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Oracle® Fusion Middleware Oracle Data IntegratorのためのSAP ABAP BWアダプタ・スタート・ガイド
12c (12.1.3)
E59402-02
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2 環境の設定

この章では、SAP BW環境をOracle Data Integratorとともに使用するようにセットアップする方法を説明します。

この章には次の項が含まれます:

始める前に

始める前に、次のことに注意してください。


注意:

ODI SAPアダプタのいずれかの部分を使用またはテストするには、次の3つのすべての項に従い、正常に完了する必要があります。

これらのSAP関連タスクは、SAP管理チームとスケジュール調整する必要があるため、通常時間がかかることを考慮に入れてください。

ODI関連のインストール操作に進む前に、これらの操作をすべて完了してください。


システム要件と動作要件

インストールを実行する前に、システム要件と動作保証のドキュメントをよく読み、これからインストールを行う製品の最小インストール要件を現在の環境が満たしていることを確認する必要があります。

Oracle Data Integratorの要件は、『Oracle Data Integratorのインストールと構成』に記載されています。

Oracle Data Integrator SAP ABAP - BWアダプタ固有の要件は次のとおりです。

  • Oracle Data Integrator 11.1.1.7.0パッチ20235601 (ODI SAP Adapter v37)またはそれ以降のODI 11gバージョン、あるいはOracle Data Integrator 12.1.3.0.0パッチ19561419 (ODI SAP Adapter v37)またはそれ以降のODI 12cバージョン。

  • アダプタに対応するバージョンのJava Connector (JCo)を使用する必要があります。サポートされるJCoのバージョンの一覧は、Oracle Technology Network (OTN)にある互換性の表を参照してください。バージョンがJCo 3.0.2以上であることが必要です。

  • Oracle Data IntegratorおよびJCoの両方と互換性があるJVMバージョンを使用する必要があります。JCoの前提条件として、JVM 1.5以上のバージョンが必要です。

  • コネクタが、SAPシステムからODIエージェントへのデータ転送に対して2つの転送モードをサポートしていること。1つは共有ディレクトリを使用する転送、もう1つはFTP経由のデータ転送です。詳細と制約については、『Oracle Data Integratorアプリケーション・アダプタ・ガイド』のファイル転送の考慮事項に関する項を参照してください。ファイル転送モードの選択に応じて、次の要件を満たす必要があります。

    • 共有ディレクトリ経由のデータ転送(推奨される転送方法): LKM SAP BW to Oracle (SQLLDR)を使用するには、SAPシステムとODIエージェントとの間で共有されるフォルダが必要です。SAPアプリケーション・サーバーでは、SAPシステムとODIエージェント・マシンからアクセス可能なフォルダにデータを書き込むことでデータを転送します。これは通常、ODIエージェント・マシンのフォルダをSAPシステムと共有することで行われます。共有フォルダは、必ずしもODIエージェント・マシン上に置く必要はないことに注意してください。共有フォルダがODIエージェント・マシンとSAPシステムの両方からアクセス可能であるかぎりは、サード・マシン上に共有フォルダを置くこともできます。


      注意:

      セキュリティ上の理由から、SAPのフォルダをODIエージェントと共有することは避けてください。SAPシステムと共有するのは、ODIエージェント・マシンのフォルダのみにしてください。

      共有フォルダは、SAPシステムにアクセスできる必要があります。基盤となるオペレーティング・システムのみへのアクセスでは不十分です。つまり、フォルダはSAPトランザクションAL11内で宣言される必要があり、その結果、フォルダはAL11内で正常に開かれます。

    • FTP経由のデータ転送: LKM SAP BW to Oracle (SQLLDR)を使用するには、データをSAP BWシステムからアップロードするためのFTPサーバーが必要です。このデータの読取りは、マッピングを実行するエージェントによって(このエージェントがFTPサーバー・マシン上で実行されている場合)ローカルで実行されるか、またはリモートで(このエージェントがFTPサーバーとは異なるマシン上にある場合)実行されます。このFTPサーバーは、SAP BWマシンとエージェント・マシンの両方からネットワーク経由でアクセスできる必要があります。

  • LKM SAP BW to Oracle (SQLLDR)のみ: エージェントを実行するマシン上にSQLLoaderが必要です。SQLLoaderは、SAP BWシステムから抽出されたデータをOracleステージング領域にロードするために使用されます。

