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Oracle® Fusion Middleware Oracle Coherenceチュートリアル
12c (12.1.3)
E56204-01
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A examples.zipファイル内のCoherenceのサンプル

Coherenceディストリビューションのexamples.zipファイルでは、多数のサンプル・コードが提供されています。これらのサンプルは、全言語(Java、.NETおよびC++)での基本的なCoherenceの機能、セキュリティおよびイベント機能の使用方法のデモです。サンプルは、1つまたは複数の使用方法を説明するコードのコレクションとして整理されています。また、各サンプルのビルドおよび実行方法は言語ごとに統一されています。

この付録の内容は、次のとおりです。

この付録で説明されているexamples.zipファイルのサンプルと、このチュートリアルの本体で説明されているサンプルには、多くの違いがあります。

A.1 examples.zipファイルで提供されているサンプル

Coherenceの基本機能のサンプルには、次のものが含まれています。

表A-1 Coherenceの基本機能のサンプル

サンプル名 説明

基本データ・アクセス

Coherenceデータ・グリッドからデータを「取得」、「挿入」および「削除」します。第A.5.3項「基本データ・アクセスのサンプル」を参照してください。

データのロード

Coherenceデータ・グリッドにサンプル・データをロードします。第A.5.4項「ローダーのサンプル」を参照してください。

パラレル問合せ

Coherenceデータ・グリッドの問合せを行います(索引の使用を含む)。第A.5.5項「問合せのサンプル」を参照してください。

Observable

Coherenceデータ・グリッド内のデータの変化をリスニングします。第A.5.6項「オブザーバーのサンプル」を参照してください。

処理

データ自身がCoherenceデータ・グリッドにある共存データを処理します。第A.5.7項「プロセッサのサンプル」を参照してください。

問合せ言語

Coherenceの問合せ言語の使用方法です。第A.5.5項「問合せのサンプル」を参照してください。


Coherenceのセキュリティのサンプルには、次のものが含まれています。

表A-2 Coherenceのセキュリティのサンプル

サンプル名 説明

パスワードのサンプル

Coherenceへのアクセスにパスワードを要求します。第A.6.2項「パスワードのサンプル」を参照してください。

アクセス制御のサンプル

簡略化されたロール・ベースのアクセス制御です。第A.6.3項「アクセス制御のサンプル」を参照してください。

パスワードIDトランスフォーマ

必要なパスワードを含むカスタム・セキュリティ・トークンを作成し、プリンシパル名のリストを追加します。第A.6.4項「パスワードIDトランスフォーマ」を参照してください。

パスワード・アイデンティティ・アサータ

セキュリティ・トークンに必要なパスワードが含まれることをアサートし、プリンシパル名のリストに基づいてサブジェクトを構成します。第A.6.5項「パスワード・アイデンティティ・アサータ」を参照してください。

資格が付与されるキャッシュ・サービス

アクセス制御用にキャッシュ・サービスをラップします。第A.6.6項「資格が付与されるキャッシュ・サービス」を参照してください。

資格が付与される起動サービス

アクセス制御用に起動サービスをラップします。第A.6.7項「資格が付与される起動サービス」を参照してください。

資格が付与される名前付きキャッシュ

アクセス制御用に名前付きキャッシュをラップします。第A.6.8項「資格が付与される名前付きキャッシュ」を参照してください。


Coherenceのライブ・イベントのサンプルは、Javaプラットフォームのみで使用できます。これには次の機能が含まれます。

表A-3 Coherenceのライブ・イベントのサンプル

サンプル名 説明

EventsExamples

イベント・タイプで分割された平均経過時間、イベント後と比較したイベント前の例外スローの異なるセマンティクス、および有効になった際のパーティション移動のロギングなどを提供するライブ・イベントの様々な機能を示しています。第A.7.2項「EventsExamples」を参照してください。

TimedTraceInterceptor

異なるタイプのイベントに対して、コミット前イベントとコミット後イベントの間のタイミングを提供します。第A.7.3項「TimedTraceInterceptor」を参照してください。

CantankerousInterceptor

挿入されるキーに基づいて、コミット前時間またはコミット後時間のどちらかにランタイム例外で応答します。第A.7.4項「CantankerousInterceptor」を参照してください。

RedistributionInterceptor

有効化された場合にパーティション・イベントをログに記録します。第A.7.5項「RedistributionInterceptor」を参照してください。

RedistributionInvocable

クラスタの様々なメンバーで実行されるアクション可能な3つの状態を定義します。状態とは、RedistributionInterceptorによるロギングの有効化、ロギングの無効化、またはinvocable (RedistributionInvocable)が実行されているJVMの終了です。第A.7.6「RedistributionInvocable」を参照してください。

LazyProcessor

イベントの処理間の実体のない遅延を作成します。第A.7.7項「LazyProcessor」を参照してください。


A.2 examples.zipファイルの入手

coherence_version.jarまたはwls_version.jarインストーラ・ファイルでCoherenceの完全なインストールを実行することによって、examples.zipファイルを入手できます。Coherenceのサンプルは、Oracle Universal Installerのインストール・オプションに表示されます。

すでにサンプルなしでCoherenceをインストールしている場合は、coherence_quick_supp_version.jarサプリメンタル・インストーラ・ファイルを実行することでexamples.zipファイルを入手できます。サプリメンタル・インストーラには、APIのドキュメントおよびサンプルのみが含まれます。

coherence_quick_version.jarクイック・インストーラ・ファイルはサンプルやAPIのドキュメントをインストールしないことに注意してください。

examples.zipファイルの内容をexamplesディレクトリに解凍します。

A.3 サンプルのビルド方法


注意:

.NETおよびC++用であっても、Javaのサンプルをビルドおよび実行する必要があります。これは、キャッシュ・サーバーはJavaで実行されているためです。


この項には次の情報が含まれます:

A.3.1 Javaサンプルのビルド方法

この項には次の情報が含まれます:

A.3.1.1 Javaでの前提条件

サンプルをビルドするには、Coherenceバージョン3.7以上およびJava development kit (JDK) 1.6以上が必要です。次の環境変数が設定されていることを確認します。

環境変数 説明

$COHERENCE_HOME

COHERENCE_HOME環境変数が、解凍されたCoherence 3.7のディレクトリの場所を指していることを確認します。

$JAVA_HOME

サンプルをビルドする前に、JAVA_HOME環境変数が1.6以上のJDKの場所を指していることを確認します。サンプルを実行するには、1.6以上のJavaランタイムが必要です。


A.3.1.2 Javaでのディレクトリ構造

次で説明するディレクトリ構造は、examplesディレクトリを基準としたものです。

表A-4 Javaでのディレクトリ構造

ディレクトリ名 説明

java/bin

サンプルをビルドおよび実行するスクリプトです。2セットのスクリプトがあります。ファイルの拡張子がないスクリプトは、bashスクリプトです。ファイルの拡張子が.cmdのスクリプトは、Windowsコマンド・スクリプトです。次の説明では、ファイルの拡張子を指定しないスクリプト名を参照しています。

  • build—サンプルをビルド

java/src

すべてのサンプルのソースです。サンプルは、com.tangosol.examples.<example name>パッケージにあります。キャッシュに格納されたオブジェクト用のクラスは、com.tangosol.examples.pofパッケージにあります。

java/classes

ビルドによって出力されるクラス・ファイルです。このディレクトリは、ビルド・スクリプトを実行するまで存在しません。

java/resource/config

サンプルに必須の共通Coherence構成ファイルです。

java/resource/<example name>

サンプルが共通構成のかわりとなる構成を必要とする場合、それは自身のディレクトリにあります。セキュリティのサンプルは、java/resource/securityの構成ファイルを使用します。

$COHERENCE_HOME/lib

サンプルのコンパイルおよび実行に使用されるCoherenceのライブラリです。


A.3.1.3 Javaでのビルド手順

サンプル・コレクションの名前とともにビルド・スクリプトを実行します。たとえば、bin/build contactsbin/build security、またはbin/build eventsのようにします。

スクリプトによってPOFパッケージ・ファイルがビルドされ、次に特定のサンプルのファイルがビルドされます。Windowsでは、ディレクトリを/binディレクトリに変更してからスクリプトを実行します。

A.3.2 .NETサンプルのビルド方法

この項には次の情報が含まれます:

A.3.2.1 .NETでの前提条件

サンプルをビルドするには、Coherence for .NETバージョン3.7以上およびVisual Studio 2008以上またはVisual Studio 2008 Express以上が必要です。

