Oracle® Fusion Middleware Oracle Team Productivity Centerによるアプリケーションの開発 12c (12.1.3) E59424-01 |
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この章では、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでのユーザー、チーム、ロールおよびリポジトリの管理方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでは、一定の管理が初期設定時に、および継続的にも必要です。Oracleチーム・プロダクティビティ・センターの管理は、リポジトリ、ユーザー、チーム、ロールおよびLightweight Directory Access Protocol (LDAP)の領域に関する管理で構成されています。
リポジトリには、製品の問題、機能およびその他の要素をそのライフサイクル全体で追跡、管理およびフォローアップするためにチームが使用する情報が格納されます。Oracleチーム・プロダクティビティ・センターに追加したリポジトリは、チーム・メンバーが使用できるようにする必要があります。
チーム・メンバーがこれらのリポジトリの情報にアクセスしてやり取りする方法は、次の2つの要素によって決まります。
リポジトリとその情報の性質。SSLログインが必要なリポジトリは、匿名ログインを許可するリポジトリとはアクセス要件が異なります。また、変更リストのファイルを基準にバグを追跡するリポジトリは、開始日と終了日があるタスク・リポジトリとはやり取りが異なります。
各個人ユーザー、ロールまたはそのユーザーが属するチームに割り当てられている権限。チーム問合せ権限が付与されているユーザーは、チームがアクセス可能な問合せを作成および変更できます。チーム問合せ権限が付与されていないユーザーは、ユーザー問合せの作成および変更しかできません。
新規ユーザーを追加する場合は、そのユーザーにチームの作成、ユーザーの作成またはチーム管理者としての活動を許可する権限を割り当てるオプションがあります。詳細は、第3.4項「ユーザー、チームおよびロールの使用」を参照してください。
チームに割り当てられたユーザーは、チーム・プロダクティビティ・センターのコンテンツの様々な側面を変更する機能をまとめてグループ化したメカニズムであるロールを取得します。チーム・レベルでは、チーム管理者またはグループ管理者により個々のロールが個人単位で変更されます。システム・レベルでは、管理者により(組織のニーズを処理する特定の権限が付与された)新しいロールが作成されます。
組織でチーム・プロダクティビティ・センターで使用するリポジトリを管理することによって、製品のライフサイクルを通じて使用する機能、バグ、進行状況およびその他の追跡メカニズムのレコードに、ユーザーおよびチームがアクセスできるようになります。これらのリポジトリには、開発時に個々の問題を追跡する作業アイテムが格納されます。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでリポジトリを使用できるようにするには、最初にネットワーク上のリポジトリにアクセスできる必要があり、次にそのリポジトリとユーザーをリンクするOracleチーム・プロダクティビティ・センター・コネクタをインストールする必要があります。
リポジトリへのコネクタのインストールの詳細は、『Oracle Team Productivity Centerサーバーのインストール』を参照してください。
管理者は通常、次のタスクを実行します。
ユーザーおよびチームが作業アイテムにアクセスできるように、使用するリポジトリをチーム・プロダクティビティ・センターで構成します。詳細は、第3.2項「Oracleチーム・プロダクティビティ・センターへのリポジトリの追加」を参照してください。
チームにリポジトリ(Subversionなどのソース管理ソフトウェアで使用するバージョニング・リポジトリなど)を割り当てます。詳細は、第3.3項「Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでのリポジトリの有効化」を参照してください。
製品の成熟度に従ってユーザーを作成し、チームを管理します。詳細は、第3.4項「ユーザー、チームおよびロールの使用」を参照してください。
ユーザーおよびチームに割り当てたロールを管理し、適切なチーム・メンバーに、アクセスするリポジトリの適切な要素を変更する機能が付与されていることを確認します。詳細は、第3.4項「ユーザー、チームおよびロールの使用」を参照してください。
これらのタスクにはおおまかな順序がありますが(つまり、リポジトリを追加し、有効にしてから、それらのリポジトリにユーザーおよびチームを割り当てる必要があるなど)、多くの場合、製品の成熟度やチーム・メンバーシップ変更に従って、様々な時期にこれらのタスクに戻って作業を実行します。
チーム・プロダクティビティ・センターでは、権限によって、新しいユーザーやチームの作成に対する制御を定義します。各ユーザーには様々な権限を付与でき、そのユーザーが属するチームに関係なく適用されます。各権限は次のとおりです。
