このガイドはオンプレミスの実装に対しても適用されます。

7 スケジュール済プロセス

この章の内容は次のとおりです。

スケジュール済プロセス: 詳細

スケジュール済プロセスを実行して、個々のビジネス・ニーズに応じて一連のレコードを操作したり、特定のレコードに関する情報を含む印刷可能な出力を取得します。一部のプロセスはその両方を実行します。つまり、レコードをインポートしてそれらに関するレポートを提供します。

レポート出力

出力を提供するスケジュール済プロセス、または出力自体も、レポートとして参照されます。

  • 法定報告書、一定のパラメータを満たすレコードのリストなど、レポートには多くのタイプがあります。

  • レポートのレイアウトは、事前定義済テンプレートによって決まります。

パラメータ

スケジュール済プロセスには複数のパラメータがある場合があり、その設定によって、どのレコードを含めるかや、どのような影響を及ぼすかを制御できます。たとえば、定義した日付範囲で有効なレコードのみをプロセスで更新します。

発行

実行する各スケジュール済プロセスはジョブに基づいています。ジョブとは、プロセスで実行できることやプロセスに設定できるオプションが決められている、実行可能な要素です。

異なるパラメータや他の設定を使用して同じプロセスを発行できます。プロセス発行ごとに一意のプロセスIDが割り当てられます。

プロセス・セット

プロセス・セットとは、ジョブ・セット(1回のプロセス発行に複数のジョブが含まれる)に基づくスケジュール済プロセスです。

注意: 場合によっては、スケジュール済プロセスを発行すると、ジョブ・ロジックによって他のプロセスが自動的に実行されることがあります。このことは、プロセス・セットとは異なります。

プロセス・セット: 詳細

プロセス・セットは、1回の発行の一部として実行される2つ以上のプロセスを含むタイプのスケジュール済プロセスです。これらのプロセスは、特定の順序で逐次またはパラレルに実行されるか、他の事前定義済ロジックに基づいて実行されます。

プロセス・セットのコンテンツ

プロセス・セットには、任意の数のスケジュール済プロセスと、他のプロセス・セットを含めることができます。

1つのプロセス・セット内に、複数レベルのプロセス・セットをネストすることも可能です。たとえば、1つのプロセス・セットに3つのプロセスと2つのプロセス・セットを含め、そのうちの1つが他のプロセス・セットを含むような場合です。

ジョブ・セット

個々のプロセスがジョブに基づいているように、プロセス・セットはジョブ・セットに基づいています。ジョブ・セットは次のようなものです。

  • 1回のプロセス発行に含まれる、事前定義済の一連のジョブです。

  • ネストされたジョブ・セットを含めることができます。

発行

スケジュール済プロセスの発行

ビデオの視聴

視聴: このチュートリアルでは、スケジュール済プロセスの発行方法、そのステータスのモニター方法、およびプロセスが生成した出力の表示方法を紹介しています。

スケジュール済プロセスおよびプロセス・セットの発行: 手順

スケジュール済プロセスの概要ページを使用して、アクセス権を持つすべてのスケジュール済プロセスを実行します。プロセス・セットを含む多数の事前定義されたスケジュール済プロセスを、作業中の他のページから発行できる場合もあります。

「レポートおよび分析」ペインを使用して、スケジュール済プロセスとして登録されたレポートを発行することもできます。このペインは、「レポートおよび分析」作業領域(「ナビゲータ」「ツール」「レポートおよび分析」)を含む多くの作業領域にあります。

スケジュール済プロセスの選択およびパラメータの定義

スケジュール済プロセスの概要ページから発行するには、次の手順を実行します。

  1. 「スケジュール済プロセス」作業領域(「ナビゲータ」「ツール」「スケジュール済プロセス」)を開きます。

  2. 「新規プロセスのスケジュール」をクリックします。

  3. 発行するスケジュール済プロセスを、タイプを「ジョブ」のままにして選択します。

  4. パラメータを入力します(ある場合)。

    注意: 一部のパラメータは、特定のパラメータを設定した後にのみ表示され、何が表示されるかは、元のパラメータに入力した内容によって異なります。
  5. 「拡張」ボタンをクリックして、スケジュール、出力または通知を定義します。

