Microsoft ProjectとProject Managementの連携
Oracle Project Management CloudとMicrosoft Projectの統合を使用すると、Oracle Project Management Cloudにプロジェクト・プランをエクスポートする前に、初期スケジューリングやWhat-if分析をMicrosoft Projectで完了することが可能です。
デスクトップ向けのMicrosoft Projectバージョン2010、2013、2016または2019とプロジェクト管理アプリケーションの統合により、プロジェクト・プランのスケジュール、リソース割当の管理、進捗の追跡を行うことができます。また、手動タスク、非アクティブ・タスク、自由テキスト、プライマリ・ベースラインなどのコンポーネントもサポートされます。
Microsoft Project統合では、プロジェクト・アプリケーション管理者が「新規ユーザー・エクスペリエンスによるプロジェクト・プランニングの迅速化」機能をオプトインした場合に、追加機能がサポートされます。詳細は、「新規ユーザー・エクスペリエンスによるプロジェクト・プランニングの迅速化」による機能拡張の項を参照してください。
Microsoft Project統合を設定するには、Microsoft Project Integration Clientをインストールする必要があります。設定の完了後、プロジェクトをインポートしてプロジェクト・プランをエクスポートできます。
Microsoft Project Integrationクライアントのインストール
プロジェクト・マネージャやプロジェクト管理者は、Microsoft Projectの様々なバージョンで使用できる統合クライアントをダウンロードおよびインストールし、プロジェクト管理またはプロジェクト財務管理アプリケーションと統合できます。
クライアントをダウンロードする前に、.NET Framework 4.5.2以降のバージョンをコンピュータにインストールしてください。
Oracle Project Management Cloud用のMicrosoft Project Integrationクライアントをインストールする手順は、次のとおりです。
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ナビゲータから「プロジェクト管理」を開きます。
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「プロジェクト・プランの管理」ページから「処理」パネル・タブを開き、「Microsoft Project Integrationのインストール」を選択してクライアントをダウンロードします。
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クライアントを保存し、インストール・ファイルをローカル・フォルダに抽出し、そのフォルダから設定を実行します。
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Microsoft Project Integrationクライアントをインストールした後、Microsoft Projectを開きます。
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「Oracle Fusion Projects」メニューから「環境の変更」を選択し、Oracle Fusion ApplicationsのURLを入力します。
その後のサーバーの変更をサポートするために、環境URLはいつでも変更できます。
Microsoft Projectへのタスク・コードのインポート
「Oracle Fusion Projects」メニューの「値リストのインポート」メニュー・オプションを使用して、タスク・コードに対して定義されている値をインポートします。インポートするタスク・コードがMicrosoft Projectの列名と一致していないことを確認してください。3つのタスク・コードおよび関連するMicrosoft Projectのフィールドを次の表に示します。
タスク・コード |
関連するMicrosoft Projectのフィールド |
---|---|
TASK_EXT_TEXT01 |
Text1 |
TASK_EXT_CODE01 |
OutlineCode1 |
TASK_EXT_NUM01 |
Number1 |
「属性マッピングの表示」メニュー・オプションを使用すると、Oracle Project Management Cloudの属性がMicrosoft Projectのフィールドにどのようにマップされているかを確認できます。
プロジェクトのインポート
「プロジェクト管理」作業領域から(作業プラン・テンプレートではなく)プロジェクトをインポートして、Microsoft Projectに新しいプロジェクト・ファイルを作成します。
次の表で、重要なタスク・レベル属性がどのようにインポートまたは設定されるかについて説明します。ステータスやプロジェクト顧客などのプロジェクト・レベル属性は、Microsoft Projectにインポートされません。
属性 |
摘要 |
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タスク属性 |
主要なインポート属性は次のとおりです。
