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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 12.1.3の理解
12c (12.1.3)
E56254-04
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15 WebLogic Serverの互換性

この章では、WebLogic Server 12.1.3の互換性について説明します。

オラクル社では、永続データ、生成されるクラスおよびAPIの互換性について、WebLogic Server 12c (12.1.3)と、バージョン10.3、10.3.x、12.1.1および12.1.2とのバイナリおよびソース・レベルでの互換性のサポートを試みています。ただし、完全な互換性を維持できない場合もあります。そのような場合について、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』で詳しく説明しています。

この章の内容は次のとおりです。

Java EE 6の互換性

WebLogic Server 12c (12.1.3)はJava EE 6と互換性があります。この互換性があるため、あるオペレーティング・システム・プラットフォームでJava EE 6に準拠したアプリケーションを開発し、そのアプリケーションを別のプラットフォームに本番環境としてデプロイできます。その際、Java EE 6アプリケーションのコードを変更する必要はありません。OracleはこのようなJava EE 6アプリケーションの移植に関する互換性をWebLogic Serverの1つのリリース・レベルの範囲内で保証しています。

生成されるクラスの互換性

1つの例外を除き、12c (12.1.3)にアップグレードする場合、アプリケーションを再コンパイルしてクラスを新しく生成する必要はありません。

現在のバージョンのEJBGenユーティリティは、JDK 5.0以降メタデータ・アノテーション・スタイルの「EJBGen」タグのみを認識し、以前のJavadocスタイルのタグは認識しません。つまり、Javadocスタイルのタグを使用するソース・ファイルは、同等のアノテーションを使用するようにアップグレードしてから、更新されたバージョンのEJBGenを使用して再コンパイルする必要があります。

ドメイン内での互換性

次のトピックでは、WebLogicドメイン内での互換性に関する重要な情報について説明します。

WebLogic Serverのバージョン番号について

WebLogicドメイン内では、管理サーバー、管理対象サーバー・インスタンスおよびドメイン自体に、それぞれのWebLogic Serverバージョン番号あります。バージョン番号は、5桁で構成されます(例、WebLogic Server 12.1.3.0.0)。各桁の意味は、次のとおりです。

  • 先頭の2桁で、メジャー・バージョン番号を表します(例: 12.1.3.0.0の12.1)。WebLogic Server 12.1メジャー・バージョン・リリースは、WebLogic Server 12cメジャー・バージョン・リリースとも呼ばれます。

  • 先頭の3桁で、マイナー・バージョン番号を表します(例: 12.1.3.0.0の12.1.3)。WebLogic Server 12.1.1 (または12.1.1.0.0)は、WebLogic Server 12.1メジャー・バージョン・リリースの最初のマイナー・バージョン・リリースです。WebLogic Server 12.1.2 (または12.1.2.0.0)は、WebLogic Server 12.1メジャー・バージョン・リリースの2番目のマイナー・バージョン・リリースです。

  • バージョンの表記規則に従って、WebLogic Server 12.1.3.0.0のパッチ・セット・リリースにより、4桁目が増分されます(例: 12.1.3.1.0)。ただし、WebLogic Server 12.1.3以上では、パッチ・セット・リリースを出す具体的な予定はありません。この情報は、定義上示しているだけです。

  • パッチ・セットの更新リリースは、5桁目を増加することで一意に命名されます(例、12.1.3.0.1)。この規則は、パッチ・セットの更新の命名に使用されます(例、My Oracle Supportで利用可能なダウンロードに命名する場合など)。ただし、パッチ・セット更新のアプリケーションでは、WebLogic Server 12.1.3インストーラで使用されるoraInventoryで参照されているように、既存のWebLogic Serverインストールのバージョン番号は変更されません。

WebLogic Serverインスタンスやドメインのバージョン番号とパッチ・セット・レベルは、様々な方法で取得できます。次に例を示します。

  • 管理サーバーまたは管理対象サーバーのインスタンスの場合は、サーバーの起動時にstdoutに送信されたバージョン・メッセージを表示できます。次に例を示します。

    <Version: WebLogic Server 12.1.3.0.0  Sun Jun 3 Sun Jan 12 00:23:18 PST 2014 1573558 >
    
  • ドメインの場合は、ドメイン構成ファイルconfig.xml<domain-version>要素の値を表示できます。次に例を示します。

    <domain-version>12.1.3.0.0</domain-version>
    

WebLogicバージョンの互換性

WebLogicドメイン内では、管理サーバー、すべての管理対象サーバー・インスタンスおよびWebLogicドメインは、同一のWebLogic Serverメジャーおよびマイナー・バージョンである必要があります。つまり、WebLogic Server 12.1.3では、管理サーバー、管理対象サーバーおよびWebLogicドメインはすべてバージョン12.1.3である必要があります。ドメイン内のパッチ・セット更新および臨時/個別パッチのレベルの整合性を維持するために、次のガイドラインに注意してください。


注意:

12.1.2より前のWebLogic Serverのバージョンでは、特定のドメインでサポートされているWebLogic Serverバージョンに関する互換性の制限が若干異なります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』を参照してください。

  • 一般に、安定状態の操作では、ドメイン内のすべてのサーバー・インスタンスでパッチ・セット更新(PSU)および臨時/個別パッチのレベルを同じにすることがベスト・プラクティスになります。ただし、場合によってはドメイン内のサーバー・インスタンスを異なるPSUおよび臨時/個別パッチのレベルで実行しなければならないことがあります。その主な例を次に示します。

