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Oracle® Fusion Middleware Oracle Team Productivity Centerによるアプリケーションの開発
12c (12.1.3)
E59424-01
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1 Oracleチーム・プロダクティビティ・センターの概要

この章では、ログイン、接続と切断、チームの選択、ビルド・サマリーの使用と解析を含む、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターの基本操作について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 Oracleチーム・プロダクティビティ・センターについて

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターはOracle JDeveloperの1機能で、一連のアプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)ツールおよびテクノロジへのアクセスを提供します。

製品開発組織が製品のライフサイクル全体で使用するデータ追跡ツールやデータ・リポジトリ・ツールは増え続けており、ALMツールはこれらのツールを統合する必要性に対応しています。たとえば、製品開発の初期段階では、製品の定義、仕様および共同コード開発を追跡すると同時に、初期テストで検出された欠陥も追跡するのが一般的です。製品がリリースされると、カスタマのリクエストや拡張機能は第三者のリポジトリで追跡されます。その後、開発者がある開発ブランチでカスタマがリリースした製品を保守しながら、別のブランチで次のリリースに向けた新機能の開発を行う必要がある場合は、リクエストや欠陥を追跡するリポジトリを、チームのバージョン・コントロール・システムの適切な開発ブランチ(保守または新機能)にリンクする必要があります。Oracleチーム・プロダクティビティ・センターを使用すると、チームは、これらすべてのリポジトリに加えて、チームが使用する他のすべてを統合開発環境に直接統合できます。

外部データ・リポジトリをIDEに組み込むのに加えて、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでは、ローカル・チーム管理者が構成および保守できる、チームおよびサブチームの高度に柔軟な階層をサポートしています。Oracleチーム・プロダクティビティ・センターは次の目的で設計されています。

また、Oracle Team Productivity Centeでは、開発中の最新ビルドに関する情報も表示されます。ビルド・ダッシュボードおよびビルド・サマリーには、開発ビルドのステータスに関する要約情報が表示され、最新ビルドに関する問題の詳細をすばやく確認できるリンクも表示されます。

1.1.1 前のバージョンからの移行方法

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターを含む最新バージョンのOracle JDeveloperをインストールするときは、前のバージョンからファイルを移行できます。すでにチーム・プロダクティビティ・センターを使用しており、新しいバージョンにアップグレードする場合は、インストール指示に従って最新バージョンに移行してください。特に、使用するコネクタについては、最新バージョンをインストールして移行してください。これによって、最新機能を使用でき、使用するコネクタが最新のチーム・プロダクティビティ・センター・クライアントと完全に互換性があることが保証されます。

1.2 Oracleチーム・プロダクティビティ・センターへの接続

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターは次の部分で構成されています。

Oracleチーム・プロダクティビティ・センター・サーバーに接続する手順は、次のとおりです。

これにより、「チーム・サーバーに接続」ダイアログが開きます(次の項を参照してください)。

「更新の確認」からコネクタをインストールする方法の詳細は、『Oracle JDeveloperによるアプリケーションの開発』の「更新の確認」を使用した拡張機能のインストール方法に関する項を参照してください。

1.2.1 チーム・プロダクティビティ・センター・サーバーへの接続方法

チーム・プロダクティビティ・センター・サーバーに初めて接続する際は、「チーム・サーバーに接続」ダイアログに表示される管理者が提供するいくつかの情報が必要です。

表1-1「チーム・サーバーに接続」ダイアログのオプション

オプション 説明

チーム・サーバー

Oracleチーム・プロダクティビティ・センター・サーバーのマシン名またはIPアドレス。

ポート

チーム・サーバーが使用する専用ポート。

SSLを使用

チーム・サーバー接続にSecure Socket Layer接続が必要な場合はこれを選択します。

ユーザー名

Oracleチーム・プロダクティビティ・センター管理者によって割り当てられたユーザー名。

パスワード

Oracleチーム・プロダクティビティ・センター管理者によって割り当てられたパスワード。このパスワードを変更するには、既存のパスワードでログインした後に「プロファイルの管理」を選択します。

パスワードを保存する

このオプションを選択して、今後のログイン用にユーザー名およびパスワード、その他のサーバー情報を保存します。

JDeveloperの起動時に接続

このオプションを選択すると、JDeveloperを開くたびにOracleチーム・プロダクティビティ・センターに接続されます。


すべての情報を入力し、すべての選択が完了したら、「接続」をクリックします。

JDeveloperにこれらの設定が保存されます。「パスワードの保存」を選択すると、パスワードは暗号化されます。

1.2.2 Oracleチーム・プロダクティビティ・センターからの切断方法

チーム・プロダクティビティ・センターからはいつでも切断できます。

チーム・プロダクティビティ・センターから切断する手順は、次のとおりです。

  1. 現在選択されているチームの右側にあるドロップダウンをクリックします。

  2. チーム・サーバーから「切断」を選択します。


注意:

