疲労セグメンテーション・モデル

疲労セグメンテーション・モデルは、プロファイルおよびエンゲージメント・レベルに基づいて顧客を様々な疲労レベルに分類する、組込み済みのデータ・サイエンス・モデルです。

疲労セグメンテーション・モデルの説明

顧客が様々なチャネルから受信するマーケティング・メッセージが多すぎる場合、最終的に疲労した状態になります。その結果、エンゲージメントとインタラクションが減少し、最終的に様々なキャンペーンの購入とコンバージョンが減少します。疲労セグメンテーション・モデルはこの問題に対処します。

このモデルは、顧客のエンゲージメント、受信および開封されたキャンペーンの履歴、および最も重要なこととして、顧客プロファイルが属するペルソナに基づく、すべての顧客プロファイルのメッセージ疲労を測定します。この分析により、各顧客プロファイルに送信するキャンペーンの数を制御できます。また、疲労を回避するために、各顧客プロファイルに送信する最適なメッセージ数を決定することもできます。

モデルのパラメータ

モデルを作成する際には、モデルについて次のパラメータを定義する必要があります。

  • アルゴリズム: アルゴリズムは、モデルを実行するコードです。

  • 問合せ: モデルについて選択した問合せによって、モデル・トレーニングおよびモデル・スコアリング用のデータセットが生成されます。

  • 入力: 入力は、モデル・トレーニングおよびモデル・スコアリングに使用されるUnityデータ・モデルの問合せ属性です。モデル入力は変更できません。

  • 出力: 出力は、モデルの出力値を格納するために使用されるUnityデータ・モデルのデータ・オブジェクトおよび属性です。モデル出力のデフォルト・マッピングは更新できます。

モデルの入力

値を生成するために、疲労セグメンテーション・モデルでは次のデータが使用されます。

モデルが正常に実行されるようにするには:

  • データは、次のすべての入力属性に取り込む必要があります。
  • モデルに対して考慮されるチャネルは、SMS、Eメールおよびプッシュのみです。
  • モデルに対して考慮されるCampaignデータ・オブジェクトのType属性の値は、プロモーションEメール・キャンペーン、プッシュ・キャンペーンおよびSMSキャンペーンのみです。
  • チャネルごとに、次のTypeおよびTarget属性の値が考慮されます。

      Eメール

    • Type: 開封済および送信済。
    • Target: Eメール。
    • SMS

    • Type: 送信済およびクリック済。
    • Target: SMS
    • プッシュ

    • Type: プッシュ済およびクリック済。
    • Target: メッセージおよびアプリケーション。
  • イベント・データのこれらの要件に基づいて、データ・モデルのイベントを確認して必要な更新を加えることができます。
データ・オブジェクト 属性 データ型 説明
Event SourceCustomerID 文字列 顧客の一意の識別子。
Event SourceID 文字列

ソースの一意の識別子。

Event CampaignID 文字列 キャンペーンの一意の識別子。
Event SourceEventID 文字列 イベントの一意の識別子。
Event Medium 文字列 Eメール、SMS、プッシュなどのメッセージのチャネル。
Event Type 文字列 イベントのタイプ(表示、購入、購買、クリックなど)。
Event EventTS タイムスタンプ イベントが発生した日時。
Customer SourceCustomerID 文字列 顧客の一意の識別子。
Campaign ID 文字列 キャンペーンの一意の識別子。

モデルの出力

モデルの出力値は、FatigueSegmentationデータ・オブジェクトに格納されます。

属性 説明 データ型 キー属性かどうか
SourceCustomer_FatiguePersonaID SourceCustomerIDとListIDを連結した一意の識別子。 文字列
Channel イベントが発生したチャネル。 文字列 ×
FatiguePersona 顧客プロファイルに割り当てられたペルソナ(非アクティブ、飽和、過飽和、ちょうどよい、不飽和)。 文字列 ×
SourceCustomerID 顧客の一意の識別子。 文字列
SourceID ソースの一意の識別子。 文字列

疲労ペルソナは、顧客プロファイルおよびチャネル(SMS、Eメール、プッシュ)ごとに割り当てられます。たとえば、同じ顧客プロファイルを、SMSチャネルでは飽和、Eメール・チャネルではちょうどよいにできます。