エンタープライズ・タスク・コードはインポートされますが、プロジェクト・コードはインポートされません。 インポートされたタスクのタスク・タイプは、すべてMicrosoft Projectでは「固定ユニット」に設定されます。 |
タスクの制約および依存関係 |
プロジェクト管理アプリケーションでは、制約タイプの「できるだけ遅く」および「できるだけ早く」はサポートされません。他の制約は、このトピックのプロジェクト・プランおよびスケジューリング情報のエクスポートで説明されているマッピングを使用してインポートされます。タスクに開始日と終了日を割り当てると、プロジェクトをMicrosoft Projectにインポートしたときに、そのタスクに対して「指定日に必ず開始」制約が作成されます。 |
マイルストン |
マイルストン・タスクとして指定されたタスクは、Microsoft Projectでマイルストンとしてインポートされます。 |
スケジュール・タイプ |
「プロジェクト管理」作業領域からMicrosoft Projectにプロジェクトをインポートすると、タスクは、Microsoft Projectで設定されているデフォルトのタスク・タイプとは関係なく、「プロジェクト管理」作業領域で設定されたスケジュール・タイプで作成されます。したがって、固定期間プロジェクトは固定期間タスクとしてインポートされ、固定工数プロジェクトは作業時間固定タスクとしてインポートされます。 要約タスクは作業時間固定としてインポートできないため、アプリケーションによって常に固定期間としてインポートされます。 |
次の表で、重要なリソース属性およびリソース割当属性がどのようにインポートまたは設定されるかについて説明します。
属性 |
摘要 |
---|---|
リソース |
プロジェクト・リソースとして定義されたすべての労務リソースと経費リソースがインポートされます。 |
リソース割当 |
次の属性がリソース割当に対してインポートされます。
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プロジェクト・プランおよびスケジューリング情報のエクスポート
Microsoft Projectで初期スケジューリングが完了し、事前検証中に確認されたすべてのエラーを修正した後、プロジェクト・プランを「プロジェクト管理」作業領域にエクスポートします。
Microsoft ProjectのWBS列の値は、タスク番号として「プロジェクト管理」作業領域にエクスポートされます。英数字を入力するか、Microsoft ProjectのWBSの自動生成値を使用できます。
タスク・レベルでエクスポートまたは再作成される重要な属性には、タスク番号(WBS)、タスク名、日付、タスク・コード、依存関係、制約およびマイルストン・インジケータが含まれます。Oracle Project Management Cloudアプリケーションは分割タスクをサポートしないため、Microsoft Projectのタスクの割当は連続している必要があります。以降のOracle Project Management Cloudアプリケーションでのスケジューリングでは、元の期間を使用して、日付が計算されます。次の表では、Oracle Project Management Cloudでサポートされる制約および依存関係について説明します。
先行 |
後続 |
可能な依存関係 |
---|---|---|
タスク |
タスク |
終了-開始、終了-終了、開始-開始、開始-終了 |
タスク |
マイルストン |
終了-終了および開始-終了 |
マイルストン |
タスク |
終了-開始および終了-終了 |
マイルストン |
マイルストン |
終了-終了 |
タスク日付の制約は、次の表に示すマッピングに基づいて、Oracle Project Management Cloudで再作成されます。
Microsoft Projectの制約タイプ |
Oracle Project Management Cloudの制約タイプ |
---|---|
できるだけ遅く |
Oracle Project Management Cloudに制約は作成されません。 |
できるだけ早く |
Oracle Project Management Cloudに制約は作成されません。 |
指定日以後に終了 |
指定日以降に終了 |
指定日までに終了 |
指定日までに終了 |
指定日に必ず終了 |
指定日に終了 |
指定日に必ず開始 |
指定日に開始 |
指定日以後に開始 |
指定日以降に開始 |
指定日までに開始 |
指定日までに開始 |
マイルストン・タスクをエクスポートする場合、タスクが次の状態であることを確認してください。
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期間がゼロ(開始日と終了日が同じ)である最下位レベルのタスクであること。
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従事がゼロであるただ1つの労務リソース割当を持つこと。
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作業時間の達成率の値が0または100%であること。他のすべての値は、エクスポート前にゼロに設定されます。
プロジェクトを「プロジェクト管理」作業領域にエクスポートすると、Microsoft Projectでは、次の表に指定された条件に基づいてタスクがエクスポートされます。
タスク |
条件 |
---|---|
非アクティブ・タスク |
エクスポートしません。 |
手動タスク |