チーム・プロダクティビティ・センターは、JDeveloperを終了すると自動的に切断されます。


「チーム」→「チーム・サーバーから切断」の順に選択しても、チーム・プロダクティビティ・センターから切断できます。

1.2.3 ログイン・プロファイルの管理方法

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターのユーザー・プロファイルには、ユーザーの氏名、電子メール、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターのパスワード、チーム・プロダクティビティ・センターへの接続設定およびコード・レビュー設定が格納されます。「プロファイルの管理」ダイアログの「ログイン」タブで、今後の接続用にパスワードが保存されるようにOracleチーム・プロダクティビティ・センターを設定することもできます。

ログイン・プロファイルに値を設定する手順は、次のとおりです。

  1. 「チーム」→「プロファイルの管理」の順に選択します。

  2. ダイアログの上部にある「名前」および「電子メール」フィールドで、任意のユーザー情報を更新します。

  3. パスワードを変更するには、古いパスワードを入力し、新しいパスワードを1回目は「新規パスワード」フィールドに入力し、2回目は確認のために「パスワードの再入力」フィールドに入力します。

  4. 今後の接続用にOracleチーム・プロダクティビティ・センターでパスワードを保存する場合は、「パスワードを保存する」を選択します。パスワードを変更した場合は、「パスワードの保存」設定を変更するだけです。

  5. 「OK」をクリックします。

1.2.4 コード・レビュー・プロファイルの管理方法

「プロファイルの管理」ダイアログの「コード・レビュー」タブで、コード・レビュー・アクティビティの通知方法やコード・レビュー・コンテンツの表示方法に対する設定が保存されるように、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターを設定することもできます。コード・レビューへの参加に関して様々な条件が発生する場合に、電子メールまたはポップアップで通知することを選択できます。

コード・レビュー・プロファイルに値を設定する手順は、次のとおりです。

  1. 「チーム」→「プロファイルの管理」の順に選択します。

  2. 条件ごとに電子メールまたはポップアップの下のボックスにチェック・マークを付けます。

  3. パスワードを変更するには、古いパスワードを入力し、新しいパスワードを1回目は「新規パスワード」フィールドに入力し、2回目は確認のために「パスワードの再入力」フィールドに入力します。

  4. 今後の接続用にOracleチーム・プロダクティビティ・センターでパスワードを保存する場合は、「パスワードを保存する」を選択します。パスワードを変更した場合は、「パスワードの保存」設定を変更するだけです。

  5. 「OK」をクリックします。

1.2.5 リポジトリ・アカウントの管理方法

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターを使用しているときは、データ・リポジトリに格納されている情報にアクセスする機会が多くありますが、多くの場合、アクセスするにはユーザー・アカウントが必要です。たとえば、組織のバグ追跡データベースにアカウントがある場合、Oracleチーム・プロダクティビティ・センター内でバグ・レポート情報を表示、編集および保存するには、このアカウント情報をOracleチーム・プロダクティビティ・センターに提供する必要があります。

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでは、アカウント情報(ユーザーIDとパスワード)を格納して、作業中におけるこれらのアカウントへのアクセスを簡略化できます。作業アイテム・リポジトリの詳細は、第2.2項「作業アイテムの使用」を参照してください。

リポジトリ・アカウントを管理する手順は、次のとおりです。

  1. 「チーム・ナビゲータ」メニューから「アカウントの管理」を選択します。「チーム・ナビゲータ」メニューは、「チーム・プロダクティビティ・センター」ウィンドウの右側にあるドロップダウン・ボックスにあります。

  2. ダイアログの左ペインから、アカウント情報の変更が必要な作業アイテム・リポジトリを選択します。

  3. ダイアログの右ペインに、選択したリポジトリに関連付けられたアカウントの最新情報を入力します。

  4. オプションで、編集しているアカウントに対してユーザーIDとパスワードが正しいことを確認できます。これを行うには、「接続のテスト」をクリックします。テストの結果は「ステータス」ボックスに表示されます。

  5. 情報が正しいことを確認してから、「OK」をクリックします。

1.3 Oracleチーム・プロダクティビティ・センターのナビゲート

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターのナビゲートには、チーム・メンバーの表示、バージョニング・リポジトリの参照、作業アイテムの表示や問合せ、作業アイテム・テンプレートの作成およびコード・レビューへの参加が含まれます。また、ユーザーのチームを選択して、チーム・メンバーとチャットすることもできます。

