1供給プランニングの概要

この章の内容は次のとおりです。

供給プランニングのビジネス・フローの理解: 説明

「供給プランニング」作業領域は、最新のプランニング・クラウド・ソリューションですが、これを使用して、需要を供給に変換するビジネス・フローを実行します。

「供給プランニング」作業領域では、次のことを実行できます。

  • データ収集、在庫プランニングおよび供給プランニングを処理します。

  • 一連のプランニング・プロセス全体を自動化したり、プロセスのサブセットを実行します。

  • 任意の段階で、データを分析および調整します。

次の図に、データ収集に始まって在庫プランニング、供給プランニング、そして実行およびアーカイブで終わる供給プランニングのビジネス・フローの順序を示します。

次の図は、供給プランニングのビジネス・フローの
ステップを示しています。

データ収集

データ収集は、計画ビジネス・フローの最初のステップです。様々なOracle Supply Chain Management Cloudアプリケーションからデータを収集し、そのデータをプランニング・アプリケーションで使用できます。

収集できる主なデータのタイプは次の3つです。

  • マスター・データ: 主にOracle Supply Chain Management Cloudをソースとします。

  • 需要データ: 需要データのソースとしては、Oracle Order Management Cloudからの販売オーダーとOracle Materials Management Cloudからの出荷履歴の2つが考えられます。

  • 供給データ: 供給データは、次の3つのソースから収集されます。

    • Oracle Inventory Management Cloud

    • Oracle Manufacturing Cloud

    • Oracle Purchasing Cloud

Oracle Fusionソース・システムからのデータ収集の他に、外部ソース・システムからデータを収集することもできます。外部ソース・システムからデータを収集するには、事前定義収集テンプレート(XLSMファイル)を使用します。

在庫プランニング

在庫計画機能を使用すると、需要および在庫目標の変動に基づいて統計的な手法を用いて安全在庫を計算できます。ユニット単位の平均絶対偏差(MAD)、平均絶対誤差率(MAPE)および到着率に基づく複数のアルゴリズムを使用して、多様な供給および需要パターンに対応します。階層の任意のディメンションでターゲット・サービス・レベルを設定できるため、顧客、チャネル、製品ファミリ、倉庫などの要素によって在庫ポリシーを分割することが可能です。また、適切な時期に一括更新を使用して、在庫を手動で設定することもできます(新製品を発売するときなど)。

供給プランニング

供給プランニングを使用すると、顧客および安全在庫所要量、リード・タイム、カレンダ、有効数量などのパラメータに基づいて、リソースおよび資材所要量を計算できます。

無制約供給プランを生成できます。リソース制約やサプライヤ生産能力を無視することにより、次のような利点が得られます。

  • 供給と需要のバランスを調整し、必要に応じて新しいサプライヤを推奨します。

  • 供給を再計画したり、取り消す時期を推奨します。

  • 資材不足、リソース過負荷およびサプライヤ生産能力超過を特定します。

  • サプライヤに十分なリード・タイムがない状況(リード・タイム圧縮)を特定します。

  • 契約製造業者を含む、サプライ・チェーン全体を計画します。

供給プランでは、直接出荷や連続オーダーなど、外注製造および搬送シナリオをモデル化できます。また、MRPプランに対する需要スケジュールとしてのMPSプランの使用など、ハブ・アンド・スポークの計画構成もサポートされています。

プラン実行

オーダー推奨を共有し、プランを保存して、実行を進めることができます。

供給プランニング・プロセスはデフォルトで、他のOracle SCM Cloudアプリケーションと統合されています。プランの実行にあたり、次の場合に統合が役立ちます。

  • 計画オーダーおよび既存の供給の再計画を自動的にリリースします。

  • 必要に応じて、手動でオーダーのグループ単位でリリースできます。

  • 変更および取消を管理します。

  • バックトゥーバックおよび直接出荷オーダーを管理します。

プランナは、自動リリース・ルールを設定することも、手動でオーダーをリリースすることもできます。

サプライ・チェーン・プランニング作業領域: 説明

Oracle Supply Chain Planning Cloudソリューションは、サプライ・チェーン・プランニングのビジネス・プロセスおよびタスク専用に設計された製品で構成されています。これらのプロセスおよびタスクは、作業領域を使用して実行します。サプライ・チェーン・プランニングの各製品では、1つ以上の作業領域にアクセスできます。

