4供給ネットワーク・モデルの管理
この章の内容は次のとおりです。
供給ネットワーク・モデルの保守: 説明
「供給ネットワーク・モデルの保守」ページを使用して、組織、顧客、サプライヤ、運送業者および事業所間の出荷ネットワークの詳細など、収集したデータを表示できます。サプライ・チェーン・プランニング作業領域のいずれかに移動します。「タスク」パネル・タブをクリックし、「供給ネットワーク・モデルの保守」リンクを選択します。
ビジネスの施設や機能を表現するために、組織を使用します。通常、ビジネスにおいて2つの異なる機能を実行する1つの物理的な施設がある場合は、2つの組織としてモデル化します。たとえば、製造工場であり配送センターでもある施設が1つあるとします。これは、2つの別個の組織としてモデル化できます。また、ビジネスにおいて2つの別個の物理的な施設で実行される1つの機能がある場合は、1つの組織としてモデル化できます。複数の施設を1つの組織としてモデル化した場合は、施設ごとの在庫を表すために、個別の保管場所を作成できます。
収集したデータのレビュー
検索結果に基づいて、「組織」タブの情報を使用して次の操作を実行します。
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すべてのソース・システムの組織をレビューします。
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組織への顧客およびサプライヤの関連付けを作成します。これは、売買転送を作成するときに使用されます。
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ドロップシップ検証組織を選択します。このオプションは、1つのソース・システムについてのみ選択できます。直接出荷検証組織にカレンダを割り当てることもできます。
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組織ごとに、次のような期日超過パラメータを設定します。
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予測の期日超過日数
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販売オーダーの期日超過日数
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供給の期日超過日数
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サプライヤ、サプライヤ・サイトおよび運送業者について収集したデータをレビューするには、「顧客」、「サプライヤ」および「運送業者」タブを使用します。
売買転送
購買オーダーおよび販売オーダー文書を使用して、1つのOracle Fusionソース・システム内の2つの組織間で資材転送を実施できます。転送の出荷にはソース組織の販売オーダーが使用されます。転送の受入には搬送先組織の購買オーダーが使用されます。
供給ネットワーク・モデルでは、受け側組織の購買オーダー供給については、
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サプライヤとソース組織間の関係を定義します。また、出荷組織の販売オーダー需要については、
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顧客と搬送先組織間の関係を定義します。
組織をサプライヤとしてモデル化するには、関連する組織の「サプライヤ」および「サプライヤ・サイト」列を更新します。
組織を顧客としてモデル化するには、関連する組織の「顧客」および「顧客サイト」列を更新します。
承認済サプライヤ・リスト: 説明
承認済サプライヤ・リスト(ASL)は、特定の出荷先組織または企業全体に提供するサプライヤおよびサプライヤ・セットに品目をリンク付けする情報のリポジトリです。ASLは、グローバルでも組織固有でもかまいませんが、供給プランニングでのみグローバルASLが認識されます。プランニング・プロセスでは、ASLをOracle Fusion Procurementから収集して品目のサプライヤおよびサプライヤ・サイトを特定します。
供給プランニングで使用するためにASL属性を2つの異なる方法で定義します。Oracle Fusion Procurementで一部の属性を定義した後、供給プランニングで使用する属性を定義するCSVファイルをアップロードできます。
Oracle Fusion Procurementで、次の品目対サプライヤの関係およびオーダー・モディファイアを定義します。
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サプライヤ
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サプライヤ・サイト
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最小オーダー数量
-
固定ロット乗数
供給プランニングで使用するその他の属性をアップロードするには、ASLを作成して購買から収集する必要があります。その後で、CSVファイル・アップロードを使用して次のような追加属性を定義できます。
