Time and LaborとProject Costingの連携

Time and Laborとプロジェクト原価計算間の統合によって、プロジェクト・マネージャおよび会計担当者は、従業員および派遣就業者のタイム・カードを管理できるようになります。

従業員および派遣就業者は、作成したタイム・カードを表示および更新できます。設定に基づき、タイム・カードには次のものが表示されます:

  • ビジネス・ユニット内の全プロジェクト。

  • ユーザーがチーム・メンバーであるプロジェクトのみ。

プロジェクト・マネージャは、プロジェクトについて作成されたタイム・カード入力をレビューして承認します。プロジェクト会計担当者は、プロジェクト原価計算にタイム・カードをインポートして、原価計算、会計処理および分析を行います。

次の図は、タイム・カードがTime and Laborで作成および承認され、検証されてプロジェクト原価計算にインポートされ、必要に応じて調整される概要を示しています。

Oracle Fusion Time and LaborおよびOracle Fusion Project Costingでのタイム・カード処理のフロー・チャート

Time and Laborの使用

従業員および派遣就業者は、プロジェクトに関する時間を「時間」作業領域で報告します。1つ以上のプロジェクト、タスクおよび支出タイプを選択して作業時間を計上します。プロジェクト・マネージャはプロジェクトについて発行されたタイム・カードを承認します。

  • 発行されたタイム・カードは、承認のため関連プロジェクトのプロジェクト・マネージャに送信される前に、自動的に検証されます。

  • 「設定および保守」作業領域で時間コンシューマ・セットの管理タスクを構成することにより、タイム・カードを保存時に検証するオプションを選択できます。

  • チーム・メンバーシップに基づいてプロジェクトをフィルタ処理するようにタイム・カード・フィールドが定義されている場合、チーム・メンバーは、時間を入力するプロジェクトの内部プロジェクト・チーム・メンバーでなければなりません。

プロジェクト原価計算の使用

プロジェクト会計担当者は、「コストのインポート」プロセスを使用して承認済タイム・カードを検証し、プロジェクト原価計算にインポートします。

  • 検証によって、プロジェクトが有効およびアクティブで、トランザクションによるチャージをサポートしていることが確認されます。このプロセスでは、次の属性も検証します。

    • ビジネス・ユニット

    • トランザクション・ソース情報

    • 支出タイプおよび組織

    • 支出項目日

    • 個人

    • 作業時間

    • バッチ名

    • 当初トランザクション参照

  • プロジェクトは複数言語サポートが有効であり、プロジェクト名がユーザー・セッション言語で表示されている必要があります。

  • タイム・カードをインポートするには、タイム・カードのすべての時間入力が承認される必要があります。

  • トランザクションの時間入力には、プロジェクト番号またはプロジェクト名のいずれか1つのみが含まれている必要があります。

ノート: インポートされたタイム・カード・トランザクションの文書および文書に入力された値は、Time and Laborから取得されます。

インポート時に特定の支出項目属性が導出されます。次の表は、インポート時に導出される支出項目属性の導出ルールを示しています。

属性

導出

支出終了日

支出項目日およびビジネス・ユニットから計算されます。

支出バッチ終了日

バッチの支出終了日の最終日に設定されます。

作業タイプ

タイム・カードに作業タイプが入力されていない場合に、タスク詳細から導出されます。

また、インポート後に次の値を編集できます。

  • プロジェクト

  • タスク

  • 支出項目

  • 数量

  • 請求可能インジケータ

  • 資産計上可能インジケータ

  • 稼働率

タイム・カードの修正

従業員および派遣就業者はプロジェクト原価計算でタイム・カードを変更できません。ただし、「時間」作業領域でタイム・カードを変更できます。たとえば、プロジェクトのタイム・カードを削除したり、プロジェクト、タスク、時間、または支出タイプなどのタイム・カードの詳細を修正できます。

プロジェクト会計担当者およびプロジェクト・マネージャは、プロジェクト原価計算でタイム・カードをインポートした後にそれらを変更できます。

注意:
  • Time and Laborでタイム・カードが変更され、再度インポートされると、プロジェクト原価計算で行われた修正は元に戻されます。

  • プロジェクト原価計算で修正を実行するかわりに、Time and Laborでタイム・カードを修正してからプロジェクト原価計算にインポートしてください。これにより、最新のタイム・カード情報がTime and Laborに保存されます。

個人関連プロジェクト・コスト・トランザクション戻し処理のインポート

時間マネージャは、アクティブなHCM割当がなくなった個人について、Oracle Fusion Cloud Time and Laborのタイム・カードを削除できます。これにより、プロジェクト・コスト計算にすでにインポートされている元のトランザクションの戻し処理が実行されます。たとえば、従業員または契約者が組織を離れ、Oracle Fusion Cloud Human Resourcesでアクティブ・ステータスでなくなった場合、時間マネージャはOracle Time and Laborでタイム・カードを削除し、これらの削除をプロジェクト原価計算で戻し処理としてインポートできます。

プロジェクト会計担当は、対応するOracle Human Resources割当がアクティブでなくなった場合でも、Oracle Time and Laborから発生したトランザクションの転送、分割およびその他の修正を実行できます。