HCMツリー

ツリーは、組織の階層構造をグラフィカルに表します。ツリーは「自分のクライアント・グループ」の「ワークフォース・ストラクチャ」作業領域で管理します。

部門、組織、ポジションおよび地理のツリー構造がサポートされています。ツリーに追加できるノードは、各構造タイプによって制御されます。地理ツリーを除き、一つのHCMツリー・タイプに複数のツリーを作成することができ、各ツリーに複数のバージョンを作成できます。ただし、常にアクティブなツリーのバージョンは1つのみです。

各ツリー・バージョンには、階層の最上位レベルにルート・ノードがあります。ツリー構造の要素に接続する線はブランチであり、エレメントはノードと呼ばれます。これらの関係は次のように説明できます。ノードが階層の1段階上にあれば別のノードの親です。子ノードは同じ親ノードを共有します。

たとえば、部門ツリーの図では、Operationsはその子ノードであるHuman Resources、LegalおよびFinanceの親です。

部門ツリー

部門ツリーは、部門の階層表現です。部門ツリーのバージョンを作成できますが、一度にアクティブになるツリー・バージョンは1つのみです。部門を同じツリー・バージョンで複数回追加することはできません。

部門ツリーの使用

  • 1つまたは複数のツリーで、すべての部門の階層を維持します。
  • 組織セキュリティ・プロファイルの「組織階層別保護」設定で部門階層ツリー構造を選択して、そのツリー内の部門へのアクセスを保護します。
  • 「階層タイプ」リストを使用して職責範囲(AOR)データを保護します。階層タイプに定義された職責範囲は、個人レコードを保護するための個人セキュリティ・プロファイルの作成中に、職責範囲別に保護するために使用できます。
  • AOR設定で定義された職責タイプを使用して承認ルールを定義し、部門ツリーを使用して定義した担当者を承認者にできるようにします。
  • 分析で部門階層を使用して、ロールアップ分析レポートを作成します。
  • 部門ツリーを使用して、就業者アサイメントの部門マネージャからライン・マネージャをデフォルト設定します。この設定を構成するには、PER_DEPARTMENT_TREE_FOR_MANAGERプロファイル・オプションを使用できます。

部門ツリーの例

次の図は、部門ツリーを使用して設定できる部門階層を示しています。

この図は、人事部門、法務部門、財務部門、および各部門の異なるノードを示しています。

組織ツリー

組織ツリーは、様々な組織エンティティの階層表現です。部署、雇用主、ビジネス・ユニット、部門などを含む任意の組織を選択して、組織ツリーを作成できます。組織ツリーのバージョンを作成できますが、一度にアクティブになるツリー・バージョンは1つのみです。組織を同じツリー・バージョンに複数回追加することはできません。

組織ツリーの使用

  • 異なる組織構造の階層を維持します。
  • 組織セキュリティ・プロファイルの「組織階層別保護」設定で一般組織階層ツリー構造オプションを選択して、そのツリー内の組織へのアクセスを保護します。
  • 「階層タイプ」リストを使用して職責範囲(AOR)データを保護します。階層タイプに定義された職責範囲は、個人レコードを保護するための個人セキュリティ・プロファイルの作成中に、職責範囲別に保護するために使用できます。
  • AOR設定で定義された職責タイプを使用して承認ルールを定義し、組織ツリーを使用して定義した担当者を承認者にできるようにします。
  • 部門が階層の最下位レベルにある場合は、分析で組織階層を使用してロールアップ分析レポートを作成します。

組織ツリーの例

次の図は、組織ツリーを使用して設定できる組織階層を示しています。

この図は、InFusion Corporationのディビジョン、法的エンティティ、ビジネス・ユニットおよび部門構造を示しています

ポジション・ツリー

「ワークフォース・ストラクチャ」作業領域で事前定義済のポジション・ツリー構造を使用して、複数のポジション・ツリーを作成できます。次に、複数のバージョンを作成して、ポジション間のレポート関係を設定できます。ポジション・ツリーには、最上位ノードを1つのみ含めることができます。

ポジション・ツリーの使用

  • 予算計画および組織計画にポジション階層を使用します。
  • ポジション・セキュリティ・プロファイルでポジション階層を識別することで、ポジションに対するアクセスを保護します。たとえば、指定した最初のポジションの下にポジション階層のすべてのポジションを含むポジション・セキュリティ・プロファイルを作成できます。また、個人セキュリティ・プロファイルにポジション・セキュリティ・プロファイルを含め、個人レコードに対するアクセスを保護できます。この場合、個人セキュリティ・プロファイルには、ポジション・セキュリティ・プロファイル内のポジションを占める個人の個人レコードが含まれます。

ポジション・ツリーの例

次の図は、ポジション・ツリーを使用して確立できるポジション階層を示しています。
会社内のポジションの階層を 示した図。ポジション階層では、部長が副社長にレポートし、
監査役と副社長が会社の社長とCEOに
レポートします。

地理ツリー

事前定義済地理ツリー構造のバージョンを作成して、企業が事業を行っている国を表現できます。国ごとに、州や市などの下位レベル・ノードを定義できます。たとえば、イギリス - イングランド - ロンドンなどです。ツリーは、「ワークフォース・ストラクチャ」作業領域で管理します。

複数のバージョンを作成することもできますが、階層内に作成できるツリーは、1つのみです。地理ツリーに設定できる最初のノードも1つのみです。

カレンダ・イベント

地理ツリーを使用して、カレンダ・イベントを適用する事業所を指定します。次の条件を使用してツリーを作成できます。

  • イベントを企業全体に適用する場合は、それをツリーの最初のノード(「グローバル」など)に添付できます。

  • イベントを企業の特定の国(英国など)にのみ適用する場合、それを該当する特定の国のノードに添付できます。

  • イベントを1つの国の特定の州または市にのみ適用する場合、それを州または市レベルのノードに添付できます。たとえば、「イングランド」、「ロンドン」です。

地理ツリーの例

この図は、地理ツリーを使用して確立できる地理的階層を示しています。
地理的場所の階層を 示した図。地理ツリーの階層は、国、州および市の順に 構成されます。たとえば、「米国」の下に「カリフォルニア」州があり、
「カリフォルニア」州の下に「サンマテオ」市が
あります。同様に、「イギリス」の下に「イングランド」、「ロンドン」、 「インド」の下に「アンドラプラデシュ」、「ハイデラーバード」があります。