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品目-サプライヤ・リード・タイム
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サプライヤ生産能力カレンダ
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日次サプライヤ生産能力
割当セット、ソース・ルールおよび物流構成表: 説明
「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域の割当セットは、ソース・ルールと物流構成表を品目にリンクするために使用します。ソース・ルール、物流構成表および割当セットを組み合せて使用して、サプライ・チェーン全体の資材の供給、製造および転送の方法を指定できます。
ソース・ルールと物流構成表を作成するとき、品目の補充に使用する手段の摘要を作成します。ただし、品目番号は定義フォームのいずれの場所でも指定されないため、定義したソース・ルールまたは物流構成表を後から品目または品目のグループに割り当てることができます。割当セットは、特定の品目番号、カテゴリまたは組織をソース・ルールおよび物流構成表に関連付けるために使用します。
ソーシングを使用して、プランニング・プロセスのサプライ・チェーンを記述する必要があります。そのためには、次の3つの構造を使用します。
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ソース・ルール
-
物流構成表
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割当セット
ソース・ルール
ソース・ルールと物流構成表によって、組織間の資材の移動が決定されます。これらの組織には、サプライヤ、製造および物流施設が含まれます。「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に移動し、「タスク」ドロワーから「ソース・ルールの管理」をクリックして、ソース・ルールを作成したり、既存のソース・ルールを検索できます。
次の3種類のソースがあります。
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転送元: 組織間出荷機能によって、組織間の転送が行われます。「組織」列にソース組織を入力します。
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製造場所: この内部組織で品目が製造されます。「組織」列に製造組織を入力します。
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購買元: 外部企業から品目を購入します。「サプライヤ」および「サプライヤ・サイト」列のデータ入力は有効になっており、「組織」列は無効になっています。
配賦とランク: ランク内のすべてのソースの合計配賦率が100%になる必要があります。ランクが最も高い(数値が最も小さい)ソースが、配賦において最も優先されます。Planning Centralでは、ランク1のソースのみが考慮されます。
物流構成表
資材が3つ以上の組織を通過する場合は、ソース・ルールよりも物流構成表のほうが、サプライ・チェーンのリンクを効率的に記述できます。ただし、物流構成表で記述できる関係は、一連のソース・ルールで記述することもできます。通常、ほとんどのユーザーは、物流構成表ではなくソース・ルールを使用します。「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に移動し、「タスク」ドロワーから「物流構成表の管理」をクリックして、物流構成表を作成したり、既存の物流構成表を検索できます。
割当セット
割当セットは、ソース・ルールと物流構成表を品目にリンクするために使用します。つまり、割当セットを使用して、ソース・ルール、品目および供給ノードをリンクします。割当セットによって、サプライ・チェーン・プランに含まれる各品目の組織間のソーシングおよび転送リンクが作成されます。代替割当セットを作成して、代替サプライ・チェーンをモデル化することもできます。「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に移動し、「タスク」ドロワーから「割当セットの管理」をクリックして、割当セットを作成したり、既存の割当セットを検索できます。
ソース割当階層
プランニング・プロセスでは、ソース割当階層を使用して、特定の品目の実際のソースが決定されます。次のレベルで補充ソースを割り当てることができます。具体的なソース割当は一般的な割当レベルよりも優先されます。
次の表に、供給ソース階層を示します。
ランク | 品目またはカテゴリ | 適用先 |
---|---|---|
1 |
品目-組織 |
|
2 |
カテゴリ-組織 |
N/A |
3 |
品目 |
|
4 |
カテゴリ |
|
5 |
組織 |
|
6 |
グローバル |
|
販売オーダーおよび予測(非依存需要)の供給をソーシングする場合、オーダー納期回答およびプランニングでは、より詳細な履歴が使用されます。この履歴には、非依存需要のディメンションである需要区分、顧客および顧客サイトが含まれます。