使用可能なサプライ・チェーン・プランニング作業領域は、次の要素によって決まります。

  • お客様が購入されている製品ライセンス

  • ユーザー・アカウントに割り当てられているセキュリティ権限

サプライ・チェーン・プランニング作業領域を使用する場合、次の点に注意してください。

  • 作業領域へのナビゲーション

  • サプライ・チェーン・プランニング作業領域とそれに該当する製品のリスト

作業領域へのナビゲーション

次のように、様々な方法で特定の作業領域に移動できます。

  • ナビゲータからのアクセス: ナビゲータ・アイコンをクリックしてアクセス権を保有している作業領域を表示します。サプライ・チェーン・プランニング作業領域が「サプライ・チェーン・プランニング」ヘッダーにリストされます。作業領域名がリンクになっています。特定の作業領域のリンクをクリックして、その作業領域にアクセスします。

  • スプリングボードからのアクセス: ホーム・ページには、サプライ・チェーン・プランニング作業領域のグループなど、作業領域のグループを表すスプリングボード・アイコンが1つ以上あります。「サプライ・チェーン・プランニング」スプリングボードをクリックして一連のアイコンにアクセスします(それぞれのアイコンは特定のサプライ・チェーン・プランニング作業領域を表します)。特定のアイコンをクリックして、その作業領域にアクセスします。

サプライ・チェーン・プランニング作業領域のリスト

次の表に、サプライ・チェーン・プランニング作業領域と、各作業領域に該当するサプライ・チェーン・プランニング製品を示します。

作業領域 製品

オーダー納期回答

Oracle Fusion Global Order Promising

需要管理

Oracle Fusion Demand Management

供給プランニング

Oracle Fusion Supply Planning

需要および供給プランニング

次の製品はいずれも構成しておく必要があります。

  • Oracle Fusion Demand Management

  • Oracle Fusion Supply Planning

プランニング・セントラル

Oracle Fusion Planning Central

セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング

Oracle Fusion Sales and Operations Planning

プラン入力

「プラン入力」作業領域を使用すると、プランの作成またはアクセスを必要としないタスクを実行できます。

この作業領域は、製品固有の作業領域に加えて、次の製品に適用されます。

  • Oracle Fusion Demand Management

  • Oracle Fusion Supply Planning

  • Oracle Fusion Planning Central

  • Oracle Fusion Sales and Operations Planning

  • Oracle Fusion Global Order Promising

「供給プランニング」作業領域: 説明

「供給プランニング」作業領域を使用して、実際のビジネス・プロセスの構成、表示および分析を行います。

「供給プランニング」作業領域では、次のことが可能です。

  • 複数のプランおよびプラン入力を同時に表示します。

  • 事前定義ページ・レイアウトを使用するか、組織に合ったプラン・データを表示するユーザー定義ページ・レイアウトを作成します。

「供給プランニング」作業領域にアクセスし、プランを開く手順は、次のとおりです。

  1. ナビゲータで、「供給プランニング」作業領域のリンクをクリックします。

  2. 「プラン」ドロワーをクリックし、「プラン」を展開します。

  3. プランを右クリックし、「オープン」を選択します。

プランは、デフォルトで、「プランの編集」ページに表示されます。このページは、次の2つの主な領域で構成されます。

  • ヘッダー

  • 構成可能なペイン

ヘッダー

ヘッダー領域には、ページ・レイアウト情報と処理可能なボタン(「レイアウトの保存」「変更」「オープン」「処理」「保存」「取消」など)が含まれます。ヘッダーには、現在開いているプラン、シミュレーション・セットおよびプラン入力が表示されます。

構成可能なペイン

構成可能なペイン領域で、プランの内容を表示できます。複数のペインをページに追加して、内容を表示することが可能です。ヘッダー領域の「ページ・レイアウト」ドロップダウン・リストによって、計画インタフェース・ページ内のペインの数が決まります。

供給プランニングでのページ・レイアウトの操作: 説明

ページ・レイアウトを作成および管理できます。既存のページ・レイアウトのプロパティを変更するには、「ページ・レイアウトの管理」処理を使用します。プラン・インタフェース・ページにアクセスするには、「供給プランニング」作業領域で「タスク」ペインの「プラン」セクションからプランを開きます。

このトピックでは、次のことについて説明します。

  • ページ・レイアウトの作成

  • ページ・レイアウトの編集

  • ページ・レイアウトの管理

  • 「プラン要約」ページ・レイアウトの使用方法

ページ・レイアウトの作成

ページ・レイアウトは、プラン、シミュレーション・セットおよびプラン入力間で再利用可能です。ページ・レイアウトを作成するか、ページ・レイアウトをコピーした後で編集することにより、固有のビジネス・ニーズに合ったページ・レイアウトを作成できます。