エクスポートします。 テキスト・エントリなど、手動タスクの日付が無効な場合、Microsoft Projectは、日付および期間を空白の状態でエクスポートします。 |
先行依存関係を持つ手動タスク |
先行依存関係なしで手動タスクをエクスポートします。 |
要約タスク |
自動でスケジュールされたタスクとしてエクスポートします。 日付が欠落している場合、プロジェクト管理は自動的に日付を移入します。 要約タスクのスケジュール・モードの変更のため、プロジェクト管理でタスクを積み上げる必要があります |
依存関係を持つ要約タスク |
エクスポートしません。事前検証メッセージの確認後、要約タスクの依存関係を削除する必要があります。 |
ベースライン |
プライマリ・ベースライン(Baselineと呼ばれます)をMicrosoft Projectから「プロジェクト管理」作業領域にエクスポートします。BaselineというベースラインがMicrosoft Projectで使用できない場合は、アプリケーションによって最新の保存済ベースラインに対応するデータがエクスポートされます。 |
スケジュール・タイプ |
タスクは、デフォルトで「新規プロジェクトのエクスポート」ウィンドウでのプロジェクト・エクスポート時に選択されたスケジュール・タイプになります。プロジェクト内に固定期間、固定ユニットおよび作業時間固定のタスクが混在している場合でも、エクスポート時に、それらは選択されたスケジュール・タイプに変更されます。Microsoft Projectの作業時間固定タイプは、「プロジェクト管理」作業領域の固定工数スケジュール・タイプに対応することに注意してください。 データまたはスケジュール・タスクを明示的に積み上げるまで、「プロジェクト管理」作業領域のタスク・タイプに基づいてリソース割当日付が改訂されることはありません。 |
リソース割当のエクスポート
プロジェクトのエクスポート時に、リソース割当レベルで転送または再作成される重要な属性には、リソース名、計画日、残りの作業などがあります。「プロジェクト管理」作業領域では、エクスポートされたタスクのタスク・タイプはすべて「固定従事」(Microsoft Projectの「作業時間固定」タスク・タイプに対応)に設定されます。ただし、データまたはスケジュール・タスクを明示的に積み上げるまで、「プロジェクト管理」作業領域のタスク・タイプに基づいてリソース割当日付が改訂されることはありません。
タスク・マネージャなど、要約タスクに割り当てたリソースは、配賦ゼロである必要があります。それ以外の場合、事前検証チェックによってエラーがレポートされます。
リソース情報のエクスポート
エクスポート時、タスク割当のあるリソースのみがエクスポートされます。次の表で、リソースのエクスポート方法について説明します。
Oracle Project Management Cloudのリソース・タイプ |
Microsoft Projectのリソース・タイプ |
摘要 |
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労務 |
作業 |
Microsoft ProjectとOracle Project Management Cloudに指定されているEメール・アドレスが一致する場合、リソース割当に関連付けられているリソースは、既存のプロジェクト・エンタープライズ労務リソースにリンクされます。 それ以外の場合は、Oracle Project Management Cloudのプロジェクト・レベルに新規の計画リソースが作成されます。 |
経費 |
コスト |
リソースは、名前が一致する場合、既存のプロジェクト・エンタープライズ・リソースにリンクされます。それ以外の場合は、新しいプロジェクト・エンタープライズ・リソースがOracle Project Management Cloudに作成されます。 |
「新規ユーザー・エクスペリエンスによるプロジェクト・プランニングの迅速化」機能による機能拡張
プロジェクト・アプリケーション管理者が「新規ユーザー・エクスペリエンスによるプロジェクト・プランニングの迅速化」機能をオプトインしている場合は、次の機能も統合でサポートされます。
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要約タスクの依存関係: 要約タスクでは依存関係がサポートされており、他のタスクの後続タスクまたは先行タスクになることができます。要約タスクの依存関係は、制約または依存関係がない最上位レベルの子タスクに適用されることに注意してください。
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要約タスクおよびマイルストンに対する複数リソースの割当て。
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完了率の値が0から100の間のマイルストン。
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マイルストンの開始日に関する制約。
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マイルストンのすべてのタイプの依存関係。マイルストンには、終了-開始、終了-終了、開始-開始、開始-終了の依存関係を設定できます。
この機能がオプト・インされている場合は、Microsoft ProjectからProject Management Cloudにエクスポートする前に、手動要約タスクを自動要約タスクに変換する必要があります。