    または、発行を完了する手順にスキップして、デフォルトのスケジュール(できるだけ早く1回実行)および出力(ある場合)を発行できます。

スケジュールの定義

「プロセスの詳細」ダイアログ・ボックス(拡張設定モード)で、次を実行します。

  1. 「スケジュール」タブを開き、「スケジュールの使用」を選択します。

  2. 頻度を選択します。

    「保存されたスケジュールの使用」を選択して、管理者が定義したスケジュールを使用できます(ある場合)。

  3. 日付範囲内に指定した間隔で実行するプロセスを設定します。

    または、頻度に「カスタム」を選択した場合は、プロセスを実行する正確な日時を入力します。

出力の定義

「プロセスの詳細」ダイアログ・ボックス(拡張設定モード)で、次を実行します。

  1. 「出力」タブを開きます(使用可能な場合)。

  2. 「出力ドキュメントの追加」をクリックします。

  3. 選択対象として複数のレイアウトがある場合は、レイアウトを選択します。

  4. 使用可能ないずれかの形式を選択します。次の形式があります。

    • PDF: 出力を印刷する場合に最適のオプションです。

    • Excel (mhtml): グラフやロゴなどの埋込みイメージがサポートされますが、Excel 2003以上でしか開けません。

    • データ: レポート・データがXML形式で表示され、主にレポートのレイアウトをカスタマイズするために使用されます。

  5. 「宛先の追加」をクリックして、出力をプリンタ、Eメール・アドレスまたはFAXに送信します。同じ出力ドキュメントに多数の送信先を設定できます。

  6. 必要に応じて、2から5の手順を繰り返します。

通知の設定

「プロセスの詳細」ダイアログ・ボックス(拡張設定モード)で、次を実行します。

  1. 「通知」タブを開きます。

  2. 「通知の作成」をクリックします。

  3. 受信者がアプリケーションへのサイン・インに使用するユーザーIDを入力します。

  4. プロセスがエラーで終了した場合など、通知を送信する場合を定義します。

  5. 「OK」をクリックします。

  6. 必要に応じて、2から5の手順を繰り返します。

発行の終了

「プロセスの詳細」ダイアログ・ボックスの上部で、次を実行します。

  1. オプションで、「プロセス・オプション」ボタンをクリックして、処理されるデータに影響を与える設定を定義します。

  2. Eメール通知を取得する必要がある場合は、「このプロセスの終了時に通知」チェック・ボックスを選択します。

  3. 発行に関連付ける情報を取得するための送信ノートを入力します。

  4. 「発行」をクリックします。

  5. 確認のために「OK」をクリックします。

  6. 「プロセスの詳細」ダイアログ・ボックスを閉じます。

プロセス・セットの発行

スケジュール済プロセスの概要ページからプロセス・セットを発行するには、次の手順を実行します。

  1. スケジュール済プロセスを発行する場合と同様に進めますが、「タイプ」オプションとして「ジョブ・セット」を選択します。

  2. 必要に応じてセット内の個々のプロセスにパラメータを設定します。プロセス・セット自体はパラメータをとりません。

  3. スケジュール済プロセスの場合と同じように、プロセス・セット全体のスケジュール、出力および通知を決定します。

  4. 他のオプションを設定し、「発行」をクリックします。

スケジュール済プロセスのオプション: 例

スケジュール済プロセスを発行するときに、「プロセスの詳細」ダイアログ・ボックスの「プロセス・オプション」ボタンをクリックして、言語やタイム・ゾーンなどのオプションを設定します。

これらの設定は、

  • 処理されるデータ、および出力テンプレートのテキスト(ある場合)に影響します。

  • スケジュールに従って定期的に実行するプロセスを発行する場合は、そのスケジュールでのすべての実行に適用されます。

  • グローバル領域で自分のユーザー名をクリックし、「パーソナライズ」「プリファレンスの設定」で設定する一般プリファレンスより優先されます。

言語

一般プリファレンスで「現在のセッション」フィールドが日本語に設定されている場合に、プロセス・オプションで言語をスペイン語に設定したとします。レポート出力テンプレートのテキストとレポート・データがスペイン語で表示されるようになります。プロセス・オプションで言語を設定しなかった場合、レポートは日本語で表示されます。

