各ステップには、そのステップの実行結果を示す戻りコードがあります。これらのジョブ・ステップの戻りコードを収集して役立てることができます。この拡張では、ジョブ・ログ・ファイルがアーカイブされると、すべてのジョブ・ステップ戻りコードが分析されてEnterprise Managerデータベースに保存されます。つまり、この機能はジョブ・ログ・アーカイブに依存します。ステップ戻りコードは、ジョブ・ログ・アーカイブが有効な場合にのみ取得できます。

ステップ戻りコードの情報がEnterprise Managerデータベースで使用可能になると、「ジョブ詳細情報」領域に「step_name1: return_code1, step_name2: return_code2, step_name3: return_code3 ...」形式で表示されます。

JESジョブの異常終了コードのモニタリング

ジョブは、異常終了で失敗することがあります。ジョブの異常終了コードを収集して、失敗の理由を把握するために役立てることができます。ジョブが失敗し、ジョブの異常終了コードが検出されると、SNMPトラップ信号によってARTバッチからEnterprise Managerエージェントに異常終了コードと他のジョブ・メトリックがレポートされ、「ジョブ詳細情報」領域に表示されます。異常終了情報は、次のように表示されます。

PGMNAME=userabend.gnt,STEPNAME=STEP1,ABENDCODE=8.

処理済レコードの数(Syncsortのみ)

ジョブでSyncsortが使用されると、統計情報は次のような形式でジョブ・ログに含まれます。

Records read: 50,000 Data read (bytes): 142,828,170

Records sorted: 50,000 Data sorted (bytes): 142,828,170

Records output (1): 43,953 Data output (bytes) (1): 121,915,627

Records output (2): 5,696 Data output (bytes) (2): 20,175,232

Records output (3): 5,693 Data output (bytes) (3): 18,246,065

Records output (4): 6,001 Data output (bytes) (4): 20,829,697

この出力から、処理済レコードの統計情報を分析できます。ジョブ・ログがアーカイブされると、対応する処理済レコード情報が取得され、情報が存在する場合はEnterprise Managerデータベースに保存されて「ジョブ詳細情報」領域に表示されます。

ジョブ・ログの分析時に、Records read/copied/output/sortedというキーワードから始まる各行はSyncsort統計情報と見なされ、これらのキーワードの直後の数値が処理済レコード数として取得されます。前述の出力例では、統計情報は次のように表示されます。

Records read: 50000; Records sorted: 50000; Records output (1): 43953; Records output (2): 5696; Records output (3): 5693; Records output (4): 6001

ジョブ・インシデント・ポリシー

「Tuxedo JES管理」のターゲット・ホーム・ページの「インシデント・ポリシー」タグをクリックして、バッチ・システムでカスタマイズ済インシデント・ポリシーを定義できます。インシデント・ポリシーでは、どのような条件(バッチ・ジョブのプロパティ/実行ステータス/メトリック値)で、クリティカル・レベルのメトリック・アラートをレポートするかを定義します。

システム生成のインシデント・ルール(すべてのターゲットのインシデント管理ルールのセット)に従って、クリティカル・メトリック・アラートに対するインシデントを作成します。インシデントはレポート済メトリックに応じて自動的に作成されます。

インシデント・ポリシーには次の2つのタイプがあります。1つは「リアルタイム」インシデント・ポリシーです。インシデントは、メトリック値が事前定義されたしきい値を超えた特定のジョブのセットに対してレポートされます。たとえば、JOBAという名前のバッチ・ジョブのでは、メトリックのジョブの実行からの実行時間が300秒を超えると、インシデントがレポートされます。

この種類のインシデント・ポリシーは、Enterprise Managerエージェント側で評価されます。ポリシーがtrueと評価されると、インシデントがEnterprise ManagerエージェントからEnterprise Manager OMSにレポートされます。

2つ目は「集計」インシデント・ポリシーです。「CPU時間」などの一部のメトリックでは、特定の条件下でバーストが発生する可能性があります。この場合、リアル・タイムの値に完全に基づいた異常な状態の判断は、正確ではありません。このため、集計済メトリック・データに基づいたインシデント・ポリシーを定義できます。たとえば、JOBAという名前のジョブ・インスタンスがNode1マシンで実行されていて、CPU時間が過去8時間の平均値と比較して2倍になると、インシデントがレポートされます。