ページ・レイアウトを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 「供給プランニング」作業領域で、「プラン」パネル・タブをクリックします。

  2. 「プラン」パネル・ドロワーで、「プラン」リストを展開します。ページ・レイアウトを作成するプランを開きます。

  3. 「ページ・レイアウト」ドロップダウン・リストで、「作成」をクリックします。

  4. 次の詳細を指定し、「保存してクローズ」をクリックします。

    • ページ・レイアウトの名前と摘要を入力します。

    • アクセス・レベルとして「公開」または「非公開」を選択します。

      • すべてのユーザーがプランにアクセスできるようにするには、「公開」を選択します。

      • 「非公開」を選択すると、プランへのアクセスは、自分と自分がアクセスを許可するユーザーのリストに制限されます。

      これにより、空のペインのページ・レイアウトが作成されます。

  5. 「変更」ドロップダウン・リストをクリックし、任意のレイアウトを選択します。

    たとえば、「2つのペイン、横分割」レイアウトを選択します。

  6. 「オープン」をクリックしてペインを選択し、「表、グラフまたはタイル・セットのオープン」ダイアログを使用してコンテンツを追加します。

  7. 「レイアウトの保存」をクリックします。

ページ・レイアウトの編集

既存のページ・レイアウトを編集するには、次の2通りの方法があります。

  • 「保存」ボタンを使用して、現在表示されているページ・レイアウトを保存します。たとえば、現在のページ・レイアウトを1つのペインのレイアウトから2つのペインのレイアウトに変更できます。そのページを次に使用するときには、レイアウトが2つのペインのレイアウトとして表示されます。

  • 「ページ・レイアウト」ドロップダウン・リストの「管理」処理を使用して、ページ・レイアウトを変更することもできます。

  • 事前定義ページ・レイアウトを編集することはできません。コピーした後、そのコピーを編集できます。

ページ・レイアウトの管理

「ページ・レイアウトの管理」を使用すると、次のことが可能です。

  • 作成したページ・レイアウトを編集します。「ページ・レイアウトの管理」を使用して、ペインを移動できます。ただし、公開ページ・レイアウトを使用している場合、所有者でないときには、レイアウトを変更することはできません。レイアウトをデフォルト・レイアウトに設定することのみが可能です。

  • プラン、シミュレーション・セットまたはプランを最初に開いたときにデフォルト・レイアウトとして使用されるレイアウトを変更します。

  • 作成した後、必要でなくなったレイアウトを削除します。

「プラン要約」レイアウトの使用

「プラン要約」は一連の情報タイルや高度なグラフを含む事前定義ページ・レイアウトで、プランのビジネス価値をレビューするのに使用できます。

「プラン要約」レイアウトを使用すると、次のことが可能です。

  • プランのパフォーマンスを測定します。

  • 個々のキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)を通してプラン情報をレビューします。

  • コンテキストに基づいたナビゲーションを使用してプラン分析を実行します。

  • 「プラン要約」ページ・レイアウトのコンポーネントをコピーし、固有のニーズに基づいて構成します。

「プラン要約」レイアウトの構造は、情報タイルの事前定義セットです。情報タイルを使用して、プランのキー・メトリックを表示できます。次の表やグラフを使用して、さらに事前定義の分析にドリルダウンすることもできます。

  • 収益およびマージン

  • 在庫回転率

  • 千単位でのリスクあり需要

  • 例外の再スケジュール

サプライ・チェーン・プランニングのプラン・タイプ: 説明

プランを作成するときには、最初に、プラン・タイプを選択します。プランの実行後にプラン・タイプを編集することはできません。

サプライ・チェーン・プランニングには、次のプラン・タイプが用意されており、アクセスできる作業領域に応じて、作成、編集、実行などが可能です。

  • 需要プラン: コラボレーションおよび統計需要予測を行う場合は、このプラン・タイプを使用します。供給プランの需要スケジュールとして使用することもできます。「プランニング・セントラル」作業領域および「需要管理」作業領域からのみ需要プランを作成できます。「供給プランニング」作業領域では、需要プランを作成できません。

  • 供給プラン: 供給スケジュールを生成する場合は、このプラン・タイプを使用します。「プランニング・セントラル」作業領域および「供給プランニング」作業領域からのみ供給プランを作成できます。「需要管理」作業領域では、供給プランを作成できません。

