勘定消込と補助元帳

照会、レポートおよび分析の統合ツールを使用して、勘定残高をオンラインで、またはレポートによって消込できます。勘定残高から仕訳および基礎となる補助元帳トランザクションへ、単一ドリル・パスによってドリルダウンします。

勘定残高を消し込むには、次のタイプの事前定義済標準レポート(補助元帳から一般会計への消込レポート、会社間消込レポート、残高試算表レポート、仕訳レポートおよび勘定科目分析レポート)を実行します。

勘定科目の消込ツールには、次の利点があります。

  • より迅速な期間クローズによる管理上の意思決定。

  • 情報に基づく確実なビジネス戦略実行をサポートする公開財務結果の信頼性。

  • 主要な買掛/未払金および売掛/未収金補助元帳残高の一般会計への自動消込。

  • 洞察力に富んだ勘定科目分析レポートによる消込項目の識別と追跡。

消込プロセスの前提条件として、Oracle PayablesおよびOracle Receivablesからの補助元帳トランザクションがOracle General Ledgerにインポートおよび計上されます。次に一般会計仕訳が転記され、一般会計残高が更新されます。その後、消込レポートを実行して勘定科目消込プロセスを開始できます。

次の図は、このフローを補助元帳トランザクションからレポートを使用した勘定科目消込まで示しています。

この図は、補助元帳トランザクションが一般会計仕訳で計上されてから転記され、これにより一般会計残高が更新され、その後勘定科目を突き合せることができることを示しています。

補助元帳勘定科目の消込

これらの補助元帳は、PayablesおよびReceivablesを使用してGeneral Ledgerに迅速に消込できます。補助元帳モジュールにあるオープン状態の買掛/未払金残高および売掛/未収金残高を、所定の会計期間の総勘定元帳にある対応する勘定残高と比較します。差異がある場合は、各トランザクションとそれに対応する個別の会計仕訳との照合プロセスが自動的に実行されます。このプロセスにより、残高不一致状況の原因となっているすべてのトランザクションおよび会計仕訳が検出されます。

例外が発生した場合は自動的に特定されます。たとえば:

  • 会計が未完了のトランザクション。

  • 会計仕訳金額に関連付けられていない金額。

  • 総勘定元帳勘定に転記されている手動入力仕訳。

  • 補助元帳モジュールから作成されていない仕訳。

補助元帳残高およびその他の残高は、消込を合理化して生産性を向上させるために、包括的な勘定科目分析レポート、および買掛/未払金からの元帳消込レポートと売掛/未収金からの元帳消込レポートを使用して消し込みます。これらのレポートの機能は、次のとおりです。

  • 買掛/未払金トランザクションおよび売掛/未収金トランザクションを補助元帳会計仕訳と自動的に照合します。

  • 可視性を高めるために、サポート仕訳およびトランザクションへの直接ドリルダウンを提供します。

  • ユーザーが処理する消込例外を特定して、就業者の生産性を向上させます。

  • 便利なすべてのスプレッドシート機能を使用し、スプレッドシートによるレポート出力の分析を可能にします。

勘定科目分析レポート

補助元帳残高およびその他の残高の消込に使用する包括的な勘定科目分析レポートは、次のとおりです。

  • 期首および期末勘定残高が、勘定科目の活動を構成するすべての仕訳とともに含まれています。

  • 残高の発生源まで容易に遡れるように、登録された活動ソース、カテゴリおよび参照が含まれています。

  • 金額または元との不一致を使用して、消込項目を識別します。

買掛/未払金からの元帳消込レポートおよび売掛/未収金からの元帳消込レポート

買掛/未払金からの元帳消込レポートおよび売掛/未収金からの元帳消込レポートは、対話形式のOracle Transactional Business Intelligenceレポート・テクノロジを使用して次のように利用します。

  • 最適な消込を行うために、勘定残高情報を要約データから詳細データに展開します。

  • 消込プロセスの管理を容易にし、明確さを促進します。

ノート:レポート形式または出力を変更するには、Receivables、Payables、Subledger AccountingおよびGeneral Ledgerの基礎となるサブジェクト領域を使用して独自のレポートを作成します。

その他のレポート

消込プロセスを支援する他のレポートは、次のとおりです。

  • 残高試算表レポート: 要約した実績勘定残高および活動を元帳、貸借一致セグメントおよび勘定科目セグメント値別にレビューします。このレポートは、補助元帳からインポートしたり、元帳通貨、外貨または統計通貨で入力した残高および活動に対して実行します。

  • 一般会計レポート: 期首および期末の勘定残高、および元帳通貨や外貨の勘定残高に影響を与える仕訳明細(補助元帳の仕訳明細を含む)をレビューします。

  • 仕訳レポート: 転記済、未転記およびエラー仕訳も含めて、元帳通貨および外貨の仕訳情報をレビューします。特定の期間および貸借一致セグメントについて、補助元帳の活動を含めた仕訳活動をレビューすることもできます。

ベスト・プラクティス

勘定科目の消込のベスト・プラクティスを次に示します。

  • 買掛/未払金からの元帳消込レポートおよび売掛/未収金からの元帳消込レポートは、追加の補助元帳トランザクションに対する買掛/未払金期間および売掛/未収金期間をクローズした後にのみ実行します。

    • 消込レポートの要約レベルには、データ抽出プログラムの実行時に集計されたデータが含まれています。

    • 消込レポートの詳細レベルには、トランザクションおよび会計アプリケーションのリアルタイム・データが反映されます。レポートの要約レベルと詳細レベル間の差異を最小限にするには、該当期間をクローズした後で、データ抽出プロセスを実行します。該当期間をクローズした後でプロセスを実行すると、活動はこれ以上処理されなくなります。

    • データ抽出プロセスの実行後に処理した活動は、レポートの詳細には含まれますが、要約には含まれません。

  • 売掛/未収金または買掛/未払金は、次のいずれかの方法で消し込みます。

    • 元帳全体の場合は、元帳に対してレポートを実行します。

    • 詳細に制御するために、元帳内の個々のプライマリ貸借一致セグメント値別に実行します。プライマリ貸借一致セグメントが、企業内の買掛/未払金および売掛/未収金ビジネス・ユニットに暗黙的にマッピングされている必要があります。

  • 一般会計の買掛/未払金および売掛/未収金勘定科目を制限するには、管理勘定科目を指定して、他のソースによるこれらの勘定科目への転記を許可しないようにします。

  • 一般会計の期間のクローズ要求ログ・ファイルで発生した警告をレビューします。該当期間について、未転記仕訳などの例外が除外対象であることを確認します。

  • 一般会計、売掛/未収金または買掛/未払金に対するアクセス権を使用して消込レポートを実行します。売掛/未収金または買掛/未払金の一般会計への消込、およびレポートの実行の責任は、経理部門が負います。

ノート: 買掛/未払金からの元帳消込レポートは、買掛/未払金残高試算表レポートと統合しています。期首および期末買掛/未払金会計残高を取得してその詳細にドリルダウンするには、買掛/未払金残高試算表レポートを使用します。