地理の不一致の管理のベスト・プラクティス

このトピックでは、いくつかのユース・ケースを取り上げて、データ・エンリッチメント用にOracle Account and Contact Enrichment by Dun & Bradstreet (D&B) for Salesを使用し、住所、Eメールおよび電話番号検証用にOracle Address, Email, and Phone Verificationを使用して、営業顧客のマスター参照地理を設定する際のベスト・プラクティスを紹介します。

Oracle Account and Contact Enrichment by Dun & Bradstreet (D&B)を使用してアカウントまたは担当者のリアルタイム・エンリッチメントを実行する際に、事前定義済のマスター地理データとDun and Bradstreet (D&B)のデータの間に地理データの不一致がある場合、アカウントおよび担当者のデータはエンリッチされますが、マスター地理データの不一致が解消されないかぎり、エンリッチされたデータを編集したり、保存することはできません。また、Oracle Address, Email, and Phone Verificationを使用してエンリッチ済住所を検証できますが、Oracle Account and Contact Enrichment by Dun & Bradstreet (D&B) (Loqate)と事前定義済のマスター地理データの間に不一致がある場合、検証済住所を保存することはできません。

2つ目のユース・ケースでは、住所検証を有効にし、Oracle Address, Email, and Phone Verificationとマスター参照地理データの間のデータ競合を回避するために必要な設定について説明します。

ユース・ケース1

テリトリ割当てまたは税金計算にマスター参照地理を使用する営業顧客として、データ・エンリッチメント用にOracle Account and Contact Enrichment by Dun & Bradstreet (D&B)を購入するとともに、Oracle Address, Email, and Phone Verificationを購入しました。この場合、Loqate地理参照データがマスター地理として構成されている一方で、税金計算はVertexマスター地理データを使用して実行されます。また、顧客の要件に基づいて住所検証が有効になっています。

ベスト・プラクティス: ビジネスを行う国の地理マッピングをレビューします。特定の国の地理マッピングが国固有の住所属性に従ってマップされていない場合は、マッピングを更新します。住所を検証する前にエンリッチメントを実行することをお薦めします。

アカウントまたは担当者のリアルタイム・エンリッチメントを実行するものと仮定します。Oracle Account and Contact Enrichment by Dun & Bradstreet (D&B)では、事前定義済のマスター地理とD&Bのデータの間に地理データの不一致があっても、アカウントおよび担当者のデータはエンリッチされますが、マスター地理データの不一致が解消されないかぎり、エンリッチされたアカウントまたは担当者を編集したり、保存することはできません。ただし、Oracle Address, Email, and Phone Verificationを使用してエンリッチ済住所を検証することはできます。

検証済住所にマスター地理データの不一致が存在する場合にその住所を保存するには、マスター地理内の不一致の階層要素に代替名を追加する必要があります。不一致の階層要素の代替名を追加するステップは、次のとおりです。

  1. 「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。

    • オファリング: 顧客データ管理

    • 機能領域: エンタープライズ・プロファイル

    • タスク: 地理の管理

  2. 「地理の管理」ページで、国名または国コード(例: US)で国を検索します。

  3. 「階層定義済」列の「タスクに進む」ボタンをクリックします。特定の国の「地理階層の管理」ページが表示されます。

    ノート: 選択した親地理に多くの子地理がある場合は、検索基準を絞り込むよう求めるメッセージが表示されます。検索基準を絞り込むと、子地理が表示されます。検索結果が多数ある場合は、検索基準をさらに絞り込む必要がある場合があります。表示できる子地理の最大数は、ORA_HZ_GEO_HIERARCHY_LIMITプロファイル・オプションによって制御されます。このプロファイル・オプションの値を変更するには、「設定および保守」作業領域にナビゲートし、「タスク」メニューをクリックして、「管理者プロファイル値の管理」タスクを検索します。ORA_HZ_GEO_HIERARCHY_LIMITプロファイル・オプションを検索して値を変更します。
  4. California州など、不一致の階層要素を強調表示し、「編集」アイコンをクリックします。

  5. 「編集」ページの「追加」アイコンをクリックします。

  6. カリフォルニア州の地理要素の代替名としてCAを追加します。

  7. 「保存してクローズ」をクリックします

マスター地理内の不一致の階層要素に代替名を追加した後、エンリッチ済の住所を保存できます。

ユース・ケース2

テリトリ割当てまたは税金計算に地理を使用しない営業顧客として、データ・エンリッチメント用にOracle Account and Contact Enrichment by Dun & Bradstreet (D&B)を購入するとともに、住所検証用にOracle Address, Email, and Phone Verificationを購入しました。住所検証を有効にし、Oracle Address, Email, and Phone Verificationとマスター参照地理データの間のデータ競合を回避するには、次の設定を行う必要があります。

  • Oracle Address, Email, and Phone Verificationのデータとマスター参照地理データとの競合を回避するために、「地理マッピングおよび検証」領域で「値リスト使用可能」オプションの選択を解除します。このオプションの選択を解除することによって、住所の追加時にマスター地理に対するUIレベルの検証を回避できます。

  • Oracle Address, Email, and Phone Verificationで住所データを検証するために、「国の地理検証レベル」として「検証なし」を選択します。

住所検証を有効にし、Oracle Address, Email, and Phone Verificationとマスター参照地理データの間のデータ競合を回避するには、「地理検証の管理」ページで次のステップを実行します。

  1. 「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。

    • オファリング: 顧客データ管理

    • 機能領域: エンタープライズ・プロファイル

    • タスク: 地理の管理

  2. 「地理の管理」ページで、国名または国コード(例: US)で国を検索します。

  3. 「検証定義済」列の「タスクに進む」ボタンをクリックします。「地理検証の管理」ページが表示されます。

  4. すべての地理属性について「値リスト使用可能」チェック・ボックスの選択を解除して、住所入力時にマスター地理に対するUIレベルの検証を回避します。「値リスト使用可能」チェック・ボックスを選択すると、データ競合が発生したときに、地理命名参照レコードが作成されません。

ノート: リストされる地理タイプに、選択した国のテリトリ体系に適用可能なものがない場合は、そのタイプの地理検証の選択を解除する必要があります。

郡などの特定の地理タイプに基づいてテリトリを作成する場合は、テリトリの作成基準となる地理タイプ(この場合は、市と郵便番号)の下位にあるすべての地理検証レベルの選択を解除する必要があります。

ヒント: 「地理検証の管理」ページで選択した住所形式の書式をレビューします。レビューが必要となるのは、アカウントまたは担当者の簡易UIページでは、住所属性は住所書式に基づいて表示され、検証済住所またはエンリッチ済の住所は、選択した住所書式に基づいてOracle Applications Cloudに保存されるためです。