  • 需要と供給プラン: 1つのプランで計画と予測を行う場合は、このプラン・タイプを使用します。「プランニング・セントラル」作業領域および「需要および供給プランニング」作業領域からのみ需要および供給プランを作成できます。

  • 販売および業務プラン: このプラン・タイプは集計プランニングに使用します。このプランは、「セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング」作業領域から作成できます。

プランの管理: 説明

「プランの管理」ページおよび「プランの編集」ページの「処理」メニューは、すべてのプラン・タイプのプラン管理ページと統合されています。「プランの編集」ページを開く際には、ヘッダーにプラン名しか表示されないことに注意してください。

注意: 必ずしもすべての処理オプションが「プランの管理」ページと「プランの編集」ページの両方で使用できるわけではありません。たとえば、「比較」処理は「プランの編集」ページでオープン・プランを表示している場合のみ使用できます。また、必ずしもすべての処理オプションがすべてのプラン・タイプまたは作業領域で使用できるわけではありません。たとえば、「プランニング・セントラル」作業領域では、「アーカイブ」、「比較」または「シミュレーション・セットにコピー」が「処理」メニューに含まれていません。

次の表に、「処理」メニューの使用可能なオプションと各オプションの説明を示します。

処理 説明

承認

プランの承認プロセスを開始して完了します。

プランに戻ると、「承認済」ステータスが「承認ステータス」列から削除されます。

アーカイブ

プランをアーカイブします。

比較の取消

プラン・データの比較を取り消します。

クローズ

メモリーからロードされたプランを閉じます。このオプションは、「需要プラン」タイプに使用できません。

比較

プラン・データを別のプランと比較します。

シミュレーション・セットにコピー

「シミュレーション・セットにコピー」ダイアログ・ボックスを開き、既存のシミュレーション・セットにプラン・データをコピーします。プラン・データには、品目、リソース可用性、リソース構成表などが含まれます。このオプションは、「供給プラン」および「需要と供給プラン」タイプのみに使用できます。

作成

新しいプランのプラン・オプションを定義できる「プランの作成」ダイアログ・ボックスを開きます。プラン・タイプに応じて、「スコープ」、「需要」、「安全在庫」および「供給」の各オプションを定義します。「安全在庫」タブは、「販売および業務プラン」タイプに使用できません。

削除

プランとそのアーカイブ・バージョンを削除します。この取り消すことができない処理は、メモリーおよびデータベースからプランをパージします。

複製

事前定義プランを利用したり、what-ifシミュレーション分析を実行するために、既存のプランのコピーを作成します。プラン・オプションのみをコピーするのか、プラン・データを含めてプラン・オプションをコピーするのか決めることができます。

プラン・オプションの編集

プラン・オプションを編集できる「プラン・オプション」ダイアログ・ボックスを開きます。プラン・タイプに応じて、「スコープ」、「需要」、「安全在庫」および「供給」の各オプションを変更できます。

エクスポート

「プランの管理」ページの「検索結果」表からスプレッドシートにデータをエクスポートします。

ロード

メモリーにプランをロードします。このオプションは、「販売および業務プラン」タイプのみに使用できます。

表、グラフおよび分析セットの管理

「表、グラフおよび分析セットの管理」ダイアログ・ボックスを開きます。表、グラフ、タイル、タイル・セットおよび分析セットの検索と管理が可能です。

オープン

既存のプランについて「プランの編集」ページを開きます。ページ・ヘッダーにはプラン名しか表示されないことに注意してください。

オーダー予測の公開

「オーダー予測の公開」ジョブを開始します。オーダー予測を公開するためにプランをデータベースに保存する必要はありません。このオプションは、「品目」、「供給および需要」、「プランの管理」の各ページの「処理」メニューで使用できます。このオプションは、「供給プラン」および「需要と供給プラン」タイプのみに使用できます。

プラン・データの公開

プラン・データを公開します。

リリース

「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域から別のプラン実行システムにプランをリリースします。このオプションは、「供給プラン」および「需要と供給プラン」タイプのみに使用できます。

「リリース」処理により、承認されたプランニング推奨を実行システムに公開することで、サプライ・チェーン・プランニングが他のプラン実行システムと統合されます。これらのプラン推奨の形式は、新規計画オーダー、再計画済の既存の供給、取消済の既存の供給のいずれかです。

