4要件仕様のバージョニングと承認

この章には、次の内容が含まれます。

要件仕様のベースライン設定: 概要

要件仕様の承認プロセスを進める前、または承認後に、要件仕様の新しいバージョンを複製することができます。新しいバージョンは、要件仕様がドラフトまたは承認済ステータスの場合のみ作成でき、新しいバージョンのステータスはドラフトになります。

要件仕様を開いた状態で、「処理」ドロップダウン・メニューを使用して「新規バージョンとして保存」を選択します。必要に応じて名前を入力でき、ファイル名はプロンプト表示されません。この方法でファイルを作成して名前を付けた後は、名前を変更できません。

要件仕様の新規バージョンはレプリカですが、新規要件仕様にコメントおよび影響情報は移入されない点のみが異なります。

「新規バージョンとして保存」が要件仕様の特定のバージョンから使用されると、そのバージョンではこの処理は使用できなくなります。

要件履歴の追跡: 概要

要件仕様の履歴を2番目のバージョンから追跡することができ、要件履歴も追跡できます。記録されるデータは、オブジェクトの変更ユーザー、変更内容および変更日時です。「タスク」ペインで、「監査証跡の表示」リンクをクリックします。「監査証跡の表示」ページが表示されます。基本または拡張検索フィールドを使用して、必要なオブジェクトを検索します。

探しているオブジェクトが返されない場合、または検索を設定できない場合は、Fusion管理者に問い合せ、履歴の追跡機能を特定の要件クラスまたはサブクラスについて有効にしてもらってください。

追跡される処理は「作成」、「追加」、「削除」および「更新」です。要件仕様の新規バージョンが「新規バージョンとして保存」処理によって作成された場合、この処理は「作成」として記録されます。エクスポートなど、一部の処理は追跡されません。

承認のための要件仕様の提出: 概要

要件仕様の承認は必須ではありませんが、レビューおよび承認プロセスは要件設計作業の完成度を測る助けになります。承認された要件仕様は、それ以上更新できないようロックされます。要件仕様を承認用に提出するには、「処理」メニューから「承認のために提出」を選択します。

「承認のために提出」ダイアログでは、レビューおよび承認するユーザーを選択できます。レビュー担当者は、要件仕様についてコメントを追加することもできます。レビュー担当者を追加したら、「提出」ボタンをクリックします。要件仕様は提出されると、それ以上変更できなくなります。ただし、いずれの時点でも、承認済の要件仕様を新規バージョンに保存して変更することはできます。

要件仕様の承認または却下

要件仕様がレビュー担当者に提出されると、担当者には「概念」ページの「概要」ペインでワーク・リストに新規タスクが表示されます。レビュー担当者はタスク・リンクをクリックし、タスクの詳細が開かれます。要件承認の詳細および履歴が表示され、承認または却下したユーザーが他の情報とともに表示されます。ユーザーは「承認」ボタンまたは「却下」ボタンをクリックします。すべてのレビュー担当者が要件仕様を承認すると、ステータス「承認済」に変更され、要件仕様は一切変更できなくなります。要件仕様が却下されると、ステータスが「ドラフト」に戻り、変更が可能になり、承認のために再度提出できるようになります。

要件仕様への要件仕様の追加

要件仕様を別の要件仕様に追加することができます。要件仕様が別の構造に追加されても、内在的な属性または質は失われず、自身の構造の最上位レベルと同じように表示されます。ただし、異なる構造の一部に置かれると、表示される属性は「優先度」または「履行済」属性のように、要件の属性となります。また、「依存関係」タブが変更可能になります。

構造内の要件仕様の隣に表示されるアイコンは、要件仕様のアイコンである開かれた本と、要件のアイコンであるページまたは文書の組合せになります。

その他にも次のようなビジネス・ルールが適用されます。

  • 要件は常に構造から任意に作成できますが、要件仕様は構造に追加する前にすでに存在している必要があります。

  • 要件仕様は構造に引き入れられると、要件としてのみ変更できます。

  • したがって、構造から要件仕様の名前を変更することはできません。ただし、要件仕様の名前は「詳細」のライブ・リンクになっているため、クリックして開き、そこで名前、摘要、製品などを変更できます。

  • 要件仕様がいったん構造に追加されると、要件仕様内に要件を追加することはできません。しかし、その要件仕様を最上位レベルで確認すると、要件としてコンテキストで変更点があっても、独自の構造を保持することが分かります。

  • 要件仕様のバージョンに関しては、最上位レベルにあり、保留/ドラフトまたはリリース済/承認済ステータスである場合、処理「新規バージョンとして保存」を実行するとバージョン番号が増加していきます。最上位要件仕様がドラフト/保留ステータスで、「新規バージョンとして保存」によってバージョンが1から2に増加すると、バージョン1は自動的に読取り専用になり、ドラフト・ステータスのままになります。これにより、要件仕様は複数のバージョンがドラフト・ステータスで存在することが可能になります。

要件仕様のバージョニングと承認のFAQ

要件仕様を承認のために提出する方法を教えてください。

要件仕様を開いた状態で、「処理」メニューを開いて「承認のために提出」を選択します。「承認のために提出」ダイアログが開き、「処理」メニュー「選択および追加」アイコンが表示されます。「選択および追加: レビュー担当者」ダイアログが開かれ、承認者やオブザーバを検索できます。このビジネス・オブジェクトのルーティングに選択するレビュー担当者のチームは、「チームの管理」処理とは異なります。返された結果から選択し、「OK」をクリックします。さらにレビュー担当者を検索することもできます。完了後、「提出」ボタンをクリックすると、要件仕様が選択したユーザーに送信されます。ステータスは「提出済」に変更され、現在の状態では承認のために再度送信できません。

要件または要件仕様の隣に青い点が表示されたのはなぜですか。

要件が後のバージョンで変更されると、要件仕様の「依存対象要件」表の要件の隣に青い点のアイコンが表示されます。

要件仕様の新バージョンが作成されると、構造内の要件仕様の隣に青い点が表示されます。

要件仕様をエクスポートする方法を教えてください。

要件仕様を開いた状態で、「処理」をクリックして「エクスポート」を選択します。エクスポートしたファイルの保存形式をHTML、Adobe PDFXMLまたはMicrosoft Wordから選択します。ファイルを保存する際は、マシンの保存場所を参照し、ファイル名を入力します。