「チーム」ウィンドウからチーム・プロダクティビティ・センターに移動します。このウィンドウはチーム・プロダクティビティ・センターに接続すると、アプリケーション・ウィンドウの横に開きます。

「チーム」ウィンドウ内で、チーム・プロダクティビティ・センターの各種コンポーネントおよびインタフェースが追加のアコーディオンに表示されます。

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでは、チームの最上部に、ユーザーが使用できるチームのドロップダウン・リストが表示されます。このリストからチームを選択すると(デフォルトのチームが1つしかない場合は、そのチームが自動的に選択されます)、3つのアコーディオン・パネルに、選択したチームとそのメンバーのデータが表示されます。別のチームに変更すると、アコーディオン・パネルが現在のチーム情報にリフレッシュされます。

表1-2 チーム・ナビゲータで表示できるチーム・データ

名前 説明

チーム・メンバー

特定のチームを選択すると、そのメンバーが表示されます。

作業アイテム

選択したチームに接続している作業アイテム・リポジトリが表示されます。セッションで作業アイテムを初めて表示する際は、その作業アイテム・リポジトリへの接続にユーザー名およびパスワードの使用が必要になる場合があります。リポジトリに接続すると、そのリポジトリへの問合せを作成できます。作業アイテムおよびリポジトリの詳細は、第2.2項「作業アイテムの使用」を参照してください。

バージョニング

チームに接続しているバージョニング・リポジトリが表示されます。バージョニング・リポジトリからユーザーのプロジェクトまたはアプリケーション(バージョニング・システムに応じて)に、ファイルをチェックアウトできます。バージョニングされたファイルは読取り専用書式で表示できます。バージョニング・システムに応じて、いくつかのリポジトリ管理タスク(新規ディレクトリの作成など)を実行できます。


1.3.1 ユーザーのチーム・プロダクティビティ・センター・チームの選択方法

チーム・プロダクティビティ・センター・サーバーに接続すると、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでは、管理者がユーザーを追加したチームのリストが表示されます。

チーム・プロダクティビティ・センターにサインインした後は、使用可能なチームからチームを選択できます。(ユーザーが1つのチームのみのメンバーの場合、選択オプションは表示されません。)

チームを選択する手順は、次のとおりです。

  1. 「チーム・ナビゲータ」タイトルの下にあるドロップダウン・リストをクリックします。

  2. チームを選択します。

図1-1 チーム・ナビゲータを使用したチームの選択

この図は周囲のテキストで説明しています

ユーザー自身も含めたチーム・メンバーのリストが表示されます。「チーム・メンバー」アコーディオンの下に、「作業アイテム」および「バージョニング」アコーディオンが表示されます。それぞれから、チームで必要な情報リポジトリにアクセスできます。

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでは、チーム・メンバーがチャット・サーバーに接続しているかどうかがわかります。スラッシュのある円は接続していないことを示します。さらに、チーム・メンバーの名前の上にカーソルを置くと、そのメンバーのデータ(氏名、現在表示されているチームでのロール、および電子メール・アドレス)が表示されます。チーム・メンバーの名前の上でマウス・ボタンを右クリックすると、次のオプションが表示されます。

電子メールの送信

システムのデフォルトのメール・ツールにメッセージが開きます。

チャット

メンバーとのチャットを開始します。チャット・アプリケーションまたはチャット・サーバーが未選択の場合、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターでは「チャット・サーバーに接続」ダイアログが表示されます。

チャット・サーバーにサインインする場合は、チーム・メンバーの名前をダブルクリックすると「チャット」ウィンドウが開きます。チャット・サーバーにサインインしていない場合は、ダブルクリックすると電子メール・ウィンドウが開きます。

1.3.2 チーム・プロダクティビティ・センターのチャットの使用方法

チーム・プロダクティビティ・センターをインストールした後は、チームのメンバーとチャットできます。チーム・プロダクティビティ・センターのチャットには、JDeveloper内のリアルタイム・テキスト・チャットが組み込まれています。選択したチーム・メンバーまたはアクティブなXMPP/Jabberプロトコルからの友人とチャットできます。

チーム・プロダクティビティ・センターをインストールした後は、「チーム」→「チャット」の順に選択していつでもチャットを使用できます。このために、チーム・プロダクティビティ・センターに接続する必要はなく、チーム・プロダクティビティ・センターに接続しているかどうかに関係なく、チャット・ウィンドウはいつでもを開くことができます。ただし、接続していない場合、チーム・プロダクティビティ・センターのナビゲータからはチャットを開始できません。