承認の要求

プランの承認を要求します。このオプションは、「販売および業務プラン」タイプのみに使用できます。

承認ステータスのリセット

承認ステータスをリセットします。このオプションは、「供給プラン」タイプに使用できません。

プラン・メッセージのレビュー

「プラン・メッセージのレビュー」タブを開いて、予測生成や供給プラン生成などのプランニング・プロセスによって生成された警告メッセージやエラー・メッセージをレビューできます。警告条件やエラー条件に対処するための推奨をレビューすることもできます。

実行

プランを実行し、データを生成します。

「実行」をクリックすると、「プランの実行」ダイアログ・ボックスが開きます。「プランの実行」ダイアログ・ボックスで、データ・リフレッシュ・オプション、スコープ・オプション、需要および供給プランの実行オプションを選択してプランニング・データを生成できます。

プランをデータベースに保存

プランをメモリーからデータベースに保存します。

プランをデータベースに保存する利点は、先にプランをロードしなくてもプラン分析を実行できることです。このオプションは、「供給プラン」および「需要と供給プラン」タイプのみに使用できます。

ステータス詳細の表示

「プラン・ステータス詳細」ダイアログ・ボックスを開いて、選択したプランについてユーザーが実行した処理をすべて表示します。また、ステータスの詳細をスプレッドシートにエクスポートできます。

サプライ・チェーン・プランニングのプランナの定義: 説明

プランナは、組織において、一連の品目、その在庫レベル、供給と需要などの責任を担う個人です。たとえば、プランナの一般的な役職には、資材プランナ、サプライ・チェーン・プランナ、需要プランナなどがあります。すべてのサプライ・チェーン・プランニング製品でプランナを使用します。特定の個人をOracle Fusionソース・システムまたは他のソース・システムのサプライ・チェーン・プランナとして定義できます。プランナを組織レベルで品目に関連付けることもできます。

プランナ用に「ファイルからプランニング・データのロード」タスクのCSVファイルを作成するには、ScpPlannersImportTemplate.xlsmを使用します。また、「プランナの管理」ページを使用して、ソース・システムごとにサプライ・チェーン・プランナを定義することもできます。「プランナの管理」ページには、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域からアクセスします。「タスク」パネル・ドロワーをクリックした後、「プランナの管理」をクリックします。

Oracle Fusionソース・システムの場合は、Oracle Fusion Purchasingで有効な従業員識別番号が必要になるため、従業員識別番号をプランナ名に関連付けます。プランナが計画オーダーをリリースすると、Purchasingで従業員識別番号がチェックされた後、購買依頼が作成されます。

外部ソース・システムの場合は、計画オーダーのリリース時に従業員識別番号が必要かどうかを判断します。必要な場合は、「プランナの管理」ページを使用して、プランナを従業員識別番号に関連付けます。または、ScpPlannersImportTemplate.xlsmテンプレートを使用して、従業員識別番号をプランナ名に関連付けることもできます。

品目-組織レベルでプランナを割り当てるには、Oracle Fusion Product Hubを使用します。データ収集中、プランニング・プロセスによって、プランナ、品目および組織の割当が収集されます。これにより、プランナは、ほとんどの需要および供給プランニング・ページで、プランナ名を使用してデータを検索できます。

プラン・メッセージのレビュー: 説明

サプライ・チェーン・プランニングでは、プラン・プロセスの技術的な失敗の根本原因、および問題を修正するための推奨を表示できます。

プランの実行後に、「プラン・メッセージのレビュー」表を開いて、予測生成や供給プラン生成などのプランニング・プロセスによって生成された警告メッセージやエラー・メッセージをレビューできます。警告条件やエラー条件に対処するための推奨をレビューすることもできます。プラン・メッセージには、「プランの管理」ページまたは「プランの編集」ページからアクセスします。

プラン・メッセージはすべてのプラン・タイプ(「供給プラン」、「販売および業務プラン」タイプなど)で使用でき、それぞれの「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域からアクセスできます。次の3つのメッセージ・タイプがあります。

  • 警告: 解決しないと、今後、プランの実行エラーが発生する可能性がある問題を示します。

  • エラー: プラン失敗を示します。

  • 推奨: プラン失敗を解決するための推奨、または実行パフォーマンスを向上させる方法を示します。

プランを繰返し実行すると、プラン実行ごとに同じメッセージが「プラン・メッセージのレビュー」タブに表示されます。メッセージには、異なるプロセス識別子および送信時間が含まれます。

送信日に基づいて、プラン・メッセージを削除できます。「プラン・メッセージのレビュー」タブで、「パージ」ボタンをクリックします。メッセージのパージ・ダイアログ・ボックスで、送信日および次のいずれかの演算子を入力します: 「等しい」、「前」、「以前」、「後」、「以降」、「間」または「次の間にない」。

