8休暇欠勤管理の有効日

この章の内容は次のとおりです。

日付の有効性

日付の有効性によって、一部のオブジェクトの属性に加えられた変更の履歴が保持されます。専門ユーザーは、オブジェクトの過去および先日付のバージョンを取得して編集できます。

個人名、アサイメント、福利厚生プラン、等級ジョブ、事業所、給与、ポジションなど、多くの人材管理(HCM)オブジェクトには、有効日があります。

論理および物理レコード

有効日オブジェクトには、1つ以上の物理レコードが含まれます。各レコードは、有効開始日有効終了日を持っています。1つのレコードが最新版となり、トランザクションで使用されます。他のものは、過去に有効であったか、先日付で有効になります。同時に、これらのレコードは、論理レコードまたはオブジェクト・インスタンスを構成します。

この表は、部門ビジネス・オブジェクトの部門マネージャ属性の変更を示しています。各行が1つの物理レコードを表します。

物理レコード 有効開始日 有効終了日 部門マネージャ

4

2011年1月18日

 

C.Woods

3

2010年10月15日

2011年1月17日

A.Chan

2

2009年6月13日

2010年10月14日

T.Romero

1

2007年3月22日

2009年6月12日

G.Martin

ノート: 物理レコード番号は、レコードには表示されません。

物理レコードの有効終了日

各物理レコードは、最後のものを除き、有効終了日を持ちます。オブジェクトを更新すると、常に更新プロセスによってこの日付(次のレコードの有効開始日の前日)が追加されます。

オブジェクト終了日

一部の有効日オブジェクトには、最終有効終了日を入力できます。たとえば、アサイメントの終了によって、そのアサイメントに最終有効終了日が追加されます。または、「終了日」処理を使用できます。有効日オブジェクトに終了日を設定すると、その日付より後はトランザクションで使用できなくなります。ただし、オブジェクトの履歴は取得可能です。

有効日オブジェクトのステータス値

等級やジョブなどの一部の有効日オブジェクトは、有効日とステータス値の両方を持ちます。オブジェクト・ステータスが「非アクティブ」の場合、有効日に関係なく、そのオブジェクトはトランザクションで使用できません。ステータスを「非アクティブ」に設定すると、オブジェクトはトランザクションで使用できなくなります。オブジェクトの有効終了日を入力できない場合、そのステータスを変更することで同じ効果を得ることができます。

先日付の変更

有効日オブジェクトでは、先日付の変更を入力できます。たとえば、次の表に示すように、就業者の昇格・昇進を2011年10月25日に入力して、2012年1月18日に有効にできます。

物理レコード 有効開始日 有効終了日 等級

2

2012年1月18日

 

IC2

1

2010年10月14日

2012年1月17日

IC1

物理レコード2は、2012年1月18日に有効になります。2010年10月14日から2012年1月17日までは、物理レコード1が有効であり、トランザクションで使用されます。オブジェクト履歴にアクセスできる場合は、有効になる前の物理レコード2を参照できます。

先日付の変更が存在する場合、他の処理は制限されることがあります。たとえば、この就業者のアサイメントを昇格・昇進が有効になる前に終了するには、最初に昇格・昇進を削除する必要があります。

日付対応オブジェクト

雇用関係などの一部のオブジェクトは、有効日オブジェクトではなく日付対応オブジェクトです。それらは、使用可能な時期を定義する開始日と終了日を持ちますが、変更履歴を持ちません。新しい属性値が既存の属性値を上書きします。

有効日オブジェクトの修正の例

有効日オブジェクトのほとんどの属性は、それらが現在、過去または先日付のどの物理レコードに出現するかにかかわらず、訂正できます。

オブジェクトの最初の物理レコードの有効開始日を訂正する場合、改訂された日付は、現在の有効開始日より前である必要があります。2番目以降のレコードの場合、改訂された日付は、そのレコードの現在の有効開始日と有効終了日の間にある必要があります。

現在のエラーの訂正

2011年3月11日に、事業所定義を作成しましたが、間違った電話番号を入力しました。2011年3月21日に、定義を検索して「訂正」処理を選択します。訂正前のオブジェクト履歴は、次の表のとおりです。

物理レコード 有効開始日 有効終了日 事業所電話番号

1

2011年3月11日

 