新規チームの作成: この権限が付与されたユーザーは、新しいチームを作成できます。ユーザーは自分自身も新しいチームのメンバーとして追加しないと、この管理ダイアログを終了した後、作成したチームを編集できなくなります。
ユーザー・アカウントの作成: このユーザーは、新しいユーザー・アカウントを作成できます。この新しいユーザー・アカウントは、この管理ダイアログを終了した後は編集できません。それ以降もユーザーを編集できるのは管理者のみです。
管理者: 「管理者」権限のあるユーザーは、チーム・プロダクティビティ・センターのすべての機能を使用できます。ユーザーの編集、リポジトリの追加/編集およびチーム・メンバーのロールの変更を実行できるのは管理者のみです。
ロールは、作業アイテム、問合せ、タグ、ドキュメントなどのチーム・プロダクティビティ・センターの要素を変更する権限をチーム・レベルでユーザーに付与するために、チーム・プロダクティビティ・センターで使用するメカニズムです。各ロールにより、そのチームのユーザーに機能および権限が定義されます。デフォルトでは、チーム・プロダクティビティ・センターには、次の3つのロールが含まれています。
「チーム・メンバー」は、作業アイテムにアクセスして編集したり、各自が使用する問合せ、タグおよびドキュメントを作成して管理したりすることもできます。
「チーム管理者」には、「チーム・メンバー」権限が付与されていますが、さらにチームのメンバー全員が使用する問合せ、タグ、ドキュメントおよびソースを作成して管理できます。
「グループ管理者」には、「チーム管理者」のすべての権限が付与されていますが、チームとそのチーム内に含まれる子チームの問合せ、タグ、ドキュメントおよびソースも作成して管理できます。
管理者は、これらのデフォルトのロールおよび権限を使用することも、選択した権限をロールごとに変更して調整することもできます。また、管理者は、「チーム管理」ダイアログの「ロール」タブにある使用可能なリストから権限を選択して、様々な組合せで新しいロールを作成することもできます。各権限は次のとおりです。
チーム・ドキュメントの管理: この権限を含むロールが付与されたユーザーは、チーム・ドキュメントの作成および変更ができます。
チームの管理: この権限を含むロールが付与されたユーザーは、チーム・メンバーおよびリポジトリの追加、変更および削除ができます。
チーム問合せの管理: この権限を含むロールが付与されたユーザーは、チーム問合せの作成および変更ができます。
チーム・ソースの管理: この権限を含むロールが付与されたユーザーは、バージョニングなどのチーム・ソースを変更できます。
子チームの権限を取得: この権限を含むロールが付与されたユーザーは、明示的(親)チームの変更と同様に子チームのコンテンツを変更できます。
チーム・タグの管理: この権限を含むロールが付与されたユーザーは、チーム・タグの作成および変更ができます。
チーム・プロダクティビティ・センターへのリポジトリの追加は通常、リポジトリごとに1度のみですが、重要な管理タスクです。リポジトリの追加によって、チーム・メンバーは、特定のリポジトリのアーティファクトである作業アイテムにアクセスできるようになります。チーム管理者はリポジトリをチーム・プロダクティビティ・センターのチームの実装に追加し、個々のチーム・メンバーは製品開発ライフサイクルの一環として作業アイテムを確認、追跡および編集するときにこれらのリポジトリにアクセスします。
リポジトリを追加する際の重要な前提条件の1つとして、ユーザー(任意のチーム・プロダクティビティ・センター管理者)はそのリポジトリに対するコネクタをチーム・プロダクティビティ・センター・サーバーにインストールしておく必要があります。コネクタは、Oracle Technology Networkからダウンロードして入手できるチーム・プロダクティビティ・センターのインストール・ツールを使用してインストールします。これは、チーム・プロダクティビティ・センター・ユーザーが「ヘルプ」→「更新の確認」からダウンロードするコネクタ拡張機能とは異なることに注意してください。該当するコネクタがチーム・プロダクティビティ・センターのインストール・ツールを使用してリポジトリにJDeveloper拡張機能としてインストールされている場合、ユーザー(任意の管理者)はそのリポジトリをチーム・プロダクティビティ・センターに追加するのみで済みます。
リポジトリへのコネクタのインストールの詳細は、『Oracle Team Productivity Centerサーバーのインストール』を参照してください。
リポジトリを追加する前に、サーバー名やURL、ポート番号、認証資格証明(名前やパスワードなど)、追加するリポジトリへの接続に必要な他のデータなど、必要なすべての接続情報があることを確認してください。
これらの属性で使用される条件はコネクタによって異なる場合があります。また、あるコネクタがサーバー・アドレスをコールすると、別のコネクタによってサーバーURLがコールされることがあります。リポジトリをチーム・プロダクティビティ・センターに追加する際は、各コネクタの仕様を必ず確認してください。