「プランの管理」ページから「プラン・メッセージのレビュー」表を開くには、次の手順を実行します。

  1. 「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域で、「タスク」ドロワーをクリックし、「プランの管理」を選択します。

  2. 「プランの管理」ページでプランを検索します。

  3. 「検索結果」リージョンで、プランを選択します。

  4. 「処理」ドロップダウン・リストをクリックし、「プラン・メッセージのレビュー」を選択して「プラン・メッセージのレビュー」タブにアクセスします。

    「検索結果」リージョンから、メッセージをMicrosoft Excelスプレッドシートにエクスポートできます。

「プランの編集」ページから「プラン・メッセージのレビュー」表を開くには、次の手順を実行します。

  1. 「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域で、「タスク」ドロワーをクリックし、「プランの管理」を選択します。

  2. 「プランの管理」ページでプランを検索します。

  3. 「検索結果」リージョンで、プランを選択します。次に、「処理」ドロップダウン・リストをクリックし、「オープン」を選択します。

  4. 「プランの編集」ページで、「オープン」をクリックします。

  5. 「表、グラフまたはタイル・セットのオープン」ダイアログ・ボックスで、「プラン・メッセージのレビュー」表を検索します。その表を選択し、「OK」をクリックします。

  6. 「プラン・メッセージのレビュー」タブで、「検索」ボタンをクリックします。

  7. 「検索結果」リージョンで、プラン・メッセージを確認します。

    「検索結果」リージョンから、メッセージをMicrosoft Excelスプレッドシートにエクスポートできます。

サプライ・チェーン・プランニングでのノートの管理: 説明

サプライ・チェーン・プランニングのノートを使用して、プランに関する重要な情報を文書化して伝達します。ノートを使用して、プランに関する変更理由の説明、それらの変更に至るまでの意思決定と仮定を示すことができます。将来の参照や他のユーザーへの詳細の提供のために、これらのノートを保存できます。プラン管理プロセスの関係者は、文書の変更と仮定に関するノートをデータに添付できます。

ノート機能は、「需要管理」、「供給プランニング」、「プランニング・セントラル」、「販売および業務」の各作業領域で使用できます。次に関するノートを作成できます。

  • プラン

  • 品目、組織、顧客のようなプランニング・レベル・メンバー

  • 品目、組織、日付、メジャーの特定の組合せのようなプランニング組合せ

  • 例外

ノートを作成する場合は、ノート・タイプを指定する必要があります。ノート・タイプを指定することで、ノートのカテゴリ分けが可能になり、ノート・タイプを検索基準として使用できます。次に、事前定義済ノート・タイプを示します。

  • 一般

  • 前提

  • 決定

  • 問題

  • 可能性

  • リスク

  • 参照

  • 特殊

ノートが非公開か公開かも指定します。非公開のノートを表示できるのは、ノートを作成したユーザーのみです。公開のノートを表示できるのは、そのオブジェクトが関係付けられているすべてのユーザーです。

「需要管理」作業領域または「販売および業務」作業領域から、「ノート」表にアクセスして、製品階層のプランニング・レベル・メンバーを表示できます。レイアウトを作成して、ダイアログ・ボックスのかわりにレイアウトの一部として「ノート」表を表示できます。「ノート」表は、「供給プランニング」または「プランニング・セントラル」では使用できません。

プランに対するノート

プランのノートを作成できます。プランをコピーすると、そのプランに関連付けられているノートが新しいプランにコピーされます。

プランのノートを作成するには、次の手順を実行します。

  1. プランの「プラン・オプション」ページを開き、「ノートの管理」アイコンをクリックします。

  2. 「ノートの管理」ダイアログ・ボックスで、「処理」「追加」をクリックします。

  3. 「ノートの追加」ダイアログ・ボックスで、ノートを追加します。

  4. 「OK」をクリックします。

  5. 「保存してクローズ」をクリックします。

プランニング・レベル・メンバーに対するノート

品目、組織、顧客のようなプランニング・レベル・メンバーに、ノートを関係付けることもできます。階層の任意のレベル(個々の品目、ブランド、製品カテゴリなど)でノートを作成できます。

階層の下位レベルで作成したプランニング・レベル・メンバーのノートは、「ノートの管理」を集計レベルで開くと表示されます。レベル・メンバーに対して作成したノートは、プラン固有ではありません。したがって、レベル・メンバーに関係付けられたノートは、そのメンバーが含まれているすべてのプランで表示可能です。

