この章の内容は次のとおりです。
簡単に修正できない問題が発生した場合は、問題をトラブルシューティングするための一般的なプロセスを実行できます。このプロセスには、エラー・メッセージ、診断テスト、問題の記録、ヘルプ・デスクが含まれます。
次の手順を実行します。
エラー・メッセージが表示された場合、特に、システムまたはアプリケーション・エラーの場合は、ヘルプ・デスクに通知したことがメッセージに示されることがあります。その場合は、インシデントが自動的に作成され、ヘルプ・デスクに送信されます。
または、ヘルプ・デスクに自分自身で連絡するようにメッセージで促される場合があります。いずれの場合も、メッセージ・テキストの後に表示されるメッセージID、およびインシデントID (ある場合)を書き留めます。
診断テストを実行するためのアクセス権があり、かつ問題に関連するテストが見つかった場合は、診断テストを実行します。グローバル領域で自分のユーザー名をクリックし、「トラブルシューティング」の下の「診断テストの実行」を選択します。
診断テストを実行できない場合、またはテスト結果を確認しても問題を解決できない場合は、次の手順に進みます。
ヘルプ・デスクに連絡して、手順1で書き留めたID、診断テストの結果、および問題に関連するなんらかのものを提供します。
ヘルプ・デスクから問題の再現および記録を求められた場合は、グローバル領域で自分のユーザー名をクリックし、「トラブルシューティング」の下の「問題の記録」を選択します。
記録の終了後、記録に関するすべての情報(記録IDなど)を書き留め、ヘルプ・デスクに送信します。
引き続き、問題を解決するためにヘルプ・デスクとともに作業します。
診断テストを使用して、問題を特定し、解決します。「診断ダッシュボード」を開くには、グローバル領域で自分のユーザー名をクリックし、「トラブルシューティング」→「診断テストの実行」に移動します。このメニュー項目が表示されない場合は、ヘルプ・デスクに依頼して使用可能にします。
Oracle Fusion Applications管理者ガイドでは、診断テストの使用および管理について詳細に説明しています。このガイドの内容を読むとき、コマンドライン・インタフェースに関する説明は無視してください。「診断テストの実行」の選択では、この内容は必要ありません。
事前定義済の診断テストは、分類に役立つようにタグ名と値が割り当てられています。タグを使用してテストを参照および検索できます。
実行できる処理、たとえば診断テストの表示のみか、実行も可能かどうかは、ロールによって異なります。
診断テストを実行した後、自分が発行したテストのその他のタスクを実行できます。他のユーザーが発行した診断テストに対してタスクを実行できるかどうかは、ロールによって異なります。
診断テストの実行全体のステータスをチェックするか、特定の診断テストで問題が検出されたかどうかを確認します。
現在実行しているテストを取り消します。
参照: 診断テストの実行の取消
診断テストの結果をレビューします。
必要なロールがある場合には、オプションで診断テスト情報を既存のインシデントに追加します。
問題が発生したとき、ヘルプ・デスクに協力を依頼する前に、診断テストを実行して自分で診断を試みることができます。診断テストを使用して、実際の問題が発生する前に、予防的な措置を実施したり、問題が起きる可能性を特定することも可能です。
この例では、大量のタスクを開始する前にデータが正常であることを検証する診断テストを実行します。
一般会計マネージャとして、データのチェック、設定および構成の診断テストを定期的に、特に期間クローズの前に実行します。
「診断ダッシュボード」を開き、一般会計誤分類勘定科目検証テストを実行し、すべての勘定科目が正しく分類されていることを確認します。
テスト結果を確認し、勘定科目が期間クローズ・プロセスに問題がないかどうかを確認してください。
この例では、トラブルシューティング・プロセスを開始するための診断テストを実行します。
一般会計マネージャとして、期間クローズ・プロセスで問題に遭遇しました。
「診断ダッシュボード」を開き、タグを使用して診断テストを検索します。ここでは、「財務管理」と「レポート」をタグ名とします。
検索結果から、「元帳のクローズ」というタグ値のテストを探します。
適切なテスト、「一般会計クローズ検証」を検索して実行します。
診断テストの結果に、ユーザー自身では修正できない問題点が示されることがあります。これは設定、構成またはデータ整合性の検証エラーです。この例では不完全な会計設定です。
診断テスト結果についてヘルプ・デスクに通知し、問題点を報告します。
ヘルプ・デスクは、修正を実行した上でユーザーにテストの再実行を求めます。
問題なくテストが完了するまで、4から7の手順を繰り返します。
この例では、分析するデータを修正するための診断テストを実行します。
購買を担当するバイヤーとして、特定の購買文書で予期しないデータに気づきました。
Applicationsヘルプで購買文書に関連する情報を検索し、該当するトラブルシューティング情報があるかどうか確認します。事前定義済の診断テストのリストを検索し、該当する診断テストがあるかどうか確認します。
