この章では、Oracle Data Integratorを互換性モードで使用する方法について説明します。互換性モードを使用すると、旧バージョンのODIに組み込まれているインタフェースをインポートおよび実行できます。
この章には次の項が含まれます:
Oracle Data Integrator 12cは後方互換性機能を備えており、これにより、ODI 11gで作成したインタフェースをインポートおよび実行できます。これらの11g互換マッピングは、次の2つの方法で作成できます。
アップグレード・アシスタントを使用してODI 12cにアップグレードした場合は、「インタフェースを12cマッピングにアップグレードします - 11g SDKの互換性が失われます」オプションを無効にします
ODI 11g SDKを使用してマッピングを作成します
アップグレード・アシスタントでの11g SDK互換性フラグの選択解除は、11g SDKを使用して11g互換マッピングを後で変更する場合にのみ必要です。11g SDK互換マッピングは、ODI Studio 12cで表示する場合は読取り専用です。11g SDKは、アップグレードした11g互換マッピングを変更する唯一の方法です。11g互換マッピングを変更する場合、アップグレード・アシスタントを使用して11g SDK互換性を有効化する必要はありません。
11g互換マッピングでは、特別なマッピング・コンポーネントである11g互換データセットを使用して、11gインタフェース動作をエミュレートします。
ODI 12cマッピングの実行とまったく同じ方法で、11g SDK互換マッピングをODI 12cで実行できます。
コンテキスト・メニュー・コマンドを使用して、11g SDK互換マッピングを本当のODI 12cマッピングに変換できます。
ODI 12cマッピングを11g互換性に変換することはできません。
インポートしたインタフェースとの11g SDK互換性の維持
11g互換マッピングをインポートする場合は、11g SDK互換マッピングとしてインポートするか、12cマッピングに変換するかを指定するユーザー・プリファレンスを設定する必要があります。
ODI Studioのメニュー・バーから「ODI」を選択し、「ユーザー・インタフェース」、「デザイナ」の順に選択します。
オプション「移行されたインタフェース用に11g SDKの互換性を維持」を有効にします。
11gインタフェース・エクスポート・ファイルのインポート時には、このオプションによって、インポートしたインタフェースの互換性が11g SDKか12cのどちらかとして決定されます。
11g SDK互換マッピングを作成するには次の2つのオプションがあります。
Oracleアップグレード・アシスタントを使用して、旧バージョンのODIをODI 12cにアップグレードできます。ODIをアップグレードすると、11gインタフェースがデフォルトで12cマッピングに変換されます。
アップグレード・アシスタントでは、オプションの選択を解除することにより11g SDK互換性モードを有効化できます。11g SDK互換性モードでは、ODI 11g SDKを使用して、アップグレード済の11g互換マッピングを変更できます。
ODI 11gインタフェースを11g互換マッピングに変換するには、『Oracle Data Integratorのアップグレード』の第4章「Oracle Data Integrator環境のアップグレード」のタスク6 ODIアップグレード・オプションの選択に関する項で「インタフェースを12cマッピングにアップグレードします - 11g SDKの互換性が失われます」オプションの選択を解除します。
アップグレード済または標準ODI 12c環境では、ODI 11g SDKを使用して、11g互換マッピングを作成できます。ODI 12cでは、これらのマッピングは読取り専用です。
Oracleアップグレード・アシスタントを使用してODI 12cにアップグレードし、11g互換性モードを有効化した場合は、11g SDKを使用して、11g互換マッピングを変更できます。
11g SDKを使用して11g互換マッピングを作成する場合は、Oracle Data IntegratorのJava APIリファレンスを確認してください。
複数の作業リポジトリ間でオブジェクトの一意性を維持するために、ODI 11gではあるメカニズムを使用して、オブジェクト(テクノロジ、データ・サーバー、モデル、プロジェクト、マッピング、KMなど)に対して一意のIDを生成していました。Oracle Data Integrator 11gでは、すべてのオブジェクトが内部IDによって識別されます。内部IDは各オブジェクトの「バージョン」タブに表示されます。
ODI 11gのマスター・リポジトリと作業リポジトリは、それぞれ一意の3桁の内部IDによって識別されます。11gオブジェクトの内部IDは、自動的に増分された数値にリポジトリIDの値を加えて計算されます(<UniqueNumber><RepositoryID>
)。
リポジトリIDが3桁より短い場合、欠落している桁には「0」が補足されます。たとえば、リポジトリのIDが5
の場合、このリポジトリ内のオブジェクトの内部IDは1005
、2005
、3005
、1234567005
などが可能です。同じリポジトリ内で作成されたすべてのオブジェクトは、最後の3桁が同じ(この例では005
)になることに注意してください。
この内部IDは、リポジトリのオブジェクト・タイプに対して一意であり、そのオブジェクト・タイプのリポジトリ間でも一意です。これは、内部IDにリポジトリ固有のIDが含まれているためです。
エクスポート/インポートの重要なルールとガイドライン
11gオブジェクトIDの構造により、次のガイドラインに従ってください。
各ODI 11g作業リポジトリには、異なる内部IDが常に必要です。同じIDの作業リポジトリには、同じオブジェクトが含まれるとみなされます。
ODI 11gオブジェクトを11gリポジトリからインポートする場合は、アップグレード・キーを定義する必要があります。アップグレード・キーは、ともに機能するリポジトリのセットを一意に識別する必要があります。
マスター・リポジトリまたは作業リポジトリの再番号付けとは、リポジトリに保存されているオブジェクトのリポジトリIDと内部IDを変更する操作です。この操作は、11g互換性モードであるリポジトリでのみ使用できます。ODI 12cでは、リポジトリには一意のグローバル識別子があり、これらの再番号付けはできません(必要ありません)。
2つのリポジトリが同じIDで作成されている場合は、リポジトリの再番号付けをお薦めします。一方のリポジトリを再番号付けすることで、2つのリポジトリ間でオブジェクトを競合なしでインポート/エクスポートできます。
警告: リポジトリの再番号付け管理操作では、データベースの再番号付け対象リポジトリのバックアップを作成しておく必要があります。 |
11g互換リポジトリの再番号付け
トポロジ・ナビゲータで、「リポジトリ」パネルを展開します。
「マスター・リポジトリ」ノードまたは「作業リポジトリ」ノードを展開し、再番号付けするリポジトリを右クリックします。
「再番号付け」を選択します。
「リポジトリの再番号付け - ステップ1」ダイアログで、「はい」をクリックします。
「リポジトリの再番号付け - ステップ2」ダイアログで、リポジトリの新しい一意のIDを入力し、「OK」をクリックします。
リポジトリおよびそのリポジトリに保存されているすべての詳細(トポロジ、セキュリティ、バージョン管理の詳細など)が再番号付けされます。