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターのチャットに接続する手順は、次のとおりです。

  • 「チーム」→「チャット・サーバーに接続」の順に選択します。

チャット・セッションは、次の2つの方法で開始できます。

  • チーム・メンバーを選択した後で、「チーム・メンバー」アコーディオン・ヘッダーの横にあるチャット記号をクリックします。

  • 任意のチーム・メンバーの名前をダブルクリックします。

1.3.2.1 チャット・サーバーへのログイン

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターはXMPP/Jabberプロトコルのみをサポートしており、複数の同時接続はサポートしていません。「チーム・メンバー」チャット・パネルに初めてログインすると、Oracleチーム・プロダクティビティ・センターに必要な構成情報の入力を求められる場合があります。表1-3に、一般的に表示される情報を示します。

表1-3 構成オプション

オプション 説明

ホスト

ホスト・チャット・サーバーURLの名前。

ポート

割り当てられたポート番号。

ドメイン

割り当てられたドメイン。

リソース

JDeveloper (標準)。これは、たとえば、複数のJDeveloperインスタンスからチャット・サーバーにログインする場合の一意のユーザー定義名です。

ユーザー名

チャット・サーバーのユーザー名。

パスワード

チャット・サーバーのパスワード。

パスワードを保存する

今後のログイン用にチャット・サーバー・パスワードを保存するために選択します。

JDeveloperの起動時に接続

(チャット・サーバー構成に依存)

これら2つのオプションは、チャット・サーバーの構成に応じて自動的に機能する場合とそうでない場合があります。

さらに、「チャット」ペインのツールバーには、接続または接続プロパティの編集へのショートカットになる2つのボタンがあります。

接続

チャット・サーバーに接続します。「接続プロパティの編集」と同じフィールドを使用します。

接続すると、「チャット」ウィンドウには、進行中のチャットのツールバーに「送信」(チャット・メッセージの送信)および「クリア」(すべてのテキストの削除)の2つのボタンが表示されます。


チャット・サーバーに接続すると、JDeveloperでは「接続プロパティの編集」オプションが表示されます。このオプションには、チャット・サーバーに再ログインするためのボタンおよび空のパスワード・フィールドが含まれます。

これ以外に、「チャット」ウィンドウには、チャットを制御するためのボタンが4つあります。

表1-4 「チャット」ウィンドウの制御ボタン

ボタン 説明

切断/接続

接続しているときは、このボタンをクリックして現在のチャット・サーバーから切断します。切断しているときは、このボタンをクリックして「チャット・サーバーに接続」ダイアログを開きます。

表示

次のオプションを含むドロップダウン・メニューが表示されます。

オフラインの友人の表示: オンラインと同様にオフラインのチャットの友人が表示され、チャットに使用できます。

空のグループの表示: メンバーのいないグループが表示されます。

詳細の表示: チャットの詳細が表示されます。

グループの追加: 新規グループを作成します。

友人の追加: 使用可能な友人をチャットに追加します。

ステータス

ドロップダウン・メニューが表示され、サーバーのステータス・メッセージの選択可能リストからステータスを選択できます(チャット・サーバーに応じて、「退席中」、「連絡可」、「会議中」などが表示されます)。ユーザーが選択したメッセージは、そのユーザーのアイコンをチャット・ウィンドウに表示している他のチーム・メンバーに対して表示されます。

接続プロパティの編集

「接続プロパティの編集」ダイアログが開きます。


一度に接続できるのは、1つのチャット・サーバーのみです。チームで複数のチャット・サーバーを使用する場合は、あるサーバーから切断し、チャット・プロパティを更新してから別のサーバーに接続する必要があります。そのためには、接続プロパティの編集ボタンをクリックするか、「接続」ツールバー・ボタンをクリックします。いずれの場合も接続プロパティ・ダイアログが開き、このダイアログから「接続」ボタンをクリックできます。

1.4 ビルド・ダッシュボードおよびビルド・サマリーの理解

ビルド・ダッシュボードおよびビルド・サマリーには、組織がHudsonまたはCruise Controlなどのビルド追跡プラグインを使用して追跡しているプロジェクトのビルド・ステータスの要約が表示されます。

チーム・プロダクティビティ・センターへの初回ログイン時に、ビルド・サマリーが表示されます。JDeveloperではビルド・サマリーの一時的なスナップショットが表示され、ユーザーのチームが属する開発/ビルド・ブランチに関する情報、最新ビルドのステータス・リスト、およびその他の結果へのリンクが表示されます。

