Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Swingアプリケーションの開発 12c (12.1.3) E59440-01 |
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この章では、JDeveloperでJava Web StartとともにADF Swingアプリケーションを実行する方法について説明します。Java Web Startは、ADF SwingアプリケーションをWebサーバーにデプロイするためのツールであり、ユーザーはこのWebサーバーからクライアント・マシンにアプリケーションをダウンロードして実行できます。
この章には、次のセクションがあります。
Java Web Startは、Webサーバー上でのADF Swingアプリケーションの管理を可能にするアプリケーション・デプロイメント・ソフトウェアです。デプロイすると、ユーザーは、Java Web Startを使用してクライアント・マシンにアプリケーションをダウンロードして実行できます。ADF SwingアプリケーションまたはアプレットをWebサーバーにデプロイする前に、JDeveloperおよび統合WebLogic Server内でJava Web Startを使用し、ユーザーのアプリケーション実行をシミュレーションできます。その後、JDeveloperのJava EE Webデプロイ・プロセスを使用して、本番アプリケーション全体をWebサーバーに移動できます。
Java Web Startは、アプリケーション・デプロイメント・テクノロジです。JDeveloperでは、Java Web Startテクノロジの基盤になる、XMLベースのJNLP (Java Network Launching Protocol)定義の作成がサポートされています。JDeveloperでJava Web Startと「Java Web Startファイルの作成」ダイアログを使用すると、ADF Swingアプリケーションおよびアプレットを設定して、それらをWebサーバーで管理しながら、クライアント・マシンにダウンロードして実行できるようにすることができます。
JDeveloperのJava Web Startを使用してADF Swingアプリケーションを起動するには、このWebサイトhttp://www.oracle.com/technetwork/java/javase/tech/index-jsp-136112.html
からJava Web Startソフトウェアをダウンロードしてインストールする必要があります。ADF Swingアプリケーションのユーザーも、それぞれのマシンにソフトウェアをインストールする必要があります。
アプレットのアプローチがWebを中心にしたJavaアプリケーションのデプロイであるのに対し、Java Web StartではWebブラウザに依存せずにアプリケーションのJARファイルのダウンロードが行われます。Java Web StartではWebブラウザを介してJava Web Start JNLPディスクリプタがダウンロードされた後で、アプリケーション・リソースがダウンロードされます。JNLPディスクリプタによってJava Web Startが実際のダウンロードを起動し、実行します。
関連するテクノロジは次のとおりです。
Webサーバー: JNLP対応JSPファイル、クライアント用JARファイル、中間層、およびランタイム・ライブラリが格納されます。
アプリケーション・サーバー(オプション): 中間層がクライアントに対してリモートで実行される場合にのみ必要です。たとえば、EJBセッションBeanの場合。
Webブラウザ(オプション): Java Web Startを起動するJSPページをダウンロードします。その後、Java Web Startによって、従属リソースがダウンロードされ、アプリケーションまたはアプレットが起動されます。Java Web Startは、次のようなコマンドを使用して、ブラウザを使用せずに独立して実行することもできます。
javaws http://localhost/myapp/test.jnlp
Webブラウザ: オプション。ただし、Java Web Startの起動とダウンロードの開始に便利です。HTMLファイルに、JNLP対応のJSPページへのリンクが含まれている場合に使用されます。ユーザーがリンクをたどると、それによって、背後でJava Web Startが実行されます。
Java Web Startソフトウェアをユーザーのマシンに一度インストールすると、個々のユーザーは、単にWebページ・リンクをクリックすることでADF Swingアプリケーションおよびアプレットを実行できます(適切なファイルが「ADF Swing」ダイアログで生成されます)。アプリケーションが実行されたらWebブラウザは閉じることができ、アプリケーションは引き続き機能します。
アプリケーションがコンピュータにない場合、Java Web Startはアプリケーション・ライブラリのあるWebサーバーから必要なすべてのファイルを自動的にダウンロードします。そして、デスクトップ上のアイコンやブラウザ・リンクからいつでもアプリケーションを再起動できるように、ファイルをクライアント・コンピュータにキャッシュします。Java Web Startは必要に応じて更新を行うので、常に最新バージョンのアプリケーションがユーザーに提示されます。
