逆仕訳

ユーザー・インタフェースで逆仕訳処理を選択して手動で仕訳の逆仕訳を実行するか、プロセスを実行して自動で仕訳を逆仕訳できます。

見越、見積、エラー、一時修正、組替などの逆仕訳を必要とする仕訳にとって、どのようなアプローチが最適かを検討します。仕訳を逆仕訳すると、時間を節約し、データ入力エラーを防ぐことができます。

仕訳を逆仕訳するときに理解しておく必要がある主要な領域は次のとおりです。

  • 仕訳の逆仕訳設定

  • 手動逆仕訳

  • 逆仕訳基準セット

  • 自動逆仕訳

  • プライマリ元帳とそのセカンダリ元帳間の逆仕訳同期

仕訳の逆仕訳設定

「仕訳の作成」ページと「仕訳の編集」ページの「逆仕訳」タブで、仕訳の逆仕訳設定を入力および表示できます。

  • 逆仕訳期間: 結果の逆仕訳の会計期間。逆仕訳に必要です。

  • 逆仕訳日: 平均日次残高元帳にのみ適用されます。逆仕訳仕訳に適用される会計日。平均残高の計算に必要です。平均日次残高元帳ではない元帳の場合は、生成される逆仕訳の会計日はデフォルト・ロジックによって決定されます。

  • 逆仕訳方法: 逆仕訳での金額の戻し処理方法。「符号の変更」または「借方/貸方の切替」のいずれかを選択します。デフォルト設定は「借方/貸方の切替」です。「符号の変更」設定では、元の仕訳と同じ「借方」列または「貸方」列に金額が挿入され、金額に反対の記号(マイナスまたはプラス)が付与されます。「借方/貸方の切替」設定では、金額が逆の列に移動します。逆仕訳に必要です。

  • 逆仕訳ステータス: 逆仕訳の状態(表示のみ)。たとえば、「未逆仕訳」や「逆仕訳済」などです。

逆仕訳期間および逆仕訳方法はいつでも入力可能で、仕訳の転記後でも入力できます。該当する場合、「逆仕訳」タブに次の値も表示されます。

  • 逆仕訳: 逆仕訳した仕訳をレビューしているときに、逆仕訳の名前とリンクが表示されるようにします。

  • 元仕訳: 逆仕訳をレビューしているときに、逆仕訳された仕訳の名前とリンクが表示されるようにします。

手動逆仕訳

「仕訳の管理」および「仕訳の編集」ページの両方で、逆仕訳対象の転記済仕訳を手動で逆仕訳できます。両方のページに、仕訳を逆仕訳する処理とバッチを逆仕訳する処理が用意されています。

「仕訳の編集」ページでは「バッチ処理」メニューから「逆仕訳」を選択して仕訳バッチを逆仕訳するか、または、「仕訳処理」メニューから「逆仕訳」を選択して特定の仕訳を逆仕訳できます。「仕訳の管理」ページでは、「検索結果」セクションで行を選択し、「逆仕訳バッチ」または「逆仕訳」ボタンを選択します。複数の行を一度に選択するには、[Shift]キーまたは[Ctrl]キーを使用します。同一または異なるバッチ内の複数の仕訳または逆仕訳対象の仕訳バッチ全体を、選択した行に基づいて逆仕訳できます。

各逆仕訳は独自の逆仕訳バッチ内に作成されます。バッチの名前は「Reverses」という語で始まります。バッチを逆仕訳すると、単一の逆仕訳要求が発行されます。しかし、逆仕訳されるバッチ内の各仕訳の逆仕訳は独自の仕訳バッチ内に生成されます。仕訳レベルのレポート通貨の逆仕訳は、関連するプライマリ元帳またはセカンダリ元帳の対応する逆仕訳と同じ逆仕訳バッチにグループ化されます。補助元帳レベルのレポート通貨の逆仕訳は、対応するプライマリ元帳と同じ逆仕訳バッチにグループ化されます。