チーム・プロダクティビティ・センターにリポジトリを追加する手順は、次のとおりです。
「チーム」→「チーム管理」→「リポジトリ」タブの順に選択します。
「リポジトリ」領域で、緑色の「+」アイコンをクリックします。
「コネクタ」ドロップダウンから、追加するリポジトリに対して適切なコネクタを選択します。選択できるコネクタは、インストールしたコネクタによって異なります。
名前と説明を入力します。これは、特定のチームで使用可能なリポジトリのリストに表示される名前です。
リポジトリ・サーバーのフィールドに、リポジトリ・サーバーのローカルの別名と説明を入力します。
名前/値ペアのセットであるリポジトリ・パラメータを入力します。これらは、リポジトリにアクセスするためにコネクタで必要なデータによって異なります。Atlassian JIRA ®などの一部のコネクタでは、「名前」フィールドはサーバーURLで、「値」フィールドは、このリポジトリを提供するJIRAサーバーのURLである必要があります。他のコネクタでは、追加の名前の入力が必要になる場合があります。このリポジトリの追加時に入力する必要がある特定のデータの詳細は、コネクタ作成者に問い合せるか、コネクタのオンライン・ヘルプを確認してください。いずれの場合も、コネクタがインストールされるとパラメータ名が指定されるため、管理者が入力する必要があるのは、名前のパラメータに対する値のみです。
新しく作成したリポジトリをチームで使用できるようにするには、そのリポジトリをチームに割り当てる必要があることにも注意してください。詳細は、第3.3項「Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでのリポジトリの有効化」を参照してください。
追加したリポジトリは、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターのユーザーとチームが使用できるようにする必要があります。これによって、追加したリポジトリの作業アイテムにチームとユーザーがアクセスできるようになります。さらに、管理者としてバージョニング・リポジトリを作成すると、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターの「リポジトリ」タブを介して選択したソース管理システムにすばやくアクセスする方法をチーム・メンバーに提供できます。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターは、JDeveloperユーザーを外部リポジトリにリンクします。これらのリポジトリには、欠陥追跡データベース、カスタマ・リクエスト・ツール、およびバージョニング・システムなどのその他のデータのコレクションが含まれている場合があります。
管理者は、チーム・プロダクティビティ・センターにリポジトリを追加できます。そのためには、特定のリポジトリに対するOracleチーム・プロダクティビティ・センター・コネクタをOracleチーム・プロダクティビティ・センターのサーバーに事前にインストールしておく必要があります。詳細は、『Oracle Team Productivity Centerサーバーのインストール』を参照してください。
リポジトリに関連する管理タスクは通常、「チーム管理」ダイアログから開始します。
「チーム管理」ダイアログの「リポジトリ」タブにアクセスする手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ」→「チーム管理」→「リポジトリ」
「チーム管理」ダイアログを使用すると、インストールされているコネクタに基づいてリポジトリを追加、削除および変更できます。チームが世界中に分散しているのが通常の状況では、同じリポジトリを指し示す異なるサーバーを追加すると便利な場合があります。組織の複数のブランチにローカル・サーバーを追加することで、組織のパフォーマンスおよび効率を上げることができます。
チーム管理者がリポジトリを設定した後、管理権限のあるユーザーは、チームが使用するリポジトリを選択できます。
多数のリポジトリが存在する場合は、「チーム管理」メニューのクイック・フィルタ機能を使用して表示されるリポジトリを絞り込むことで、適切なリポジトリをすばやく簡単に識別できます。
クイック・フィルタ機能を使用してリポジトリを検索する手順は、次のとおりです。
「チーム管理」ダイアログの「リポジトリ」タブをクリックします。
「リポジトリ」列の上部にある「フィルタ」フィールドに、リポジトリの名前の最初の数文字を入力します。
JDeveloperによって、入力した文字を名前に含むすべてのリポジトリがリスト表示されます。
各文字を入力するたびに、フィルタによってプログレッシブに検索されます。フィルタでは大/小文字が区別されないため、小文字で入力でき、JDeveloperでは大/小文字に関係なくリポジトリ名が表示されます。
リポジトリを割り当てるには、サーバーにインストールされているコネクタに基づいて追加されたリポジトリのリストからリポジトリを選択します。チーム管理者はリポジトリをチーム・プロダクティビティ・センターのチームの実装に追加し、個々のチーム・メンバーは製品開発ライフサイクルの一環として作業アイテムを確認、追跡および変更するときにこれらのリポジトリにアクセスします。