JDeveloperは、統合WebLogic Serverを備えています。これを使用すると、Java Web Startで使用するWebアプリケーション・アーカイブのデプロイおよびダウンロードのプロセスをシミュレーションできます。JDeveloperでは、Java EEのデプロイメント・プロファイルの規則に従って、クライアント・マシンで実行されるコンポーネントのアーカイブ(シンプル・アーカイブ)とWebサーバーにデプロイされるコンポーネントのアーカイブ(Webアプリケーション・アーカイブ)が行われます。
「Java Web Startファイルの作成」ダイアログを完了したら、Antビルド・ファイルctbuild.xml
を実行して、JDeveloperのセットアップを完了し、JARファイルに署名する必要があります。
注意: 統合WebLogic Serverを使用するために、生成された |
JARファイルに署名したら、生成された.jsp
ファイルを使用して、JDeveloperでJava Web Startソフトウェアを起動できます。Java Web Startでは、.jnlp
ファイルで識別されたコンポーネントがダウンロードされます。.jnlp
ファイル内の別の定義では、ADF Swingをアプリケーションとして実行するのか、セキュアなアプレットとして実行するのかが特定されます。Java Web Startを起動し、ダウンロードを完了したら、Webブラウザを閉じてアプリケーションやアプレットの実行を続けることができます。
Oracle WebLogic Serverをデプロイする準備ができたら、前に生成したctbuild.xml
アーカイブ・ファイルを使用して、ADF Swingアプリケーションで必要とされる各種ランタイム・ライブラリのコンテキスト・ルートを設定する必要があります。これらのライブラリは、アプリケーションの実行に必要であり、HTTPを介してアクセス可能である必要があります。(たとえば、1つのコンテキスト・ルートはbc4j
であり、これによってbc4jmt.jar
ファイルがhttp://mymachine:8888/bc4j/lib/bc4jmt.jar
としてダウンロードできるようになります)。
ADF SwingアプリケーションをOracle WebLogic Serverにデプロイするには、生成されたclient_war.deploy
ファイルを使用してクラスをセットアップします。
ADF Swingフォームを実行してモデル・レイヤーにアクセスする場合、ADFビジネス・コンポーネントのデータ・モデル・プロジェクトに、デプロイメント・シナリオ用のアプリケーション・モジュール接続を指定するランタイム構成(bc4j.xcfg
)ファイルが含まれている必要があります。
JDeveloper内でADF Swingアプリケーションを実行する場合、アプリケーションは、デフォルトのローカル構成を使用します。
後で、ADFビジネス・コンポーネント・デプロイメント・シナリオを変更または新しく作成する場合、ランタイム構成を編集し、接続情報を更新できます。
注意: アプリケーション・モジュール・ランタイム構成を作成しない場合は、データ・モデル・プロジェクトの |
構成を作成するには、次のようにします。
「アプリケーション」ウィンドウで、データ・モデル・プロジェクトの「アプリケーション・ソース」フォルダの「model」パッケージを開き、アプリケーション・モジュール・ノードをダブルクリックします。
概要エディタの「構成」ナビゲーション・タブをクリックし、「新規構成オブジェクトの作成」をクリックします。
「構成の編集」ダイアログで、「アプリケーション・モジュール」タブをクリックし、中間層サーバー・タイプと前に定義した接続を選択します。
詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
構成を編集する手順は次のとおりです。
「アプリケーション」ウィンドウで、データ・モデル・プロジェクトの「アプリケーション・ソース」フォルダの「model」パッケージを開き、アプリケーション・モジュール・ノードをダブルクリックします。
概要エディタの「構成」ナビゲーション・タブをクリックし、リストから、編集する構成を選択し、「編集」をクリックします。
「構成の編集」ダイアログで、「アプリケーション・モジュール」タブをクリックし、中間層サーバー・タイプと前に定義した接続を選択します。
詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
「構成の編集」ダイアログで別の「中間層サーバー・タイプ」オプションを選択し、構成ファイルで指定されているデプロイメント・プラットフォームを変更した場合は、次のようにデータ・モデル・プロジェクトを更新して新規プラットフォーム用のライブラリを追加する必要があります。
データ・モデル・プロジェクトのデプロイメント・アーカイブを作成します。
「アプリケーション」ウィンドウで、デプロイメント・アーカイブ・フォルダを開きます。
ライブラリを更新するには、CommonアーカイブおよびMiddle Tierアーカイブ上の「projectname.jarに配布」を選択します。
注意: 構成にアクセスするときは、アプリケーション・モジュール用のADFデータ・コントロールを使用しますが、構成情報は |
ユーザー・インタフェース・プロジェクトで新しい構成を参照する場合、DataBindings.cpx