サンプルを実行するには、Coherence 3.7以上のJavaバージョンおよびJava development kit (JDK) 1.6以上が必要です。Coherence*Extendプロキシおよびキャッシュ・サーバーにはJavaが必要であるため、Javaバージョンが必要になります。また、サンプルはプロキシおよびキャッシュ・サーバーを実行する前にビルドする必要があるJavaサンプル・クラスに依存しています。ビルドおよび実行方法の手順は、Javaサンプルのreadme.txtファイルを参照してください。Javaのrun-proxyスクリプトを実行する必要があることに注意してください。プロキシは記憶域が有効であるため、Javaのrun-cache-serverはオプションです。

A.3.2.2 .NETでのディレクトリ構造

次で説明するディレクトリ構造は、examplesディレクトリを基準としたものです。

表A-5 .NETでのディレクトリ構造

ディレクトリ名 説明

dotnet\src

すべてのサンプルのソースです。サンプルは、Tangosol.Examples.<example name>ネームスペース内にあります。キャッシュに格納されたオブジェクト用のクラスは、Tangosol.Examples.Pofネームスペース内にあります。

サンプルは、Visual Studio 2008のサンプル・ソリューションの中にあります。srcディレクトリに、サンプルごとのVisual Studio 2008プロジェクトがあります。たとえば、srcにはcontactsおよびsecurityサンプル用のプロジェクトが含まれています。

サンプルに必須のCoherence構成ファイルです。

src\pof\config

サンプルに必須の共通Coherence構成ファイルです。

src\<example name>\config

サンプルが共通構成のかわりとなる構成を必要とする場合、それは自身のディレクトリにあります。セキュリティのサンプルは、security\configの構成ファイルを使用します。


A.3.2.3 .NETでのビルド手順

Visual Studioでexamples\dotnet\src\contacts.csprojディレクトリからサンプル・プロジェクトを開く

.NET Framework用のCoherence 3.7をインストールする際に、インストーラがアセンブリ・レジストリにcoherence.dllライブラリを登録します。含まれているVisual Studioプロジェクトは、デフォルトの場所にあるcoherence.dllを参照しています。別のバージョンのライブラリが必要な場合、またはデフォルトの場所にインストールされていない場合は、参照を構成する際にCoherence参照がオーバーライドされる可能性があります。local copy属性をtrueに設定していることを確認してください。この設定によって、bin\debugディレクトリにある正しいcoherence.dllがコピーされて登録されます。

必要なCoherence 3.7 for .NETが構成された後、Visual Studioでメニューから「Build」「Build Solution」を選択するか、「Build Solution」 (F6)などを選択してソリューションをビルドします。

contactsサンプルをビルドすると、resource\contacts.csvがビルド出力ディレクトリ(examples\dotnet\src\bin\Debug)にコピーされます。

A.3.3 C++サンプルのビルド方法

この項には次の情報が含まれます:

A.3.3.1 C++での前提条件

サンプルを実行するには、Coherence 3.7以上のJavaバージョンおよびJava development kit (JDK) 1.6以上が必要です。Coherence*Extendプロキシおよびキャッシュ・サーバーにはJavaが必要であるため、Javaバージョンが必要になります。また、サンプルはプロキシおよびキャッシュ・サーバーを実行する前にビルドする必要があるJavaサンプル・クラスに依存しています。ビルドおよび実行方法の手順は、Javaサンプルのreadme.txtを参照してください。Javaのrun-proxyスクリプトを実行する必要があることに注意してください。プロキシは記憶域が有効であるため、Javaのrun-cache-serverはオプションです。

次の環境変数が設定されていることを確認します。

環境変数 説明

%COHERENCE_HOME%

COHERENCE_HOME環境変数が、解凍されたCoherence 3.7 (以上)のディレクトリの場所を指していることを確認します。

%JAVA_HOME%

サンプルをビルドする前に、JAVA_HOME環境変数が1.6以上のJDKの場所を指していることを確認します。サンプルを実行するには、1.6以上のJavaランタイムが必要です。

%COHERENCE_CPP_HOME%

COHERENCE_CPP_HOME環境変数が解凍されたC++開発環境の場所を指していることを確認します。コンパイラ環境がサポートされています。


A.3.3.2 C++でのディレクトリ構造

次で説明するディレクトリ構造は、examplesディレクトリを基準としたものです。

表A-6 C++でのディレクトリ構造

ディレクトリ名 説明

cpp\bin

サンプルをビルドおよび実行するスクリプトです。ファイルの拡張子がないスクリプトは、bashスクリプトです。ファイルの拡張子が.cmdのスクリプトは、Windowsコマンド・スクリプトです。次の説明では、ファイルの拡張子を指定しないスクリプト名を参照しています。

cpp

<example name> (contactsおよびsecurityなど)およびpofディレクトリの下に編成されているすべてのサンプル・ソースです。

cpp\contacts

contactsサンプルのソースです。サンプルは、coherence::examplesネームスペース内にあります。examplesの次のレベルの名前は、関連するサンプル・クラスのセットを表しています。coherence::examples::LoaderExampleの「Driver」は、contactsサンプルのローダーです。サンプルの名前は、coherence::examplesの後の名前です。

cpp\security

securityサンプルのソースです。サンプルは、coherence::examplesネームスペース内にあります。

cpp\pof

データ・モデルはこのディレクトリ内に加え、シリアライズされるクラスで表されます。これは、既存のデータ・モデルの使用方法を示し、Coherence内で公開するためです。モデル・クラスにはいかなるCoherence固有のコードも含まれていないことが、この点を立証しています。ただし、各モデル・タイプに関連付けられているシリアライザがあります。たとえばContactには、モデル・タイプのCoherenceへの登録およびシリアライズ操作を目的とするContactSerializerクラスがあります。

生成される出力は、動的ライブラリ形式です。

cpp\config

サンプルに必須の共通Coherence構成ファイルです。

cpp\config\<example name>

サンプルが共通構成のかわりとなる構成を必要とする場合、それは自身のディレクトリにあります。セキュリティのサンプルは、config/securityの構成ファイルを使用します。

cpp\<example name>\out

ビルドによって出力されるオブジェクト・ファイルです。このディレクトリは、ビルド・スクリプトを実行するまで存在しません。

%COHERENCE_CPP_HOME%\include

Coherenceのヘッダー・ファイルが含まれています。

%COHERENCE_CPP_HOME%\lib

Coherenceのライブラリが含まれています。


A.3.3.3 C++でのビルド手順

この項には次の情報が含まれます:

WindowsでのC++のビルド手順

開発環境のコマンド・プロンプトを開きます。これは、Visual StudioまたはプラットフォームSDKとともにインストールされているはずです。C++ examplesディレクトリに移動し、bin\build.cmd <example name>と入力します。これによって、pof (モデル)およびexample実行可能ファイルの両方がビルドされます。たとえば、bin\build.cmd contactsまたはbin\build.cmd securityと入力します。

モデルは、pof.libおよびpof.dllファイルをcpp\pof\outの下に配置します。これらは、contactsおよびsecurityサンプルのビルドおよび実行に必要です。

実行可能ファイルcontacts.exeは、cpp\contacts\outディレクトリに生成されます。実行可能ファイルsecurity.exeは、cpp\security\outディレクトリに生成されます。

contactsサンプルを実行するには、プロキシ・サーバー、java\bin\run-proxyおよび追加のキャッシュ・サーバーjava\bin\run-cache-serverを起動してから、bin\run.cmd contactsと入力します。

また、任意のコマンド・ウィンドウよりcdでC++ binディレクトリに移動し、サンプルをビルドする前にvcvars32.batを実行することもできます。デフォルトのVisual Studioのインストールでは、binディレクトリはC:\Program Files\Mircorsoft Visual Studio 9.0\vc\binです。前の手順に従い、buildスクリプトを実行します。

Linux/MacおよびSolarisでのC++のビルド手順

コマンド・シェルを開きます。C++ examplesディレクトリに移動し、bin/build <example name>と入力します。これによって、pof (モデル)およびcontactsサンプル実行可能ファイルの両方がビルドされます。

モデルの動的ライブラリおよびlibファイルがcpp/pof/outに配置されます。これらは、contactsおよびsecurityサンプルのビルドおよび実行に必要です。

実行可能ファイルであるcontactsが、cpp/contacts/outまたはcpp/security/outに生成されます。

A.4 サンプルの実行方法


注意:

Coherenceのサンプルはソースとして配布されるため、まずビルドする必要があります。第A.3項「サンプルのビルド方法」を参照してください。


この項には次の情報が含まれます:

A.4.1 Javaサンプルの実行方法

この項には次の情報が含まれます:

A.4.1.1 Javaでの前提条件

サンプルを実行するには、Coherenceバージョン3.7およびJava development kit (JDK) 1.6以上が必要です。

環境変数 説明

$COHERENCE_HOME

COHERENCE_HOME環境変数が、解凍されたCoherence 3.7のディレクトリの場所を指していることを確認します。

$JAVA_HOME

サンプルをビルドする前に、JAVA_HOME環境変数が1.6以上のJDKの場所を指していることを確認します。サンプルを実行するには、1.6以上のJavaランタイムが必要です。


A.4.1.2 Javaでのディレクトリ構造

次で説明するディレクトリ構造は、サンプルを解凍したexamplesディレクトリを基準としたものです。

表A-7 Javaでのディレクトリ構造

ディレクトリ名 説明

java/bin

サンプルをビルドおよび実行するスクリプトです。2セットのスクリプトがあります。ファイルの拡張子がないスクリプトは、bashスクリプトです。ファイルの拡張子が.cmdのスクリプトは、Windowsコマンド・スクリプトです。次の説明では、ファイルの拡張子を指定しないスクリプト名を参照しています。

  • run—サンプル・コレクションを実行

  • run-cache-server—サンプルが使用するキャッシュ・サーバーを実行

  • run-proxy—プロキシ・ノードを実行いくつかのJavaサンプルではオプション。.NETおよびC++では必須。サンプルをビルドした後にのみ可能

java/classes

ビルドによって出力されるクラス・ファイルです。このディレクトリは、ビルド・スクリプトを実行するまで存在しません。

java/resource/config

サンプルに必須の共通Coherence構成ファイルです。

java/resource/<example name>

サンプルが共通構成のかわりとなる構成を必要とする場合、それは自身のディレクトリにあります。securityサンプルは、java/resource/securityの構成ファイルを使用します。

$COHERENCE_HOME/lib

サンプルのコンパイルおよび実行に使用されるCoherenceのライブラリです。

resource

連絡先サンプルのLoaderExampleに使用するデータ・ファイルcontacts.csvです。


A.4.1.3 Javaでの手順

runスクリプトを実行します。サンプルの実行は、2つの部分から構成されています。

連絡先のサンプル

  1. bin/run-cache-serverで1つ以上のキャッシュ・サーバーを起動します。実行するたびにキャッシュ・サーバー・クラスタ・ノードが起動します。ノードを追加するには、新しいコマンド・シェルでコマンドを実行します。

  2. 新しいコマンド・シェルで、サンプルの名前を使用してbin/run contactsを実行します。Driver.mainメソッドがサンプルの機能を実行し、出力はコマンド・ウィンドウ(stdout)に送られます。

Coherence 3.7以上では、新しい問合せ言語機能のサンプルが追加されています。このサンプルは、Coherence InvocationServiceを使用する簡単なヘルパー・クラスFilterFactoryの構成および使用方法を示しています。

セキュリティのサンプル

securityサンプルには、プロキシを使用するCoherence*Extendが必要です。

  1. bin/run-proxy securityを実行して、プロキシを起動します。

    オプションで、contactsサンプルで説明されているように、1つ以上のキャッシュ・サーバーを起動します。プロキシは記憶域が有効であるため、プロキシおよびキャッシュ・サーバー・ノードの両方のように動作します。

  2. 新しいコマンド・シェルで、サンプルの名前を使用してbin/run securityを実行します。Driver.mainメソッドがサンプルの機能を実行し、出力はコマンド・ウィンドウ(stdout)に送られます。

イベントのサンプル

  1. bin/run-cache-serverで1つ以上のキャッシュ・サーバーを起動します。実行するたびにキャッシュ・サーバー・クラスタ・ノードが起動します。ノードを追加するには、新しいコマンド・シェルでコマンドを実行します。

  2. 新しいコマンド・シェルで、サンプルの名前を使用してbin/run eventsを実行します。Driver.mainメソッドがサンプルの機能を実行し、出力はコマンド・ウィンドウ(stdout)に送られます。

A.4.2 .NETサンプルの実行方法

この項には次の情報が含まれます:

A.4.2.1 .NETでの前提条件

サンプルを実行するには、Coherence for .NETバージョン3.7以上およびVisual Studio 2008以上が必要です。サンプルを実行するには、Javaサンプルをビルドする必要もあります。Coherence*Extendプロキシおよびキャッシュ・サーバーにはJavaが必要であるため、Javaバージョンが必要になります。

また、サンプルはプロキシおよびキャッシュ・サーバーを実行する前にビルドする必要があるJavaサンプル・クラスに依存しています。

A.4.2.2 .NETでのディレクトリ構造

次で説明するディレクトリ構造は、「examples」ディレクトリを基準としたものです。

表A-8 .NETでのディレクトリ構造

ディレクトリ名 説明

resource

連絡先サンプルのLoaderExampleに使用するデータ・ファイルcontacts.csvです。


A.4.2.3 .NETでの手順

次の項には、contactsおよびsecurityサンプルの実行手順が含まれています。

contacts

  1. Javaの手順に従い、1つのプロキシ・サーバー(run-proxy)およびゼロ個以上のキャッシュ・サーバー(run-cache-server)を起動します。

  2. Visual Studioからcontactsプロジェクトをデバッグなしで起動するか、コマンド・シェルのビルドで生成されたcontacts.exeを実行します。Driver.Mainメソッドがサンプルの機能を実行し、出力はコマンド・ウィンドウ(stdout)に送られます。

Coherence 3.7以上では、新しい問合せ言語機能の新しいサンプルが統合されました。このサンプルは、Coherence InvocationServiceを使用する簡単なヘルパー・クラス「FilterFactory」の構成および使用方法を示しています。

security

  1. Javaのreadme.txtの手順に従い、1つのプロキシ・サーバー(java/bin/run-proxy security)およびゼロ個以上のキャッシュ・サーバーを起動します。

  2. Visual Studioからsecurityプロジェクトをデバッグなしで起動するか、コマンド・シェルのビルドで生成されたcontacts.exeを実行します。Driver.Mainメソッドがサンプルの機能を実行し、出力はコマンド・ウィンドウ(stdout)に送られます。

A.4.3 C++サンプルの実行方法

この項には次の情報が含まれます:

A.4.3.1 C++での前提条件

サンプルをビルドするには、Coherenceバージョン3.7の適切なC++ライブラリが必要です。また、C++開発環境も必要です。サンプルを実行するには、Javaサンプルをビルドする必要もあります。Coherence*Extendプロキシおよびキャッシュ・サーバーにはJavaが必要であるため、Javaバージョンが必要になります。また、サンプルはプロキシおよびキャッシュ・サーバーを実行する前にビルドする必要があるJavaサンプル・クラスに依存しています。

環境変数 説明

$COHERENCE_CPP_HOME

COHERENCE_CPP_HOME環境変数が、解凍されたCoherence 3.7 (以上)のC++インストールのディレクトリの場所を指していることを確認します。


サポートされているC++コンパイラ:

  • Windows—Microsoft Visual C++ Express/Studio 2008以上または同等のプラットフォームSDK

  • Linux—g++ 4.0

  • Mac—g++ 4.0

A.4.3.2 C++でのディレクトリ構造

次で説明するディレクトリ構造は、examplesディレクトリを基準としたものです。

表A-9 C++でのディレクトリ構造

ディレクトリ名 説明

cpp/bin

サンプルをビルドおよび実行するスクリプトです。ファイルの拡張子がないスクリプトは、bashスクリプトです。ファイルの拡張子が.cmdのスクリプトは、Windowsコマンド・スクリプトです。次の説明では、ファイルの拡張子を指定しないスクリプト名を参照しています。