ビルド・ダッシュボードには、組織がチーム・プロダクティビティ・センターを使用して追跡しているプロジェクトのビルドに関する詳細な統計が表示されます。サマリーの上部には、ビルドに表示されるビルド情報、テスト結果および合計トランザクションの概要が示されます。Oracleチーム・プロダクティビティ・センターを使用してソース管理システムにコミットした場合は、使用しているソース管理システムの関連トランザクションが下部に表示されます。ビルド・ダッシュボードにリストされている特定のビルドのビルド・サマリーを開くと、その特定のビルドの追加詳細を表示できます。

1.4.1 ビルド・ダッシュボードを開いて使用する方法

ビルド・ダッシュボードが表示されていない場合は、「チーム」メニューからアクセスできます。これにより、プロジェクトのライフサイクルのこの時点においてユーザーのチームが属するビルド、ブランチおよびテスト結果へのアクセスが視覚的に容易になります。

ビルド・ダッシュボードを開く手順は、次のとおりです。

  • 「チーム」→「ビルド・ダッシュボード」

「チーム」ウィンドウからドロップダウン・セレクタをクリックし、ビルド・ダッシュボードを選択することで、ビルド・ダッシュボードを開くこともできます。

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターにログインする前にビルド・ダッシュボードを選択すると、最初にOracleチーム・プロダクティビティ・センターにログインするように求められます。詳細は、第1.2.1項「チーム・プロダクティビティ・センター・サーバーへの接続方法」を参照してください。

1.4.1.1 ビルド・ダッシュボードの使用

ビルド・ダッシュボードには、チームが追跡しているビルド・ステータスの結果の統計が表示されます。ソース管理システムのトランザクション、テスト結果、およびビルドによって影響される作業アイテムを表示するには、ビルド・ダッシュボードを使用します。

ビルド・ダッシュボードを使用する手順は、次のとおりです。

ビルド・ダッシュボードで行のブランチ名または「合計トランザクション」リンクをクリックすると、ビルドの結果が表示されます。ここには、組織がチーム・プロダクティビティ・センターを使用して追跡しているプロジェクトのビルドに関する統計が表示されます。

ビルド・ダッシュボードを表示した後は、最新ビルドから選択して、表1-5に示す情報を表示できます。

表1-5 ビルド・ダッシュボードのオプション

オプション 説明

ブランチ

ドロップダウンをクリックして、関心がある開発ブランチを選択します。

ビルド

選択したブランチ内のビルドの順次リスト。関心があるビルドをクリックすると、選択したビルドのビルド・サマリーが表示されます。

ブランチのビルド・リストの下にあるビルド・ダッシュボードには、選択したブランチ内の選択したビルドに対する関連トランザクションのリストが表示されます。

関連トランザクション

ビルド・ダッシュボードには、選択したブランチの「変更セット」、変更セット所有者、「リポジトリ」、「タイプ」および「キー」が表示されます。この中で「変更セット」および「キー」は選択可能ですが、他の表示要素は読取り専用です。

変更セット

選択したバージョニング・システムの変更セット。個々の変更セットを選択すると、その内容が「ログ」ウィンドウにロードされ、選択した変更セットに割り当てられた要素が表示されます。

キー

表示されている変更セットに関連付けられた作業アイテムIDが表示されます。このキーをクリックすると、作業アイテム詳細エディタが開き、作業アイテムの表示および変更ができます。


1.4.2 ビルド・ダッシュボードおよびビルド・サマリーの使用方法

すべてのビルド/テスト・システムは、プラグインがビルド/テスト環境にインストールされたときに構成されます。通常、ビルド・プラグインは、Oracleチーム・プロダクティビティ・センター・サーバーの初回インストール時にインストールされます。インストールおよび構成の後に、ビルド/テスト・システムの結果がチーム・プロダクティビティ・センター・クライアントに返され、ビルド・ダッシュボードで使用可能になります。ダッシュボードは、関心がある結果を表示するようにカスタマイズできます。

ビルド・ダッシュボードの表示をカスタマイズする手順は、次のとおりです。

  • 「ブランチとお気に入り通知のカスタマイズ」アイコン(レンチ)をクリックします。

これによって、「モジュール表示および通知の管理」ダイアログが開きます。このダイアログから、ダッシュボードに表示するモジュールを選択でき、新規のビルド結果がこれらのモジュールのいずれかで使用できる場合の通知をJDeveloperでサブスクライブするかどうかも選択できます。「モジュール表示および通知の管理」ダイアログの使用中に詳細を参照する場合はいつでも、[F1]を押すか、または「ヘルプ」をクリックします。