ファイルを編集する必要があります。
ADF Swingクライアントでデータ・モデル構成を参照する手順は次のとおりです。
ユーザー・インタフェース・プロジェクト・フォルダでDataBindings.cpx
ノードを見つけます。
「DataBindings.cpx」ノードを選択して、「構造ウィンドウ」を表示します。
「構造」ウィンドウで、dataControlUsagesノードを開いて、AppModuleDataControlノードを選択します。
「プロパティ」ウィンドウで「その他」セクションを開き、「構成」フィールドのドロップダウン・リストから目的の構成を選択します。
ADF Swingアプリケーションを実行する前に、アプリケーションのランタイム構成情報を設定する必要があります。アプリケーションでは、ランタイム構成を決定するために次のファイルが必要です。
アプリケーション・モジュール接続およびビジネス・コンポーネントのデプロイメント・シナリオを指定する、データ・モデル・プロジェクト内のADFビジネス・コンポーネント構成ファイル(bc4j.xcfg
)。
ADF Swingフォームで使用されるアプリケーション・モジュールおよびADFビジネス・コンポーネント・ランタイム構成を指定する、ユーザー・インタフェース・プロジェクト内のクライアント・データ・モデル定義ファイル(DataBindings.cpx
)。
ランタイム情報を使用する方法は2つあります。
JDeveloperでADF Swingアプリケーションをテストする場合
本番用にADF Swingアプリケーションをデプロイする場合
ケースごとに個別のADFビジネス・コンポーネント構成およびクライアント・データ・モデル定義を作成することが必要になります。
ADF Swingアプリケーション用のランタイム構成情報を設定する手順は次のとおりです。
アプリケーション・モジュール接続およびビジネス・コンポーネントのデプロイメント・シナリオを指定する、ADFビジネス・コンポーネント・ランタイム構成を(bc4j.xcfg
ファイル内に)作成します。
詳細は、第11.2項「ADFビジネス・コンポーネント・ランタイムのプロパティを定義する方法」を参照してください。
ADF Swingフォームで使用されるアプリケーション・モジュールおよびビジネス・コンポーネント・ランタイム構成を指定する、ADF Swingデータ・モデル定義を作成します。
詳細は、第2.6項「クライアント・データ・モデルの定義の作成方法」を参照してください。
ADF Swingウィザードを実行し、ADF Swingフォームまたはデータ・パネルを生成します。
ウィザードの「データ・モデル」ページで、前に作成したクライアント・データ・モデル定義を選択します。
詳細は、第2.1.1項「ADF Swingデザインタイム・ウィザード」を参照してください。
注意: また、「新規」をクリックして、別のアプリケーション・モジュールおよび選択したランタイム構成に基づいてデータ・モデル定義を作成できます。 |
「Java Web Startファイルの作成」ダイアログを使用してJSPページを作成します。このページは、JNLP定義を動的に生成するためにユーザーが簡単にWebブラウザから実行できます。ユーザーが、JNLPファイルを起動し、クライアント・マシンへのアプリケーションのダウンロードを開始します。
注意: 「Java Web Startファイルの作成」ダイアログを使用する前に、アプリケーションのランタイム構成情報を設定する必要があります。開発中に、デフォルトの 詳細は、第11.3項「ランタイム構成情報を設定する方法」を参照してください。 |
アプリケーションまたはアプレットのJNLP定義を作成するには、次の手順を実行します。
「アプリケーション」ウィンドウで、JNLP定義を生成するADF Swingユーザー・インタフェース・プロジェクトを右クリックし、「新規」→「ギャラリから」を選択します。
「新規ギャラリ」で、「クライアント層」を開き、「ADF Swing」を選択し、「ADF Swing用Java Web Start (JNLP)ファイル」を選択して「OK」をクリックします。
「Java Web Startファイルの作成」ダイアログで、JNLPファイルのプロパティを指定し、「OK」をクリックします。
注意: ビジネス・サービスとしてEJBを使用してADF Swingアプリケーションを実行する予定である場合は、JNLP定義内の |
ADF Swingユーザー・インタフェース・プロジェクトには、次のものが含まれるようになります。
webstart.jsp
: クライアントおよびADFビジネス・コンポーネント・アーカイブ・ファイル、およびADF Swingがアプレットであるかアプリケーションであるかを記述するJNLPファイルを動的に生成します。
webstartmt.jsp
: 最初の.jsp
ファイルへの拡張。特定のデプロイメント・シナリオに必要なADFビジネス・コンポーネント・ランタイム・ライブラリを記述するJNLPファイルを動的に生成します。
ctbuild.xml
ファイル: クライアント・サイド用の署名済アーカイブ・ファイルおよびADFビジネス・コンポーネント中間層クラスの作成に役立つAntベースのMakefile。
client_war.deploy
ファイル: WARファイル・デプロイメント・プロファイルの生成に使用します。
web.xml
ファイル: プロジェクト・ファイルのデプロイメント・ディスクリプタを定義します。
