実績原価方法
実績原価方法では、在庫への各受入の原価を追跡します。 在庫を減耗する際、プロセッサは、減耗を充足するために消費される受入を論理的に識別し、関連する受入原価を減耗に割り当てます。
実績原価方法では、トランザクション原価計算および在庫の減耗に受入レイヤーを使用します。
受入レイヤー
原価組織への品目の棚入および搬送ごとに、受入レイヤーが作成されます。 品目には品目の評価体系を指定する原価プロファイルが割り当てられ、評価体系は品目の評価ユニットを指定します。 受入レイヤーは評価ユニットの範囲内に収まります。 実績原価方法では、原価プロセッサは減耗を満たすために使用された受入を識別し、原価プロファイルで定義された数量減耗方法を適用します。 会計アプリケーションでは現在、ファースト・イン・ファースト・アウト(FIFO)減耗方法を使用しています。
FIFO会計方法では、最初に受け入れた商品を最初に消し込むと想定します。 このロジックでは、在庫をFIFO順に物理的に移動する必要はありません。 実際には、特に商品に代替性がある場合、在庫は不明なまたは不規則な形式で移動します。
在庫で在庫の物理的な流れを管理し、在庫用に保守されている物理的な追跡レベルにあわせて実績原価方法を構成できます。 たとえば、在庫がロット・レベルで追跡している場合、原価もそのレベルで追跡できます。 指定されたロットに複数の受入がある場合、FIFO会計方法ではロットの受入がFIFO順に消し込まれると想定します。
受入レイヤーは、原価組織、在庫組織、保管場所、保管棚、ロット、シリアル、グレードの任意の組合せによって識別できます
この表は、評価ユニット内の品目の受入レイヤーの作成プロセスを示しています。
トランザクション日 |
トランザクション・タイプ |
数量 |
ユニット原価 |
作成された受入レイヤー |
---|---|---|---|---|
2011年1月1日 |
購買オーダー受入 |
100 |
120 USD |
受入#1 |
2011年1月2日 |
購買オーダー受入 |
80 |
100 USD |
受入#2 |
2011年1月3日 |
その他受入 |
20 |
105 USD |
受入#3 |
在庫の減耗
次の表に、FIFOロジックを使用して作成した受入レイヤーに基づいて、品目在庫を減耗するプロセスを示します。
トランザクション日 |
トランザクション・タイプ |
数量 |
ユニット原価 |
作成された受入レイヤー |
減耗に使用した受入レイヤー |
---|---|---|---|---|---|
2011年1月1日 |
購買オーダー受入 |
100 |
120 USD |
受入#1 |
該当なし |
2011年1月2日 |
購買オーダー受入 |
80 |
100 USD |
受入#2 |
該当なし |
2011年1月3日 |
その他受入 |
20 |
105 USD |
受入#3 |
該当なし |
2011年1月4日 |
その他出庫 |
-40 |
120 USD |
該当なし |
受入#1 |
2011年1月5日 |
その他出庫 |
-60 |
120 USD |
該当なし |
受入#1 |
2011年1月6日 |
その他出庫 |
-15 |
100 USD |
該当なし |
受入#2 |