  • run—サンプルの実行。java/bin/run-proxyの起動が必要

cpp

contactsおよびmodelディレクトリの下に編成されているすべてのサンプル・ソースです。

contact/out

ビルドによって出力されるオブジェクト・ファイルです。このディレクトリは、ビルド・スクリプトを実行するまで存在しません。

resource

contactsのLoaderExampleに使用するデータ・ファイルcontacts.csvです。

cpp/contacts

contactsのサンプル・ソースが含まれています。

cpp/security

securityのサンプル・ソースが含まれています。

cpp/pof

datamodelのソースおよびシリアライズに必要なすべてのクラスが含まれています。

$COHERENCE_CPP_HOME/include

Coherenceのヘッダー・ファイルが含まれています。

$COHERENCE_CPP_HOME/lib

Coherenceのライブラリが含まれています。


A.4.3.3 C++での手順

runスクリプトを実行します。サンプルの実行は、2つの部分から構成されています。新しいコマンド・シェルから次を実行します。

連絡先のサンプル

  1. java/bin/run-proxy contactsを実行して、1つのプロキシ・サーバーを起動します。

    オプションで、bin/run-cache-serverを実行して1つ以上のキャッシュ・サーバーを起動します。実行するたびにキャッシュ・サーバー・クラスタ・ノードが起動します。ノードを追加するには、新しいコマンド・シェルでコマンドを実行します。

  2. 新しいコマンド・シェルで、runにサンプルの名前を付けて実行します。

    連絡先サンプルをWindowsで実行する場合:

    bin\run.cmd contactsと入力

    連絡先サンプルをLinux/MacおよびSolarisで実行する場合:

    bin/run contactsと入力

    Driver.mainメソッドがサンプルの機能を実行し、出力はコマンド・ウィンドウ(stdout)に送られます。

Coherence 3.7以上では、新しい問合せ言語機能のサンプルが追加されています。このサンプルは、Coherence InvocationServiceを使用する簡単なヘルパー・クラスFilterFactoryの構成および使用方法を示しています。

セキュリティのサンプル

  1. java/bin/run-proxy securityを実行して、1つのプロキシ・サーバーを起動します。

    オプションで、bin/run-cache-serverを実行して1つ以上のキャッシュ・サーバーを起動します。実行するたびにキャッシュ・サーバー・クラスタ・ノードが起動します。ノードを追加するには、新しいコマンド・シェルでコマンドを実行します。

  2. 新しいコマンド・シェルで、runにサンプルの名前を付けて実行します。

    セキュリティ・サンプルをWindowsで実行する場合:

    bin\run.cmd securityと入力

    セキュリティ・サンプルをLinux/MacおよびSolarisで実行する場合:

    bin/run securityと入力

    Driver.mainメソッドがサンプルの機能を実行し、出力はコマンド・ウィンドウ(stdout)に送られます。

A.5 Coherenceの基本機能のサンプル

Coherenceの基本機能のサンプルは、単純化された連絡先情報をトラッキングすることによってCoherenceの基本機能の使用方法を説明するサンプルのコレクションで、次のものが含まれています。

このサンプル・セットは、これらのデータ・モデル・クラスで表されるサンプル・データを使用します。

表A-10 機能サンプル用のデータ・モデル・クラス

名前 説明

Address

アドレス情報

Contact

連絡先情報(住所および電話番号を含む)

ContactId

連絡先情報へのキー(連絡先名)

PhoneNumber

電話番号


このサンプル・セットには、サンプルのContacts情報を含むカンマ区切り値のファイルであるcontacts.csvファイルも付属しています。

A.5.1 サンプル・セットの実行

  1. 次の情報を確認します。

  2. 第A.5.2項「機能ドライバ・ファイルの理解」にあるドライバの実装情報を確認します。

A.5.2 機能ドライバ・ファイルの理解

ドライバ・ファイルには、すべての連絡先サンプルを次の順番で実行するstaticメソッドmainがあります。

  1. LoaderExample

  2. QueryExample

  3. QueryLanguageExample

  4. ObserverExample

  5. BasicExample

  6. ProcessorExample

ドライバ・ファイルは、Coherenceをサポートしている3つのプログラミング言語のそれぞれで実装されています。

言語 実装クラス

Java

java/srccom.tangosol.examples.contacts.Driver

.NET

dotnet/src/contactsのTangosol.Examples.Contactsネームスペース内にあるDriver

C++

cpp/contactscoherence::examplesネームスペース内にあるDriver


次の概要が示されている各サンプルの詳細は、サンプル・セットのexamples.zipファイルを参照してください。

A.5.3 基本データ・アクセスのサンプル

このサンプルは、データの取得、挿入および削除を含むCoherenceの最も基本的なデータ・アクセス機能を示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.contacts.BasicExample

  • キャッシュでのContactIdContactとの関連付け:

    cache.put(contactId, contact);
    
  • ContactIdと関連付けられたContactをキャッシュから取得:

    contact = (Contact) cache.get(contactId);
    
  • ContactIdからContactへのマッピングをキャッシュから削除:

    cache.remove(contactId);
    

.NET

実装クラス: dotnet/src/contactsTangosol.Examples.Contactsネームスペース内にあるBasicExample

  • キャッシュでのContactIdContactとの関連付け:

    cache.Add(contactId, contact);
    
  • ContactIdと関連付けられたContactをキャッシュから取得:

    contact = (Contact)cache[contactId];
    
  • ContactIdからContactへのマッピングをキャッシュから削除:

    cache.Remove(contactId);
    

C++

実装クラス: cpp/contactscoherence::examplesネームスペース内にあるBasicExample

  • キャッシュでのContactIdContactとの関連付け:

    hCache->put(vContactId, vContact);
    
  • ContactIdと関連付けられたContactをキャッシュから取得:

    vContact = cast<Managed<Contact>::View>(hCache->get(vContactId));
    
  • ContactIdからContactへのマッピングをキャッシュから削除:

    hCache->remove(vContactId);
    

A.5.3.1 出力例

出力例(「オブザーバのサンプル」による):

例A-1 基本データ・アクセスのサンプルの出力例

entry inserted:
John Nocyefqgqo
Addresses
Home: 1500 Boylston St.
null
Obopnof, NM 88824
US
Work: 8 Yawkey Way
null
Ssedhvmdeq, OR 84217
US
Phone Numbers
work: +11 0 707 3776578
Birth Date: 1971-12-31
entry deleted:
John Nocyefqgqo
Addresses
Home: 1500 Boylston St.
null
Obopnof, NM 88824
US
Work: 8 Yawkey Way
null
Ssedhvmdeq, OR 84217
US
Phone Numbers
work: +11 0 707 3776578
Birth Date: 1971-12-31

A.5.4 ローダーのサンプル

このサンプルは、ファイルまたはストリームからキャッシュに連絡先をロードします。

ここでは、バルク挿入を使用する最も効率的なキャッシュへのデータの挿入方法を示します。これによって、アプリケーションとキャッシュの間のネットワーク・ラウンドトリップの数が最小化されます。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.contacts.LoaderExample

cache.putAll(mapBatch);

.NET

実装クラス: dotnet/src/contactsTangosol.Examples.Contactsネームスペース内にあるLoaderExample

cache.InsertAll(dictBatch);

C++

実装クラス: cpp/contactscoherence::examplesネームスペース内にあるLoaderExample

hCache->putAll(hMapBatch);

A.5.4.1 出力例

例A-2 LoaderExampleの出力例

.........Added 10000 entries to cache

A.5.5 問合せのサンプル

QueryExampleは連絡先を問い合せるサンプルを実行します。

このサンプルの目的は、キャッシュ・データ上にExtractorsを作成する方法およびキャッシュ・キー用のKeyExtractorを作成する方法を説明することです。また、索引を使用してデータセットをフィルタし、効率的に一致セットを作成する方法も示します。最後に、いくつかの内蔵キャッシュ・アグリゲータを使用してキャッシュ・データに対して簡単な計算タスクを行う方法についても示します。コードのサブセットを次に示します。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.contacts.QueryExample

  • 問合せをさらに効率化する索引を追加

    cache.addIndex(new ChainedExtractor("getHomeAddress.getState"), /*fOrdered*/ false, /*comparator*/ null);
    
  • すべてのMassachusettsに住む人の連絡先を検索

    Set setResults = cache.entrySet(new EqualsFilter("getHomeAddress.getState", "MA"));
    
  • キャッシュ・データセット全体でnAgeよりも年齢が高い人の連絡先をカウント

    System.out.println("count > " + nAge + ": " + cache.aggregate(new GreaterFilter("getAge", nAge), new Count()));
    

.NET

実装クラス: dotnet/src/contactsTangosol.Examples.Contactsネームスペース内にあるQueryExample

  • 問合せをさらに効率化する索引を追加

    cache.AddIndex(new ChainedExtractor("getHomeAddress.getState"),/*fOrdered*/ false, /*comparator*/ null);
    