webstart.html file
: Java Web Startを使用してアプリケーションを起動するために使用します。
Oracle WebLogic Serverにアプリケーションをデプロイする際に、セキュリティを追加するためにJARファイルの認証を必要とする場合は、コマンド・プロンプト・ウィンドウを開いて、次のように証明書を作成します。
keytool -export -alias yourkeyname -file mykey.cert
ここで、yourkeynameは、JARの署名に使用する鍵の名前です。
鍵および証明書管理ツールの詳細は、http://docs.oracle.com/javase/7/docs/technotes/tools/solaris/keytool.html
を参照してください。
これで、ADF Swingアプリケーションを実行する前に、Webアーカイブを作成する準備ができました。詳細は、Oracle JDeveloperでのアプリケーションの開発のJava Web StartのADF Swing Webアーカイブの作成方法に関する項を参照してください。
Java Web Startを介したWebサーバーからのファイルのダウンロードをサポートするために、「Java Web Startファイルの作成」ダイアログで次のものが生成されます。
ctbuild.xml
Antビルド・ファイル: このビルド・ファイルを使用して、これらのアプリケーション・リソースを生成します。
client.jar
: ADF Swingアプリケーション・ソース・ファイルが含まれています。
mymt.jar
: ADFビジネス・コンポーネント・ソース・ファイルが含まれています。
client_war.deploy
プロファイル: JDeveloper mywork
フォルダのpublic_html
ディレクトリのコンテンツをデプロイするために使用します。したがって、client.jar
、mymt.jar
、および静的JNLPファイルまたはJSPファイルが含まれています。
さらに、.jsp
ファイルを介して、JNLP定義が動的に生成されます。
webstart.jsp
: クライアントおよびADFビジネス・コンポーネント・アーカイブ・ファイル、およびADF Swingがアプレットであるかアプリケーションであるかを記述するJNLPファイルを動的に生成できます。
webstartmt.jsp
: 最初の.jspファイルへの拡張。特定のデプロイメント・シナリオに必要なADFビジネス・コンポーネント・ランタイム・ライブラリを記述するJNLPファイルを動的に生成します。
ADF Swingアプリケーションまたはアプレットを本番Webサーバーにデプロイする前に、JDeveloperの統合WebLogic Serverを使用して、Java Web Startソフトウェアを使用し、ユーザーのアプリケーション実行をシミュレーションできます。
注意: Java Web Startを使用して実行している間は、JDeveloper内でADF Swingアプリケーションをデバッグできません。 |
自身のアプリケーション・ライブラリおよびJARファイルを使用して統合WebLogic Serverを設定するには、デプロイメント・プロファイルを作成する必要があります。Java Web Startは、ダウンロードするファイルとアプリケーションの起動方法を識別するために生成したJNLPファイルに依存します。詳細は、第11.4項「Java Web Start JNLP定義を作成する方法」を参照してください。
作業を始める前に、次のようにします。
選択したビジネス・コンポーネント・デプロイメント・シナリオ用のランタイム構成情報を設定します。
詳細は、第11.3項「ランタイム構成情報を設定する方法」を参照してください。
注意: ローカルモード・デプロイメントを使用してビジネス・コンポーネントのテストのみ行う場合は、デフォルトの |
ADF Swing Java Web Startウィザードによって生成されたctbuild.xml
Ant Makefileを使用してアプリケーション・コンポーネントをアーカイブします。
詳細は、Oracle JDeveloperでのアプリケーションの開発のJava Web StartのADF Swing Webアーカイブの作成方法に関する項を参照してください。
注意: ビルド・ファイルによって、プロジェクトの |
Java Web Startを使用してADF Swingアプリケーションを実行する手順は次のとおりです。
マシンにJava Web Startソフトウェアをインストールします。
ユーザー・インタフェース・プロジェクトで、local.htmlファイルを右クリックし、local.htmlの実行を選択して、このページでWebブラウザを起動します。
ADF Swingプロジェクトの起動リンクをクリックし、Java Web Startソフトウェアを使用してアプリケーションを実行します。
Java Web Startによるダウンロードが完了し、アプリケーションが起動された後、ブラウザを閉じます。Java Web Startを使用して、アプリケーションとセキュアなアプレットの両方を実行できます。
次にアプリケーションを実行すると、Java Web Startによって前のダウンロード以降に変更されたソース・ファイルまたはライブラリのみダウンロードされます。
注意: ADF Swingアプリケーションの実行を試み、 |