    • PSUまたは臨時/個別パッチをドメイン内のサーバー・インスタンス全体にローリング方式で適用する場合。この場合は、管理サーバーのPSUおよび臨時/個別パッチのレベルが管理対象サーバーと同じかそれよりも高くなるように、最初に保守を管理サーバーに適用する必要があります。詳細は、Oracle WebLogic Serverの更新のローリング・アップグレードに関する項を参照してください。

    • 安定状態の操作において、ドメイン内の管理対象サーバーを異なるPSUおよび臨時/個別パッチのレベルで実行する特定の要件がある場合。この場合は、管理サーバーのPSUレベルがすべての管理対象サーバーと同じかそれよりも高くなるように、管理サーバーのPSUレベルを最も高くする必要があります。ドメイン内の管理対象サーバーが異なる臨時/個別パッチで実行されている場合、管理サーバーに一貫性のある臨時/個別パッチのセットを適用することはできません。このように複雑な保守は管理が難しくなるため、一般には、ドメイン内のすべてのサーバーでPSUおよび臨時/個別パッチのレベルを同じにすることがベスト・プラクティスになります。

  • クラスタまたはドメイン内のサーバー・インスタンスは、Oracle Technology Networkの「Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成」ページにリストされているハードウェアおよびオペレーティング・システムであれば、いかなるハードウェアおよびオペレーティング・システム上でも実行できます。ただし、クラスタ化された管理対象サーバー・インスタンスを別のハードウェアとオペレーティング・システムで実行すると、ロード・バランシングとパフォーマンスに影響する可能性があることに注意してください。一般に、クラスタ内のすべての管理対象サーバーは、同じハードウェアおよびオペレーティング・システム上で実行することがベスト・プラクティスになります。

  • WebLogicドメインがOracle Enterprise Manager Cloud Controlインストールの一部である場合、ドメインで構成可能なハードウェア、オペレーティング・システムおよびJVMの組合せに関する追加の要件が存在します。詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイドを参照してください。

WebLogicドメインの詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』(特に、ドメインの互換性に関して追加の詳細情報を提供する、ドメインの制約に関する項)を参照してください。

ハードウェア、オペレーティング・システムおよびJVMプラットフォームの互換性

ドメイン内のWebLogic Serverインスタンスは、任意のハードウェア、オペレーティング・システムおよびJVMプラットフォームで実行できます。ただし、そのハードウェア、オペレーティング・システムおよびJVMが現在のバージョンのWebLogic Serverでサポートされている場合にかぎります。詳細は、Oracle Technology NetworkのOracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページを参照してください。


重要:

このプラットフォームの互換性のサポートは、クラスタ内の管理対象サーバー・インスタンスにまで及びますが、基礎となるハードウェア、オペレーティング・システムおよびJVMをクラスタ内で均一にすることをお薦めします。同一クラスタ内で実行中の管理対象サーバー・インスタンスは同等であると見なされるため、混合プラットフォーム上でクラスタ化されたサーバー・インスタンスを実行すると、ロード・バランシングとパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。混合プラットフォームでクラスタを運用する必要がある場合は、ロード・バランシングとパフォーマンスへの影響を把握しておくことを強くお薦めします。

ノード・マネージャの互換性

ベスト・プラクティスとして、WebLogicドメインで使用されているノード・マネージャのバージョンを管理サーバーのバージョンと一致させることをお薦めします。

12.1.2より前のバージョンのWebLogic Serverを実行している場合は、ご使用の環境に適用可能なノード・マネージャの互換性に関する追加情報について、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』を参照してください。ノード・マネージャの互換性の詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』を参照してください。

永続的データの互換性

WebLogic Server 10.0から12c (12.1.3)に移行する場合、構成ファイルの変更が必要です。WebLogic Server 10.0以降では、アップグレード・ツールによって、構成ファイルが自動的に変換されます。

APIの互換性

WebLogic Server 12c (12.1.3)にデプロイされたWebLogic Server 10.0、10.3.x、12.1.1および12.1.2のアプリケーションは、変更しなくても動作します。ただし、APIが前のリリースのWebLogic Serverで非推奨となり削除されている場合や、APIの動作がAPI仕様への準拠や不具合の修正を目的として変更されている場合は例外です。特定の状況では、これらの変更によってアプリケーションの動作が変わる可能性があります。

プロトコルの互換性

WebLogic Server 12c (12.1.3)とWebLogic Server 10.0、10.3.x、12.1.1および12.1.2の間の相互運用性は、次のシナリオでサポートされています。

  • WebLogic Server 10.0、10.3.x、12.1.1および12.1.2クライアントは、IIOP、T3、T3S、HTTPおよびHTTPSを使用してWebLogic Server 12c (12.1.3)サーバーがホストするRMIベースのアプリケーションを呼び出すことができます。JMSアプリケーションは、T3、T3S、HTTP、およびHTTPSを使用して呼び出すことができます。

  • WebLogic Server 12c (12.1.3)クライアントは、IIOP、T3、T3S、HTTPおよびHTTPSを使用してWebLogic Server 10.0、10.3.x、12.1.1および12.1.2サーバーがホストするRMIベースのアプリケーションを呼び出すことができます。JMSアプリケーションは、T3、T3S、HTTP、およびHTTPSを使用して呼び出すことができます。

  • WebLogicプロキシ・プラグインは、10.0、10.3.x、12.1.1および12.1.2の最新のパッチ・セット・リリースのサーバーにプロキシできます。