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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server 12.1.3の新機能
12c (12.1.3)
E56256-06
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2 Oracle WebLogic Server 12.1.3の新機能

この章では、WebLogic Server 12.1.3の、次の新規および変更された機能について説明します。

改訂履歴

日付 変更の説明
2015年5月
2015年6月
2015年7月

Dockerのサポート

Oracle WebLogic Server 12.1.3は現在、Dockerコンテナ内での実行を認定されています。DockerはLinuxベースのコンテナ・テクノロジーで、単一のホストOSまたは仮想マシン上に、開発または本番環境の、クラスタ化または非クラスタ化された、軽量のWebLogic Serverドメイン構成を短時間で作成できます。

この認定の一部として、Oracle WebLogic ServerのイメージをビルドするためのDockerファイルとサポート・スクリプトが用意されています。これらのイメージは、既存のOracle Linuxイメージの拡張としてビルドされます。これらのスクリプトとビルド・イメージは、GitHubの次の場所で入手できます。

https://github.com/oracle/docker/tree/master/OracleWebLogic

詳細は、『DockerでのOracle WebLogic Serverの実行』のスタート・ガイドに関する項を参照してください。

Oracle Fusion Middleware 12.1.3のサポート

WebLogic Server 12.1.3は、その他のOracle Fusion Middleware 12.1.3製品と統合されています。Oracle Fusion Middlewareは、アプリケーション開発ツールや統合ソリューションから、ID管理、コラボレーションおよびビジネス・インテリジェンス・レポートに至るまでの幅広い製品群を含む包括的なファミリです。詳細は、http://docs.oracle.com/middleware/1213/index.htmlにあるOracle Fusion Middleware 12.1.3のドキュメント・ライブラリのページを参照してください。

アプリケーション開発用の新しいAPIとツール

WebLogic Server 12.1.3は、JAX-RS 2.0、Java API for JSON Processing (JSR 353)、Java API for WebSocket (JSR 356)およびJPA 2.1などの、Java EE 7から選択された新しいAPIや更新されたAPIをサポートしています。これらのAPIおよび関連する機能により、REST、WebSocketおよびServer-Sent Eventsなどの軽量のWebベースのプロトコルを使用するリッチ・クライアントからアクセスされる、サーバー・アプリケーションの開発が簡素化されます。開発ツールの改善およびオープン・ソースのサポートにより、開発者の選択肢が広がり、開発環境の作成が容易になりました。

これらの更新については、次の項で説明します。

Java API for JSON Processing 1.0 (JSR 353)

WebLogic Server 12.1.3では、Java API for JSON Processing 1.0 (JSR 353)のサポートが追加されました。JSONは、Webサービスやその他の通信アプリケーションで広く使用されているデータ交換形式です。JSR 353は、オブジェクト・モデルまたはストリーミング・モデルを使用して、JSONデータの解析、変換および問合せを行うためのAPIを提供します。

Java API for JSON Processingの詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のJava API for JSON Processingに関する項を参照してください。

Java API for RESTful Webサービス(JAX-RS) 2.0

WebLogic Server 12.1.3では、事前作成された共有ライブラリとしてJersey 2.5.1 Java API for RESTful Web Services (JAX-RS) 2.0 Reference Implementation (RI)のサポートが追加されました。

Java API for RESTful Web Services (JAX-RS)を使用して、WebLogic ServerでRepresentational State Transfer (REST)アーキテクチャ・スタイルに準拠したJava EE Webサービスを開発する方法の詳細は、Oracle WebLogic Server RESTful Webサービスの開発と保護を参照してください。

Server-Sent Events

WebLogic Server 12.1.3では、Jersey 2.5.1ライブラリの統合によるServer-Sent Eventsのサポートが追加されました。JSR-399 (JAX-RS 2.0: Java API for RESTful Web Services)のリファレンス実装(RI)を提供するJersey 2.5.1ライブラリは、共有ライブラリとして配信されます。

Server-Sent Eventsを使用すると、サーバーが標準のHTTPを介してデータをWebページにプッシュできます。Jersey 2.5.1 (JAX-RS 2.0 RI) Server-Sent Events実装を使用するには、ライブラリを登録し、適切なデプロイメント・ディスクリプタでそれを宣言します。

詳細は、Oracle WebLogic Server RESTful Web Servicesの開発と保護のWebLogic ServerでのServer-Sent Eventsの使用に関する項を参照してください。

Java API for WebSocket (JSR 356)

WebLogic Server 12.1.3では、Java API for WebSocket (JSR 356)のサポートが追加されました。Java API for WebSocketのサポートにより、アプリケーション開発者は、WebSocketプロトコルを使用した接続に標準のJava EE 7 WebSocket APIを使用できるようになりました。

リリース12.1.2で導入された固有のWebLogic Server WebSocket APIは非推奨になりましたが、下位互換性のために引き続きサポートされます。

JSR 356 Java API for WebSocketは固有のWebLogic Server WebSocket APIと共存できますが、アプリケーションに両方のAPIに対するコールを含めることはできません。アプリケーションで使用できるのは、一方のAPIのみです。

コード・サンプルなどの詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic ServerでのWebSocketプロトコルの使用に関する項を参照してください。

WebSocketメッセージングのプロトコル・フォールバック

WebLogic Server 12.1.3では、WebSocket Messagingのプロトコル・フォールバックのサポートが追加されました。

プロトコル・フォールバックは、WebSocketプロトコルがサポートされていない場合に、WebSocketメッセージングの代替転送方法を使用するためのメカニズムを提供します。通常、WebSocketプロトコルがサポートされない理由は、WebSocketオブジェクトが使用できないためか、WebSocketフレームがファイアウォールによってブロックされているためです。このリリースでサポートされている代替転送方法は、HTTPロング・ポーリングのみです。

プロトコル・フォールバックを使用すると、アプリケーション開発者は、実行時環境でWebSocketプロトコルがサポートされているかどうかにかかわらず、標準のプログラミングAPIを使用してWebSocketメッセージングを実行できます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic Messagingのプロトコル・フォールバックの有効化に関する項を参照してください。

Java Persistence API (JPA) 2.1

WebLogic Server 12.1.3はJPA 2.1をサポートしています。これには、Criteria Bulk Update/Delete、ストアド・プロシージャ、JPQL汎用関数、インジェクション可能なエンティティ・リスナー、TREAT、コンバータ、DDL生成およびエンティティ・グラフなどの機能のサポートや強化が含まれます。JPA 2.1の完全な仕様は、「JSR-000338 Java Persistence 2.1 (Final Release)」(http://jcp.org/aboutJava/communityprocess/final/jsr338/index.html)を参照してください。