通貨

一般の通貨プリファレンスを円に設定しているとき、プロセス・オプションで通貨をユーロに設定します。スケジュール済プロセスではユーロに基づいて計算が実行され、レポートにはすべての金額がユーロで表示されます。

プロセス・セットの詳細: 例

プロセス・セットを発行するとき、「プロセスの詳細」ダイアログ・ボックスの「プロセス」タブには、プロセス・セットのベースであるジョブ・セットの個々のジョブがすべてリストされます。発行されるジョブ・セット内の各ジョブおよびジョブ・セットは1つのステップと見なされ、一意のステップIDが割り当てられます。

  • ジョブのステップIDは「パス」列に表示されますが、階層内で親ジョブ・セットがある場合はそのIDの前に親ジョブ・セットのステップIDを付けて表示されます。

    ヒント: パス情報は主に、ジョブ・セット内の同一ジョブの複数のインスタンスを区別するために使用されます。
  • 「ジョブ・セット」列は、階層内の各ジョブの親を示しています。

シナリオ

次を含むJob Set Aに基づくプロセス・セットを発行します。

  • Job 1 (ステップIDはStep1)

  • 次を含むJob Set B (Step2)

    • Job 2 (Step2a)

    • 再度のJob 1 (Step2b)

次の表は、この例の場合に「プロセス」タブに何が表示されるかを示しています。

ジョブ定義 パス ジョブ・セット

Job1

Step1

Job Set A

Job2

Step2.Step2a

Job Set B

Job1

Step2.Step2b

Job Set B

管理および出力

スケジュール済プロセスのステータス: 詳細

発行されたスケジュール済プロセスは、最終状態に到達するまでに、多くのステータスを経ていきます。

次の表は、プロセスがとり得る各ステータスを示しています。「アクションが必要?」列は次のことを意味しています。

  • いいえ(進行中): プロセスは発行済で、まだ最終状態に到達していません。プロセスの発行者も管理者も、プロセスの実行を継続するために何もする必要はありません。

  • はい: プロセスを別のステータスにするためには、プロセス発行者または管理者が何かする必要があります。

  • いいえ(最終): プロセスの実行は完了しており、このプロセスのためにできることは何もありません。

ステータス 説明 アクションが必要?

ブロック

当該プロセスと互換性がない別のプロセスが少なくとも1つ実行中で、当該プロセスを現在ブロックしています。この状況は自動的に修正されます。

いいえ(進行中)

取消済

プロセスが取り消されました。そのプロセスを再起動することはできませんが、そのプロセスを同じパラメータで再発行するか、新しいプロセスを発行することは可能です。

いいえ(最終)

取消中

プロセスは現在、取消済ステータスに移行中です。

いいえ(進行中)

完了

プロセスの主要部分が完了し、通知の送信や出力の生成などの後処理が開始されました。

いいえ(進行中)

エラー

プロセスの実行が終了し、最終的にエラーになりました。

いいえ(最終)

自動再試行エラー

プロセスがエラーで終わりましたが、自動的に再実行されます。

いいえ(進行中)

手動リカバリ・エラー

プロセスがエラーで終わり、そのプロセスを最終状態に到達させるには管理者による再試行が必要です。

はい

期限切れ

プロセスがスケジュールの最終期限までに実行されませんでした。そのプロセスを再起動することはできませんが、そのプロセスを同じパラメータで再発行するか、新しいプロセスを発行することは可能です。

いいえ(最終)

終了

プロセスの主要部分と後処理が完了しました。プロセスが最終状態へと移行します。

いいえ(進行中)

保留

プロセスが保留状態になっており、実行を続けるには誰かが保留状態を解除する必要があります。

はい

一時停止

プロセスは、自動的に起動された別のプロセスを先に実行できるようにするために一時停止中です。

いいえ(進行中)

検証保留中

たとえばセキュリティ関連などの検証が、プロセスが起動される前に実行されています。

いいえ(進行中)