Fatigue Persona属性では、次のペルソナを使用できます。

疲労ペルソナ 説明
非アクティブ 過去180日以内に送信されたメッセージに応答していません。
  • 顧客は過去180日(6か月)に送信されたメッセージに応答しなかったため、非アクティブになります。
  • 過去180日以内に顧客に送信されたメッセージがないため、非アクティブになります。
飽和

次を満たす顧客:

  • アクティブ(過去180日以内に応答した)です。

  • マーケティング・メッセージが最近送信されました。

  • エンゲージメントの一貫した減少として解釈されるエクスペリエンスの疲労。

  • 送信されるメッセージは多すぎません

疲労した状態になるリスクがありますが、必ずしもマーケティング・メッセージが大量にあることが原因ではない顧客です。

  • 一貫して応答した後、180日未満で応答が停止: 2020年1月に顧客が1週間に5件のメッセージを受信したが、2020年2月に応答しない場合は、多くの場合、飽和です。

  • 以前に応答していたが、応答頻度が下がった場合: 顧客は通常、2020年1月から2020年12月まで1日当たり1つのメッセージを開いているが、2021年1月から2週間ごとに1つのメッセージのみを開いている場合、そのエンゲージメントのローカル平均(最近の平均エンゲージメント)は、グローバル平均(関与した全期間のエンゲージメントの平均)より低くなります。2つの値の比率が1より小さい場合、顧客は飽和になります。

過飽和

次を満たす飽和顧客:

  • アクティブ(過去180日以内に応答した)です。

  • マーケティング・メッセージが最近送信されました。

  • エンゲージメントの一貫した減少として解釈されるエクスペリエンスの疲労。

  • 送信されるメッセージが多すぎます

マーケティング・メッセージの増加により疲労した状態になるリスクがある顧客です。

2020年、顧客は1日に1つのメッセージを開き、さらに毎日1つのメッセージが送信されています。しかし、2021年には、1日に4つのメッセージが送信され、送信されるメッセージの増加により、開封頻度が2週間ごとに1つに減っています。この顧客は過飽和です。
ちょうどよい

次を満たす一貫してエンゲージした顧客:

  • アクティブ(過去180日以内に応答した)です。

  • マーケティング・メッセージが最近送信されました。

  • 疲労した状態ではありません(飽和でも過飽和でもない)。

  • 最近、一貫してエンゲージしました。

  • 顧客は2020年に1週間当たり1つのメッセージを開き、2021年1月に1日当たり1つのメッセージを開いています。この顧客はちょうどよいです。

  • 顧客は2020年に1週間当たり1つのメッセージを開き、2021年1月に引き続き1週間当たり1つのメッセージを開いています。この顧客はちょうどよいです。

不飽和

より多くのメッセージが送信された場合によりエンゲージし、SMS、Eメールまたはプッシュ・メッセージが(最近または長期間)送信されていない顧客。より多くのメッセージを受信することに利点がある可能性があります。

次のいずれかに該当するアクティブな顧客(過去180日以内に応答)です。

  • 送信が古い: 最近または十分なメッセージが送信されなかったため、より多くのメッセージを送信する必要があります。

  • 意欲が高い: 最近のキャンペーンが送信されたが、さらに多くのメッセージを受けることができる顧客。

  • シグナルが少ない: 疲労した状態でもなく(飽和でも過飽和でもない)、ちょうどよいでもありません。一貫してエンゲージしていませんが、疲労した状態と考えられるほど一貫して減少していません。よりよいシグナルを得るために、より多くのメッセージを送信する必要があります。

  • 2020年には、顧客には週1回のダイジェストのみが送信され、週に1回応答していますが、2021年には1日に1つのメッセージが送信されると、週に2回応答しました。送信頻度が増加すると顧客の応答率が上がる場合、その顧客は不飽和です。

  • 送信の最新性のしきい値が10日の場合、プロモーション・マーケティング・メッセージが最後に送信されたのが10日以上前の顧客は不飽和です。

疲労セグメンテーション・モデルの作成および使用

疲労セグメンテーション・モデルを作成して使用するには、次のことを行う必要があります。

  1. 疲労セグメンテーション・モデルの作成のステップに従います。

  2. モデルを作成したら、トレーニング・ジョブおよびスコアリング・ジョブの実行のステップに従います。

モデルを実行して出力値を作成したら、次のことを行うことができます。

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