EJBコンテナ内での永続プロバイダとしてのJPA 2.1の有効化の詳細は、Oracle WebLogic Server Enterprise JavaBeansの開発のWebLogic ServerでのOracle TopLinkとのJPA 2.1の併用に関する項を参照してください。

更新されたSpringのサポート

WebLogic Server 12.1.3のWebLogic Server/Spring統合機能では、Spring Frameworkバージョン3.0.x、3.1.xおよび4.0.xをサポートしています。(Spring Frameworkバージョン3.2.xはサポートしていません。)

Java EEアプリケーション内で使用するためにWebLogic ServerでサポートするSpring Frameworkの機能の詳細は、『Oracle WebLogic Server Springアプリケーションの開発と管理』を参照してください。

更新されたMavenサポート

Apache Mavenは、Javaベース・プロジェクトの構築および管理を行うためのソフトウェア・ツールです。WebLogic Serverは、プラグインのプロビジョニングによってMaven用のサポートを提供します。このプラグインを使用すると、Maven環境からWebLogic Serverで各種処理を実行できます。

WebLogic Server 12.1.3に含まれるMavenのサポート更新は次のとおりです。

  • Mavenプラグインのインストールおよび構成の機能強化。

  • ws-clientgenws-jwscおよびws-wsdlcとMavenライフ・サイクルとのWebサービス統合の向上

  • Apache Maven 3.0.5への更新。

  • 新しいwlst-clientゴール(WebLogic Serverのローカル・インストールを必要とせずに、WLSTオンライン・コマンドを実行するためのWLSTラッパー)のサポート。

更新されたMavenサポートに関する詳細は、次のドキュメントを参照してください。

  • 継続的インテグレーションによるアプリケーションの開発

  • 『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic Mavenプラグインの使用に関する項

クラス・ローダー分析ツールの強化

アプリケーションには、アプリケーションのクラスパス内に直接指定されないクラスへの複数のマニフェスト参照が含まれている場合がありますが、これらのクラスはマニフェスト参照により、クラスパスに連鎖されています。アプリケーション開発者は、知らないうちに別のJARから追加のクラスがアプリケーションのクラスパスに取り込まれ、さらに他のJARへのマニフェスト参照が含まれるようになったことに気付かない場合があります。

WebLogic Server 12.1.3では、クラスローダー分析ツール(CAT)により、アプリケーションまたはモジュールのクラスパスを検索して、潜在する連鎖したマニフェスト参照を検出および表示する機能が追加されました。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のクラスローダー分析ツール(CAT)の使用に関する項を参照してください。

実行時の改善点

WebLogic Server 12.1.3はWebLogic Serverの以前のバージョンからのサポートに基づき、クラスタ環境内、Oracleデータベースの新機能の使用時、マルチ・データ・センター・アーキテクチャ内およびExalogicシステムで、WebLogic Serverアプリケーションの信頼性、可用性、スケーラビリティおよびパフォーマンスを向上します。

これらのサポートの改善点については、次のトピックで説明します。

動的クラスタおよび複合クラスタでのサーバー全体の移行

WebLogic Server 12.1.3では、動的クラスタおよび複合クラスタでのサーバー全体の移行が追加サポートされています。サーバー全体の移行の動作はすべてのクラスタで同じですが、クラスタのタイプに応じて構成は異なります。

動的クラスタでは、サーバー・テンプレートでサーバー全体の自動移行を有効または無効にします。混合クラスタの場合、最初に、混合クラスタの動的サーバー・インスタンスによって使用されるサーバー・テンプレートでサーバー全体の自動移行を有効化または無効化します。その後、クラスタ内の構成済サーバー・インスタンスに対してサーバー全体の自動移行を手動で有効化し、サーバー・インスタンスが失敗した場合に移行先となるマシンを選択します。

サーバー全体の移行の詳細は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』の動的クラスタおよび混合クラスタでのサーバー全体の移行に関する項を参照してください。

ユニキャスト

WebLogic Server 12.1.3では、サーバー・インスタンスをグループに割り当てるために使用されるアルゴリズムが変更されました。実行中のクラスタをよりフレキシブルにスケーリングできるように、またクラスタの実行中に管理対象サーバーをWebLogic Serverクラスタに追加するユースケースのサポートを強化するために、新しいアルゴリズムが最適化されました。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverのクラスタの管理』のユニキャストを使用した1対多通信に関する項を参照してください。

Oracle Database 12cドライバの構築

WebLogic Server 12.1.3にはOracle 12c JDBCドライバが含まれており、Oracle 12cデータベースで動作することが確認されています。詳細は、Oracle Technology NetworkのOracle Fusion Middleware Supported System Configurationsページを参照してください。

Application Continuityを使用する際の制限事項の詳細は、『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のOracle 12cデータベースでのApplication Continuityの制限事項に関する項を参照してください。

JDBCデータ・ソース

このリリースには、次の新しい機能と変更された機能が含まれています。

暗号化された接続プロパティ

セキュアな構成の一部として、データ・ソース・ディスクリプタ・ファイルにクリア・テキストとして表示されない接続プロパティ値を1つ以上提供する必要がある場合があります。既存のデータ・ソース構成はEncrypted Properties属性を使用して更新します。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』の暗号化接続プロパティの使用に関する項を参照してください。

接続ラベリングの向上

WebLogic Serverは、ConnectionLabelingHighCostHighCostConnectionReuseThresholdという2つの新しい接続プール・プロパティを提供し、これにより、すでにプール内にある他のテナント接続に再初期化のオーバーヘッドを発生させることなく、接続プールが最新の物理接続を使用して様々なテナントからの接続リクエストを処理できます。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』の初期化コストと再初期化コストを使用した接続の選択に関する項を参照してください。

WebLogic Serverでは、EARまたはWARファイルにおいて、パッケージ・アプリケーションで使用されるラべリングや接続初期化などのコールバックをサポートしています。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のパッケージ・アプリケーションによる接続ラベリングの使用に関する項を参照してください。

CountOfTestFailuresTillFlushおよびCountOfRefreshFailuresTillDisable

このリリースから、CountOfTestFailuresTillFlushおよびCountOfRefreshFailuresTillDisable属性は、値を0に設定すると無効になります。これまでのリリースでは、この値は2147483647でした。

SQL ISVALIDを使用したOracleデータベースのテスト

新しいテスト表名の値のSQL ISVALIDが、Oracleデータベースでサポートされるようになりました。Oracleデータ・ソースの接続テストのパフォーマンスを向上するために、接続プールの「テスト対象の表名」属性がデフォルトでSQL ISVALIDに設定されるようになりました。『Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの管理』のデータベース接続テストのオプションに関する項を参照してください。

