換算レート・タイプの作成に関するガイドライン

換算レート・タイプを使用して、同じ期間の複数の通貨間で異なる換算レートを保守します。

次の換算レート・タイプが事前定義されています。

  • 直物

  • 企業

  • ユーザー

  • 固定

ビジネス・ニーズごとに異なるレート・タイプを使用できます。レート・タイプが「ユーザー」でないかぎり、仕訳中に、選択した換算レート・タイプおよび通貨に基づいて、換算レートが自動的に指定されます。「ユーザー」レート・タイプの場合、換算レートを入力する必要があります。必要に応じて、追加のレート・タイプを定義できます。最も頻繁に使用されるレート・タイプをデフォルトとして設定します。換算レート・タイプは削除できません。

元帳の期間平均レートと期間終了レートに対して関連付けられたレートを自動的に移入するには、換算レート・タイプを割り当てます。たとえば、「直物」の換算レート・タイプを割り当てて期間平均レートを移入することも、会社の換算レート・タイプを割り当てて期間終了レートを移入することもできます。期間平均レートと期間終了レートは、勘定科目残高の換算に使用されます。

次の会計機能の実行時に、換算レート・タイプが使用されてレートが自動的に割り当てられます。

  • 外貨の仕訳金額を同等の元帳通貨に換算する。

  • ソース元帳から仕訳金額をレポート通貨またはセカンダリ元帳に換算する。

  • 再評価プロセスまたは換算プロセスを実行する。

換算レートの作成時に、次を実行するかどうかを決定します。

  • 関係逆レートの強制

  • ピボット通貨の選択

  • 相手通貨の選択

  • クロス・レート使用可能およびクロス・レート上書きの許可

  • クロス・レート・ルールの保守

関係逆レートの強制

「関係逆レートの強制」オプションは、日次レートを定義するときに、逆換算レートの自動計算を強制するかどうかを示します。次の表は、オプションを選択した場合または選択しなかった場合の影響を示しています。

処理

結果

選択

通貨Aを通貨Bに換算する日次レートを入力すると、通貨Bから通貨Aへの逆数レートが自動的に計算され、隣接する列に入力されます。一方のレートが変更されると、他方のレートも自動的に再計算されます。

アプリケーションで計算された逆数レートは更新できますが、その場合は関連するレートが更新されます。このオプションによって、関係逆レートは保守されますが、レートの更新は防止されません。

選択しない

逆数レートが計算されますが、レートは変更可能で、対応するレートを更新せずに日次レート表を更新できます。

ピボット通貨の選択

通貨換算で一般に使用されるピボット通貨を選択します。ピボット通貨は、相手通貨と相互に影響しあう中心的な通貨です。たとえば、米国ドル(USD)とユーロ通貨(EUR)との日次レート、およびUSDとカナダ・ドル(CAD)との別の日次レートを設定します。USDは、EURとCADとのレートを作成する場合のピボット通貨となります。EURとCADは相手通貨です。使用可能で有効な、統計(STAT)通貨でない通貨の値リストからピボット通貨を選択します。ピボット通貨の摘要は、通貨定義に基づいて自動的に移入されます。

基準通貨に対するクロス・レートをアプリケーションで作成する必要がある場合は、基準通貨をピボット通貨として定義します。選択したピボット通貨は「レート・タイプ」ページで変更できます。

相手通貨の選択

値リストで使用可能な通貨を相手通貨として選択します。選択可能な通貨は、使用可能かつ有効で、STAT通貨でなく、これまでにピボット通貨として選択されていない通貨です。相手通貨の摘要は、通貨定義に基づいて自動的に移入されます。相手通貨は、「レート・タイプ」ページの「相手通貨」領域で追加または削除します。

クロス・レート使用可能およびクロス・レート上書きの許可

定義した通貨レートの関係に基づいて換算レートを計算するには、「クロス・レート使用可能」チェック・ボックスを選択します。定義したクロス・レート・ルールに基づいて、一般会計でクロス・レートが計算されます。クロス・レート・ルールを換算レート・タイプ、ピボット通貨および相手通貨に関連付けます。クロス・レートにより、ピボット通貨との関連に基づいて複数の相手通貨間のレートを自動的に作成することで、日次レートの作成が容易になります。相手通貨を入力した後で「クロス・レート使用可能」オプションの選択が解除されると、その特定のレート・タイプの進行中のクロス・レートの計算が停止します。そのレート・タイプに対して以前に計算されたすべてのクロス・レートは、手動で削除しないかぎりデータベースに存在し続けます。

たとえば、ピボット通貨、USDから相手通貨(EUR)、およびUSDから別の相手通貨(CAD)に対して日次レートを定義した場合は、EURからCADおよびCADからEURへのレートが自動的に作成されます。EURからCADおよびCADからEURへのレートを手動で定義する必要はありません。

アプリケーションで生成されたクロス・レートの上書きをユーザーに許可するには、「クロス・レート上書きの許可」チェック・ボックスを選択します。デフォルトの未選択を受け入れると、アプリケーションで生成されたクロス・レートは上書きできません。

クロス・レート・ルールの保守

クロス・レート・ルールは、相手通貨の割当てを追加または削除することで、いつでも定義または更新できます。新しいレートを生成するには、相手通貨をクロス・レート・ルールに追加して、日次レートのインポートおよび計算プロセスを実行します。ルールからクロス・レート・ルールまたは相手通貨を削除した場合、その相手通貨に対して以前に生成されたクロス・レートは、手動で削除しないかぎり存在し続けます。ルールに対する変更は遡及されず、以前に保存されたクロス・レートへの影響はありません。クロス・レート・プロセスでは、可能なかぎり多くのレートが生成され、セットのコンポーネントの1つが欠落している通貨はスキップされます。

ノート: 通貨換算レートは、外部サービスから日次通貨換算レートを抽出する明確なWebサービス(たとえば、ロイターなど)を使用して、日次レートとすべてのクロス通貨の関係に対して自動的に更新されます。