SAPシステムの設定

SAPアダプタは、一部のSAP RFCを介してSAPシステムと統合します。これらのコンポーネントは、SAP管理チームがインストールする必要があります。「ODI SAPコンポーネントのインストール」の項で説明するインストール手順、および『Oracle Data Integratorアプリケーション・アダプタ・ガイド』ODI SAP設定の検証に関する項で説明する検証手順を実行するには、SAP管理者に問い合せてください。

SAP接続情報の収集

SAP BWシステムに接続するには、SAP管理者に次の情報を要求する必要があります。

  • SAP BWシステムのIPアドレスまたはホスト名: IPアドレス/ホスト名は、SAPが実行されているホストに付与される技術的な名前です。

  • SAPユーザー: SAPユーザーとは、SAP BWシステムにログオンするためにユーザーに付与される、一意のユーザー名です。

  • SAPパスワード: ユーザーがログインするために使用されるパスワード(大文字と小文字が区別されます)。

  • SAP言語: ログイン時に使用される言語のコード。たとえば、英語はEN、ドイツ語はDEです。

  • SAPクライアント番号: SAPでクライアントと呼ばれる、自己完結型の単位に割り当てられた3桁の番号。クライアントは、トレーニング、開発、テスト、本番クライアントなどです。また、大企業の個々の部門を表す場合もあります。

  • SAPシステム番号: SAPインスタンスに割り当てられた2桁の番号。SAPインスタンスは、Web Application Server (WAS)とも呼ばれます。

  • SAPシステムID: 1つのランドスケープ内でのSAPシステムの一意の識別子(3文字)。

  • SAPトランスポート・レイヤー名: この文字列は、1つのSAPランドスケープ内でトランスポート・レイヤーを一意に識別します。これにより、ODIは、SAPでの後のデプロイメントでトランスポート・リクエストを作成できます。ここにデフォルト値がある場合でも、このトランスポート・レイヤー名は、SAP Basisチームからの提供を受ける必要があります。これを行わない場合、インストールの際、大幅な遅れにつながる可能性があります。

  • SAP BWバージョン: BW 3.5またはBI 7.0。

  • SAP文字セット: この文字セットが必要になるのは、SAPシステムがUNICODEシステムではない場合のみです。すべての文字セットのリストは、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』のロケール・データに関する項を参照してください。たとえば、クロアチア語のデータの場合はEE8ISO8859P2です。UNICODEシステムの場合はUTF8を使用します。


注意:

前述の接続データ(SAP SNC接続プロパティおよびSAPルーター文字列を除く)はすべて必須であり、SAP管理者から要求されます。接続設定時には、SAP管理者にサポートを依頼することを検討することもできます。

Oracle Data Integratorのインストール

このプロジェクトを開始する前に、Oracle Data Integratorをインストールおよび構成する必要があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Data Integratorスタート・ガイド』および『Oracle Data Integratorのインストールと構成』を参照してください。

Oracle DBターゲットのインストールと構成

このプロジェクトでは、マッピングのターゲットおよびステージング領域としてOracleデータベース・エンジンを使用します。例として、Oracle XEデータベースをOracle Technology Network (OTN)からダウンロードできます。このデータベースをインストールして構成します。

このプロジェクトのターゲットとなるOracle表は、次のスクリプトを使用して作成できます。

-- Create demo target schema

CREATE USER ODI_SAP_DEMO IDENTIFIED BY ODI_SAP_DEMO DEFAULT TABLESPACE USERS TEMPORARY TABLESPACE TEMP;
GRANT CONNECT, RESOURCE TO ODI_SAP_DEMO;


-- Create demo target tables
-- For ODS/DSO

CREATE TABLE ODI_SAP_DEMO.W_PURCH_DS (
PO_GUID VARCHAR2(100),
ORDER_ITEM_GUID VARCHAR2(100),
ACC_ASS_GUID VARCHAR2(100),
GUIDE_CONTRCT VARCHAR2(100),
ORDER_QUANT NUMBER,
NET_PRICE NUMBER,
PRICE_UNIT CHAR(5),
NO_OF_PURCH_ODR NUMBER);
ALTER TABLE ODI_SAP_DEMO.W_PURCH_DS ADD CONSTRAINT PK_W_PURCH_DS PRIMARY KEY (PO_GUID);


-- For INFO OBJECT

CREATE TABLE ODI_SAP_DEMO.W_ACCNT_VENDR_DS (
VENDOR CHAR(10),
PCOMPANY CHAR(10),
PHONE CHAR(20),
PLANT CHAR(10),
STREET VARCHAR(50),
MED_DESC VARCHAR(100));
ALTER TABLE ODI_SAP_DEMO.W_ACCNT_VENDR_DS ADD CONSTRAINT PK_W_ACCNT_VENDR_DS PRIMARY KEY (VENDOR);