OracleでJavaNet FastPathの有効化

WebLogic Server管理コンソールの「ドメイン構造」→「サービス」→「データ・ソース」→「構成: Oracle」タブにある「OracleでJavaNet Fastpathの有効化」属性は、現在サポートされていません。

securityCacheTimeoutSecondsパラメータへの変更

最大10分のセキュリティ・キャッシュ制限が-Dweblogic.jdbc.securityCacheTimoutSecondsパラメータに実装されました。以前のリリースでは、制限はありませんでした。

Derbyデータベース・ドライバのバージョン

Derbyデータベース・ドライバがバージョン10.10.1.1に更新されました。

メッセージング

WebLogic Server 12.1.3のJMSには、次が含まれています。

  • Oracle AQ JMS用のActive GridLinkのサポート。詳細は、『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』のAQ JMSのAGLデータ・ソースの構成に関する項を参照してください。

  • 動的クラスタおよび混合クラスタでのサーバー全体の移行(WSM)のサポート詳細は、『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』の簡略化されたJMSクラスタ構成に関する項を参照してください。

  • WebLogic Server 12.1.3以前に開発されたJMS .NETクライアントをWebLogic Server 12.1.3と相互運用できるようにするには、-Dweblogic.protocol.t3.login.replyWithRel10Content=trueを設定します。Oracle WebLogic Server JMS .NETクライアント・アプリケーションの開発のWebLogic Serverの構成に関する項を参照してください。

  • Oracle Database 12cでのOracle Streams Advanced Queuing (AQ) JMSの動作保証。『Oracle WebLogic Server JMSリソースの管理』のOracle AQ JMSとの相互運用性に関する項を参照してください。

JTA

WebLogic Server 12.1.3では、次の新しく変更されたJTA機能が追加されました。

TLogなしのトランザクション

Oracleでは、XAトランザクションのTLogへの書き込みをなくすオプションを用意することで、XAトランザクションのパフォーマンスを向上しています。TLogが存在しない場合、トランザクション・リカバリ中はXAトランザクション・リソース(決定子)が使用されます。『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』のTLogなしのXAトランザクションに関する項を参照してください。

XAトランザクション・クラスタ・アフィニティ

XAトランザクション・アフィニティにより、サーバー・インスタンスで、関連リクエストを他のメンバー・サーバーにロード・バランシングするのではなく、グローバル・トランザクションに参加することによってこれらのリクエストを処理できるようになったため、パフォーマンスが向上します。『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』のXAトランザクション・クラスタ・アフィニティに関する項を参照してください。

複数のデータ・センターにまたがるトランザクション回復

WebLogic Server 12.1.3では、複数の物理サイトにまたがるWebLogicドメインのXAトランザクション回復を説明する新しいドキュメントが追加されました。記述されている手順および方法の詳細は、『Oracle WebLogic Server JTAアプリケーションの開発』の複数ドメインにまたがるトランザクション回復に関する項を参照してください。

Exalogic Elastic Cloud Softwareの最適化

WebLogic Server 12.1.3には、次のようなExalogic Elastic Cloudソフトウェアの追加の最適化が含まれています。

  • WebLogic Replicated Storeは、Oracle Exalogic Elastic Cloud環境で永続性を必要とするWeblogic Messaging Servicesの、パフォーマンスの高い記憶域オプションです。WebLogic Replicated Storeは、個別に管理されたデーモン・クラスタによって管理されるExalogicのレプリケートされたメモリーに依存します。

  • Cooperative Memory Management (CMM)では、WebLogic ServerリソースでExalogic Elastic Cloud環境のメモリー使用率を調整できるようにすることにより、メモリーの有効活用を促進しています。

  • データベース・サーバーに個別のコミット呼出しを発行するかわりに、トランザクションの最後の操作でINSERTまたはDELETE操作のバッチをコミットするためのJDBCストアの最適化。この機能は、トランザクション当たりのサーバーのラウンド・トリップを少なくし、少ない操作数または小さいメッセージのトランザクションが多いアプリケーションにメリットがあります。

  • TopLink Exalogicの最適化には、バッチ書き込み、デフォルトのキャッシュ・サイズの増加および期待されるリレーションシップの作成などのその他の最適化の有効化などが含まれます。ランタイム・チューニング・エージェントは、問合せバッチのフェッチおよび動的問合せ処理の使用を最適化します。

詳細は、Oracle Exalogic Elastic Cloud WebLogic Serverの管理を参照してください。

WebLogic Tuxedo Connector

TightlyCoupledTransactionsEnabled=trueのときに、WebLogic ServerとTuxedoリソース間のトランザクションで、GridLinkアフィニティが有効化されたアクティブなGridLink (AGL)データ・ソースが使用される場合は、XAアフィニティ・ポリシーが自動的にトランザクションに使用されます。

管理性の向上

WebLogic Server 12.1.3では、WebLogic Serverのドメインおよびアプリケーションの構成、監視および実行中の管理を簡素化する新しい管理機能を引き続き提供しています。これらの新機能については次の項で説明します。

サーバー管理のRESTリソース

WebLogic Server 12.1.3では、次のWebLogicドメイン管理機能をサポートするRepresentational State Transfer (REST)リソースのセットが追加されました。

  • サーバー、デプロイメント、リソースのライフ・サイクル管理

  • アプリケーションおよびライブラリのデプロイメント操作

  • データ・ソースの構成

  • サーバー・ログとアプリケーション・ログへのアクセス

  • 変更管理への明示的な参加

このリリースで提供されるRESTful管理リソースの詳細は、Oracle WebLogic Server RESTful管理インタフェースのリファレンスを参照してください。

Fusion Middleware Control

WebLogic Serverは、Fusion Middleware Controlを介して管理できるようになりました。Fusion Middleware Controlは、WebLogic ServerなどすべてのFusion Middlewareコンポーネントの管理サポートを提供します。WebLogic Serverに加えて他のFusion Middleware製品を使用している場合は、Fusion Middleware Controlを使用してWebLogic Serverを管理します。

WebLogic Serverのサポートには、次の機能のサブセットが含まれています。

  • WebLogic Serverクラスタ、サーバー・インスタンスおよびドメインの管理

  • アプリケーションのデプロイおよび再デプロイと、アプリケーション・デプロイメントの管理

  • JDBCデータ・ソースの作成および構成

  • WebLogic Serverメッセージング(JMS)の管理

  • ユーザーおよびグループの作成および構成

  • サーバー・テンプレートの作成および構成

詳細は、『Fusion Middleware ControlによるOracle WebLogic Serverの管理』を参照してください。

グローバル・ポリシー・アタッチメント・サポート

WebLogic Server 12.1.3のWebLogic Webサービスでは、ポリシー・セットを使用したグローバル・ポリシー・アタッチメントのサポートが追加されました。詳細は、『Oracle Web Services ManagerによるWebサービスの保護とポリシーの管理』の次のトピックを参照してください