レベル・メンバーに対するノートを作成するには、「処理」メニューの「ノートの作成」をクリックします。

既存のノートを表示、編集または削除するには、レベル・メンバーを選択し、「処理」メニューの「ノートの管理」をクリックします。

プランニング組合せに対するノート

特定の品目、組織、日付、メジャーの組合せのようなプランニング組合せを対象にしてノートを関係付けることができます。プランニング組合せは、表内のセルとして表示されます。

任意のレベルでノートを作成できますが、そのノートは作成したレベルでのみ表示が可能です。たとえば、ブランド、月およびメジャーの組合せでノートを作成した場合、そのノートを品目、日およびメジャーのレベルで表示することはできません。

プランをコピーすると、プランニング組合せに対するそのプランに固有のノートもコピーされます。

プランニング組合せのノートを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 表内の関連する表のセルを選択します。

  2. 「処理」メニューの「ノートの作成」をクリックします。

  3. ノートを追加します。

  4. 「保存してクローズ」をクリックします。

プランニング組合せに対する既存のノートを表示、編集または削除するには、次の手順を実行します。

  1. 表のセル・レベルから「ノート」アイコンを選択します。

  2. 「処理」メニューの「ノートの管理」をクリックします。

注意: ノートがプランニング組合せに対して作成されていて、関連付けられたメジャーがプラン間で共有されている場合、そのノートはプラン固有ではありません。この場合、ノートはすべてのプランで表示可能です。ノートがプランニング組合せに対して作成されていて、関連付けられたメジャーがプラン間で共有されていない場合、そのノートはプラン固有です。この場合、ノートは、そのノートを作成したプラン内で表示可能です。

例外に対するノート

ノートを例外に対して関係付けることができます。例外に対するノートは、プランの実行に共通して保持されます。プランの再実行後も例外が存在する場合、例外に対して関係付けられたノートはすべて保持されます。例外が解消されると、その例外はアプリケーションから削除されます。その場合、その例外に関係付けられていたノートもすべて削除されます。

例外に対するノートを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 例外の表行の「ノート」アイコンをクリックします。

  2. ノートを追加します。

  3. 「保存してクローズ」をクリックします。

事業所へのタイム・ゾーンの割当: 説明

組織、顧客サイトまたはサプライヤ・サイトのタイム・ゾーンに基づいて、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域に供給および需要を表示できます。さらに、サプライ・チェーン・プランニングではソース事業所と搬送先事業所との間のタイム・ゾーン差異が考慮されるため、正確な移動中時間を計算できます。

次の各項では、タイム・ゾーン詳細を収集して、事業所のタイム・ゾーンに応じてオーダーを表示する方法の詳細を説明します。

  • データ収集を使用したタイム・ゾーンの更新

  • 供給ネットワーク・モデルでのタイム・ゾーンの割当

  • 移動中時間の計算

  • 供給および需要のタイム・ゾーンの表示

  • 実行へのリリース

データ収集を使用したタイム・ゾーンの更新

データ収集を使用して、組織、顧客サイトまたはサプライヤ・サイトのタイム・ゾーンを更新します。次の3つの方法のいずれかで、タイム・ゾーンを更新できます。

  • Oracle Fusionソース・システムから組織のタイム・ゾーンを収集します。

  • 組織、顧客およびサプライヤのインポート・テンプレートを使用して、外部ソース・システムからタイム・ゾーンを収集します。

  • 「供給ネットワーク・モデルの保守」ページの「顧客」および「サプライヤ」タブで、タイム・ゾーンを更新します。

Oracle Fusionソース・システムから収集する場合は、データ収集方法のみを使用して組織のタイム・ゾーンを更新できます。「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域の「供給ネットワーク・モデルの保守」ページを使用して、組織のタイム・ゾーンを手動で更新することはできません。

供給ネットワーク・モデルでのタイム・ゾーンの割当

タイム・ゾーンを収集したりタイム・ゾーンを現地時間に変換する前に、最初にタイム・ゾーンを組織、顧客サイトおよびサプライヤ・サイトに割り当てる必要があります。「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域の「供給ネットワーク・モデルの保守」ページの「組織」、「顧客」および「サプライヤ」タブで、新しいタイム・ゾーン・フィールドを使用できます。

Oracle Fusionソース・システムからは、顧客サイトおよびサプライヤ・サイトのタイム・ゾーンを収集できません。顧客サイトまたはサプライヤ・サイトのタイム・ゾーンを更新するには、次のいずれかのオプションを使用します。