  • すべてのMassachusettsに住む人の連絡先を検索

    ICacheEntry[] aCacheEntry = cache.GetEntries(new EqualsFilter("getHomeAddress.getState", "MA"));
    
  • キャッシュ・データセット全体でnAgeよりも年齢が高い人の連絡先をカウント

    Console.WriteLine("count > " + nAge + ": "+ cache.Aggregate(new GreaterFilter("getAge", nAge), new
    Count()));
    

C++

実装クラス: cpp/contactscoherence::examplesネームスペース内にあるQueryExample

  • 問合せをさらに効率化する索引を追加

    ValueExtractor::View vHomeStateExtractor = ChainedExtractor::create(
    ChainedExtractor::createExtractors("getHomeAddress.getState"));
    
  • すべてのMassachusettsに住む人の連絡先を検索

    Object::View voStateName = String::create("MA");
    Set::View setResults = hCache->entrySet(
    EqualsFilter::create(vHomeStateExtractor, voStateName));
    
  • キャッシュ・データセット全体でnAgeよりも年齢が高い人の連絡先をカウント

    Integer32::View nAge = Integer32::valueOf(58);
    Object::View vResult = hCache->aggregate( (Filter::View) GreaterFilter::create(vAgeExtractor, nAge), Count::create());
    std::cout << "count > " << nAge->getValue() << ": " << vResult << std::endl;
    

A.5.5.1 出力例

10,000件の連絡先および複数の問合せがあるため、出力例は大きくなります。次は、Massachusetts居住者の問合せのサンプルです。

例A-3 問合せのサンプルの出力例

MA Residents
ConverterEntry{Key="John Scqngqda", Value="John Scqngqda
Addresses
Home: 265 Beacon St.
Oaskxm, MA 88259
US
Work: Yoyodyne Propulsion Systems
330 Lectroid Rd.
Grover's Mill, OK 95744
US
Phone Numbers
work: +11 88 903 8991283
home: +11 98 553 5878221
Birth Date: 1960-01-03"}

A.5.6 オブザーバーのサンプル

ObserverExampleは、MapListenerを使用してキャッシュ・データの挿入、更新および削除などのキャッシュ・イベントをモニターする方法を示します。コードのサブセットを次に示します。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.contacts.ObserverExample

  • ContactChangeListenerMapListenerインタフェースを実装するクラス

    cache.addMapListener(new ContactChangeListener());
    

.NET

実装クラス: dotnet/src/contactsTangosol.Examples.Contactsネームスペース内にあるObserverExample

  • ContactChangeListenerICacheListenerインタフェースを実装するクラス

    cache.AddCacheListener(new ContactChangeListener());
    

C++

実装クラス: cpp/contactscoherence::examplesネームスペース内にあるObserverExample

  • ContactChangeListenerはCoherence extendマクロを使用してMapListener型を拡張したクラス

    ContactChangeListener::Handle hListener = ContactChangeListener::create();
    hCache->addFilterListener(hListener);
    
  • ContactChangeListenerの定義:

    class ContactChangeListener
       : public class_spec<ContactChangeListener,
          extends <MapListener> >
    

このサンプルを実行しても、即座に出力はされません。エントリが挿入、更新および削除されると、登録されたリスナーによってそれが出力されます。更新の場合、古い値および新しい値の両方が出力されます。「基本データ・アクセスのサンプル」および「プロセッサのサンプル」を実行すると、エントリが変更されて出力が発生します。

A.5.7 プロセッサのサンプル

ProcessorExampleは、プロセッサを使用してキャッシュ内のデータ・セットを変更する方法を示します。次のコード・サンプルでは、MAに住むすべての人の連絡先の勤務先アドレスが更新されます。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.contacts.ProcessorExample

ヘルパー・クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.contacts.OfficeUpdater

  • MAに住むすべての人の連絡先にOfficeUpdaterを適用。OfficeUpdaterは、AbstractProcessorを拡張することによってInvocableMap.EntryProcessorインタフェースを実装しているクラス

    cache.invokeAll(new EqualsFilter("getHomeAddress.getState", "MA"), new OfficeUpdater(addrWork));
    

.NET

実装クラス: dotnet/src/contactsTangosol.Examples.Contactsネームスペース内にあるProcessorExample

ヘルパー・クラス: dotnet/src/contactsTangosol.Examples.Contactsネームスペース内にあるOfficeUpdater

  • MAに住むすべての人の連絡先にOfficeUpdaterを適用。OfficeUpdaterは、AbstractProcessorを拡張することによってIEntryProcessorインタフェースを実装しているクラス

    cache.InvokeAll(new EqualsFilter("getHomeAddress.getState", "MA"), new OfficeUpdater(addrWork));
    

C++

実装クラス: cpp/contactscoherence::examplesネームスペース内にあるProcessorExample

ヘルパー・クラス: cpp/contactscoherence::examplesネームスペース内にあるOfficeUpdater

  • OfficeUpdaterUpdaterProcessor型を拡張したクラス

    class OfficeUpdater
    : public class_spec<OfficeUpdater,
    extends<UpdaterProcessor>,
    implements<PortableObject> >
    
  • MAに住むすべての人の連絡先にOfficeUpdaterを適用。

    Filter::View vEqualsFilter = EqualsFilter::create(
    ChainedExtractor::create(ChainedExtractor::createExtractors(
    "getHomeAddress.getState")),
    String::create("MA"));
    InvocableMap::EntryProcessor::Handle hOffice = OfficeUpdater::create(addrWork);
    Map::View vMap = hCache->invokeAll(vEqualsFilter, hOffice);
    

A.5.7.1 出力例

出力例(「オブザーバのサンプル」による)は、連絡先の件数が多いため大きくなります。次のように出力されます。

例A-4 プロセッサのサンプルの出力例

entry updated
old value:
John Keau
Addresses
Home: 443 Beacon St.
Ophvowvw, MA 06539
US
Work: Yoyodyne Propulsion Systems
330 Lectroid Rd.
Grover's Mill, FL 86812
US
Phone Numbers
work: +11 8 919 9456102
home: +11 25 759 588823
Birth Date: 1968-12-31
new value:
John Keau
Addresses
Home: 443 Beacon St.
Ophvowvw, MA 06539
US
Work: 200 Newbury St.
Yoyodyne, Ltd.
Boston, MA 02116
US
Phone Numbers
work: +11 8 919 9456102
home: +11 25 759 588823
entry updated
old value:
John Lbggblkd
Addresses
Home: 929 Beacon St.
Trwylbmf, MA 50358
US
Work: Yoyodyne Propulsion Systems
330 Lectroid Rd.
Grover's Mill, AZ 19164
US
Phone Numbers
work: +11 60 699 203810
home: +11 34 149 5018157
Birth Date: 1964-01-02
new value:
John Lbggblkd
Addresses
Home: 929 Beacon St.
Trwylbmf, MA 50358
US
Work: 200 Newbury St.
Yoyodyne, Ltd.
Boston, MA 02116
US
Phone Numbers
work: +11 60 699 203810
home: +11 34 149 5018157
Birth Date: 1964-01-02
Birth Date: 1968-12-31

A.5.8 問合せ言語

このサンプルは、連絡先を問い合せるサンプルの実行方法を示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.query.QueryExample

  • 問合せをさらに効率化する索引を追加

    cache.addIndex(ff.createExtractor("age"), /*fOrdered*/ true, /*comparator*/ null);
    cache.addIndex(ff.createExtractor("homeAddress.state"), /*fOrdered*/ false, /*comparator*/ null);
    
  • すべてのMassachusettsに住む人の連絡先を検索

    Set setResults = cache.entrySet(ff.createFilter("homeAddress.state = 'MA'"));
    
  • キャッシュ・データセット全体でnAgeよりも年齢が高い人の連絡先をカウント

    final int nAge = 58;
    Object[] aEnv = new Object[] {new Integer(nAge)};
    System.out.println("count > " + nAge + ": " + cache.aggregate(ff.createFilter("age > ?1", aEnv), new
    Count()));
    

.NET

実装クラス: dotnet/src/queryTangosol.Examples.Queryネームスペース内にあるSimpleQueryExample

  • 問合せをさらに効率化する索引を追加

    cache.AddIndex(ff.CreateExtractor("age"), /*fOrdered*/ true, /*comparator*/ null);
    cache.AddIndex(ff.CreateExtractor("homeAddress.state"), /*fOrdered*/ false, /*comparator*/ null);
    