  • 「Fusion Middleware Controlを使用したポリシーをグローバルにアタッチする」

  • 「WLSTを使用したポリシーをグローバルにアタッチする」

セキュリティ

WebLogic Server 12.1.3では、次のセキュリティ機能が新たに追加されました。

ネットワーク・チャンネルのカスタム・アイデンティティ・キーストアの作成

このバージョンのWebLogic Serverでは、ネットワーク・チャネルを構成して固有のカスタム・アイデンティティ・キーストアを使用する機能およびその他のSSL属性が追加されました。その他のSSL属性は、チャネルが構成されている管理対象サーバー・インスタンスのデフォルトのキーストアおよびSSL構成の設定から独立しており、この設定をオーバーライドします。これによって、あるネットワーク・チャネルではあるIDとSSL、別のネットワーク・チャネルでは別のIDとSSLを使用するように、WebLogic Serverインスタンスを構成できます。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』のネットワーク・チャネル固有のアイデンティティ・キーストアの構成に関する項を参照してください。

アイデンティティ・ストアで定義されていないユーザーの認証

このバージョンのWebLogic Serverでは、WebLogicセキュリティ・サービスが強化され、セキュリティ・レルムのアイデンティティ・ストアで定義されていないユーザーの認証がサポートされました。ただし、このユーザーは、SSLハンドシェイク時に渡されるX509クライアント証明書に含まれている属性に基づいて、サブジェクトのプリンシパルに割り当てられた仮想ユーザーとして作成されます。

WebLogic IDアサーション・プロバイダは、デフォルトでは仮想ユーザーを認証するように構成されていません。ただし、このプロバイダの構成をカスタマイズすることにより、WebLogicドメインでこの機能を有効化できます。

この強化をサポートするために、次の機能が用意されています。

  • X509タイプのトークンとして渡されたクライアント証明書をオプションで受け入れ、仮想ユーザーをサポートするように、WebLogic IDアサーション・プロバイダが強化されました。

  • 新しいインタフェース、X509SubjectComponentMapperが提供されました。これにより、デフォルトのユーザー名マッパー・インタフェースが拡張され、X509証明書の属性からのサブジェクトのコンポーネントをサブジェクトのプリンシパルに追加でマップできるようになりました。

  • 仮想ユーザー認証プロバイダは、仮想ユーザーLoginModuleのIDアサーションを提供するために追加されました。

詳細は、Oracle WebLogic Serverのセキュリティの管理のアイデンティティ・ストアで定義されていないユーザーの認証に関する項を参照してください。

ロギング機能の強化

WebLogic Server 12.1.3のWebLogicロギング・サービスには、次の変更点があります。

  • java.util.loggingロガー・レベルを構成する機能。この新機能により、Webサービスなどのサブシステムで、ロギング構成の管理を必要とすることなく、単純にjava.util.logging APIを使用してメッセージを記録できるようになりました。java.util.loggingロガー・レベルの構成は、該当の環境で使用可能なロギング・システムで管理できます。

    さらに、サブシステム・コードでは、それが実行されている環境、たとえば、スタンドアロンのWebLogic Server、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャ環境などを認識する必要がありません。

    詳細は、『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタリング』の java.util.loggingロガー・レベルの構成に関する項を参照してください。

  • WebLogic Serverの開始時には、サーバー・ロギング・ブリッジがjava.util.loggingロガー・ツリーのルート・ロガーに追加されています。これにより、サーバー・ロギング・ブリッジを明示的に構成する必要がなくなります。


    注意:

    サーバー・ロギング・ブリッジが構成されたWebLogicドメインのアップグレードの際に必要となる可能性のある構成変更に関する重要な説明は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』のサーバー・ロギング・ブリッジに関する項を参照してください。

WebLogic診断フレームワーク

WebLogic Server 12.1.3のWebLogic診断フレームワークには、次の変更点があります。

  • WLSTコマンドの変更(WLSTに関する項を参照)。

  • WLDFランタイム・コントロールの変更

    以前のバージョンのWebLogic Serverでは、WLDFランタイム・コントロールを使用して外部リソース・ディスクリプタに基づいて診断システム・モジュールをデプロイする場合、WLDFモジュールの名前は外部リソース・ディスクリプタに由来しました。

    このリリースでは、WLDFランタイム・コントロールを使用して診断システム・モジュールの複数のインスタンスをデプロイする場合、WLDFがcreateSystemResourceControlコマンドで指定されている診断リソース名をWLDFモジュール名として割り当てます。これにより、ハーベスタ・レコードとウォッチ・ルールの通知を、デプロイ済の診断システム・モジュールの特定のインスタンスに関係付けできるようになりました。

    詳細は、『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』のWLDFランタイム・コントロールに関する項を参照してください。

  • WLDF JDBCアーカイブ・スキーマが同一のデータベース内に複数存在する場合は、そのデータベース内のJDBCベースのアーカイブ表にアクセスするために使用する特定のスキーマを指定できます。これにより、診断アーカイブにアクセスする際に、スキーマを区別できるようになりました。詳細は、『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』のWLDFのJDBCリソースの構成に関する項を参照してください。

  • WLSTを使用してウォッチおよび通知コンポーネントとハーベスタを構成する例は次のとおりです。

    WLSTを使用したウォッチおよび通知コンポーネントとハーベスタ・コンポーネントの構成を示すスクリプトのセットが、WebLogic Serverサンプル・コード・スイートに追加されました。これらのスクリプトは、『Oracle WebLogic Server診断フレームワークの構成と使用』の次の項に記載されています。

    • 「サンプル: ウォッチとJMX通知の構成」

    • 「サンプル: JMXWatchNotificationListenerクラスの記述」

    • 「サンプル: 収集用のMBeanと属性の登録」

    WebLogic Serverのサンプル・コードをインストールし、WebLogic Serverのサンプル・ドメインを起動した場合、サンプルのWebページを起動すると、これらのサンプルが「WLSTを使用したウォッチおよび通知システムの構成とデータの収集」というタイトル下に表示されます。

    WebLogic Serverのサンプル・コードのインストールと構成の詳細は、『Oracle WebLogic Serverの理解』のサンプル・アプリケーションとサンプル・コードに関する項を参照してください。

WLST

この項では、このリリースで新規のWebLogic Server WLSTコマンドと既存のWebLogic Server WLSTコマンドへの変更について説明します。

次のWLSTコマンドがこのリリースで追加されました。

  • mergeDiagnosticData: 以前にdumpDiagnosticDataコマンドで生成されたCSVデータ・ファイルのセットを単一のファイルにマージします。

