複数期間会計の考慮事項

Accounting Hubでの複数期間会計機能を正常に実装するため、次の点を考慮する必要があります。

新しい会計イベントを呼び出すタイミングの決定

複数期間トランザクションのライフサイクル全体を通じて、新しい会計イベントを呼び出すタイミングを決定します。

  • 複数期間の開始日と終了日のみが変更される場合、新しい会計イベントは必要ありません。新しい複数期間開始日を提供するためにトランザクション・オブジェクトが維持される場合、変更の影響は次の複数期間仕訳に反映されます。

  • トランザクションが確定ステータスで計上された後に、金額が変更された場合またはトランザクションが取り消された場合は、新しい会計イベントを呼び出します。

トランザクションが計上された後で複数期間の開始日が変更されても、新しい会計イベントを呼び出す必要はありません。これは、他のすべてのトランザクション属性が変わらないことが前提です。新しい複数期間開始日を提供するためにトランザクション・オブジェクトが維持される場合、変更の影響は次の複数期間仕訳に反映されます。これは按分方法に応じて変わり、将来の仕訳についても同じです。

ただし、トランザクションの計上後にトランザクション金額が変更されると、新しい会計イベントが必要となり、合計繰延金額に影響します。

ヒント: 詳細な分析を実行して、トランザクション属性が更新されたときに新しい会計イベントを呼び出すかどうかを判断することをお薦めします。

トランザクションの逆仕訳イベントの呼出し

トランザクションの逆仕訳イベントを呼び出すときの複数期間仕訳の会計日を考えてみてください。

逆仕訳会計日に、確定ステータスになっている最後の複数期間仕訳より後の日付を設定します。逆仕訳により、複数期間仕訳を含む既存のすべての最終仕訳が逆仕訳会計日に逆仕訳されます。

たとえば、トランザクション会計日が2月1日で、2月と3月について、確定ステータスの複数期間仕訳が作成されているとします。トランザクションが取り消された場合、取消しイベントは、4月1日と次のオープン期間の初日のうち、遅い方の日付に設定する必要があります。

複数期間の開始日と終了日の指定

複数期間会計をサポートするイベント区分に対して、複数期間の開始日と終了日をトランザクション・オブジェクトに指定する必要があります。これらの日付のソースは、イベント区分の「複数期間開始日」と「複数期間終了日」という会計属性にマップされます。これらは両方とも空白にするか、両方ともトランザクション・オブジェクトで作成する必要があります。

確定ステータスで複数期間仕訳が作成されたら、複数期間終了日を、プライマリ元帳とセカンダリ元帳の最後の複数期間仕訳の会計日より前の日付に変更することはできません。

複数期間終了日の繰延

複数期間終了日を繰り延べる場合は、認識金額を調整する必要があります。認識明細は仕訳明細ルールに基づいて生成されないため、「借方/貸方の切替」オプションは適用できません。余分な認識を相殺するために、正または負の金額の適切な相殺入力が生成されます。

たとえば、3か月間延長する場合に、最初の2か月の複数期間会計をすでに実行している場合は、相殺に必要な金額を超えて認識されているため、負の入力が生成されます。

複数期間トランザクション・データの指定

複数期間トランザクション・データは、最後の複数期間仕訳が確定ステータスで計上されるまで、補助元帳トランザクション・オブジェクトで使用可能でなければなりません。

イベント区分で複数期間機能を使用するには、少なくとも1つの明細レベルのトランザクション・オブジェクトが必要です。トランザクションが計上されても、複数期間のライフサイクル全体を通じ、複数期間トランザクションの最新データがトランザクション・オブジェクトで作成されるようにしてください。

たとえば、トランザクションの計上後に複数期間開始日が変更されたものの、将来の仕訳がすべて計上されているわけではない場合を考えます。新しい複数期間開始日は、トランザクション・オブジェクトで作成される必要があります。これにより、「複数期間会計の作成」プロセスで、変更した複数期間の日付範囲に基づいて按分金額を計算できます。

複数期間会計の処理

複数期間認識仕訳は、「複数期間会計の作成」プロセスの実行時に、トランザクション・オブジェクト・データと会計基準定義に基づいて作成されます。

  • 複数期間仕訳の入力金額は、算式を使用して計算されます。この算式は、複数期間仕訳明細ルールで「入力金額」会計属性に割り当てられます。

  • 複数期間仕訳の計上済金額は、端数処理差異を含む入力金額に対して比例的に按分する「複数期間会計の作成」プロセスによって計算されます。

次の場合、複数期間会計仕訳は作成されません。

  • 複数期間トランザクションがまだ完全に認識されていないにもかかわらず、補助元帳レベルのレポート通貨またはセカンダリ元帳が無効になっている場合。

  • 確定ステータスで仕訳が作成された後に補助元帳レベルのレポート通貨が追加され、新しいレポート通貨の複数期間仕訳が作成されていない場合。

  • トランザクション会計日がレポート通貨またはセカンダリ元帳の最初のオープン期間より前で、レポート通貨またはセカンダリ元帳の仕訳が作成されていない場合。

複数期間トランザクションが「複数期間会計の作成」プロセスによって処理されるのは、会計期間とトランザクションごとに一度だけです。

  • トランザクションの複数期間開始日を、プライマリ元帳とセカンダリ元帳にある、最後の複数期間仕訳の前の会計期間に含まれる日付に変更しないでください。

  • トランザクションの複数期間開始日が前の会計期間内の日付に変更されると、そのトランザクションに対して「複数期間会計の作成」プロセスで以前に処理された会計期間は、期間のステータスに関係なく処理されません。開始日の変更による按分済金額の修正は、次の会計期間で計上されます。