次の表に、需要ソース階層を示します。
ランク | 品目またはカテゴリ |
---|---|
1 |
品目-顧客/顧客サイト |
2 |
品目-顧客 |
3 |
品目-需要区分 |
4 |
品目-リージョン |
5 |
カテゴリ-顧客/顧客サイト |
6 |
カテゴリ-顧客 |
7 |
カテゴリ-需要区分 |
8 |
品目 |
9 |
カテゴリ-リージョン |
10 |
カテゴリ |
11 |
顧客/顧客サイト |
12 |
顧客 |
13 |
需要区分 |
14 |
リージョン |
15 |
グローバル |
需要ソース階層を使用すると、需要明細に需要区分の値が含まれている場合に、品目-顧客/顧客サイトまたは品目-顧客のソース・ルールが存在しないのに、品目-需要区分のルールが存在するときには、そのルールを使用して、需要明細の供給ソースが決定されます。
このソース階層を使用するとき、2つのルールが競合している場合は、より粒度の高いルールが使用されます。割当セットに使用されるソースを確認するには、セット内で、次の必須パラメータを入力した後、「ソーシングの表示」ボタンをクリックします。
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割当セット
-
組織
-
品目
-
日付
選択した品目、組織および日付の組合せに適用される割当がダイアログ・ボックスに表示されます。複数のルールが適用される場合は、「アクティブなルール」がフォーム内でマークされます。
割当セットのカタログの指定: 説明
カタログは、階層に編成できる品目を分類するために使用されるカテゴリの集合です。カタログはのカテゴリのフラット・単一レベル構造にすることも、カテゴリの階層構造にすることもできます。
割当セットを作成するとき、割当セットごとにカタログを指定する必要があります。割当セットとカタログの関連付けは、次の目的で行います。
-
割当セットでそのカタログに関連付けられているカテゴリを使用します。
-
カタログに関連付けられているカテゴリにソース割当をリンクします。
割当セットのカタログを指定しない場合、割当セットでは「ソーシング割当のカタログ」(MSC_SRC_ASSIGNMENT_CATALOG)プロファイル・オプションをデフォルト・カタログとして使用します。
割当セットを作成してカタログを指定するには、いずれかの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域の「割当セットの管理」タスクを使用します。
供給プランニングでの品目属性の使用: 説明
品目は、製造および物流プロセスで使用し、在庫として保管する資材を表します。品目属性では、各品目のプロパティを指定します。計画に関する品目属性は、「製品情報管理」作業領域で設定します。
計画に関する品目組織属性を設定する手順は、次のとおりです。
-
「製品情報管理」作業領域に移動し、「タスク」ドロワーから「品目の管理」タスクを開きます。
-
品目を検索します。
-
品目を選択し、「仕様」タブで属性を編集します。計画属性は、「計画」セクションで見つけることができます。
次の表に、プランニングに関連する属性を示します。
品目属性 | 品目構成 |
---|---|
品目概要 |
単位 |
製造 |
構成品目タイプ |
製造 |
ベース・モデル |
製造 |
自動作成された構成 |
製造 |
オーダー組立 |
製造 |
製造品 |
製造 |
供給タイプ |
在庫 |
在庫品目 |
在庫 |
在庫保有可能 |
在庫 |
トランザクション可能 |
オーダー管理 |
顧客オーダー可能 |
オーダー管理 |
転送オーダー使用可能 |
プランニング |
製造/購買 |
プランニング |
安全在庫計算方法 |
プランニング |
プランナ・コード |
プランニング |
プランニング方法 |
プランニング |
予測管理 |
プランニング |
タイム・フェンス: 需要 |
プランニング |
タイム・フェンス: リリース |
プランニング |
タイム・フェンス: プランニング |
プランニング |
原価 |
プランニング |
保管% |
プランニング |
減損率 |
プランニング |
許容前倒日数 |
プランニング |
リード・タイム: 処理 |
プランニング |
リード・タイム: 前処理 |
プランニング |
リード・タイム: 後処理 |
プランニング |
リード・タイム: 固定 |
プランニング |
リード・タイム: 変動 |
プランニング |
最小オーダー数量 |
プランニング |
最大オーダー数量 |
プランニング |
固定オーダー数量 |
プランニング |
固定ロット乗数 |
プランニング |
固定供給日数 |
プランニング |
端数処理 |
購買 |
購買可能 |
購買 |
承認済サプライヤ・リスト |
次の属性は、特定の目的に使用できます。
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製造/購買: ソース・ルールが存在しない場合、この属性がデフォルトで使用されます。
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プランニング方法: プランニング方法としてMRP計画またはMPS計画を使用します。