  • getOldNodeManagerHome: ノード・マネージャをアップグレードするために、以前のノード・マネージャのホーム・ディレクトリを取得します。

  • getNodeManagerUpgradeType: ノード・マネージャをアップグレードするために、ノード・マネージャのアップグレード・タイプを取得します。

  • getNodeManagerUpgradeOverwriteDefault: ノード・マネージャ・アップグレード上書きデフォルト・フラグの値を取得します。

このリリースで既存のWLSTコマンドに対して行われた変更は、次のとおりです。

  • returnmap引数がstartコマンドに追加されました。この引数は、戻り値を含むマップを返すかどうかを指定します。

  • Serverオプションが次の診断コマンドに追加されました。

    • saveDiagnosticImageCaptureEntryFile

    • saveDiagnosticImageCaptureFile

    • exportDiagnosticDataFromServer

  • Targetオプションが次の診断コマンドに追加されました。これは当該コマンドのServerオプションのかわりに使用されます。

    • listSystemResourceControls

    • enableSystemResource

    • disableSystemResource

    • createSystemResourceControl

    • destroySystemResourceControl

    • captureAndSaveDiagnosticImage

  • outputdirオプションがcaptureAndSaveDiagnosticImageコマンドに追加されました。

  • システム・コントロールの作成時にこれを有効化するため、enabledオプションがcreateSystemResourceControlコマンドに追加されました。

  • WLDFにより、連続するサンプリング期間に収集されたデータ・セットで変更が検出された場合に、新しい出力ファイルが作成されるようにdumpDiagnosticDataコマンドが更新されました。その結果として複数の出力ファイルが生成される可能性があります。(その後、新しいmergeDiagnosticDataコマンドを使用して、これらのファイルをマージできます。)

  • OldNodeManagerHome, NodeManagerUpgradeType名およびNodeManagerUpgradeOverwriteDefault名が、OptionName引数の値としてsetOptionコマンドに追加されました。これらの名前は、ドメイン・アップグレード時にノード・マネージャの値の設定に使用されます。

アップグレード

WebLogic Server 12.1.3の再構成ウィザードでは、ホストごとのノード・マネージャ構成からドメインごとのノード・マネージャ構成に至るまで、ノード・マネージャの自動再構成をサポートしています。ノード・マネージャのホーム・ディレクトリは、ドメイン・ホーム・ディレクトリまたはカスタムの場所に配置できます。さらに、ドメインごとのノード・マネージャ構成は、ドメイン再構成プロセスにより、自動的に更新されます。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverのアップグレード』のノード・マネージャのアップグレード手順の決定に関する項を参照してください。

新しい構成機能

この項では、WebLogic Server 12.1.3で実装された構成の変更について説明します。

-Dcom.oracle.cie.config.showProfile Javaシステム・プロパティ

WebLogic Server 12.1.3では、-Dcom.oracle.cie.config.showProfile Javaシステム・プロパティが追加されました。このプロパティがCONFIG_JVM_ARGS環境変数でtrueに設定されている場合は、最初のFMW構成ウィザード画面に、新しいドメインを拡張ドメインとコンパクト・ドメインのどちらするのかを指定できるオプションが含まれています。

詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成のCONFIG_JVM_ARGS環境変数の設定に関する項および『ドメイン・テンプレート・リファレンス』のドメイン・トポロジのプロファイルに関する項を参照してください。

unpackコマンド: initializeパラメータ

initializeパラメータがunpackコマンドに追加されました。このパラメータは、WebLogic Serverとともに他のFusion Middleware製品がインストールされているWebLogicドメインにのみ適用されます。unpack操作でこのパラメータを使用することにより、サービス表やOWSMデータ・ストアでconfig-mapping.xml値のすべてまたは一部を初期化することも、これらの値のいずれも初期化しないこともできます。

詳細は、『PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』のunpackコマンドのパラメータに関する項を参照してください。

デプロイメント検証プラグインのサポート

WebLogic Server 12.1.3では、デプロイメント検証プラグインを実装するためのAPIが追加されました。このプラグインでは、デプロイメント・プロセスの開始時にアプリケーションをインターセプトし、デプロイメントの前にアプリケーションを検証できます。デプロイメント検証プラグインのサポートには、プラグインを有効化および構成するためのMBeanが含まれています。

詳細は、『WebLogic Deployment APIによるアプリケーションのデプロイ』のWebLogic Serverでのデプロイメント検証プラグインの使用に関する項を参照してください。

ドキュメント・ライブラリの更新

次の表は、2014年6月の初期リリース以来、WebLogic Server 12.1.3ドキュメント・ライブラリに対して行われた更新をまとめたものです。

日付 更新の説明
2015年4月 ドキュメント・ライブラリに、『DockerでのOracle WebLogic Serverの実行』が追加されました。
2015年5月
  • スタート・ガイドのページに、主要なWebLogic Server機能を示し、その使用法を説明したビデオのリストを追加しました。http://docs.oracle.com/middleware/1213/wls/index.htmlの、機能の実演動画を参照してください。
  • このドキュメントに、修正済バグ・リストにアクセスする方法を説明した項を追加しました。パッチ・セットの更新に関する情報の入手を参照してください。

  • 『Oracle WebLogic Serverリリース・ノート』に次の項を追加しました。

    IBM JDK 6.0 SR16 FP3またはJDK 7.0 SR8 FP10用のフィックスの有無に関する項

    ロギング実装の指定についてのドキュメント更新に関する項

    WebLogicプラグイン対応属性の説明の更新に関する項

2015年6月
  • その他のビデオを追加して、WebLogic Serverビデオのための新規のライブラリ・ページを作成しました。http://docs.oracle.com/middleware/1213/wls/wls-videos.htmを参照してください。
  • 『Oracle WebLogic Serverリリース・ノート』に次の項を追加しました。

    weblogic.wsee.wstx.wsatトランザクション注釈が非推奨とマークされている誤りに関する項

  • 次の項を更新して、JSSEはSSL実装でServer Name Identification(SNI)をサポートしますが、WebLogic ServerはSNIをサポートしない点を注記しました。

    『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』の、サポートされている標準とJSSEベースのSSL実装に関する項

    『WebLogicセキュリティ・サービスによるアプリケーションの開発』のJSSEとWebLogic Serverに関する項。

    『Oracle WebLogic Serverスタンドアロン・クライアントの開発』のSSLを使用するクライアントの開発に関する項


標準のサポート、サポートされる構成、およびWebLogic Serverの互換性

次の項では、WebLogic Server標準のサポート、サポート対象のシステム構成、およびWebLogic Serverの互換性について説明します。

標準のサポート

WebLogic Server 12.1.3では、次の標準とバージョンをサポートしています。

Java標準

表2-1に現在サポートされているJava標準を示します。


注意:

JAAS、JASPIC、JACC、JCEなどの現在サポートされているセキュリティ標準の詳細は、Oracle WebLogic Serverのセキュリティの管理のWebLogic Serverのセキュリティ標準に関する項を参照してください。