  • すべてのMassachusettsに住む人の連絡先を検索

    ICollection results = cache.GetEntries(ff.CreateFilter("homeAddress.state = 'MA'"));
    
  • キャッシュ・データセット全体でageよりも年齢が高い人の連絡先をカウント

    const int age = 58;
    object[] env = new object[] { age };
    results = cache.GetEntries(ff.CreateFilter("age > ?1", env));
    

C++

実装クラス: cpp/querycoherence::examplesネームスペース内にあるSimpleQueryExample

  • 問合せをさらに効率化する索引を追加

    hCache->addIndex(hff->createExtractor("age"), /*fOrdered*/ true, /*vComparator*/ NULL);
    hCache->addIndex(hff->createExtractor("homeAddress.state"), /*fOrdered*/ false, /*vComparator*/ NULL);
    
  • すべてのMassachusettsに住む人の連絡先を検索

    Set::View setResults = hCache->entrySet(hff->createFilter("homeAddress.state is 'MA'"));
    s
    
  • キャッシュ・データセット全体でnAgeよりも年齢が高い人の連絡先をカウント

    Integer32::View nAge = Integer32::valueOf(58);
    ObjectArray::Handle haEnv = ObjectArray::create(1);
    haEnv[0] = nAge;
    HashMap::Handle hbinds = HashMap::create();
    hbinds->put(String::create("nAge"), nAge);
    setResults = hCache->entrySet(hff->createFilter("age > ?1", haEnv));
    

A.5.8.1 出力例

出力例(「問合せのサンプル」による):

例A-5 問合せ言語のサンプルの出力例

MA Residents
ConverterCacheEntry{Key="John Wmbltik", Value="John Wmbltik
Addresses
Home: 785 Beacon St.
Vpmji, MA 34400
US
Work: 200 Newbury St.
Yoyodyne, Ltd.
Boston, MA 02116
US
Phone Numbers
work: +11 62 133 6144503
home: +11 17 238 6189757
Birth Date: 1/1/1968 12:00:00 AM"}
ConverterCacheEntry{Key="John Dtpx", Value="John Dtpx
Addresses
Home: 673 Beacon St.
Mvblms, MA 25889
US
Work: 200 Newbury St.
Yoyodyne, Ltd.
Boston, MA 02116
US
Phone Numbers
work: +11 89 900 8436918
home: +11 32 686 9582798
Birth Date: 1/3/1960 12:00:00 AM"}
.
.
.
count > 58 : 496

A.5.9 データ・ジェネレータ

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.contacts.DataGenerator

DataGeneratorには、ランダムな連絡先情報を生成し、結果をカンマ区切り値のファイルに格納するstaticなmainメソッドがあります。contactsサンプルとともにパッケージ化されているcontacts.csvは、このクラスによって生成されました。さらに多くのサンプル・データが必要になった場合に備えて、このクラスが含まれています。

実装はJavaのみです。

A.6 Coherenceのセキュリティのサンプル

Coherenceのセキュリティのサンプルは、Coherenceのセキュリティ機能を使用してアクセス制御を提供する方法を説明するサンプルのコレクションです。

これらのサンプルは、Coherenceのセキュリティ機能のみを説明するように簡略化されています。セキュリティのベスト・プラクティスのサンプルではありません。

A.6.1 このサンプル・セット

  • パスワードを要求するキャッシュ参照を取得します。

  • 異なるロールを必要とするキャッシュおよび起動サービス操作を試行します。

A.6.1.1 セキュリティ・サンプル・セットの実行

  1. 次の情報を確認します。

  2. 次の項にあるセキュリティ・ドライバの実装情報を確認します。

A.6.1.2 セキュリティ・ドライバ・ファイルの理解

すべてのセキュリティ・サンプルを次の順番で実行するstaticメソッドmainがあります。

  1. PasswordExample

  2. AccessControlExample.accessCache()

  3. AccessControlExample.accessInvocationService()

Coherenceをサポートしている3つのプログラミング言語のそれぞれで実装されています。

言語 実装クラス

Java

java/srccom.tangosol.examples.security.Driver

.NET

dotnet/src/securityTangosol.Examples.Securityネームスペース内にあるDriver

C++

cpp/securitycoherence::examplesネームスペース内にあるDriver


次の概要が示されている各サンプルの詳細は、サンプル・セットのexample.zipファイルを参照してください。

A.6.2 パスワードのサンプル

このサンプルは、Coherenceプロキシがキャッシュへの参照を取得するためにパスワードを要求する方法を示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.security.PasswordExample

コードは、Subjectを取得するためにログインし、そのサブジェクトのコンテキストで実行中のキャッシュ参照を取得しようとします。

「パスワードIDトランスフォーマ」は、パスワードを含むセキュリティ・トークンを生成します。「パスワード・アイデンティティ・アサータ」(プロキシ内で実行)は、パスワードを強制するためにセキュリティ・トークンを検証します。トークンは、プロキシへの接続時に自動的に生成および検証されます。

.NET

実装クラス: dotnet/src/securityTangosol.Example.Securityネームスペース内にあるPasswordExample

コードは、Principalを取得するためにログインし、Principalをスレッドの現在のプリンシパルにすることによってそのPrincipalのコンテキストで実行中のキャッシュ参照を取得しようとします。

「パスワードIDトランスフォーマ」は、パスワードを含むセキュリティ・トークンを生成します。「パスワード・アイデンティティ・アサータ」(プロキシ内で実行)は、パスワードを強制するためにセキュリティ・トークンを検証します。トークンは、プロキシへの接続時に自動的に生成および検証されます。

C++

実装クラス: cpp/securitycoherence::examplesネームスペース内にあるAccessExample

コードは、Subjectを取得するためにログインし、そのSubjectのコンテキストで実行中のキャッシュ参照を取得しようとします。

「パスワードIDトランスフォーマ」は、パスワードを含むセキュリティ・トークンを生成します。「パスワード・アイデンティティ・アサータ」(プロキシ内で実行)は、パスワードを強制するためにセキュリティ・トークンを検証します。トークンは、プロキシへの接続時に自動的に生成および検証されます。

出力例:

例A-6 パスワードのサンプルの出力例

------password example begins------
------password example succeeded------
------password example completed------

A.6.3 アクセス制御のサンプル

このサンプルは、簡略化されたロール・ベースのアクセス制御について示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.security.AccessControlExample

コードは、Subjectを取得するために特定のロールを持つユーザーIDでログインし、そのSubjectのコンテキストで実行中のキャッシュ参照を取得し、キャッシュの操作を試行します。ユーザーに付与されたロールに応じて、キャッシュ操作が許可または拒否されます。

writerロールを持つユーザーは、挿入および取得が許可されています。readerロールを持つユーザーは、取得はできますが、挿入はできません。writerロールを持つユーザーは、キャッシュの破棄はできません。adminロールを持つユーザーは、キャッシュを破棄できます。

その後、特定のロールを持つユーザーは起動サービスの使用を試行します。readerによる起動は許可されていませんが、writerでは許可されています。

一度あるSubjectのコンテキストでキャッシュまたは起動サービス参照が作成されると、そのIDは永続的にその参照と関連付けられることに注意してください。キャッシュまたはサービス参照の使用すべてがそのIDの代理として行われます。

「パスワードIDトランスフォーマ」は、パスワード、ユーザーIDおよびロールを含むセキュリティ・トークンを生成します。「パスワード・アイデンティティ・アサータ」(プロキシ内で実行)は、パスワードを強制するためにセキュリティ・トークンを検証し、適切なユーザーIDおよびロールを持つSubjectを構築します。

セキュリティ・トークンの生成とアサーションは自動的に実行されます。

アクセス制御の実装については、「資格が付与されるキャッシュ・サービス」, 「資格が付与される起動サービス」および「資格が付与される名前付きキャッシュ」のコードを参照してください。

.NET

実装クラス: dotnet/src/securityTangosol.Example.Securityネームスペース内にあるAccessControlExample

コードは、Principalを取得するために特定のロールを持つユーザーIDでログインし、そのPrincipalのコンテキストで実行中のキャッシュ参照を取得し、キャッシュの操作を試行します。ユーザーに付与されたロールに応じて、キャッシュ操作が許可または拒否されます。

writerロールを持つユーザーは、挿入および取得が許可されています。readerロールを持つユーザーは、取得はできますが、挿入はできません。writerロールを持つユーザーは、キャッシュの破棄はできません。adminロールを持つユーザーは、キャッシュを破棄できます。