1.4.2.1 ビルド・ダッシュボードからのビルドの選択

ビルド・サマリーには、組織がチーム・プロダクティビティ・センターを使用して追跡している特定の1つのビルドに関する統計が表示されます。サマリーの上部には、ビルドに表示されるビルド情報およびテスト結果の概要が表示されます。

ビルド・ダッシュボードからビルドを選択する手順は、次のとおりです。

  • ビルド・ダッシュボードから「ブランチ」ドロップダウンをクリックし、関心があるビルドをダブルクリックして選択します。選択したビルドのビルド・サマリーが表示されます。

表1-6に、ビルド・サマリーの切替えボタンを示します。これにより、表示するテストを制御できます。

表1-6 ビルド・サマリーの切替えボタン

オプション 説明

表示

ビルド・サマリーに表示する統計を選択します。これらのアイコンのいずれかをクリックして切り替え、選択した次のタイプの結果を表示するか、それとも非表示にするかを選択します。

エラー

エラーが発生したテストの結果を表示/非表示にします。

失敗

失敗したテストの結果を表示/非表示にします。

パス

成功したテストの結果を表示/非表示にします。

ビルド・サマリーの統計ドロップダウン・リストの横には、表示する情報を変更するために次のいくつかの方法が用意されています。

お気に入り

お気に入りとしてマークしたテストの結果を表示/非表示にします。

未割当て

所有者が割り当てられていない選択した結果を表示/非表示にします。

フィルタ

カテゴリおよび文字列でフィルタ処理された、選択した結果が表示されます。双眼鏡ドロップダウンをクリックし、結果をフィルタ処理する領域を選択します。結果をフィルタ処理するカテゴリとして、「モジュール」、「クラス」、「テスト・ケース」、「変更セットの所有者」または「作業アイテム」のいずれかを選択できます。

たとえば、カテゴリを選択した場合は、ビルド・サマリーで検索フィルタとして使用する文字列を入力します。ビルド・サマリーには、フィルタ文字列に一致する結果のみが表示されます。

展開/縮小

ビルド・サマリーでは、「クラス」列の結果の左側にあるノード・アイコンをクリックして、個々の結果を展開したり縮小できます。「フィルタ」フィールドの横にある「すべて展開」(二重のプラス記号アイコン)および「すべて縮小」(二重のマイナス記号アイコン)をクリックして、すべての結果を展開したり縮小することもできます。

ビルド・サマリーには、概要の下に、モジュール、クラスおよび実行したテストに関する詳細情報が表示され、チームがバグ情報を追跡するために使用しているリポジトリへのリンクも表示されます。サマリーには次の列があります。


表1-7「ビルド・サマリーの列」に、ビルド・サマリーで表示される列、さらに次のビルド・サマリーの切替えボタンを使用した選択の結果も示します。

表1-7 ビルド・サマリーの列

オプション 説明

テスト

ビルドに対して実行されたテスト・クラスの名前。クラス名の左側にある+または-記号をクリックすると、このクラス内のメンバーの階層表示を展開したり縮小でき、画面の上部にある「すべて展開」および「すべて縮小」アイコンを使用すると、すべてのクラスを展開したり縮小できます。

テスト実行

各クラスでのテスト実行の回数。クラスを展開すると、サマリーに、クラスのメンバーごとのテスト実行回数、およびクラスでのテスト実行の合計回数が表示されます。

失敗

各クラスでの結果が失敗だったテストの回数。

パス率(%)

成功したテストの割合。各行の割合は、クラスの各メンバーの失敗に対するパスの割合を反映しているため、行を縮小(そのクラス・メンバーの要素の表示を抑制)した場合は、その行を展開するまで、表示されている数値にパス率が反映されない場合があります。

ステータス

各テストのステータス(成功、注意または失敗)を表すグラフィック表示。

結果

「結果」列には、テストの結果を要約した情報(特定のエラー・メッセージ、そのテストで作成された出力を含む)の詳細画面へのリンクが表示されます。失敗したテストの場合、この列には、通常、完全なスタック・トレースなどの詳細データが表示されます。リンクをクリックすると、読取り専用ダイアログに完全データが表示されます。

所有者

選択した行のテストを担当するように割り当てられたチーム・メンバー。所有者には電子メールを送信したり、所有者の名前を右クリックしてその所有者とのチャット・セッションを開くことができます。

所有者がテストに割り当てられていない場合、「所有者」フィールドには、ユーザー自身を所有者として割り当てるためのボタンが表示されます。所有者が割り当てられていないテストは、「未割当てのみ」チェック・ボックスを選択した場合のみ表示されるアイテムです。