WebLogic Server 12.1.3はJava EE 6に準拠したサーバーではあるものの、JSR 356 Java API for WebSocketなどの一部のJava EE 7テクノロジがこのリリースに徐々に追加されています。


表2-1 Java標準のサポート

標準 バージョン

Contexts and Dependency Injection for Java EE

1.0

Dependency Injection for Java EE

1.0

Expression Language (EL)

2.2, 2.1, 2.0

JSP 2.0以上のみExpression Language 2.x.をサポート

Java API for JSON Processing (JSR-353)

1.0

Java API for XML-Based Web Services (JAX-WS)

2.2, 2.1, 2.0

Java API for RESTful Web Services (JAX-RS)

2.0

Java API for WebSocket

1.0

JavaBeans Activation Framework

1.1

Java EE

6.0

Java EE Application Deployment

1.2

Java EE Bean Validation

1.0

Jave EE Common Annotations

1.1

Java EEコネクタ・アーキテクチャ

1.6

Java EE EJB

3.1、3.0、2.1、2.0および1.1

Java EE Enterprise Web Services

1.3, 1.2, 1.1

Jave EE Interceptors

1.1

Java EE JDBC

4.0, 3.0

Java EE JMS

1.1、1.0.2b

Java EE JNDI

1.2

Java EE JSF

2.1.*, 2.0, 1.2, 1.1

Java EE JSP

2.2、2.1、2.0、1.2および1.1

JSP 1.2および1.1にはExpression Language (EL)が含まれますが、EL 2.x以上はサポートされません。

Java EEマネージドBean

1.0

Java EE Servlet

3.0, 2.5, 2.4, 2.3, and 2.2

Java RMI

1.0

JavaMail

1.4

JAX-B

2.2, 2.1, 2.0

JAX-P

1.3, 1.2, 1.1

JAX-R

1.0

JAX-RPC

1.1

JDK

7、(6および7つのクライアント)

JMX

2.0 (WebLogic ServerをJDK 6以降で実行する場合)

1.4 (WebLogic ServerをJDK 6以前のJDKで実行する場合)

JPA

2.1, 2.0., 1.0

JSR 77: Java EEの管理

1.1

JSTL

1.2

マネージドBean

1.0

OTS/JTA

OTS 1.2およびJTA 1.1

RMI/IIOP

1.0

SOAP Attachments for Java (SAAJ)

1.3, 1.2

Streaming API for XML (StAX)

1.0

Web Services Metadata for the Java Platform

2.0, 1.1


Web Services標準

WebLogic Webサービスで現在サポートされている標準のリストは、『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの理解』のWebLogic Webサービスでサポートされる機能および標準に関する項を参照してください。

その他の標準

表2-2は、WebLogic Server 12.1.3でサポートされているその他の標準のリストです。


注意:

SSL、TLSおよびXACMLなどのセキュリティに関連する標準の詳細は、Oracle WebLogic Serverのセキュリティの管理のWebLogic Serverのセキュリティ標準に関する項を参照してください。

表2-2 その他の標準

標準 バージョン

SSL

v3

X.509

v3

LDAP

v3

TLS

v1.1、v1.2

HTTP

1.1

SNMP

SNMPv1、SNMPv2、SNMPv3

xTensible Access Control Markup Language (XACML)

2.0

Partial implementation of Core and Hierarchical Role Based Access Control (RABC) Profile of XACML

2.0

Internet Protocol (IP)

バージョン:

  • v6

  • v4


Fusion Middlewareの全製品へのIPv6サポートに関する詳細は、Oracle Technology NetworkのOracle Fusion Middleware Supported System Configurationsページを参照してください。

サポートされる構成

サポート対象の構成に関する最新情報は、Oracle Technology NetworkのOracle Fusion Middleware Supported System Configurationsページを参照してください。

Oracle WebLogic Server 12.1.3は、最初の公開時にはJava SE 7で動作保証されていました。次に示すように、Oracle WebLogic Server 12.1.3はJava SE 8でも動作保証されるようになりました。

  • Oracle WebLogic Server 12.1.3はJava SE 8 Update 20 (u20)で動作保証されており、Java SE 8の将来の更新でもサポートされる予定です。

  • Oracle WebLogic Server 12.1.3は、64ビットJVMを搭載するWindows、LinuxおよびSolarisにおけるJava SE 8u20で動作保証されています。

  • また、Oracle Coherence 12.1.3もJava SE 8 u20で動作保証されています。動作保証の詳細およびアプリケーション開発の制限事項については、Oracle Coherenceのドキュメントを参照してください。

  • Oracle WebLogic Server 12.1.3の上に配置されたその他のOracle Fusion Middleware 12.1.3製品は、特に動作保証の記載がない限り、Java SE 8ではサポートされていません。

  • Java SE 8で使用可能な機能の詳細は、Java SE 8のドキュメントを参照してください。Java SE 8でのガベージ・コレクション・チューニング・オプションの詳細は、HotSpot仮想マシン・ガベージ・コレクション・チューニング・ガイドを参照してください。

  • WebLogic Server 12.1.3およびWebLogic Server 12.1.3アプリケーションをJava SE 8で実行する際は、次の制限事項と推奨事項に注意してください。

    • WebLogic Server 12.1.3では、新しいJava SE 8 fork/joinおよびパラレル・ストリーム機能を使用したアプリケーションはサポートされていません。Java SE 8を使用してWebLogic Server 12.1.3アプリケーションを作成する際は、これらの機能を使用しないでください。この制限があるのは、fork/joinスレッド・プールで使用されるスレッドはWebLogic Serverの管理対象スレッドにならないためです。これらのスレッドの状態(セキュリティおよびトランザクションの状態)が適切に作成されないことがあるため、これらのスレッドで実行される処理でWebLogic ServerやJava EEの機能を活用できない可能性があります。さらに、WebLogic Serverワーク・マネージャ・スレッド管理機能によってこれらのスレッドが制御されないため、スレッド使用率が過度に高くなる可能性があります。

    • Java SE 8の使用時にpermgenメモリーを使用する必要がなくなりました。Javaコマンドライン-XX:MaxPermSizeは無視されます。これは一部のWebLogic Serverシェル・スクリプト(commEnv.shなど)ではJavaオプションに追加されますが、Javaコマンドでは無視されます。

    • 使用中のサード・パーティ・ベンダー製ソフトウェアのJava SE 8互換性を、お客様が確認する必要があります。Java SE 8のクラスを適切に処理する最新バージョンのソフトウェアへのアップグレードが必要になる場合もあれば、ソフトウェアにまだ互換性がない場合もあります。たとえば、オープン・ソース・ツールjarjarの現行バージョンはまだJava SE 8で正しく動作しません。