その後、特定のロールを持つユーザーは起動サービスの使用を試行します。readerによる起動は許可されていませんが、writerでは許可されています。

一度あるPrincipalのコンテキストでキャッシュまたは起動サービス参照が作成されると、そのIDは永続的にその参照と関連付けられることに注意してください。キャッシュまたはサービス参照の使用すべてがそのIDの代理として行われます。

「パスワードIDトランスフォーマ」は、パスワード、ユーザーIDおよびロールを含むセキュリティ・トークンを生成します。「パスワード・アイデンティティ・アサータ」(プロキシ内で実行)は、パスワードを強制するためにセキュリティ・トークンを検証し、適切なユーザーIDおよびロールを持つSubjectを構築します。

セキュリティ・トークンの生成とアサーションは自動的に実行されます。

アクセス制御の実装については、「資格が付与されるキャッシュ・サービス」, 「資格が付与される起動サービス」および「資格が付与される名前付きキャッシュ」のコードを参照してください。

C++

実装クラス: cpp/securitycoherence::examplesネームスペース内にあるAccessControlExample

コードは、Subjectを取得するために特定のロールを持つユーザーIDでログインし、そのSubjectのコンテキストで実行中のキャッシュ参照を取得し、キャッシュの操作を試行します。ユーザーに付与されたロールに応じて、キャッシュ操作が許可または拒否されます。

writerロールを持つユーザーは、挿入および取得が許可されています。readerロールを持つユーザーは、取得はできますが、挿入はできません。writerロールを持つユーザーは、キャッシュの破棄はできません。adminロールを持つユーザーは、キャッシュを破棄できます。

その後、特定のロールを持つユーザーは起動サービスの使用を試行します。readerによる起動は許可されていませんが、writerでは許可されています。

一度あるサブジェクトのコンテキストでキャッシュまたは起動サービス参照が作成されると、そのIDは永続的にその参照と関連付けられることに注意してください。キャッシュまたはサービス参照の使用すべてがそのIDの代理として行われます。

「パスワードIDトランスフォーマ」は、パスワード、ユーザーIDおよびロールを含むセキュリティ・トークンを生成します。「パスワード・アイデンティティ・アサータ」(プロキシ内で実行)は、パスワードを強制するためにセキュリティ・トークンを検証し、適切なユーザーIDおよびロールを持つSubjectを構築します。

セキュリティ・トークンの生成とアサーションは自動的に実行されます。

アクセス制御の実装については、「資格が付与されるキャッシュ・サービス」, 「資格が付与される起動サービス」および「資格が付与される名前付きキャッシュ」のコードを参照してください。

A.6.3.1 出力例

出力例:

例A-7 アクセス制御のサンプルの出力例

------cache access control example begins------
Success: read and write allowed
Success: read allowed
Success: Correctly cannot write
Success: Correctly cannot destroy the cache
Success: Correctly allowed to destroy the cache
------cache access control example completed------
------InvocationService access control example begins------
Success: Correctly allowed to use the invocation service
Success: Correctly unable to use the invocation service
------InvocationService access control example completed------

A.6.4 パスワードIDトランスフォーマ

このサンプルは、IdentityTransformerがIDからセキュリティ・トークンを生成する方法を示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.security.PasswordIdentityTransformer

コードは、文字列の配列であるセキュリティ・トークンを生成します。最初の文字列はパスワードです。2番目の文字列はユーザーIDで、後続の文字列はユーザーのロールです。文字列の配列は、Coherence*Extendによってカスタム・シリアライザを使用せずにシリアライズされます。

このクラスは、Extendクライアントがプロキシに接続する際、または既存の接続でチャンネルが開かれる際に自動的に起動されます。

.NET

実装クラス: dotnet/src/securityTangosol.Example.Securityネームスペース内にあるPasswordIdentityTransformer

コードは、文字列の配列であるセキュリティ・トークンを生成します。最初の文字列はパスワードです。2番目の文字列はユーザーIDで、後続の文字列はユーザーのロールです。文字列の配列は、Coherence*Extendによってカスタム・シリアライザを使用せずにシリアライズされます。

このクラスは、Extendクライアントがプロキシに接続する際、または既存の接続でチャンネルが開かれる際に自動的に起動されます。

C++

実装クラス: cpp/securitycoherence::examplesネームスペース内にあるPasswordIdentityTranfromer

コードは、文字列の配列であるセキュリティ・トークンを生成します。最初の文字列はパスワードです。2番目の文字列はユーザーIDで、後続の文字列はユーザーのロールです。文字列の配列は、Coherence*Extendによってカスタム・シリアライザを使用せずにシリアライズされます。

このクラスは、Extendクライアントがプロキシに接続する際、または既存の接続でチャンネルが開かれる際に自動的に起動されます。

A.6.5 パスワード・アイデンティティ・アサータ

このサンプルは、IdentityAsserterがセキュリティ・トークンを検証し、プリンシパル名のリストからSubjectを生成する方法を示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.security.PasswordIdentityAsserter

コードは、文字列の配列であるセキュリティ・トークンを処理します。最初の文字列はパスワードである必要があります。後続の文字列はプリンシパルです。トークンの処理に失敗すると、プロキシへのアクセスを拒否するSecurityExceptionが発生します。

.NET

実装クラス: なし

IdentityAsserterはプロキシ上でのみ(Javaで)実行されるため、.NETクライアントでは実行できません。そのため、.NET向けのPasswordIdentityAsserterはありません。

C++

実装クラス: なし

PasswordIdentityAsserterはプロキシ上でのみ(Javaで)実行されるため、C++クライアントでは実行できません。そのため、C++向けのPasswordIdentityAsserterはありません。

A.6.6 資格が付与されるキャッシュ・サービス

この例は、リモート・キャッシュ・サービスをラップしてアクセス制御を提供する方法を示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.security.EntitledCachService

コードは、キャッシュ操作用のアクセス制御を提供する「資格が付与される名前付きキャッシュ」をインスタンス化します。コードは、キャッシュ・サービス・メソッドreleaseおよびdestroy用のアクセス制御も提供しています。アクセス制御チェックは、「セキュリティ・サンプル・ヘルパー」に委任されます。

このクラスは、キャッシュ・サービスがプロキシで起動した際に、自動的にインスタンス化されます。

.NET

.NETの実装はありません。クラスはプロキシ上でのみJavaで実行されます。

C++

C++の実装はありません。クラスはプロキシ上でのみJavaで実行されます。

A.6.7 資格が付与される起動サービス

このサンプルは、リモート起動サービスをラップしてアクセス制御を提供する方法を示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.security.EntitledInvocationService

コードは、起動サービス・メソッド用のアクセス制御を提供します。アクセス制御チェックは、「セキュリティ・サンプル・ヘルパー」に委任されます。

このクラスは、起動サービスがプロキシで起動した際に、自動的にインスタンス化されます。

.NET

.NETの実装はありません。クラスはプロキシ上でのみJavaで実行されます。

C++

C++の実装はありません。クラスはプロキシ上でのみJavaで実行されます。

A.6.8 資格が付与される名前付きキャッシュ

このサンプルは、リモート名前付きキャッシュをラップしてアクセス制御を提供する方法を示しています。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.security.EntitledNamedCache

コードは、NamedCacheメソッド用のアクセス制御を提供します。アクセス制御チェックは、「セキュリティ・サンプル・ヘルパー」に委任されます。

このクラスは、キャッシュ・サービスがプロキシで起動した際に、自動的にインスタンス化されます。

.NET

.NETの実装はありません。クラスはプロキシ上でのみJavaで実行されます。

C++

C++の実装はありません。クラスはプロキシ上でのみJavaで実行されます。

A.6.9 セキュリティ・サンプル・ヘルパー

このサンプルは、認証およびアクセス制御用のヘルパー・クラスです。

Java

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.security.SecurityExampleHelper

コードは認証をシミュレートします。簡略化のため、これはSubjectを作成します。実際の実装では、プラットフォームおよび企業に固有な認証を行います。ログインでも、単純にユーザー名をロールにマッピングしています。

checkAccessメソッドは、ユーザーのロールによって操作が許可されているかを確認します。

.NET

実装クラス: dotnet/src/securityTangosol.Example.Securityネームスペース内にあるSecurityExampleHelper

