11 予測シナリオのシミュレーション

この章の内容は次のとおりです。

予測シナリオのシミュレーション: 概要

予測シナリオのシミュレーションは、需要プラン・パラメータ、原因ファクタまたは予測プロファイルの構成を変更しながら、様々なシナリオを評価する場合に有効です。シミュレーションでは、予測プロセスに対するインプットのほぼすべてを変更することが可能であり、その変更が結果にどう影響するかを、ほとんどリアル・タイムで知ることができます。シミュレーションで予測を実行する際、その予測に異なる出力メジャーを割り当てることもできます。そうすることで、プランの全体実行結果を、シミュレーション結果と隣り合わせで表示することが可能になります。

最大6個までの出力メジャーを、「需要のシミュレート」ページで選択できます。シミュレーション結果は、プランの全体予測で使用しているメジャーではなく、これらのメジャーに保存されます。結果をレビューするには、ほとんどの場合、予測レベル、予測方法、分解に関する情報のような設定は変更せずに、予測メジャーの選択を変更します。

シミュレーションは、表またはグラフのメンバーに対して実行されます。表またはグラフのメンバーすべてに対してシミュレーションを実行することもできれば、次に示すスコープ・オプションの選択によって実行対象を限定することもできます。

  • 表またはグラフ: 表またはグラフの入力内容に基づいて予測を生成します。

  • ピボット・フィルタを使用した表: ピボット・テーブル・フィルタに基づいて予測を生成します。

  • 選択した表: 選択した表メンバーのみについて予測を生成します。

シミュレーションはまた、新規の予測プロファイルを素早く作成したり、その定義の中からいくつかを変更して出力を確定済の予測プロファイルと並べて表示したりするのに、最適の方法でもあります。新たな結果の方がより適切であると考えられる場合には、必要に応じて確定済の予測プロファイルを修正できます。

事前定義済の出力メジャーには、2セットあります。それらは「シミュレーション1」および「シミュレーション2」という名前であり、その他の出力メジャーの名前はSimulateという語で始まります。これらのメジャーに基づいてメジャーをさらに作成して、その他のシナリオに対応することができます。

制限: 複数のユーザーが同じ予測プロファイルを使用してシミュレーションを実行し、プロファイルを変更している場合、各ユーザーが加えた変更は、他のユーザーにも影響します。異なるユーザーがシミュレーションを実行している場合は、各ユーザーが各自の予測プロファイルを持つことが最も適切と考えられます。複製をすることで、既存のプロファイルを基に新規の予測プロファイルを作成できます。「需要のシミュレート」ダイアログに表示される「複製」アイコンを使用します。

次のシナリオで、シミュレーションを使用できます。

  • 価格の変更、マーケット・キャンペーンの実施、天候の変化、需要の上振れのような要素の影響をレビューする予測シミュレーションの反復実行。

  • 予測モデルとパラメータの変更が統計予測に直接与える影響の程度を知るためのシミュレーション。

  • 従属レートに対する変更のシミュレーション、またはオーダー構成品目に対する非依存オプション予測の変更。

  • 特定の地域に新製品を導入した場合の影響を調べるシミュレーション。

  • 任意の数のシナリオに対する比較対照分析と、各シナリオが業務上および財務上の目標に及ぼす影響のレビュー。

需要シミュレーションの実行: 解説

この項では、「需要のシミュレート」を使用して予測シミュレーションを行う方法を解説します。様々なユース・ケースで、需要シミュレーションの実行が選択できるようになっています。したがって、実行速度の向上には、オプションの特定が必要です。

シミュレーションでは、異なるシナリオの結果を簡単に並べて表示できます。そのためには、異なる出力メジャーがシナリオに割り当てられるようにする必要があります。これは、シミュレーションを実行するたびに出力メジャーを変更するか、シミュレーション目的のプロファイルを複数作成し、各々のシナリオを異なるプロファイルで実行することにより可能になります。

需要シミュレーションは、次のようにして実行します。

  1. ナビゲータで「需要管理」作業領域へのリンクをクリックします。

  2. プラン内の開いている表で、「処理」メニューをクリックしてから「需要のシミュレート」をクリックします。

  3. 「需要のシミュレート」ページで、次のようにします。

    1. 予測の生成、予測方法および原因ファクタの各項目を選択します。

      プランの実行時には、予測を、予測方法と原因ファクタに基づいて、より詳細な情報に分解して表示するかどうかを選択できます。シミュレーションの実行時にも同様のオプションを使用できます。そうしたオプションは、プランのターゲット部分に予測が取り込まれる場合、特に有益です。なお、詳細な項目を加えるほど予測生成の実行時間は長くなりますが、比較的小規模なシミュレーションでは、これはそれほど問題になりません。

    2. 他のタブでパラメータをレビューします。

      たとえば、「予測方法」タブで予測方法のレビューと有効化を行います。

  4. 「シミュレーション出力」タブをクリックし、必要に応じて出力メジャー・パラメータを選択し、表に追加します。

    「出力メジャー」パラメータから「予測メジャー」を選択します。予測はこのメジャーに保存されます。メジャーに対するその他の選択内容は、基本的に、より複雑な予測分析と診断を行う場合に有効です。

    「表に追加」チェック・ボックスは、シミュレーション実行時に、メジャーが表に自動的に追加されるかどうかを制御するために使用します。これにより、新規のメジャーがあれば表に追加されるため、シミュレーション結果を表示するプロセスが簡潔になります。

  5. 「保存してクローズ」をクリックします。

    シミュレーションの実行完了後、更新された構成を過去に行った予測と並べて比較できます。