    • Java SE 8にはJDBC 4.2用の新しいAPIがあり、JDBC 4.2をサポートするJDBCドライバが搭載されたJava SE 8で動作するWebLogic Server 12.1.3に対してサポートされています。ただし、WebLogic Serverと一緒にバンドルされたOracle JDBC thinドライバはJava SE 8で動作保証されていますが、Oracle JDBC thinドライバでJDBC 4.2はサポートされていません。WebLogic Server 12.1.3に付属のDerby 10.10ドライバは、JDBC 4.2でテスト済です。対応するDerbyドキュメントは、http://db.apache.org/derby/docs/10.10/ref/rrefjdbc4_2summary.htmlで入手できます。

    • WebLogic Server 12.1.3は、Java SE 7またはJava SE 8を使用してインストールできます。Java SE 7を使用してドメインを移行し、Java SE 8に切り替えるには、生成されたDOMAIN/bin/setDomainEnv.shスクリプト内のJAVA_HOMEを再設定する必要があります。

    • EJB 2.0 CMPの使用時に、コンパイルがJDTコンパイル・エラー・メッセージとともに失敗することがあります。この問題は、My Oracle Supportから入手可能なWebLogic Server 12.1.3用のパッチ18729264によって修正されます。

    • EJBGenの実行中に、JDK 8でサポートされていないことを示すメッセージとともにコマンドが終了することがあります。EJB EARファイルに対するwlappcの実行中に、ejb-jarファイルにEJBがありません。というエラーで失敗することがあります。これらの問題はいずれも、My Oracle Supportから入手可能なWebLogic Server 12.1.3用のパッチ18428696によって修正されます。

    • JDK 8でJCEとのSSL接続を使用して実行中に、Java Cryptography Extension (JCE) Unlimited Strength Jurisdiction Policy Files 8をインストールする必要があることがあります。JDK 8用のJCE Unlimited Strength Jurisdiction Policy Filesは、http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/jce8-download-2133166.htmlでダウンロードできます。

ライセンス情報

最新のOracle Fusion Middlewareライセンス情報は、ライセンス情報を参照してください。

WebLogic Serverの互換性

WebLogic Serverの現在のバージョンと以前のリリース間の互換性に関する最新情報は、『Oracle WebLogic Serverの理解』のWebLogic Serverの互換性に関する項を参照してください。

データベースの相互運用性

動作保証マトリックスおよびMy Oracle Support動作保証では、データベース・サポートのタイプを区別するために次の用語を定義します。

アプリケーション・データ・アクセス

アプリケーション・データ・アクセスは、データ・アクセスのためだけにデータベースを使用し、データベース依存のWebLogic Server機能を使用しないアプリケーションを指します。アプリケーション・データ・アクセスにだけ使用されるデータベースのWebLogic Serverサポートは、データベース依存機能よりも制限が緩和されています。

WebLogic Serverは、次の要件を満たすJDBCドライバを使用して、データベースへのアプリケーション・データ・アクセスのサポートを提供します。

  • ドライバはスレッド・セーフであることが必要です。

  • トランザクションをサポートする環境でドライバを使用する場合は、標準のJDBCトランザクション・コール(setAutoCommit()およびsetTransactionIsolation()など)を実装する必要があります。

以下の制限に注意してください。

  • シリアライズ可能なインタフェースまたはリモート・インタフェースを実装しない場合、JDBCドライバはRMIクライアント・アプリケーションにオブジェクトを渡すことができません。

  • 自動データベース接続フェイルオーバーおよびロード・バランシングと、高可用性(HA) DBMSアーキテクチャを備えたグローバル・トランザクション(XA)の同時使用は、Oracle DB RACでのみ、およびシステム・ワークシートに示されたOracle DB RACバージョンに対してのみサポートされます。これらのHA機能は、RAC対応Active GridLinkおよびRACでのマルチ・データソースでのみサポートされます。これらのHA機能はその他のOracle DB RACバージョンや非Oracle DB製品でのその他のHA DBMS技術ではサポートされません。マルチ・データソースはその他のOracle DBバージョンや非Oracle DB技術でもサポートされますが、自動フェイルオーバーおよびロード・バランシングならびにグローバル・トランザクションの同時使用ではサポートされません。

  • 動作保証マトリックスに記載されているものに加えて、上述の制限を満たすデータベースへのアプリケーション・データ・アクセスは、その他のOracle DBバージョンでサポートされます。

  • WebLogicタイプ4 JDBCドライバでは、次のデータベースもサポートされます。これらのデータベースに対し、WebLogic Serverではアプリケーション・データ・アクセスのみがサポートされ、WebLogic Serverデータベース依存機能はサポートされません。

    • DB2 V9.1 for z/OS、DB2 V10 for z/O

    • Informix 11.0、Informix 11.5、Informix 11.7

データベース依存機能

WebLogic Serverの機能によってデータベースが内部データ記憶に使用される場合は、アプリケーション・データ・アクセスに使用される場合よりもデータベースのサポートが制限されます。次のWebLogic Serverの機能では、内部データ記憶が必要です。

  • コンテナ管理の永続性(CMP)

  • 行セット

  • JMS/JDBC永続性、およびWebLogic JDBCストアの使用

  • JDBCセッション永続性

  • RDBMSセキュリティ・プロバイダ

  • (シングルトン・サービスおよびサーバーの移行用)データベース・リース

  • JTAロギング・ラスト・リソース最適化

  • JDBC TLog

パッチ・セットの更新に関する情報の入手

My Oracle Supportに、WebLogic Serverのバグ・フィックスとパッチ・セット更新に関する情報が用意されています。次の記事を参照してください。

ドキュメントID タイトル
1306505.1 Announcing Oracle WebLogic Server PSUs (Patch Set Updates) (英語)
2030245.1 Oracle WebLogic Server Patch Set Update 12.1.3.0.4 Fixed Bugs List (英語)
854428.1 Patch Set Updates (PSUs) for Oracle Products (英語)
950131.1 Error Correction Support Dates for Oracle WebLogic Server (英語)
1470197.1 Master Note on WebLogic Server Patch Set Updates (PSUs) (英語)

既知の問題に関する詳細は、My Oracle Supportのノート2005626.1「Patch Set Update for WebLogic Server 12.1.3.0.4 Known Issues」(英語)を参照してください。これらの記事にアクセスする手順:

  1. https://support.oracle.com/にアクセスして、My Oracle Supportにログインします。

    新規ユーザーの場合、これらの記事へのアクセス権を取得するために、このサイトで登録する必要があります。

  2. 右上の検索フィールドに、読みたいサポート・ドキュメントのIDを入力します。

非推奨となった機能(WebLogic Server 12c)