さらに、このセルには、「自分を所有者として追加」および「所有者として削除します」という切替えボタンが表示されます。失敗したテストの所有権を取得するには、「自分を所有者として追加」をクリックします。所有権を放棄するには、「所有者として削除します」をクリックします。

作業アイテム

テストに割り当てられたOracleチーム・プロダクティビティ・センターの作業アイテムの数。作業アイテム番号をクリックすると、その作業アイテムの詳細が表示されます。

チームがアクセス可能なすべてのリポジトリを表示するには、「作業アイテムの作成」をクリックします。これによって、そのチームで使用可能なすべての作業アイテム・リポジトリのリストが表示されます。次に、そのテストに適した作業アイテムを作成できます。

新しい作業アイテムが保存されると、ビルド・サマリー・ページは新しい作業アイテム番号で更新されます。


1.5 コード・レビューの理解

Oracleチーム・プロダクティビティ・センターには、開発プロセスの一貫としてチームが共同でコードをレビューできる機能がいくつかあります。「コード・レビュー」ウィンドウは、コード・レビューにアクセスする主な方法です。コード・レビューの検索、編集およびやり取りができる方法は他にもありますが、「コード・レビュー」ウィンドウの概要によって、コード・レビューのやり取りの方法について理解を深めることができます。

1.5.1「コード・レビュー」ウィンドウへのアクセス方法

「コード・レビュー」ウィンドウにアクセスするには、Oracleチーム・プロダクティビティ・センター・サーバーにログインする必要があります。

「コード・レビュー」ウィンドウにアクセスする手順は、次のとおりです。

  • 「チーム」→「コード・レビュー」の順に選択します。

「コード・レビュー」ウィンドウが開きます。デフォルトでは、「チーム」ウィンドウの横にあります。

1.5.2「コード・レビュー」ウィンドウへの移動方法

「コード・レビュー」ウィンドウでは、すでに表示したレビュー、作成したレビューまたは割り当てられたレビューを参照できます。このウィンドウには4つのタブがあり、レビューに対するコメント、レビューの詳細、レビューに割り当てられたレビューアおよび選択したレビューの添付ファイルを表示できます。

「コード・レビュー」ウィンドウの上部に、次の3つのフォルダを選択できるドロップダウン・リスト・ボックスが表示されます。

  • 作成したレビュー

  • 割り当てられたレビュー

  • 最近表示したレビュー

これらのフォルダのいずれかを選択し、そのコンテンツを表示します。各フォルダのコンテンツから特定のレビューを選択できます。フォルダが空の場合、レビューを検索できます。レビューの検索の詳細は、第2.3項「コード・レビューの使用」を参照してください。

ドロップダウン・リスト・ボックスの右側には、次のオプションが表示されるドロップダウン・メニュー・セレクタもあります。

  • 新規レビュー: 新規レビューを作成します。

  • レビュー・リストのリフレッシュ: 変更がある場合(新規レビューが割り当てられたなど)は、「コード・レビュー」ウィンドウのコンテンツが更新されます。

  • レビューをクローズとマーク: 選択したレビューをクローズします。クローズ済のレビューにはコメントできなくなります。

  • レビュー名の変更: 「レビュー名の変更」ダイアログが開きます。新しいレビュー名を入力し、「OK」をクリックします。

  • レビューの検索: 「コード・レビューの検索」ウィンドウが開きます。レビューの検索の詳細は、第2.3項「コード・レビューの使用」を参照してください。

ドロップダウン・リストの下には、選択したレビューの詳細情報を表示する4つのタブがあります。

  • コメント

  • 詳細

  • レビューア

  • 添付ファイル

これらのタブからコード・レビューの様々な側面にアクセスできます。

1.5.2.1「コメント」タブの使用

「コメント」タブには2種類のコメントが表示されます。

  • 一般コメント: これらのコメントは、コードの特定行に関するコメントやレビュー中のファイルに行われた変更に対してではなく、レビュー全体に適用されます。

  • コメントがあるファイル: JDeveloperでは、このレビューに関連付けられたコメントがあるファイルのリストが一般コメントの下に表示されます。

特定のレビューのファイル・リストから、レビューのプロセスにおいてチームによってコメントされたファイルの検索や操作を行うことができます。

一般コメントを追加する手順は、次のとおりです。

  • 「コメント」タブを選択し、「新規一般コメントの追加」アイコンをクリックします。コメントのテキストを入力し、コメントの保存が完了したら[Enter]キーを押します。