-
タイム・フェンス: 計画ではすべてが使用されます。
-
購買品目では、処理リード・タイムが使用されます。製造品目では、固定および変動が使用されます。
-
製造、購買、転送のすべてで前処理リード・タイムが使用されます。購買および転送では、後処理リード・タイムが使用されます。
-
「許容前倒日数」は、既存の供給を再計画する必要がある場合に使用します。供給の期日が許容前倒日数内である場合、先送り推奨は発行されません。
オーダー・モディファイア
オーダー・モディファイアを使用して、環境で使用する可能性が高い計画オーダーを取得します。たとえば、数量100のパレットでのみ品目を提供するサプライヤから品目を購入するとします。数量が不足している場合、たとえば、72個が必要であるとすると、要件をサポートするために、計画オーダー数量を72のかわりに100に設定できます。オーダー・モディファイアは、ファントムには適用されません。
使用可能なオーダー・モディファイアは次のとおりです。
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最小オーダー数量
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最大オーダー数量
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固定オーダー数量
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固定ロット乗数
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固定供給日数
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端数処理
資材プランニングでは、オーダー・モディファイアの優先順位(優先度)が使用されます。特定のオーダー・モディファイアが他より先に適用され、特定の他のオーダー・モディファイアの使用に基づいて、特定のオーダー・モディファイアが無視されます。オーダー・モディファイアの優先度は次のとおりです。
-
固定供給日数: 品目の1つの計画オーダーによって、この値で指定された日数のすべての不足に対応する必要があります。たとえば、正味所要量が月曜日には50個、水曜日には100個、木曜日には70個であるとすると、固定供給日数を5に設定している場合、プランニング・プロセスでは、月曜日を期日とする、数量が220 (50 + 100 + 70)個の計画オーダーが1つ作成されます。期間の開始日は固定されません。この例では、次の5日間が常に次の月曜日に始まるわけではなく、金曜日より後の、次に正味所要量がある日に始まります。他のオーダー・モディファイアを使用して、固定供給日数の値を調整できます。そのため、次の5日間が、次の水曜日から翌週の火曜日までになることもあります。
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固定オーダー数量: 常に、計画オーダー数量をこの値に設定する必要があります。たとえば、正味所要量が1個であるとすると、固定オーダー数量を200に設定している場合、プランニング・プロセスでは、数量が200個の計画オーダーが1つ作成されます。これを設定すると、プランニング・プロセスは、オーダー数量端数処理モディファイアにスキップします。
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固定ロット乗数: 常に、この値に応じた計画オーダー数量を使用する必要があります。たとえば、正味所要量が400個であるとすると、固定ロット乗数を150に設定している場合、プランニング・プロセスでは、数量が450個の計画オーダーが1つ作成されます。
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最小オーダー数量: 計画オーダー数量をこの値より少なくすることはできません。たとえば、正味所要量が100個であるとすると、最小オーダー数量を150に設定している場合、プランニング・プロセスでは、数量が150個の計画オーダーが1つ作成されます。これを設定すると、プランニング・プロセスは、オーダー数量端数処理モディファイアにスキップします。
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最大オーダー数量: 品目の1つの計画オーダーの数量がこの値を超えることはできません。たとえば、正味所要量が200個であるとすると、最大オーダー数量を150に設定している場合、プランニング・プロセスでは、数量が150個の計画オーダーと数量が50個の計画オーダーの2つの計画オーダーが作成されます。
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端数処理: 計画オーダー数量は、常に整数である必要があります。プランニング・プロセスでは、常に、分数の数量が次に大きい整数に切り上げられます。たとえば、正味所要量が99.2個であるとすると、オーダー数量端数処理を選択している場合、プランニング・プロセスでは、数量が100個の計画オーダーが1つ作成されます。