コードは認証をシミュレートします。簡略化のため、これはPrincipalを作成します。実際の実装では、プラットフォームおよび企業に固有な認証を行います。ログインでも、単純にユーザー名をロールにマッピングしています。

C++

実装クラス: cpp/securitycoherence::examplesネームスペース内にあるSecurityExampleHelper

コードは認証をシミュレートします。簡略化のため、これはSubjectを作成します。実際の実装では、プラットフォームおよび企業に固有な認証を行います。ログインでも、単純にユーザー名をロールにマッピングしています。

A.7 Coherenceのライブ・イベントのサンプル

これらのサンプルは、EntryEventsEntryProcessorEventsおよびTransferEventsを含むCoherenceライブ・イベントの様々なイベント・タイプおよびそれらがどのように処理されるかを示しています。

ライブ・イベントのサンプルはパーティション・サービスの記憶域が有効なメンバーで実行されるため、Javaプログラミング言語でのみ使用可能です。

A.7.1 このサンプル・セット

  • 結果のキャッシュに挿入されるイベント前とイベント後の間の経過時間を計測する方法を示しています。

  • コミット前イベントおよびコミット後イベントにおける例外スローのセマンティクスを示しています。

  • パーティション再配布イベントの記録方法を示しています。

A.7.1.1 ライブ・イベント・サンプル・セットの実行

  1. 次の情報を確認します。

  2. 次の項にあるライブ・イベント・ドライバの実装情報を確認します。

A.7.1.2 ライブ・イベント・ドライバ・ファイルの理解

すべてのライブ・イベント・サンプルを次の順番で実行するstaticメソッドmainがあります。

  1. イベント時間測定サンプル

  2. イベント拒否サンプル

  3. パーティション転送イベント・サンプル

実装はJavaプログラミング言語のみです。

言語 実装クラス

Java

java/srccom.tangosol.examples.events.Driver


A.7.2 EventsExamples

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.events.EventsExamples

EventsExamplesクラスは、ライブ・イベントの様々な機能を示しています。これには、次の内容が含まれます。

  • イベント・タイプで分割された平均経過時間の提供

  • イベント後と比較したイベント前の例外スローの異なるセマンティクスの説明

  • 有効な場合のパーティション移動のロギングの説明

EventsExamplesクラスでは、次の内部クラスが定義されています。

A.7.2.1 EventsTimingExample

EventsTimingExample内部クラスは、TimedTraceInterceptorによって実行されるアクションのきっかけとなります。これは、結果のキャッシュに挿入されるイベント前とイベント後の間の経過時間を計測する方法を示しています。結果キャッシュに挿入されたエントリは、このクラスを実行するプロセスのstdoutを使用して表示されます。

出力例:

例A-8 EventsTimingExampleの出力例

Received stats [memberId=2, eventType=INSERTED, sample=1] = EventStats[name = INSERTED, sampleMean = 0.294040ms, mean = 0.294040ms]
Received stats [memberId=3, eventType=INSERTED, sample=1] = EventStats[name = INSERTED, sampleMean = 0.397855ms, mean = 0.397855ms]
Received stats [memberId=1, eventType=INSERTED, sample=1] = EventStats[name = INSERTED, sampleMean = 0.373270ms, mean = 0.373270ms]
Received stats [memberId=3, eventType=UPDATED, sample=1] = EventStats[name = UPDATED, sampleMean = 0.187132ms, mean = 0.187132ms]
Received stats [memberId=2, eventType=UPDATED, sample=1] = EventStats[name = UPDATED, sampleMean = 0.234314ms, mean = 0.234314ms]
Received stats [memberId=1, eventType=UPDATED, sample=1] = EventStats[name = UPDATED, sampleMean = 0.237622ms, mean = 0.237622ms]

A.7.2.2 VetodEventsExample

VetodEventsExample内部クラスは、CantankerousInterceptorによって実行されるアクションのきっかけとなります。これは、イベント前およびイベント後における例外スローのセマンティクスを示しています。記録する必要がある例外のみが結果キャッシュに挿入されます。結果キャッシュに挿入されたエントリは、このクラスを実行するプロセスのstdoutを使用して表示されます。

出力例:

例A-9 VetodEventsExampleの出力例

Received event [memberId=3, eventType=NON_VETO, count=1] = Objection falls on deaf ears! value = value: 11
Received event [memberId=3, eventType=NON_VETO, count=2] = Objection falls on deaf ears! value = value: 22
Received event [memberId=3, eventType=NON_VETO, count=3] = Objection falls on deaf ears! value = value: 33
Received event [memberId=3, eventType=NON_VETO, count=4] = Objection falls on deaf ears! value = value: 44

A.7.2.3 RedistributionEventsExample

RedistributionEventsExample内部クラスは、RedistributionInterceptorクラスによって実行されるアクションのきっかけとなります。これは、RedistributionInterceptorでのロギングの有効化およびメンバーの強制終了からパーティション再配布を誘発することによって、パーティション再配布イベントがどのように記録されるかを示しています。

出力例:

例A-10 RedistributionEventsExampleの出力例

Choosing to kill member Member(Id=3, Timestamp=2014-01-02 16:38:17.942, Address=10.159.154.103:8092, MachineId=47251, Location=site:,machine:TPFAEFFL-LAP,process:8168, Role=CoherenceServer)

A.7.3 TimedTraceInterceptor

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.events.TimedTraceInterceptor

TimedTraceInterceptorクラスは、イベントの各タイプ(挿入、更新、削除およびエントリ・プロセッサの実行)に対するコミット前イベントとコミット後イベントの間のタイミングを提供します。これらのタイミングは、cSampleパラメータで定義されるサンプル率で収集および平均の計算が行われます。さらに、同時にログにも出力されます。この実装は各バイナリ・キーへの強い参照を維持しますが、同じキーに対するコミット後イベントの受信の際に削除されます。

インターセプタは、EventInterceptorインタフェースを実装します。@Interceptor注釈は、identifier属性でインターセプタの一意名を示し、order属性で実行順序(Order.HIGH)を示します。

インターセプタには、保護されたEventTimer内部クラスも含まれています。このクラスでは、通知対象の各イベントの経過時間が測定されます。インターセプタは、各エントリに対するコミット前イベントとコミット後イベントの間の時間、およびそれぞれのイベント・タイプ(INSERTUPDATEREMOVE)を追跡します。タイミングは、サンプル統計と累積統計を表示するCoherenceログにまとめて送信されます。

汎用引数がcom.tangosol.net.events.partition.cache.Eventであるため、ユーザーは、フィルタリングを指定しなくても、そのイベントのコンシューマであるイベント(EntryEventおよびEntryProcessorEvent)のみを取得します。

A.7.4 CantankerousInterceptor

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.events.CantankerousInterceptor

CantankerousInterceptorクラスは、あるキーの挿入イベントはコミット前またはコミット後のフェーズで実行時例外になるという議論を呼ぶ性質を持ったEventInterceptorの実装です。

例外がコミット前にスローされた場合は、ロールバックが発生し、例外がクライアントに伝播されます。例外がコミット後に発生した場合は、ログ・イベントが記録されます。例外に使用されるキーは、VETOおよびNON-VETOです。INSERTINGおよびUPDATINGは拒否できるイベントであるのに対して、INSERTEDおよびUPDATEDイベントは拒否できません。

A.7.5 RedistributionInterceptor

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.events.RedistributionInterceptor

RedistributionInterceptorクラスは、有効化された際にパーティション・アクティビティを記録するEventInterceptorです。ロギングは、RedistributionInvocable.ENABLED定数の設定を使用して有効化できます。

A.7.6 RedistributionInvocable

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.pof.RedistributionInvocable

RedistributionInvocableクラスは、クラスタの様々なメンバーで実行されるアクション可能な3つの状態を定義します。この例では、状態を次のように定義します。

  • DISABLE: RedistributionInterceptorイベント・インターセプタによって実行されるロギングを無効にします。

  • ENABLE: RedistributionInterceptorイベント・インターセプタによって実行されるロギングを有効にします。

  • KILL: この起動可能(RedistributionInvocable)が実行されるJVMを終了します。

A.7.7 LazyProcessor

実装クラス: java/src内のcom.tangosol.examples.pof.LazyProcessor

LazyProcessorクラスは、イベントの処理間の実体のない遅延を作成します。クラスでは、このプロセッサがイベントの処理間でスリープする必要があるミリ秒数を指定します。このクラスは、EventsExamplesクラスのEventsTimingExampleサブクラスで使用されます。