この種類のインシデント・ポリシーは、集計済メトリック・データへのアクセス権を持つEnterprise Manager OMS側で評価されます。

インシデント・ポリシー・リスト

次の表は、インシデント・ポリシー・リスト表の列を示します。

列名 説明
名前 ポリシー名です。最大長は255です。
タイプ リアルタイム/集計
ステータス 有効/無効
ジョブ名 ポリシー定義におけるターゲット・ジョブ名です。最大長は255です。
優先度 ポリシー定義におけるターゲット・ジョブの優先度です。
クラス ポリシー定義におけるターゲット・ジョブ・クラスです。
所有者 ポリシー定義におけるターゲット・ジョブの所有者です。最大長は255です。
ノード名 ポリシー定義におけるターゲット・ジョブの実行ノードです。最大長は255です。
発行時間 ポリシー定義におけるターゲット・ジョブの発行時間です。
イニシエータ ポリシー定義におけるターゲット・ジョブのイニシエータです。

ポリシーの管理

次のツールバー・コントロールを使用して、ポリシーを管理できます。

コントロール名 説明
追加 新しいポリシーを追加します。
編集 既存のポリシー定義を編集します。リスト表でポリシー・アイテムが1つのみ選択された場合に使用可能です。
複製 選択されたポリシー定義を複製します。リスト表でポリシー・アイテムが1つのみ選択された場合に使用可能です。
有効化 選択された1つ以上のポリシーを有効化します。
無効化 選択された1つ以上のポリシーを無効化します。
削除 選択された1つ以上のポリシーを削除し、それと同時にポリシー定義が有効な場合は無効化します。

ポリシー定義

ポリシー定義は、2つの部分で構成されています。最初の部分は、バッチ・ジョブの特性を示す「ジョブ・プロパティ・フィルタ」です。これらのプロパティは、ジョブの実行後は変更されません。複数のジョブ・プロパティは、論理積で評価されます。

2つ目の部分は「ジョブ・メトリック・フィルタ」です。この部分では、バッチ・ジョブの1つ以上のメトリックとそれらのしきい値を追加できます。複数のジョブ・メトリックは、論理積で評価されます。

ジョブ・プロパティ・フィルタ

「ジョブ・プロパティ・フィルタ」に含まれるプロパティは次のとおりです。

ジョブ・プロパティ 説明
名前 ジョブ名です。ワイルドカード(*)を使用できます。
優先度 ジョブの優先度です。複数選択が可能なドロップダウン・リストです。
クラス ジョブ・クラスです。複数選択が可能なドロップダウン・リストです。
所有者 ジョブ所有者です。ワイルドカード(*)を使用できます。
ノード名 ジョブの実行ノードです。ワイルドカード(*)を使用できます。
発行時間 ジョブの発行時間です。期間を定義します。

ジョブ・メトリック・フィルタ

評価に使用できるジョブ・メトリックは、次のとおりです。

メトリック名 演算子 しきい値 集計 最大値
発行後の経過時間(秒) > 数値 2147483647
実行後の実行時間(秒) > 数値 2147483647
システムCPU時間(ミリ秒) > 数値 2147483647
ユーザーCPU時間(ミリ秒) > 数値 2147483647
CPU時間(ミリ秒) > 数値 2147483647
待機時間(秒) > 数値 2147483647
待機ジョブ数 >= 数値 可(集計のみ) 2147483647
ステップ名 Is

Is not

文字列とワイルドカード 不可 255
ステップ戻りコード Is

Is not

文字列とワイルドカード 不可 255
プログラム名 Is

Is not

文字列とワイルドカード 不可 255
異常終了コード >

>=

=

<=

<

数値 不可 2147483647
ステータス Is

Is not

複数選択リスト(「完了」/「待機中」/「失敗」) 不可

各ポリシーの評価は、集計されたしきい値またはリアル・タイムのしきい値に基づきます。ポリシー定義では、「集計」または「リアルタイム」のポリシー・タイプのいずれかのみを各ポリシーに対して選択する必要があります。「集計」ポリシー・タイプが選択された場合、前述の表で「集計」が「可」とマークされているメトリックのみが選択リストに表示されます。「リアルタイム」が選択された場合は、「集計のみ」を除くすべてのメトリックがリストされます。複数のメトリックとしきい値を定義できます。その場合は論理積の関係になります。