チームがアクセスできるリポジトリを決定する手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ」→「チーム管理」→「チーム」→「チーム・リポジトリ」タブ
これによって、チーム・プロダクティビティ・センターのインストールで使用可能なすべてのリポジトリのリストが表示されます。リポジトリの中には、パラメータ(Microsoft Projectコネクタのプロジェクト名、URLまたはバージョニング・リポジトリのポート番号など)の入力が必要な場合があります。
チームによるリポジトリのアクセスを有効または無効にする手順は、次のとおりです。
新しいチームがリポジトリにアクセスできるようにするには、各リポジトリの横にあるボックスを選択します。
チームがリポジトリにアクセスできないようにするには、選択を解除します。
すべてのボックスを設定または設定解除するには、最も上にあるボックス(「名前」フィールドの横)をクリックします。
バージョニング・リポジトリを作成すると、「リポジトリ」タブを介してバージョニング・システムにすばやく移動する方法がチームに提供されます。
バージョニング・リポジトリを作成する手順は、次のとおりです。
「チーム管理」→「リポジトリ」の順に選択し、「バージョニング」ノードを選択します。
緑色の「+」記号をクリックして、新しいリポジトリを作成します。
注意: 特定のバージョン・コントロール・システムに対する既存リポジトリが存在しないことを確認するために、「リポジトリ」ノードの横にある「+」記号をクリックします。これによって、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターで現在使用できる、使用可能バージョン・コントロール・リポジトリのリストが表示されます。同じバージョン・コントロール・システムに新しいリポジトリを作成する必要がある場合は、リポジトリに新しい名前を指定できます。 |
「コネクタ」ドロップダウンをクリックし、該当のバージョン・コントロール・システムに対するコネクタを選択します。
「名前」フィールドに、作成するリポジトリの名前を入力します。これが、すでにリポジトリがあるバージョン・コントロール・システムに対する新しいリポジトリ(プロジェクトの異なるブランチやバージョンに対するリポジトリなど)の場合は、簡単に識別できる名前にしてください。
「説明」フィールドに、作成するバージョニング・リポジトリの説明を入力します。
「OK」をクリックします。
バージョニング・リポジトリを作成した後は、「チーム管理」ダイアログの「チーム」→「チーム・リポジトリ」タブから、そのリポジトリにアクセスできるチームを制御できます。
バージョニング・リポジトリに対するアクセス権をチームに付与する手順は、次のとおりです。
「チーム管理」→「チーム」→「チーム・リポジトリ」タブの順に選択します。
ダイアログの左ペインにあるチーム・リストをスクロールして、新しいリポジトリへのアクセス権を付与するチームを検索します。
ダイアログの右ペインにあるリポジトリ・リストをスクロールして、選択したチームに対して使用可能にするリポジトリを検索します。
選択したチームに対してアクセス可能にするリポジトリの横にあるボックスをそれぞれ選択します。
「OK」をクリックします。
各チームを直接選択する必要がありますが、該当するすべてのリポジトリを選択して「OK」をクリックすることにより、そのチームに対して適切なすべてのリポジトリを1回の操作で指定できます。
管理者のジョブの主要部分はチーム・メンバーの管理に関係します。つまり、ユーザー・アカウントを保守し、ユーザーを適切なチームに保持し、すべてのユーザーに各自のジョブの実行に必要な機能が付与されていることを確認します。これは、製品の成熟度に従って新しいメンバーが製品開発グループに参加する動的環境では特に重要です。チーム・プロダクティビティ・センターの管理では、ユーザーの追加と削除、ユーザー情報の変更、およびチームの管理に対して様々な方法が提供されます。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでは、ロールを使用して各チーム・メンバーの機能を定義します。管理者は、機能の一意の組合せが含まれたロールを定義し、組織のニーズに基づいて個々のメンバーにそれぞれのロールを割り当てることができます。各ロールには権限の独自の組合せがあり、これによって、Oracleチーム・プロダクティビティ・センター内の様々な要素(問合せ、タグ、ドキュメントなど)の作成および変更をチーム・メンバーに対して許可できます。
ロールの管理の詳細は、第3.4.7項「チーム・メンバー・ロールの設定方法および変更方法」を参照してください。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センター管理者が実行する継続的なタスクの1つは、チーム・メンバー用のアカウントを作成することです。これには、チームに参加した個人を追加することに加え、チーム・プロダクティビティ・センターの様々な機能に対するアクセス権がチーム・メンバーに適切に付与されていることを確認する作業も含まれます。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センター管理者のタスクは次のとおりです。