「診断ダッシュボード」を開き、適切なテスト、「購買文書ライフサイクルの管理 - 検証」を実行します。
テスト結果を確認します。特定の購買文書に関する詳細がすべて記載されています。
予期しないデータの原因を確認し、問題点を自身で解決します。
「アプリケーション・ユーザー・セッション・ランタイム」診断テストを使用して、ユーザーのセッションを分析します。セッションはユーザーがサイン・インすると開始され、サイン・アウトすると終了します。
このテストは、「診断ダッシュボード」から実行します。グローバル領域で自分のユーザー名をクリックし、「トラブルシューティング」→「診断テストの実行」に移動します。
分析しようとするユーザー・セッションを識別するCookieを入力します。
セッションCookie値を取得する手順は次のとおりです。
「アプリケーション・ユーザー・セッション構成」診断テストを実行し、アプリケーションのApplSession構成値が正しいことを確認します。
有効なユーザー名とパスワードを使用してサイン・インします。
ブラウザの指示に従って、ブラウザでCookieのリストを表示します。
ドメイン・サイトにリストされるCookieで、ORA_FND_SESSION_<DATABASE_SID>というCookieを選択します。
ドメイン・サイトはURL形式におけるホスト、たとえばhttp://example.us.oracle.comというURLのoracle.comです。
<DATABASE_SID>はデータベース・セッションIDです。
「コンテンツ」フィールドを参照します。これはpillar_name:session_cookie_value:timestampという形式です。「アプリケーション・ユーザー・セッションCookie」パラメータにsession_cookie_value partと入力し、これは2つのコロンの間に表示されます。
手順4でCookieが見つからない場合には、そのアプリケーションに対するアプリケーション・ユーザー・セッションが作成されていません。
アプリケーションで発生した問題をヘルプ・デスクがトラブルシューティングするときに役立つように、再現している問題を記録できます。記録によって、何が発生したかがヘルプ・デスクに示されるだけでなく、ヘルプ・デスクが分析できる詳細データが収集されます。通常、スクリーンショットなどの追加のノートや資料を記録に添付できます。
次の手順を実行します。
問題が発生したページを開きます。ページが開かない、または適切に表示されないという問題については、問題のあるページを再び開くことを試す前に、任意のページで記録を開始できます。
グローバル領域で自分のユーザー名をクリックし、「トラブルシューティング」→「問題の記録」に移動します。
ほとんどの問題で、記録中に、ページ診断の収集を選択します。アプリケーションの動作が遅すぎるという問題の場合にのみ、パフォーマンス統計を収集します。
「拡張オプション」セクションを開き(アクセス権がある場合)、ヘルプ・デスクの指示に従って、または問題を再現するために必要なだけ記録時間を設定します。完了後は、いつでも記録を停止できます。
ページ診断を収集している場合は、記録中にスクリーンショットを取得し、後で記録に添付できます。このため、スクリーンショットの取得にかかる時間を考慮してください。
ヘルプ・デスクからその他の拡張オプションの入力を求められた場合は、ヘルプ・デスクの指示に従って残りのセクションに入力します。
「記録の開始」をクリックして、現在のページ、またはボタンをクリックした直後、次に開くページに対する記録を実行します。
その後、別のページを開くと、記録は自動的に停止します。
「記録の停止」をクリックするか、割当済の時間が切れるまで記録します。
ページ診断を収集している場合は、オプションで、記録にメモを追加したり、スクリーンショットやその他の関連ファイルを添付できます。
記録IDを書き留め、「送信」をクリックします。
インシデントとは、クリティカルなアプリケーション・エラーに関する診断情報のコレクションです。この情報に、問題が発生した時点でのアプリケーションの状態が示されます。
作業を続行できないほど重大な問題のエラー・メッセージが表示された場合には、インシデントが自動的に作成され、ヘルプ・デスクに転送されます。エラー・メッセージに伴う診断テストがある場合にはその診断テストも自動的に実行され、結果がインシデントに追加されます。ヘルプ・デスクが手動でインシデントを作成する場合もあります。
問題を記録した後に、記録を特定するための記録IDおよびその他の情報に関する確認を取得します。この同じ情報を後で検索する手順は次のとおりです。
グローバル領域で自分のユーザー名をクリックし、「トラブルシューティング」→「問題の記録」に移動します。
「自分の記録の表示」ボタンをクリックします。
記録IDは、問題の記録の一意識別子です。IDを使用して、記録のリストなどから後で記録を検索します。
記録はサーバーに格納され、記録番号によってサーバー上の記録を識別します。サーバーから実際の記録ファイルを取得する場合、ヘルプ・デスクではレコード番号とサーバー情報が必要です。
グローバル領域で自分のユーザー名をクリックし、「設定およびアクション」メニューから「このページの情報」を選択します。