集計済のしきい値では、しきい値は絶対値または相対値(パーセンテージ)のいずれかにできます。相対値が選択された場合は、「集計時間ウィンドウ」を指定する必要があります。現在のメトリック値が「集計時間ウィンドウ」での集計済の値と比較されます。また、ポリシー定義におけるすべての相対しきい値で、同一の「集計時間ウィンドウ」を使用する必要があります。

インシデント・ポリシーを定義する場合は、1つ以上のジョブ・メトリック・フィルタに入力する必要があります。入力しないと、ポップアップ・ウィンドウが「ジョブ・メトリック・フィルタがすべて空です。少なくとも1つ必要です。」というエラー・メッセージとともに表示されます。

ポリシーの配布

EMエージェント・ポリシーに影響している現在のインシデント・ポリシー定義に変更を加えた場合は、現在のバッチ・システムをモニタリングしているEMエージェントにポリシー・セット全体を配布(または再配布)する必要があります。ポリシー定義ファイルのEMエージェント側に正しく配布するには、バッチ・システム・ターゲットに対する優先資格証明が必要です。資格証明は、「設定」→「セキュリティ」→「優先資格証明」ページで管理されています。「ホスト資格証明」という名前の資格証明を「ターゲット優先資格証明」に設定する必要があります。

ポリシーの評価

ポリシーは、OMS側またはエージェント側のいずれかで評価されます。ポリシーが定義されて有効化されると、EMコンソールに「有効」としてマークされます。ただし、「有効」ステータスは、ポリシーが受信され有効になったことを意味するものではありません。基本的には、OMS側のポリシーは比較的早く有効になります。ただし、OMSとエージェント間の通信のオーバーヘッドにより、相当の遅れが生じることを考慮する必要があります。

ポリシーのアクティブ化の追跡メッセージは、ログ・ファイルemoms.trcおよびgcagent_sdk.trcに表示されます。エージェント側のポリシー評価は、10秒ごとに発生します。OMS側のポリシー評価は、EMジョブにより実行されます。デフォルトの実行間隔は1分です。

インシデント・ポリシーがtrueと評価されると、対応するメトリック・アラートがEMエージェントによって生成されます。メトリック・アラートは、常に「JESジョブ統計」メトリック・グループの「ジョブ統計」メトリックでクリティカル・レベルでレポートされます。「ジョブ統計」のメトリック値は、内部使用のもので、エンド・ユーザーには意味を持ちません。

GDG管理

「Tuxedo JES管理」のターゲット・ホームページの「GDG」タグをクリックすると、世代データ・グループ(GDG)ファイルを管理できます。

GDGの作成

「追加」をクリックすると、指定されたベース名および最大生成数でGDGを作成できます。次のパラメータを指定する必要があります。

  • ベース名: たとえば、/testarea/em/ em.gdgなどのGDGのパス情報を格納します。

  • 最大生成数: GDGに格納できる最大の世代数を指定します。

GDGの問合せ

GDGはベース名で問合せができます。

GDGのベース名が不明確な場合、「*」ワイルドカードを使用してベース名のゼロ以上の文字数を置換するか、「?」を使用して厳密にベース名の1文字を置換できます。

GDGの削除

GDGを削除するには、行を選択して「削除」をクリックします。複数のGDGアイテムを選択して削除できます。このGDG内のすべての情報およびファイルが削除されます。GDGジェネレーションの削除はサポートされていません。

リストの表示と結果の確認

「GDG」表内のいずれかのGDG行を選択すると、「GDGファイル」表にはファイル・システムにあるGDGとDBに格納されている管理情報間のすべての差異が表示されます。次の2種類のデータが収集されます。

  • ディスクから読み取られた情報。最後の列にパス情報とともに世代名が表示されます。

  • GDG_DETAIL表から読み取られた情報。他の列に情報が表示されます。

調整

ファイル・システムにあるGDGとDBに格納されている管理情報間の差異を調整できます。「調整」ボタンをクリック後、この要求の処理のためJESジョブが送信され、調整結果のトラッキングのためジョブIDが返されます。DB内のデータがすでに破損している場合、調整は行われません。

GDGファイルのコンテンツの表示

GDGファイルのコンテンツを表示するには、「GDGファイル」表の先頭のセルにあるベース名をクリックします。

ファイルのコンテンツがない場合は、「コンテンツが見つかりません」というメッセージが表示されます。