ユーザーの追加: チームを最初に設定したとき、または後で他のユーザーがチームに参加したときに実行できます。
既存ユーザーの情報の変更: 連絡先情報、権限およびその他の情報などが対象となります。これにアクセスするには、「チーム管理」メニューの「ユーザー」タブを使用します(「チーム」→「チーム管理」→「ユーザー」)。
チーム・メンバー・ロールの変更: チーム・メンバーには、チーム内のロールが割り当てられます。問合せの変更および他のチーム全体との相互作用に関しては、これらのロールが、チーム・メンバーに付与されている権限の中で重要な役割を果たします。これにアクセスするには、「チーム管理」メニューの「ロール」タブを使用します(「チーム」→「チーム管理」→「ロール」)。
リポジトリの管理: ユーザー・アカウントでは、チームが使用する様々なリポジトリへのアクセス権を個々のチーム・メンバーに付与するため、個々のリポジトリで必要なアカウントと権限がチーム・メンバーに付与されていることを確認するなど、一部のリポジトリ情報の管理を求められる場合もあります。これにアクセスするには、「チーム管理」メニューの「リポジトリ」タブを使用します(「チーム」→「チーム管理」→「リポジトリ」)。
これらのタスクは、製品のライフサイクルの初期段階や開発中または新規メンバーがチームに参加した際など、何度でも実行可能です。
通常の本番環境では、チームは製品の成熟度に従って増大し、発展します。Oracleチーム・プロダクティビティ・センター管理者は、次のいずれかの方法で新規ユーザーを追加できます。
チーム・プロダクティビティ・センターの「管理」ダイアログの使用
カンマ区切り値(CSV)ファイルからのユーザーのインポート
LDAPソースからのユーザーの同期化
これらの方法は個別に説明します。
「管理」ダイアログを使用して、チーム・プロダクティビティ・センターにユーザーを追加できます。個々のユーザーを追加するには、この方法が簡単で最適です。
チーム・プロダクティビティ・センターの管理ダイアログを使用して、チーム・プロダクティビティ・センターに新しいユーザーを追加する手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ」メニューにあるチーム・サーバー管理のアイコンをクリックして開きます(または、「チーム」→「チーム管理」の順に選択します)。
「ユーザー」タブをクリックします。
緑色の「+」記号をクリックして、新しいユーザー・ダイアログを開きます。
パスワードの設定やステータスの「アクティブ」または「非アクティブ」への設定を含む、ユーザー登録情報を完了します。
次のユーザー権限オプションを設定します。
新規チームの作成: ユーザーが新しいチームを作成できるようにする場合は、このオプションを選択します。
新規ユーザーの作成: ユーザーが追加のユーザーをシステムに追加できるようにする場合は、このオプションを選択します。
管理者: このユーザーをOracleチーム・プロダクティビティ・センター管理者にする場合は、このオプションを選択します。管理者であるユーザーには、ユーザーおよびチームを作成する機能が自動的に付与されます。
「OK」をクリックします。
ユーザーが「ユーザー」登録に表示されます。これは、新しいユーザーをチームに割り当てることができることも意味します。
チーム・プロダクティビティ・センターの管理ダイアログを使用して、チーム・メンバーを既存のチームに追加したり、既存のチームから削除できます。
チーム・メンバーを追加する手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ」メニューにあるチーム・サーバー管理のアイコンをクリックしてダイアログを開きます。
「チーム」タブをクリックします。
調整するメンバーシップのチーム名をクリックします。
「チーム・メンバー」パネルに関連する緑色の「+」記号をクリックします。
選択可能なユーザーからメンバーを1人以上選択します。
複数のユーザーを選択するには、[Ctrl]-[Shift]キーを使用し、一定範囲のユーザーを選択するには、[Shift]キーを使用します。すべてのユーザーを選択するには、「>>」記号を使用します。
チームにユーザーを追加した場合は、新しいメンバーのロールをクリックし、適切なロールを選択します。このステップは、チームでこのユーザーに付与される追加権限が決定されるため重要です。
「OK」をクリックします。
時間の経過とともにメンバーシップの変更や発展があるため、チームからのメンバーの削除が必要になる場合があります。「チーム・ナビゲータ」メニューによりこの操作を実行できます。
チーム・メンバーを削除する手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ」メニューにあるチーム・サーバー管理のアイコンをクリックしてダイアログを開きます。