次に、バッチ逆仕訳を使用する場合の例を示します。

シナリオ

動作

バッチ内の逆仕訳が行われていないすべての仕訳を同一の逆仕訳設定で逆仕訳します。たとえば、平均残高が無効の元帳に同じ逆仕訳期間を使用する場合や、平均残高が無効の元帳に同じ逆仕訳期間および日付を使用する場合です。あるいは、同じ逆仕訳方法を使用するような場合です。

逆仕訳バッチ処理を選択すると、「逆仕訳バッチ」ウィンドウが開きます。逆仕訳期間、日付または方法を指定します。まだ逆仕訳されていない仕訳の仕訳レベルの逆仕訳設定は、ここで入力した情報で上書きされます。逆仕訳対象のすべての仕訳が「逆仕訳バッチ」ウィンドウでの指定内容に従って逆仕訳されます。

バッチ内のまだ逆仕訳されていない仕訳について逆仕訳設定を指定し、処理を効率化するためバッチ逆仕訳を使用します。

「逆仕訳バッチ」ウィンドウ上のフィールドは空白のままにします。各仕訳がそれら自身の逆仕訳設定に従って逆仕訳されます。

バッチ内のまだ逆仕訳されていない仕訳について、一部の仕訳に逆仕訳設定を指定し、処理を効率化するためバッチ逆仕訳を使用します。

「仕訳の管理」ページを使用してバッチを逆仕訳します。「逆仕訳バッチ」ウィンドウ上のフィールドは空白のままにします。各仕訳がそれら自身の逆仕訳設定に従って逆仕訳されます。

異なるバッチ内の複数の仕訳を、バッチ内の各仕訳に指定されている逆仕訳設定を使用して逆仕訳します。

「仕訳の管理」ページを使用してバッチの行を選択し、逆仕訳バッチ処理を選択します。それらのバッチ内の逆仕訳対象の各仕訳がそれら自身の逆仕訳設定に従って逆仕訳されます。

逆仕訳基準セット

仕訳のカテゴリに基づいて新しく作成した仕訳にデフォルトの逆仕訳設定を付与する、または転記済仕訳の自動逆戻しに進むには、逆仕訳基準セットを作成して元帳に割り当てます。逆仕訳基準セットにはすべての仕訳カテゴリとそれらに対応する逆仕訳設定が含まれており、複数の元帳で共有できます。

次に、「設定および保守」作業領域から「逆仕訳基準セット」ページにナビゲートする方法を示します。

  • オファリング: 財務

  • 機能領域: 一般会計

  • タスク: 逆仕訳基準セットの管理

「逆仕訳基準セットの作成」ページには、すべての仕訳カテゴリとそれらのデフォルトの逆仕訳設定が表示されます。逆仕訳基準を指定する仕訳カテゴリを見つけ、対応する値を設定します。この表は、各逆仕訳設定について説明しています。

設定

摘要

逆仕訳期間

デフォルトなし、同期間、次期間、次の非調整期間、翌日、同日

結果の逆仕訳の会計期間。次の値は平均残高元帳にのみ適用されます: 翌日同日。これらの値を平均残高元帳以外の元帳に選択した場合、「デフォルトなし」の値を選択したことと同じになります。

逆仕訳日

初日、翌日、末日

仕訳が逆仕訳される会計期間の日。逆仕訳日は平均残高元帳にのみ適用されます。逆仕訳期間として「次の非調整期間」「次期間」または「同期間」を指定した場合、逆仕訳日を指定する必要があります。

逆仕訳方法

符号の変更、借方/貸方の切替

逆仕訳での金額の戻し処理方法。

自動逆仕訳オプション

なし、自動逆仕訳、自動逆仕訳および転記

自動逆仕訳の対象として仕訳を選択するかどうか、および逆仕訳後に逆仕訳を転記するかどうかを決定する設定。この表内の前述の設定は仕訳内の属性として直接伝播されますが、この設定は自動逆仕訳プロセスの実行時に逆仕訳処理を決定する目的で使用されます。