WebLogic Server 12cリリース2で非推奨となった機能の情報は、My Oracle Support (https://support.oracle.com/)を参照してください。「ナレッジ・ベースの検索」フィールドで「非推奨の機能」を検索します。

WebLogicフル・クライアント

WebLogicフル・クライアント、wlfullclient.jarは、WebLogic Server 12.1.3では非推奨です。

Log4j

Javaロギングの代替としてWebLogicロギング・サービスでLog4jを使用することは、WebLogic Server 12.1.3では非推奨です。Log4j 2以降はWebLogic Serverでサポートされない点に注意してください。

LogMBean.ServerLoggingBridgeUserParentLoggersEnabled属性

LogMBeanServerLoggingBridgeUserParentLoggersEnabled属性は、WebLogic Server 12.1.3では非推奨です。

weblogic.Admin

weblogic.AdminユーティリティはWebLogic Server 12.1.3で非推奨であり、将来のリリースでは削除される予定です。

weblogic.management.usernameおよびweblogic.management.password

WebLogic Server 12.1.1では、起動ユーザー名およびパスワードのシステム・プロパティであるweblogic.management.usernameweblogic.management.passwordは非推奨となり、将来のリリースでは削除されます。本番モードでWebLogic Serverを起動するためのコマンドで、ユーザー名とパスワードを指定することはできなくなります。

かわりに、boot.propertiesファイルを使用してWebLogic Serverの起動ユーザー名とパスワードを指定することをお薦めします。boot.propertiesファイルに関する詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の起動IDファイルに関する項を参照してください。

ユーザー資格証明を指定するためのその他の方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動と停止を行うためのユーザー資格証明の指定に関する項を参照してください。

Maven 11xプラグインの非推奨

WebLogic Server 11gリリース1で配布されたweblogic-maven-pluginプラグインは、このリリースでは非推奨です。かわりにWLS 12.1.2 Mavenプラグインの使用をお薦めします。完全なドキュメントは、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic開発Mavenプラグインの使用に関する項を参照してください。

XML処理のJSPタグ

WebLogic Server 12.1.2では、XSLT JSPタグとWebLogic XSLT JSPタグ・ライブラリが非推奨となり、将来のリリースでは削除されます。XMLデータを変換するにはJAXPを使用します。詳細は、『Oracle WebLogic Server XMLアプリケーションの開発』のXMLドキュメントの変換に関する項を参照してください。

weblogic.websocketおよびweblogic.websocket.annotation

WebLogic Server 12.1.3以降、パッケージweblogic.websocketおよびweblogic.websocket.annotationは非推奨となり、将来のリリースでは削除される予定です。これらのパッケージが削除された後は、WebSocketプロトコル経由の接続にこれらのパッケージを使用できなくなります。

使用中のWebSocketアプリケーションとWebLogic Serverの将来のリリースとの互換性を確保するには、非推奨になったパッケージのかわりにJSR 356 Java API for WebSocketを使用してください。

コード・サンプルなどの詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』のWebLogic ServerでのWebSocketプロトコルの使用に関する項を参照してください。

ActiveCache

ActiveCacheはWebLogic Server 12.1.2では非推奨になりました。

WLST診断コマンドに対するServer引数

次のWLST診断コマンドに対するServer引数が非推奨になりました。

  • captureAndSaveDiagnosticImage

  • createSystemResourceControl

  • destroySystemResourceControl

  • disableSystemResource

  • enableSystemResource

  • listSystemResourceControls

Server引数がTarget引数と置き換えられています。詳細は、『WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンス』の診断コマンドに関する項を参照してください。

REST管理のURL形式

REST管理APIのURL形式が12.1.3で変更されました。12.1.2で導入されたURL形式は引き続き機能しますが、WebLogic Server 12.1.3では非推奨になりました。

ノード・マネージャのログ・ファイル・ローテーション・プロパティ

WebLogic Server 12.1.3以降は、ノード・マネージャの次のログ・ファイル・ローテーション・プロパティが非推奨になり、将来のリリースでは削除される可能性があります。非推奨になった各プロパティについては、次の表で、かわりに使用するプロパティを示しています。

非推奨になったプロパティ かわりのプロパティ
FileSizeKB process.FileSizeKB
FileTimeSpan process.FileTimeSpan
FileTimeSpanFactor process.FileTimeSpanFactor
NumberOfFilesLimited process.NumberOfFilesLimited
RotatedFileCount process.RotatedFileCount
RotatationTimeStart process.RotationTimeStart
RotationType process.RotationType

詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のログ・ファイルのローテーションに関する項を参照してください。

ノード・マネージャのプロパティ

WebLogic Server 12.1.3以降は、ノード・マネージャの次のプロパティが非推奨になり、将来のリリースでは削除される可能性があります。非推奨になった各プロパティについては、次の表で、かわりに使用するプロパティを示しています。

非推奨になったプロパティ かわりのプロパティ
CipherSuite CipherSuites
CoherenceStartScriptEnabled coherence.StartScriptEnabled
CoherenceStartScriptName coherence.StartScriptName
DomainRegistrationEnabled 複数のドメインをnodemanager.domainsファイルに登録するには、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のnodemanager.domainsファイルの構成に関する項を参照してください。
IfConfigDir weblogic.IfConfigDir
Interface InterfaceName=MinIP-MaxIP,NetMask=xxx
JavaHome WebLogic Serverプロセスにはweblogic.startup.JavaHomeを、Coherenceプロセスにはcoherence.startup.JavaHomeを使用してください。
NetMask InterfaceName=MinIP-MaxIP,NetMask=xxx
StartScriptEnabled weblogic.StartScriptEnabled
StartScriptName weblogic.StartScriptName
StopScriptEnabled weblogic.StopScriptEnabled
StopScriptName weblogic.StopScriptName
UseMACBroadcast weblogic.UseMACBroadcast


注意:

WLSTオフラインでは、packおよびunpackコマンドと同じく、現在、WebLogic Server 12.1.3で導入された新しいかわりのノード・マネージャ・プロパティはサポートされていません。これらのユーティリティの使用する際は、非推奨になった前のノード・マネージャ・プロパティ(まだWebLogic Server 12.1.3で完全にサポートされています)を引き続き使用してください。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャのプロパティに関する項を参照してください。

削除された機能(WebLogic Server 12c)

次の機能は、WebLogic Serverから12.1.3で削除されました。

管理コンソールでのロギング実装の指定

WebLogic Server 12.1.3現在、Log4jは非推奨です。これに関連して、WebLogic Server管理コンソールを使用してロギング実装を設定する機能は削除されました。その結果、『Oracle WebLogic Server Administration Consoleオンライン・ヘルプ』の、この機能を説明するタスク、ロギング実装の指定に関する項は適用されなくなりました。