「チーム」タブをクリックします。システム内のチームのリストが表示されます。
ユーザーを削除するチームの名前をクリックします。
チーム・メンバーの領域にあるユーザーの名前をクリックします。
「チーム・メンバー」パネルの横にある赤色の「X」をクリックします。
ユーザーがチーム登録から削除されます。
注意: チームからユーザーを削除するかわりに、ユーザーのステータスを「非アクティブ」に設定する方法もあります。詳細は、第3.4.4項「チーム・プロダクティビティ・センターからのユーザーの削除方法」を参照してください。 |
複数のユーザーを追加する場合は、複数のユーザー情報が含まれるカンマ区切り値(CSV)ファイルを1回の操作でインポートすることにより時間を節約できます。
CSVテンプレートをダウンロードして、ファイルをインポート用に正しくフォーマットする必要がありますが、基本的なフォーマットは次のとおりです。
login,email,first name,last name
CSVを使用して追加するチーム・メンバーごとにこの構造を繰り返します。
CSVファイルを使用してユーザーを追加する手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ」メニューにあるチーム・サーバー管理のアイコンをクリックして開きます(または、「チーム」→「チーム管理」の順に選択します)。
「ユーザー」タブをクリックします。
緑色の「+」記号の横にあるドロップダウン矢印をクリックして、「CSVから追加」を選択します。
虫眼鏡アイコンをクリックしてファイル・ブラウザを開き、チーム・メンバーのIDが含まれるファイルを参照して「開く」をクリックします。
追加するユーザーのデフォルト・パスワードを入力し、「OK」をクリックします。
CSVファイルにIDが含まれるチーム・メンバーは、チーム・プロダクティビティ・センターに追加されます。
チーム・メンバーの調整にチームでLightweight Directory Access Protocol (LDAP)を使用している場合は、LDAPを使用してチーム・メンバーの情報を同期できます。
「チーム管理」ダイアログの「LDAP」タブで「LDAPの有効化」ボックスをチェックすると、ユーザー・リストの上のタイトル・バーが、「メンバーの追加」ボタンから「同期」ボタン、「LDAPから追加」に変更されます。「LDAPの有効化」ボックスを初めてチェックした場合は、「OK」をクリックして「チーム管理」ダイアログを閉じ、「同期」ボタンを有効にするために再度このダイアログを開く必要があります。
LDAPを使用してユーザーを追加する手順は、次のとおりです。
「チーム管理」ダイアログの「ユーザー」タブから、「ユーザー」ペインの上部にある「LDAPから追加」ボタンをクリックします。
「フィルタ」フィールドに、追加するユーザーを識別する文字列を入力します。
「OK」をクリックし、選択したユーザーをチーム・プロダクティビティ・センターに追加します。
管理権限または「ユーザーの作成」権限が付与されている場合は、システム内のユーザーに関連する情報を変更できます。
ユーザー情報を変更する手順は、次のとおりです。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センター・マストヘッドにあるチーム・サーバー管理のアイコンをクリックしてダイアログを開きます。
「ユーザー」タブをクリックします。
ユーザー登録の名前をクリックします。
必要に応じて、情報を変更します。
「OK」をクリックします。
ヒント: ユーザーが1つ以上のチームに割り当てられると、ユーザー構成情報の下に、そのチームが読取り専用書式でリスト表示されます。チームの割当ては、チーム管理タブを介して変更できます。 |
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターからユーザーを削除できるのは、ユーザーを追加した初期セッション中のみです。ユーザーがデータベースに追加された後は削除できなくなります。これは、ユーザーのアカウントに関連付けられているOracleチーム・プロダクティビティ・センターのユーザー情報(チーム・メンバーシップ、タグ、問合せなど)を削除できないためです。
チーム・プロダクティビティ・センターに現在は参加していないユーザーが存在する場合、解決方法は、そのユーザーのステータスを「アクティブ」から「非アクティブ」に変更することです。
ユーザーのステータスを「非アクティブ」に変更する手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ」→「チーム・ナビゲータ・メニュー」→「チーム管理」の順に選択します。
「ユーザー」タブをクリックします。
ユーザー登録にあるユーザーの名前をクリックします。
「ステータス」ドロップダウン・リストをクリックし、「非アクティブ」を選択します。
「OK」をクリックします。
この手順を実行するには、管理者権限が必要です。
同じ手順を使用して、ユーザーのステータスを「アクティブ」に変更できます。「チーム管理」メニューからユーザーの名前を選択した後は、「ステータス」ドロップダウン・リストから「アクティブ」をクリックし、「OK」をクリックします。
