企業管理体系のモデル化

この例は、架空のグローバルな会社を使用して、企業体系の構成の計画プロセス中に実施される可能性がある分析を示しています。

シナリオ

InFusion Corporationは、米国(US)および英国(UK)で運営している多国籍複合企業です。InFusion社では、Oracle General LedgerおよびOracle Fusion Cloud Applicationsのすべての補助元帳を含むOracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning (ERP)ソリューションを購入済です。米国および英国での運営を含むグローバルな企業体系のモデルの作成を議論する委員会で議長を務めています。

InFusion Corporation

InFusion Corporationの従業員は400人強であり、その収益は1億2千万ドルです。製品ラインには、家庭および事業向けの大気質モニタリング・アプリケーションを構築および保守するためのすべてのコンポーネントが含まれます。米国と英国で共通の品目マスターを共有する2つの物流センターと3つの倉庫があります。自社の金融サービス組織では、顧客に対して導入の初期費用を融資します。

次に、グローバルな企業体系のモデルを作成する際に考慮する必要がある要素を示します。

  • 会社では、米国の一般会計原則(GAAP)の基準および英国の標準会計実務基準書および財務報告基準を使用してレポートする必要があります。法定レポートを適切に作成するためにいくつの元帳が必要ですか。

  • マネージャは、自社の事業分野に関する損益(収益と費用)を示すレポートを必要とします。自社のディビジョンおよびビジネスを表すために、ビジネス・ユニットおよび貸借一致セグメントを使用しますか。勘定体系の2つのセグメントで各部門および法的エンティティを表してデータを保護しますか。または、両方を表す1つのセグメントを使用して、有用かつ機密の管理レポートを作成しますか。

  • 企業経営では、組織全体の業績を示し、その裏付けとなる詳細へのドリルダウン機能を備えたレポートが必要です。レポート要件に対して残高の適切な積上げを実現するために、複数の貸借一致セグメント階層が必要ですか。

  • 経営、買掛金、調達および人事のすべての機能が本社で実行されています。これらの機能をすべて実行するためのビジネス・ユニットが1つ以上必要ですか。共有サービス・センターをどのように構成しますか。

グローバルな企業体系モデル

次の図および表は、委員会で設計されたモデルの要約を示し、数値を使用してその体系を例示しています。このモデルには、次の推奨事項が含まれます。

  • 別々の法的エンティティを表す3つの別個の元帳を作成します。

    • InFusion America Inc.

    • InFusion Financial Services Inc.

    • InFusion UK Services Ltd.

  • アプリケーション・コンポーネント、インストールおよび保守製品ラインに関する企業全体の結果を連結します

  • 英国におけるすべての一般管理費をUK本部で処理します

  • US Systemの一般管理費をUS法人本部で処理します

  • US Financial Servicesがその買掛管理および売掛管理の部門を維持します

InFusion Corporationは、InFusion United States (US)と InFusion United Kingdom (UK)の2つの部門を持つ企業です。InFusion USには2つの法的エンティティであるInFusion America, Inc.とInFusion Financial Services, Inc.があり、それぞれに独自の元帳があります。InFusion UKには1つの法的エンティティ
InFusion UK Systems, Ltd.があり、イギリス・ポンド(GBP)での
プライマリ元帳が1つあります。InFusion UKでは、レポート通貨を 米国ドル(USD)でも表します。各法的エンティティには独自の ビジネス・ユニット(BU)があります。InFusion Americaには、すべての法的エンティティにわたって 一般管理トランザクションを処理するBUもあります。InFusion Corporationには、USとUKの物流センターおよび関連する 3つの倉庫があります。InFusion Corporationでは、1つの共通品目マスターを共有します。
この表は、企業体系エンティティが 実装時に必須であるかオプションであるかを示しています。

このチャートでは、緑の丸は必須の設定を表し、金色の丸はオプションの設定を表しています。次の文で、チャートのデータについて詳しく説明します。

  • 企業の傘下に実装全体が含まれるため、企業は必須です。すべての組織は、企業内に作成されます。

  • 法的エンティティも必須です。これらをオプションで貸借一致セグメント値にマッピングするか、元帳で表すことができます。会社間機能を使用する予定の場合は、貸借一致セグメント値を法的エンティティにマッピングする必要があります。InFusion Corporationは法的エンティティですが、この例では説明しません。

  • 会計トランザクションを記録する実装では、少なくとも1つの元帳が必須です。

  • 財務トランザクションがビジネス・ユニット内で処理されるため、ビジネス・ユニットも必須です。

  • 共有サービス・センターはオプションですが、使用する場合は、ビジネス・ユニットにする必要があります。

  • ディビジョンはオプションで、コスト・センターの階層で表すか、第2貸借一致セグメント値によって表すことができます。

  • 部門を使用して従業員を追跡するため、部門は必須です。

  • オプションとして、Oracle Fusion Applicationsで在庫トランザクションを追跡している場合は、品目マスター組織および在庫組織を追加します。

ノート: Oracle Fusion Cloud Human Capital Managementの一部の実装では、会計トランザクションの記録が必要ないため、元帳は必要ありません。