準備完了

プロセスが検証に合格し、実行が開始されようとしています。

いいえ(進行中)

実行中

プロセスの主要部分が現在実行されています。

いいえ(進行中)

スケジュール終了

プロセスが最終状態に到達し、そのスケジュールが終了しました。

いいえ(最終)

成功

プロセスが完全に終了し、すべてが成功しました。

いいえ(最終)

検証失敗

プロセスが検証に合格しなかったため、管理者がその問題を解決する必要があります。

はい

待機

プロセスが検証に合格しましたが、システム・リソースの問題により、まだ実行を開始できません。

いいえ(進行中)

警告

プロセスの実行が終了し、たとえば通知の送信失敗などの警告が生成されました。

いいえ(最終)

発行したスケジュール済プロセスの管理: 考慮すべき点

スケジュール済プロセスを発行すると、その進行状況をモニターし、発行を管理できます。たとえば、まだ実行中のプロセスを取り消したり、完了後に再発行できます。

発行されたプロセスの管理

次の手順を実行します。

  1. 「スケジュール済プロセス」作業領域を開きます。

    ヒント: 検索結果をリフレッシュすると、プロセスの最新のステータスが表示されます。
  2. 表のスケジュール済プロセスを選択します。

  3. プロセスの実行がまだ開始されていない場合は、「処理」メニューを引き続き使用して、プロセスのスケジュールまたは出力のオプションを編集できます。

  4. プロセスが現在実行中の場合は、表のボタンを使用して、次のことが可能です。

    • プロセスの発行を取り消す。

    • プロセスの実行を保留にする。

    • プロセスの保留状態を解除して実行を続ける。

    • ログを表示して、プロセスがどのように実行されているかに関する情報を取得する。

  5. プロセスがすでに完了している場合は、次のことが可能です。

    • 「再送信」をクリックして、同じプロセスを再度実行します。

    • 検索結果の下の「詳細」セクションを使用して、次を表示します。

      • 送信ノート(プロセスの発行時に入力したテキスト)

      • プロセスが最終状態に到達したときに自動生成される完了ノート(プロセスがどのように完了したかについての要約)

      • ログ添付(プロセスがエラーで終了した理由などの詳細)

      • プロセスが生成したレポート出力(ある場合)

注意: 可能な場合は、他のページでスケジュール済プロセスをモニターすることもできますが、前述のすべてのオプションがあるわけではありません。

スケジュール済プロセスのレポート出力の表示: 手順

一部のスケジュール済プロセスではレポート出力が提供され、これは、デフォルトのレイアウトおよび形式、またはプロセスを発行するときに設定したその他の出力オプションに基づきます。提供された出力を表示する以外に、同じプロセスを再発行せずにその出力を異なる形式で再公開できます。

出力の表示

次の手順を実行します。

  1. 「スケジュール済プロセス」作業領域を開きます。

  2. 検索結果のスケジュール済プロセスを選択します。

  3. 「詳細」セクションの最後にある「出力」サブセクションに移動します。

  4. 出力名列のリンクをクリックします。

注意: 他のページの場合は、発行済プロセスのモニター用の表にある「出力の表示」列を使用します。

異なる形式での表示

出力を異なる形式で表示またはエクスポートするには、次の手順を実行します。

  1. 前述の手順を実行して、出力にアクセスします。

  2. 再公開ボタンをクリックします。

  3. 「アクション」アイコンをクリックします。

  4. 「エクスポート」にカーソルを合せて形式を選択します。

    注意: 「データ」形式を選択することは、再公開ボタンの横にあるXMLデータボタンを使用するのと同じことです。

スケジュール済プロセスに関するよくある質問

スケジュール済プロセスが階層に表示されないのはなぜですか。

下位のレベルを持つスケジュール済プロセスはプロセス・セットです。階層は、特定のプロセス・セット内のプロセスまたはプロセス・セットの構造を表します。

または、スケジュール済プロセスが実行されると、他のプロセスが自動的に実行される場合があるため、そのようなプロセスは元のプロセスの1レベル下に表示されます。