多数のメンバーがいる大規模チームが存在する場合は、「チーム管理」メニューのクイック・フィルタ機能を使用して、個々のメンバーの検索が容易になるように検索を絞り込むことができます。
クイック・フィルタ機能を使用してユーザーを検索する手順は、次のとおりです。
「チーム管理」ダイアログの「ユーザー」タブをクリックします。
「ユーザー」列の上部にある「フィルタ」フィールドに、ユーザーの名前の最初の数文字を入力します。
JDeveloperでは、名または姓の文字に一致するユーザーが表示されます。
各文字を入力するたびに、フィルタによってプログレッシブに検索されます。フィルタでは大/小文字が区別されないため、小文字で入力でき、JDeveloperでは大/小文字に関係なくユーザー名が表示されます。クイック・フィルタでは、チーム全体のリストの検索も機能します。
チームの検索にクイック・フィルタ機能を使用すると、特定の名前に対して既存チームを参照したり、類似した名前のチームから選択したりできます。
クイック・フィルタ機能を使用してチームを検索する手順は、次のとおりです。
「チーム管理」ダイアログの「チーム」タブをクリックします。
「チーム」列の上部にある「フィルタ」フィールドに、チームの名前の最初の数文字を入力します。
JDeveloperによって、入力した文字から名前が始まるすべてのチームが表示されます。
ユーザーのフィルタと同様に、チームのフィルタはプログレッシブです。たとえば、T、EおよびSの文字を入力すると、名前に「Test」という語を含むすべてのチームのリストが表示されます。
フィルタでは大/小文字が区別されず、「Test」の例では、JDeveloperによって、名前にTEST、Testおよびtestという語を含むチームが返されます。
チーム・プロダクティビティ・センターでは、ユーザーをグループ化してチームおよびサブチームに自由に配置し、各チームのメンバーを事前定義のロールのいずれかに割り当てたり、作業環境で必要な場合は新しいロールを作成して割り当てることもできます。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターからチームを削除できるのは、チームを追加した初期セッション中のみです。チームがデータベースに追加された後は削除できなくなります。
管理権限が付与されている場合は、チーム・プロダクティビティ・センターの管理ダイアログを使用してチームを追加できます。「チーム管理者」権限が付与されている場合は、チーム階層を調整できます。チーム管理者は作成したチームを変更できます。グループ管理者に「チームの作成」または「チーム管理者」権限が付与されている場合は、その管理者が属するチーム、およびそのグループ管理者のチームの子チームを変更できます。
ヒント: チーム登録は別のチーム名の下位で重複できますが、チームを複数の親チームに含めることはできません。 |
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターにチームを追加する手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ・メニュー」→「チーム管理」の順に選択します。
「チーム」タブをクリックします。チームおよびサブチーム(存在する場合)のリストが表示されます。
チーム名をクリックします。階層内の最上位エントリを選択すると、そのチームが最上位レベルのチームになります。それ以外の場合は、既存チームの名前をクリックし、新しいチームをその子として作成します。(作成したチームのチーム階層内での場所は簡単に調整できます。)
緑色の「+」記号をクリックします。「無題」というチームが表示されます。
次の情報を指定します。
チーム名。(システム内の他のチームのネーミング・スタイルと一貫性のある名前を使用してください。)
親。作成するチームが既存チームのサブチームである場合は、親を選択します。それ以外の場合は、空白のオプションを選択して、システム内の主要チームのピアであるチームを作成します。
ステータス(アクティブまたは非アクティブ)。
オプションの説明。
「OK」をクリックして、チームを作成します。
チームにメンバーを追加すると、そのメンバーの名前が「チーム・メンバー」パネルに表示されます。チームにチーム・メンバーを追加する際は、各チーム・メンバーのロールを必ず選択してください。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターのチームは、そのアカウントに関連付けられているデータ(チーム・メンバー、タグ、問合せなど)があるため、削除できません。Oracleチーム・プロダクティビティ・センターに現在は参加していないチームが存在する場合、解決方法は、そのチームのステータスを「アクティブ」から「非アクティブ」に変更することです。
チームを非アクティブにする手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ・メニュー」→「チーム管理」の順に選択します。
「ステータス」ドロップダウン・リストをクリックし、「非アクティブ」を選択します。