作成した逆仕訳基準セットを1つ以上の元帳に割り当てます。次のように「設定および保守」作業領域の元帳ページに移動し、逆仕訳基準セットを割り当てます。

  • オファリング: 財務

  • 機能領域: 一般会計

  • タスク: 元帳スコープが設定されている「元帳オプションの指定」

基準セットが割り当てられた元帳の仕訳を作成すると、その仕訳のカテゴリの基準セットに基づいて逆仕訳期間と方法が移入されます。これはユーザー・インタフェースおよび「仕訳の作成」スプレッドシートから入力した仕訳の両方に該当します。デフォルトの逆仕訳値を受け入れることも、それらの値を後に変更することも可能です。仕訳が転記された後でも変更できます。

自動逆仕訳

自動逆仕訳プロセスでは、元帳に割り当てられている逆仕訳基準セットで自動逆仕訳が有効になっているカテゴリの仕訳のみが選択されます。カテゴリの自動逆仕訳オプションが「自動逆仕訳」または「自動逆仕訳および転記」のいずれかに設定されている必要があります。

次に、自動逆仕訳プロセスを実行する方法を示します。

  • 「仕訳」作業領域のタスク・ペインから「自動逆仕訳の実行」タスクを選択します。「仕訳の自動逆仕訳」プロセスの「スケジュール済プロセス」ページが開きます。この方法を使用すると、現在の期間に入力された1回かぎりの見越のうち将来期間の逆仕訳にタグ付けされているものに対し、自動逆仕訳を実行できます。

  • 「スケジュール済プロセス」ページで「仕訳の自動逆仕訳」プロセスを発行またはスケジュールします。

  • 「元帳オプションの指定」ページで、「期間オープン後、自動逆仕訳の実行」の元帳オプションを有効にします。有効にした場合、自動逆仕訳プロセスが「すべて」の逆仕訳期間の設定で発行されます。

    ノート: 各月の末日に仕訳の逆仕訳を行う場合は、このオプションを有効にしないでください。かわりに、月の末日に自動逆仕訳プロセスが実行されるようにスケジュールします。それ以降、処理が実行されるたびに会計期間パラメータが自動的に増分します。

自動逆仕訳プロセスでは、逆仕訳する仕訳ごとに1つの仕訳バッチが作成されます。逆仕訳バッチと逆仕訳の名前は「Reverses」という語で始まります。また、このプロセスでは自動逆仕訳実行レポートも生成され、逆仕訳を実行するために発行された仕訳バッチの名前と仕訳バッチの会計期間が表示されます。自動逆仕訳オプションが「自動逆仕訳および転記」に設定されている場合、レポートには逆仕訳バッチに関する情報も示されます。

ノート: 逆仕訳プロセスによって自動的に発行される「仕訳の自動転記」プロセスでは、そのプロセスで生成された逆仕訳のみが転記され、それ以外の転記保留中の仕訳は転記されません。

逆仕訳同期が有効になっている場合(詳細は次の項を参照)、対応するセカンダリ元帳に逆仕訳が生成され、セカンダリ元帳に生成された逆仕訳バッチに関する情報が自動逆仕訳実行レポートに表示されます。

プロセスの完了後、レポートをレビューして発生した問題やすべての仕訳が正常に処理されたかどうかを確認できます。

次に、自動逆仕訳プロセスを実行するかどうかを決める際の考慮事項を示します。

  • 適用可能な逆仕訳基準セットの自動逆仕訳オプションの設定が、

    • 「自動逆仕訳および転記」で、仕訳承認が有効の場合、プロセスによって転記された仕訳の承認は省略されます。

    • 「自動逆仕訳」の場合、逆仕訳を手動で転記する必要があります。

  • 平均残高元帳がある場合、自動逆仕訳プロセスは逆仕訳日が有効な営業日かどうかのチェックを行いません。しかし、仕訳ページおよびインポート・プロセスの仕訳検証でこのチェックが行われるため、必要な場合は次の営業日に繰り越されます。