  • 顧客またはサプライヤのインポート・テンプレートを使用して、顧客サイトまたはサプライヤ・サイトのタイム・ゾーンを更新します。このテンプレートは、外部ソース・システムから収集している場合にも使用できます。

  • 「供給ネットワーク・モデルの保守」ページで、顧客サイトおよびサプライヤ・サイトのタイム・ゾーンを直接更新します。

Oracle Fusionソース・システムから新規の顧客データおよびサプライヤ・データを再収集するとき、既存の顧客サイトおよびサプライヤ・サイトのタイム・ゾーン情報は保持されます。顧客サイトまたはサプライヤ・サイトのタイム・ゾーンを収集または更新しない場合、プランニング計算では、顧客サイトまたはサプライヤ・サイトが、需要または供給に関連付けられた組織と同じタイム・ゾーンに存在するとみなされます。

供給および需要を収集すると、イベントの発生場所に基づき、収集によって関連する日付がデータベース・サーバーのタイム・ゾーン(協定世界時(UTC))から現地タイム・ゾーンに自動的に変換されます。さらに、Oracle Fusionソース・システムから、「需要管理」または「需要および供給プランニング」作業領域で使用する出荷および記帳履歴を収集すると、収集によって、履歴データがデータベース・サーバーのタイム・ゾーン(UTC)から関連する組織のタイム・ゾーンに変換されます。

移動中時間の計算

移動中時間の計算時に、サプライ・チェーン・プランニングでは出荷事業所と受入事業所との間のタイム・ゾーン差異が考慮されます。次の例は、サプライ・チェーン・プランニングでの移動中時間の計算方法を示しています。この例では、顧客サイトはシドニー(UTC+10)に存在し、出荷組織はカリフォルニア州サクラメント(UTC-8)にあります。

  1. プランニングで、要求到着日が2018年3月25日21時(UTC)に指定された販売オーダーをデータベース・サーバーに収集するとき、要求到着日は顧客サイトのタイム・ゾーンにオフセットされます。顧客サイトのタイム・ゾーンはシドニー・タイム・ゾーン(UTC+10時間)です。プラン入力では、要求到着日が2018年3月26日7時(シドニー・タイム・ゾーン)になります。

  2. 「現在のデータでリフレッシュ」オプションを指定してプランを実行すると、販売オーダーがプランに含まれ、サプライ・チェーン・プランニングではこの日付を使用して予定出荷日が計算されます。

  3. 選択した出荷方法(航空便)の移動中時間が36時間とします。サプライ・チェーン・プランニングでは最初に、予定出荷日が2018年3月25日19時(シドニー時間)と計算され、次に日付がサクラメント時間に変換されます。製品はサクラメントから出荷されます。タイム・ゾーン差異を予定出荷日に適用するには、18時間を減算します。予定出荷日は2018年3月25日1時(サクラメント時間)になり、ペグされた供給の生成に使用されます。

  4. 計算の完了後に、サプライ・チェーン・プランニングではすべての日付が一日の最後に移動します。すべての日付のタイム・スタンプは23:59:00になります。タイム・スタンプはUIで使用できませんが、プランニング・データベースからタイム・スタンプを問い合せることができます。

サプライ・チェーン・プランニングでは、サプライヤ・サイトから組織に供給を出荷するとき、または組織間で製品を転送するときに、同様の移動中計算が実行されます。

供給および需要のタイム・ゾーンの表示

「供給および需要」ページで、次の3つの列を使用して、タイム・ゾーンに関連する供給および需要を表示します。

  • 組織タイム・ゾーン

  • ソース・タイム・ゾーン

  • 宛先タイム・ゾーン

事前定義の表レイアウトにこれらの列は含まれていません。ユーザー定義の表レイアウトを作成し、これらの列を表に含めます。

表内の供給および需要メジャー値(資材プラン、プランの作成など)を表示するには、組織の現地タイム・ゾーンに基づいて、サプライ・チェーン・プランニングでメジャー値をその日に割り当てます。供給および需要メジャー値は、共通タイム・ゾーンに基づいて日付に割り当てられません。

実行へのリリース

Oracle Cloud実行システムへのリリースとマークされたオーダーをリリースすると、リリース処理によって日付が事業所のタイム・ゾーンからデータベース・サーバーのタイム・ゾーン(UTC)にオフセットされます。

たとえば、計画製造オーダーをリリースすると、サプライ・チェーン・プランニングでは、希望入手日が組織のタイム・ゾーンからUTCに変換されます。