650.555.0175

訂正後のオブジェクト履歴は、次の表のとおりです。

物理レコード 有効開始日 有効終了日 事業所電話番号

1

2011年3月11日

 

650.555.0176

オブジェクトを訂正したため、変更履歴は存在しません。

過去のエラーの訂正

就業者のアサイメント履歴は、次の表のとおりです。

物理レコード 有効開始日 有効終了日 ジョブ 在宅勤務

4

2010年10月20日

 

ライン・マネージャ

いいえ

3

2010年8月18日

2010年10月19日

上級管理者

いいえ

2

2010年5月10日

2010年8月17日

上級管理者

はい

1

2009年7月25日

2010年5月9日

管理者

はい

実際には、この就業者のジョブは、2010年5月10日から10月19日までプロジェクト・リーダーであったことがわかりました。この期間は物理レコード2と3にまたがっているため、その両方を訂正する必要があります。

物理レコード2を取得するには、個人検索の有効基準日を、2010年5月10日と8月17日の間の任意の日付に設定します。検索結果からアサイメントを選択し、訂正を行います。

次に、物理レコード3を取得して、同じ訂正を行います。

有効日オブジェクトを更新する場合、オブジェクトの履歴に物理レコードを挿入します。通常、挿入したレコードは、現在のレコードの後に続き、有効開始日は今日の日付になります。ただし、先日付の変更を入力したり、過去のレコードを更新することもできます。

先日付の変更の入力

等級EC3は、2009年6月17日から存在します。その上限ステップは、2012年1月1日から変更されます。2011年11月30日に、等級の上限ステップを変更して、有効開始日の2012年1月1日を入力します。この変更によって、次の表に示すとおり、等級定義に物理レコードが作成されます。

物理レコード 有効開始日 有効終了日 上限ステップ

2

2012年1月1日

 

4

1

2009年6月17日

2011年12月31日

3

2012年1月1日から、物理レコード2が有効になります。それまでは、物理レコード1が有効です。

後続のレコードに対する履歴更新の適用

Jennifer Wattsは、次の表に示すように1つのアサイメントを持っています。

物理レコード 有効開始日 有効終了日 等級 事業所

2

2010年9月18日

 

A1

地域事務所

1

2010年4月10日

2010年9月17日

A1

HQ

2010年7月1日から、Jenniferを等級A2に昇格・昇進させます。アサイメントを有効開始日の2010年7月1日で更新し、等級A2を入力します。この更新で次のことを行います。

  • 既存のレコード1と2の間に物理レコードを挿入します。

  • 物理レコード1の有効終了日を2010年6月30日に、挿入したレコードの有効終了日を2010年9月17日に設定します。

また、既存の物理レコード2を訂正して等級をA1からA2に変更します。

Jenniferのアサイメント履歴は、次の表のようになります。

物理レコード 有効開始日 有効終了日 等級 事業所

3

2010年9月18日

 

A2

地域事務所

2

2010年7月1日

2010年9月17日

A2

HQ

1

2010年4月10日

2010年6月30日

A1

HQ

FAQ

検索結果をフィルタする日付値です。他の検索基準に一致する有効日オブジェクトでは、検索結果に、指定した有効基準日の物理レコードが含まれます。有効基準日は、検索基準の1つです。そのため、指定した日付が含まれない有効日付きオブジェクトは、検索結果に表示されません。デフォルトでは、有効基準日は今日の日付です。

有効日オブジェクトの更新と訂正の違いは何ですか。

オブジェクトを更新する場合、オブジェクトの履歴に物理レコードを挿入します。通常、挿入したレコードは、現在の物理レコードの後に続き、有効開始日は今日の日付になります。ただし、オブジェクト履歴を編集したり、適切な有効開始日を設定して先日付の変更を作成できます。

有効日オブジェクトを訂正する場合、既存の物理レコードの情報を編集します。物理レコードは作成されません。

オブジェクトに終了日を設定するとどうなりますか。

入力した日付が、オブジェクトの最終有効終了日になります。有効終了日を超えてオブジェクトの物理レコードが存在する場合、それらは自動的に削除されます(または自分で削除します)。

オブジェクトの履歴は、引き続き使用できます。たとえば、検索基準に、オブジェクトの有効日内の有効基準日が含まれる場合、そのオブジェクトが検索結果に表示されることがあります。