英国の法定控除項目の概要

法定控除項目カードには、税コード、NIカテゴリ、年金基準など、従業員の税および国民保険(NI)拠出金を正確に計算するうえで必要なすべての情報が格納されます。

また、リアルタイム情報(RTI)レポートに必要な情報も含まれます。ライセンスが給与または給与インタフェースに設定されている場合、新規採用フローで従業員レコードが作成されると、デフォルトのカードが自動的に生成されます。

従業員およびその従業員のレポート先税レポート・ユニット(TRU)ごとに、1つの法定控除項目カードを作成する必要があります。

考慮事項と前提条件

製品ライセンスが給与または給与インタフェースに設定されている場合、新規採用タスクでPSUまたはTRUレベルでデフォルト値セットを指定して新規従業員を入力したときに、法定控除項目カードが自動的に作成されます。

ただし、この情報を一括でロードすることが必要になる場合があります:

データ移行中:

従業員PAYEおよびNI情報をOracle Fusion Payrollにアップロードして、拠出金が正しく計算されるようにする必要があります。HCMデータ・ローダーを使用して従業員レコードを移行した場合、デフォルトの法定控除項目カードが自動的に作成されます。ほとんどの場合、デフォルトでは従業員の実際の税およびNI情報が反映されないため、カードを更新する必要があります。

RTI用に次のような多数の情報フィールドを指定する必要があります:

  • 給与IDの変更をHMRCに通知するための、レガシー・システムの以前のHMRC給与ID。
    ノート: 個人に対して新しい法定控除項目カードが作成されると、新しいOracle Cloud HRMC給与IDが自動的に生成されます。Oracle Cloud Payrollから初めて全額支払送信(FPS)が発行される際、新しいHMRC給与IDと古いHMRC給与IDのマッピングが含まれます。雇用がすでにHMRCに登録されている場合、その雇用は新規の雇用とはレポートされません。
  • 必要に応じて、遅延採用事由、勤務時間数、新規採用申告、年金受給者通知、国外居住者通知などの情報。

継続的な一括更新:

新規採用データの一括ロード: 新規採用情報の一括アップロードを実行する必要がある場合、デフォルトの法定控除項目カードおよび年金自動登録カードが自動的に生成される場合があります(新規採用レコードがHCMデータ・ローダーまたはTaleoとのインタフェースで作成されている場合)。この場合、デフォルト・カードを正しい税金およびNI情報で更新し、RTIレポートで要求される新規採用情報を格納するためのコンポーネント詳細を作成する必要があります。

法定控除および法定レポートに直接的な影響があるため、一括アップロードを実行する前に、法定控除項目カードおよびそこに含まれる情報について理解しておくことをお薦めします。詳細は、Oracle Fusion HRMS (英国): 給与の実装および機能に関する考慮事項(文書ID 1921464.1)を参照してください。
ノート: ユーザー・インタフェースによって強制される検証の中には、HCMデータ・ローダーを使用してレコードをロードする際には強制されないものがあります。そのため、HCMデータ・ローダーを使用して法定控除項目レコードをロードした後に、給与検証レポートまたは診断レポートのいずれかを実行することをお薦めします。

法定控除項目カード・レコード・タイプ

法定控除項目カードは、HCMデータ・ローダーでグローバル給与計算カード・ビジネス・オブジェクトを使用してアップロードします。この汎用オブジェクト階層は国固有の様々な要件をサポートするためのレコード・タイプを提供します。

英国法定控除項目では、次のレコード・タイプが使用されます:

コンポーネント 機能説明 ファイル弁別子
計算カード 計算カード・タイプおよび情報を取り込む従業員アサイメントを定義します。 CalculationCard
カード・コンポーネント 計算カードに必要なデータをグループ化および分離するために使用します。次の項では、この計算カードに適用されるカード・コンポーネントと、各カード・コンポーネントに必要な子レコードについて説明します。 CardComponent
コンポーネント詳細 各カード・コンポーネントに必要な各フレックスフィールド・コンテキストのコンポーネント詳細レコードを指定します。 ComponentDetail
カード関連付け 計算カードと従業員のレポート先税レポート・ユニットを関連付けます。 CardAssociation
カード関連付け詳細 カード・コンポーネントを従業員のアサイメントに関連付けます。 CardAssociationDetails

法定控除項目計算カード階層

法定控除項目に適用される計算カード・コンポーネントの階層を次の図に示します:

uk- 法定控除項目カード階層

計算カード・レコードおよび各カード・コンポーネントのデータを指定する方法については、次のトピックを参照してください。

計算カード・コンポーネントのレスポンシブ・ユーザー・インタフェースへのマッピング

TRU情報は、カード関連付けレコードを使用して更新します。

源泉徴収(PAYE)および国民保険法定控除項目の要約情報は、PAYEおよびNIカード・コンポーネントを使用して更新され、アサイメント情報はカード関連付け詳細レコードで定義されます。

PAYE詳細は、「源泉徴収(PAYE)」カード・コンポーネント詳細レコードを使用して更新されます。PAYE詳細ページでは、1つ以上の通知を作成することもできます。通知タイプでは、次の3つのコンポーネント詳細のいずれかを選択できます: 新規着任者申告、年金受給者通知、国外居住者通知。これらは、PAYEカード・コンポーネントの適切なカード・コンポーネント詳細レコードを使用して更新されます。

NI詳細を更新するには、NIカード・コンポーネントを使用します。NI追加情報は、集計情報カード・コンポーネントの下の集計情報カード・コンポーネント詳細を使用して更新します。集計情報カード・コンポーネントはユーザー・インタフェースには表示されません。ただし、これは計算カード構造の一部であり、HCMデータ・ローダーを使用して新しい法定控除項目カードを作成するときに指定する必要があります。複数のNIコンポーネントが存在する場合、各NIコンポーネントに対して集計情報が表示されますが、存在する集計コンポーネントは1つのみです。

法定控除項目検証

ユーザー・インタフェースによって強制される検証の中には、HCMデータ・ローダーを使用してレコードをロードする際には強制されないものがあります。そのため、HCMデータ・ローダーを使用して法定控除項目レコードをロードした後に、給与検証レポートまたは診断レポートのいずれかを実行することをお薦めします。

メッセージ 解決方法
この税レポート・ユニットには、このタイプのアクティブな計算カードがすでに存在します。 1つの給与関係について、任意の日付の特定のTRUに関連して存在できる有効な法定控除項目計算カードは1つのみです。
このタイプのアクティブな計算カード(関連付けなし)がすでに存在します。 任意の時点で存在できるTRUに関連付けられていないアクティブな法定控除項目カードは1つのみです。
優先期間タイプは、この控除項目カードと関連詳細の組合せには無効です。 優先期間タイプが計算コンポーネントに入力されていますが、コンポーネント関連付けの1つに割り当てられている給与計算周期の1つに対応していません。
給与周期が異なる関連詳細があるため、優先期間タイプを入力する必要があります。 給与周期が異なるコンポーネント関連付けが複数ある場合は、優先期間タイプを入力して、給与計算がそれらの関連付けを同じ周期で処理できるようにする必要があります。
NIカテゴリ{NI_CATEGORY}は現行の保険証には無効です。 NIカテゴリは集計情報に入力した証明書に依存します。証明書の有効なNIカテゴリを選択します。
年金ベース{PENSION_BASIS}は現行のNIカテゴリ{NI_CATEGORY}には無効です。 年金ベース・フィールドはNIカテゴリに依存します。