-- For INFO OBJECT HIERARCHY

CREATE TABLE ODI_SAP_DEMO.W_GL_ACCOUNT_HIER_DS (
HIER_NAME CHAR(50),
NODEID NUMBER(20),
INFOOBJECT_NAME CHAR(80),
NODENAME CHAR(80),
TLEVEL NUMBER(5),
PARENTID NUMBER(20),
CHILDID NUMBER(20),NEXTID NUMBER(20));

ALTER TABLE ODI_SAP_DEMO.W_GL_ACCOUNT_HIER_DS ADD CONSTRAINT PK_W_GL_ACCOUNT_HIER_DS PRIMARY KEY (HIER_NAME, NODEID);

-- For INFO OBJECT INTERVAL HIERARCHY

CREATE TABLE TARGET_INTERVAL_HIERARCHY
(
RSHIENM VARCHAR2(30 BYTE),
NODEID NUMBER(8),
PARENTID NUMBER(8)
INTERVL VARCHAR2(1 BYTE)
LEAFFROM VARCHAR2(60 BYTE),
LEAFTO VARCHAR2(60 BYTE),
VERSION VARCHAR2(3 BYTE),
CHRT_ACCTS VARCHAR2(4 BYTE),
GL_ACCOUNT VARCHAR2(10 BYTE),
BAL_FLAG VARCHAR2(1 BYTE),
GLACCEXT VARCHAR2(18 BYTE),
INCST_FLAG VARCHAR2(2 BYTE)
)


-- For INFO CUBE

CREATE TABLE ODI_SAP_DEMO.W_VENDR_BAL_DS (
OCOMP_CODE CHAR(6),
OCREDITOR CHAR(10),
ORC_ACCOUNT CHAR(10),
TOT_DEBT_POST NUMBER,
TOT_CR_POST NUMBER,
CUMULATIVE_BAL NUMBER);

ALTER TABLE ODI_SAP_DEMO.W_VENDR_BAL_DS ADD CONSTRAINT PK_W_VENDR_BAL_DS PRIMARY KEY (OCOMP_CODE);


-- For INFO CUBE & INFO OBJECT Join

CREATE TABLE ODI_SAP_DEMO.W_VENDER_CUBE_OBJ_DS (
COMP_CODE CHAR(10),
VENDOR CHAR(10),
GL_ACCOUNT CHAR(10),
SALES_FOR_PERIOD NUMBER,
CUM_BALANCE NUMBER,
PLANT CHAR(10),
MEDIUM_DESC VARCHAR2(100));

ALTER TABLE ODI_SAP_DEMO.W_VENDER_CUBE_OBJ_DS ADD CONSTRAINT PK_W_VENDER_CUBE_OBJ_DS PRIMARY KEY (COMP_CODE);

CREATE TABLE "TARGET_NAVIGATIONAL_ATTRIBUTES"
(
IOPK_CUSTOMER VARCHAR2(10 BYTE),
IOPKCUST_GROUPVARCHAR2(2 BYTE),
IOPKPK_CUSTOMERVARCHAR2(10 BYTE),
IOPK_PK_PLANT VARCHAR2(4 BYTE),
IOPKCALMONTH NUMBER(6),
IOPK_CALWEEK NUMBER(6),
IOPKTHIP_POINTVARCHAR2(4 BYTE),
REQUIDVARCHAR2(30 BYTE),
KF_ODEL_VOL NUMBER(17,3),
KF_OSHIPDATE NUMBER(17),
KF_OLOADDATEK NUMBER(17),
KF_OACT_GI_DTKNUMBER(17),
KF_OMATAV_DATKNUMBER(17),
KF_OLATE_QTY NUMBER(17,3),
CUSTOMERVARCHAR2(10 BYTE),
PLANT VARCHAR2(4 BYTE),
PHONE VARCHAR2(16 BYTE),
PCOMPANYVARCHAR2(6 BYTE),
OUTL_TYPEVARCHAR2(4 BYTE),
NIELSEN_ID VARCHAR2(2 BYTE),
LOGSYSVARCHAR2(10 BYTE),
VISIT_RYTVARCHAR2(4 BYTE),
USAGE_INDVARCHAR2(3 BYTE),
SRCID VARCHAR2(4 BYTE),
PRECISIDNUMBER(4),
POSTCD_BOX VARCHAR2(10 BYTE),
CUS_F_CONS VARCHAR2(1 BYTE),
COUNTRYVARCHAR2(3 BYTE),
BPARTNERVARCHAR2(10 BYTE),
ACCNT_GRPVARCHAR2(4 BYTE),
LANGU VARCHAR2(1 BYTE),
KEYACCOUNT VARCHAR2(1 BYTE)
)

