コンテキスト・レイヤーの概要

コンテキスト・レイヤーを使用して、アプリケーションの変更を適用する特定のユーザー・セットを制御できます。コンテキスト・レイヤーを使用してアプリケーション変更を行い、そのサンドボックスが正しいコンテキスト・レイヤーに設定されていることを確認してください。

サンドボックスは、テストされていないコード変更が環境のメインライン・メタデータや他のユーザーに影響を与えないように、それらの変更をメインライン環境から分離するテスト環境です。サンドボックスの作成時にコンテキスト・レイヤーを設定します。「サイト」以外のコンテキスト・レイヤーを選択した場合は、サンドボックスのコンテキスト・レイヤーが、編集するページでサポートされていることを確認します。そうでない場合はページを編集できません。サンドボックスで使用する構成ツールをアクティブ化する必要もあります。選択したすべてのツールのコンテキスト・レイヤーは、デフォルトで「サイト」として設定されます。このため、これらのツールを使用して行った変更はすべてのユーザーに影響します。サンドボックスでページ・コンポーザを使用し、「サイト」以外のレイヤーでページを編集する場合、そのレイヤーのみのサンドボックスを作成して、そのサンドボックスでページ・コンポーザのみをアクティブ化する必要があります。

ノート: ユーザー・インタフェース・テキスト・ツールを使用して行われた変更は、「サイト」レイヤーのみでなく、すべてのレイヤーに適用されます。SandboxAという名前のサンドボックスを作成し、ページ・コンポーザ・ツールをアクティブ化して、コンテキスト・レイヤーを「ジョブ・ロール」レイヤーに設定するとします。次に、SandboxAでページ・コンポーザ・ツールを使用して新しい文字列Program Choiceを作成し、公開します。その後、SandboxBという名前の別のサンドボックスを作成し、その中でユーザー・インタフェース・テキスト・ツールをアクティブ化するとします。このツールを使用して、SandboxBのProgram Choiceという語をCampaignに置き換え、公開します。この場合、ジョブ・ロール・レイヤーを含むすべてのレイヤーで、文字列Program ChoiceCampaignに変更されます。

使用可能なレイヤー

製品ファミリによりコンテキスト・レイヤーは異なります。ただし、すべてのアプリケーションに、次のレイヤーがあります。

  • サイト: このレイヤーで行われた変更は、アプリケーションのすべてのユーザーに影響を与えます。

  • ユーザー: このレイヤーで行われた変更は、1人の特定のユーザーにのみ影響を与えます。ただし、このレイヤーを使用して他のユーザーに対して変更を行うことはできません。パーソナライズはこのレイヤーに格納され、ユーザーは自分専用のパーソナライズを実行できます。

様々な製品ファミリを構成する際に使用できるレイヤーは次のとおりです。

  • 顧客関係管理

    • サイト

    • 外部または内部

    • ジョブ・ロール

  • 人材管理

    • サイト

    • 組織

    • タイム・カード・レイアウト

  • デフォルト・レイヤー

    • サイト

レイヤーの仕組み

レイヤーは特定の順序で適用されます。

  1. ユーザー

  2. 外部または内部

  3. ジョブ・ロール

  4. サイト

階層の上位のレイヤーに設定された変更は表示されません。レベルが高くなれば、それだけコンテキストが詳細になります。上位レベルのレイヤーは、下位のレイヤーのスコープ内に存在します。つまり、値がコンテキスト・レイヤーに対して設定される際には、それより下位のレイヤーのコンテキスト値のスコープ内に設定されます。

オブジェクトやページには同時に複数の構成を設定できますが、これが可能なのは、次のいずれかの条件が満たされている場合のみです。

  • 構成が異なるレイヤーにある

  • 構成は同じレイヤーにあるものの、レイヤーのコンテキスト値が異なる

ユーザーがオブジェクトまたはページを開くと、オブジェクトまたはページに適用される最上部のレイヤーの構成が優先されます。たとえば、表に3つの列を追加し、各コンテキスト・レイヤーに次の列を次のように構成したとします。

  1. 「サイト」レイヤーで、Sales表に3つの列(Promotion Name、Sales PointsおよびPartner Name)を追加しました。

  2. 外部開発者に対して、「Sales Points」列は非表示になります。

  3. 内部営業ロールの場合、「Sales Points」列は非表示になりません。

内部営業担当であるLiamはこのページを自分用にパーソナライズし、「Sales Points」列を非表示にします。

ユーザーによる列の表示の違いを次に示します。

ユーザー

「Sales Points」列の表示

内部営業ロール

はい

外部開発者

いいえ

外部採用担当者

いいえ

Liam

いいえ

様々なコンテキスト・レイヤーおよび値でのこれらの構成を図で示します。

異なるコンテキスト・レイヤーの構成を示す図