「コメント」タブからファイルを選択する手順は、次のとおりです。

  • 「コメント」タブのファイル名をダブルクリックします。

選択したファイルがJDeveloperの編集ウィンドウで開くため、リビジョン比較ツールを使用します。これにより、レビュー対象ファイルの2つのバージョンをスクロールできます。「ナビゲーション」アイコンを使用して、次の変更、前の変更、最初の変更または最終変更にジャンプできます。

コメントに返信したり、新規コメントを作成したりすることもできます。詳細は、第2.3.5項「コード・レビューに対するコメント方法」を参照してください。

1.5.2.2 レビュー・コメントのフィルタ処理

表示するファイルおよびレビュー・コメントをフィルタ処理するには、2つの方法があります。

  • フィルタ・フィールドを使用して、表示をフィルタ・テキストと一致するコメントに制限します。

  • 「表示」メニュー(「ファンネル」アイコン)からオプションを選択して、使用可能なすべてのレビュー・コメントに適用します。

入力されたテキストと一致するコメントのみがフィルタ・フィールドに表示されます。たとえば、行4、行6および複数行8-12にコメントがある場合、フィルタ・フィールドにテキスト「複数行」を入力すると、複数行8-12のコメントのみが表示されます。

フィルタ・フィールドに入力できるのはコメントのタイトルのみです。レビューに関連付けられたファイルの表示には影響しません。

表示されるファイルを決定するには、次の「表示」メニューを使用して、ファイルおよびファイルに含まれるコメントの特定の条件を選択します。

  • すべてのファイルの表示: このレビューに関連付けられたすべてのファイルが表示されます。

  • コメントがあるファイルのみ表示: レビュー・コメントがないファイルの表示を制限します。

  • すべてのコメント・スレッドの表示: すべてのコメント・スレッド(初期コメントやその後の返信など)が表示されます。

  • 未解決のコメント・スレッドのみ表示: 解決済のコメント・スレッドの表示を制限します。

フィルタ・フィールドおよび「表示」メニューを慎重に使用すると、特定のレビューのすべてのコメントを個別に検索する必要がなく、ユーザーに関連する特定の問題の絞込みに役立ちます。特に、膨大な数のレビュー・コメントがある複雑で長期にわたるプロジェクトに有効です。

1.5.2.3「詳細」タブの使用

表1-8に、「詳細」タブの内容について示します。

表1-8「詳細」タブの内容

オプション 説明

名前

選択したコード・レビューの名前です。

作成者

コード・レビューを作成したチーム・メンバーの名前です。

リビジョン詳細

レビュー対象のファイル・リビジョンに関する次の情報が含まれます。

ノート

コード・レビューの初期作成者が作成したノートが表示されます。

変更セット詳細

このコード・レビューによって適用される変更セットに含まれるファイルが表示されます。

関連付けられた作業アイテム

このコード・レビューが特定の作業アイテムに関連する場合、その作業アイテムはここに表示されます。このフィールドの名前をダブルクリックすると、作業アイテムが表示されます。


1.5.2.4「レビューア」タブの使用

「レビューア」タブでは、レビューアとして追加されているすべてのチーム・メンバーが一覧表示されます。

レビューの所有者である場合、タブの上部の該当するアイコンをクリックして、チーム・メンバーをレビューア・リストに追加したり、削除したりできます。

レビューアをレビューに追加または削除する手順は、次のとおりです。

  • 「レビューアの追加」(+)または「レビューアの削除」(X)アイコンをクリックします。

また、「レビューア」タブのチーム・メンバー名は、チャット機能へのリンクがアクティブです。名前をクリックすると、タブの任意のレビューアにメッセージを送信できます。

1.5.2.5「添付ファイル」タブの使用

「添付ファイル」タブでは、レビューに追加されたファイル・リストが表示されます。ファイルをレビューに追加または削除できます。

ファイルをレビューに追加または削除する手順は、次のとおりです。

  • 「ファイルの追加」(+)または「ファイルの削除」(X)アイコンをクリックします。

1.5.2.6 レビュー・プリファレンスの管理

「プロファイルの管理」ダイアログの「レビュー」タブを使用して、通知の受信方法および「最近表示したレビュー」フォルダに表示されるレビュー数を制御できます。

通知の受信方法を制御する手順は、次のとおりです。

  • 「チーム」ドロップダウン・メニューから、「プロファイルの管理」を選択し、「コード・レビュー」タブを選択します。

「コード・レビュー」タブでは、様々な条件下で電子メールとポップアップのどちらで通知するかを選択できます。「最近表示したレビュー」フォルダに表示されるコード・レビューの数(5、10または15)を選択でき、最近表示したレビューのリストをクリアできます。