-- For OPEN HUB DESTINATION

CREATE TABLE ODI_SAP_DEMO.W_OPENHUB_SALES_DS (
OHREQUID NUMBER,
DATA_PACKAGE NUMBER,
DATA_RECORD NUMBER,
CUSTOMER CHAR(1),
MATERIAL CHAR(1),
MATERIAL_PRICE NUMBER,
CURRENCY NUMBER,
QUANTITY NUMBER,
TOTAL_REVENUE NUMBER);

ALTER TABLE ODI_SAP_DEMO.W_OPENHUB_SALES_DS ADD CONSTRAINT PK_W_OPENHUB_SALES_DS PRIMARY KEY (OHREQUID);

JCoのインストールと構成

SAPアダプタは、Java Connector (JCo)を使用してSAPシステムに接続します。プロジェクトを続行する前にJCoを構成する必要があります。

JCoをインストールおよび構成する手順は次のとおりです。

  1. 実際の構成に対してサポートされるバージョンのJCoを、http://service.sap.com/connectorsからダウンロードします。サポートされるJCoのバージョンを調べるには、Oracle Technology Networkにある認定マトリクスを参照してください。バージョンがJCo 3.0.2以上であることが必要です。


    注意:

    • 実際のオペレーティング・システムとシステム・アーキテクチャ(32/64ビット)に対して適切なSAP JCoパッケージを選択してください。たとえば、ODIを32ビットJVMの中で実行する場合は、32ビットSAP JCoをダウンロードする必要があります(CPUおよびOSが64ビットであっても)。SAP JCoに必要なネイティブ・ライブラリが原因で、32ビットと64ビットのアーキテクチャを混在させることはできません。混在させると、接続に失敗します。

    • odi.confには、ODI Studioに使用されるJDKパスが含まれています。


  2. 適切な配布パッケージの圧縮を解除して、任意のディレクトリ<sapjco-install-path>に保存します。

  3. <sapjco-install-path>/javadoc/installation.htmlに記載されている、プラットフォームごとの手順に従ってインストールを行います。

  4. sapjco3.jarsapjco3.dllをコピーします。

    ODI 10gの場合: sapjco3.jarsapjco3.dll (またはそれぞれのバイナリ、たとえばlibsapjco3.so)をoracledi/driversディレクトリにコピーします。

    ODI 11gの場合: sapjco3.jarsapjco3.dll (またはそれぞれのバイナリ、たとえばlibsapjco3.so)を<ODI_HOME>/odi_miscディレクトリ(ODI Studio)、<ODI_HOME>/oracledi/agent/driversディレクトリ(スタンドアロン・エージェント)および<WLS_DOMAIN>/libディレクトリ(JEEエージェント)にコピーします。

    ODI 12cの場合: sapjco3.jarsapjco3.dll (またはそれぞれのバイナリ、たとえばlibsapjco3.so)を<ODI_HOME>/odi/sdk/libディレクトリ(ODI Studio、ODIスタンドアロン・エージェント)および<WLS_DOMAIN>/libディレクトリ(JEEエージェント)にコピーします。

  5. ODI Studioとエージェント(ある場合)を再起動します。

  6. JCoインストールをチェックします。これは、このガイドで後述する部分でもチェックします。

Oracle Data Integratorの構成

次の手順を実行してOracle Data Integratorを構成します。

  1. オープン・ツールの追加

オープン・ツールの追加

オープン・ツールをインストールしてODIに追加する手順の詳細は、Oracle Data Integratorツール・リファレンスを参照してください。この項では、SAP ABAP固有の手順の詳細のみを説明します。

  1. デザイナに接続します。

  2. 「ファイル」「オープン・ツールの追加/削除」を選択します。

  3. 「オープン・ツールの追加/削除」ウィンドウで、「オープン・ツール・クラス名」フィールドに次の名前を入力します: oracle.odi.sap.km._OdiSapAbapExecuteStoppable.

  4. 「オープン・ツールの追加」をクリックします。

  5. オープン・ツールが次のように表示されます。

    image002.jpgの説明が続きます
    図image002.jpgの説明

  6. 「OK」をクリックします。