プライマリ元帳とそのセカンダリ元帳間の逆仕訳同期

セカンダリ元帳がある場合は、プライマリ元帳オプション 「プライマリ元帳とセカンダリ元帳間の逆仕訳の同期」を有効にすることをお薦めします。逆仕訳同期を使用すると、セカンダリ元帳を対応するプライマリ元帳の正確な代替表現として維持できます。このオプションを有効にした場合、プライマリ元帳を逆仕訳(手動または自動)したときに、関連するセカンダリ元帳の対応する仕訳が逆仕訳されます。このオプションが有効になっていない場合、プライマリ元帳から複製された仕訳であろうと、セカンダリ元帳で直接作成された仕訳であろうと、セカンダリ元帳の逆仕訳を自身で管理する必要があります。プライマリ元帳に対してこのオプションを設定する場合は、逆仕訳基準セットを元帳に割り当てるときと同じナビゲーションを使用します。

ノート: 逆仕訳同期が関係するのは、データ変換レベルが「仕訳」または「補助元帳」であるセカンダリ元帳のみです。プライマリ元帳の複製は、これらの変換レベルを持つセカンダリ元帳にしか適用されないためです。プライマリ元帳またはセカンダリ元帳に対する「仕訳」レベルの変換、およびプライマリ元帳に対する「補助元帳」レベルの変換を行うレポート通貨で逆仕訳を実行した場合は、同期オプションの設定とは関係なくソース元帳との自動同期が行われます。

次の設定を行った場合の、逆仕訳同期と仕訳承認の動作について説明します。

  • プライマリ元帳とセカンダリ元帳の両方で仕訳承認を有効にしました。

  • それら2つの元帳間の逆仕訳同期を有効にしました。

セカンダリ元帳で生成された逆仕訳(プライマリ元帳の逆仕訳用)には個別の承認は必要ありません。

この表は、同期を有効にしている場合にセカンダリ元帳でどのように仕訳が逆仕訳されるかを示しています。どのように逆仕訳されるかは、セカンダリ元帳での仕訳の作成方法と、逆仕訳基準セットがセカンダリ元帳に割り当てられているかどうかによって異なります。

逆仕訳される仕訳はセカンダリ元帳でどのように作成されましたか。

逆仕訳基準セットをセカンダリ元帳に割り当てましたか。

仕訳はセカンダリ元帳でどのように逆仕訳されますか。

仕訳はプライマリ元帳から複製されました。

はい

プライマリ元帳の仕訳が逆仕訳されると、仕訳が自動的に逆仕訳されます。プライマリ元帳のソース仕訳の逆仕訳設定によって、逆仕訳されるセカンダリ元帳の仕訳の逆仕訳設定が上書きされます。

ノート: 仕訳はプライマリ元帳から複製されたものであるため、逆仕訳は逆仕訳基準セットの影響を受けません。

仕訳はセカンダリ元帳で直接作成されました。

はい

セカンダリ元帳に割り当てられている基準セットでこの仕訳カテゴリに自動逆仕訳が設定されている場合は、セカンダリ元帳で自動逆仕訳プロセスを実行できます。そうでない場合は、手動で逆仕訳する必要があります。

仕訳はプライマリ元帳から複製されました。

いいえ

プライマリ元帳の仕訳が逆仕訳されると、仕訳が自動的に逆仕訳されます。

仕訳はセカンダリ元帳で直接作成されました。

いいえ

逆仕訳情報を仕訳に指定し、セカンダリ元帳の仕訳を手動で逆仕訳する必要があります。

プライマリ元帳オプション「プライマリ元帳とセカンダリ元帳間の逆仕訳の同期」を設定すると、プライマリ元帳のすべてのセカンダリ元帳にオプションが適用されます。「ソース元帳から仕訳を自動転記」はプライマリ元帳のセカンダリ元帳ごとに設定するオプションで、対応するプライマリ元帳仕訳が転記されたときのセカンダリ元帳仕訳の自動転記(逆仕訳およびその他)を制御します。このオプションを設定するには、「設定および保守」作業領域で次のナビゲーションを使用します。

  • オファリング: 財務

  • 機能領域: 一般会計

  • タスク: 「プライマリ元帳からセカンダリ元帳へのマッピングの完了」で、プライマリ元帳とセカンダリ元帳の範囲を設定。