非アクティブにされたチームのステータスが変更されたことを確認するには、別のチームをクリックします。
「OK」をクリックします。
非アクティブにされたチームは、「チーム管理」ダイアログを閉じて再度開いたとき、または「非アクティブ・チームの表示」をチェックしてから未チェックにした場合にのみ表示されません。
ロールは、チームの作業環境内で様々な要素(作業アイテム、問合せ、タグおよび添付ファイルなどのドキュメント)を作成および変更するユーザーの権限を管理するために、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターで使用するメカニズムです。Oracleチーム・プロダクティビティ・センターにはデフォルトのロールがありますが、管理者は、表3-1にリストされている権限から選択して、新しいロールを作成および定義することもできます。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターで提供される3つのロールは、次のとおりです。
チーム・メンバー(すべてのユーザーのデフォルト)。「チーム・メンバー」は、作業アイテムにアクセスして編集したり、各自が使用する問合せ、タグおよびドキュメントを作成して管理することもできます。
チーム管理者。「チーム管理者」には、「チーム・メンバー」のすべての権限がありますが、さらにチームのメンバーすべてが使用する問合せ、タグ、ドキュメントおよびソースを作成して管理できます。
グループ管理者。「グループ管理者」には、「チーム・メンバー」および「チーム管理者」のすべての権限がありますが、そのチーム内に含まれる子チームに対しても同じ権限があります。
Oracleチーム・プロダクティビティ・センターに含まれるこれらのロールに加えて、管理者は、使用可能な権限の組合せが含まれた新しいロールを作成できます。これによって、チーム・メンバーが必要な機能、権限および職責と一致する特定のロールを作成する柔軟性が提供されます。
表3-1に、新しいロールの作成時に使用できる権限を示します。
表3-1 ロールの作成で使用可能な権限
権限 | 説明 |
---|---|
チームの管理 |
担当チームに関するすべての管理職務を実行します。デフォルトでは、「チーム管理者」ロールと「グループ管理者」ロールに対して使用できます。 |
チーム問合せの管理 |
担当チームのすべてのメンバーが使用するデータ・リポジトリに対する問合せを作成、管理および削除します。デフォルトでは、「チーム管理者」ロールと「グループ管理者」ロールに対して使用できます。 |
チーム・タグの管理 |
担当チームのメンバーが使用するタグを作成、管理および削除します。デフォルトでは、「チーム管理者」ロールと「グループ管理者」ロールに対して使用できます。 |
チーム・ドキュメントの管理 |
担当チームのメンバーが使用するドキュメントを作成、管理および削除します。デフォルトでは、「チーム管理者」ロールと「グループ管理者」ロールに対して使用できます。 |
チーム・ソースの管理 |
担当チームのメンバーが使用するソースを作成、管理および削除します。デフォルトでは、「チーム管理者」ロールと「グループ管理者」ロールに対して使用できます。 |
子チームの権限を取得 |
この権限が含まれるロールが割り当てられているユーザーには、階層内で現在のチームの下位にあるすべてのチームに対して、ユーザーがそれらのチームの明示的なメンバーかどうかに関係なく、同じロールが付与されます。この権限は、特定のユーザーが、階層内のすべてのチームをすべてのチームのメンバーでなくても管理できるようにすることを目的としています。 チーム・プロダクティビティ・センター管理者は、これら3つのロール間での権限の割当てを変更し、必要に応じて、様々な権限を混在した新しいロールを作成することもできます。 |
新しいロールを作成するには:
「チーム・ナビゲータ・メニュー」→「チーム管理」の順に選択します。
「ロール」タブをクリックし、次に緑色のプラス記号をクリックします。これによって、新しいロールが作成されます。
作成する新しいロールの名前と説明を入力します。
新しいロールに関連付ける権限の組合せを選択し、「OK」をクリックします。
作成した新しいロールは、メンバーが属するチームのロールを変更することで、個々のチーム・メンバーに割り当てることができます。
新しいロール(後でユーザーがチームに参加したときにそのユーザーに割り当てることができるロール)の作成に加えて、チームの任意のメンバーのロールをデフォルトのロールまたは作成した新しいロールから選択して変更することもできます。
チーム・メンバーのロールを変更する手順は、次のとおりです。
「チーム・ナビゲータ・メニュー」→「チーム管理」の順に選択します。
「チーム」タブをクリックします。システム内のチームのリストが表示されます。
ロールを変更する1ユーザーまたは複数のユーザーを含むチームの名前をクリックします。
ユーザーの名前をクリックします。
ユーザーの現在のロールをクリックして、ドロップダウン・リストから新しいロールを選択し、「OK」をクリックします。
チーム・メンバーのロールは、いつでも変更できます。変更すると、そのメンバーには、管理者が割り当てた新しいロールの機能が付与されます。