UTL_FILE
パッケージを使用して、PL/SQLプログラムでオペレーティング・システムのテキスト・ファイルの読込みと書込みができます。UTL_FILE
は、オペレーティング・システムのストリーム・ファイルI/Oの制約付きバージョンを提供します。
この章では、次の項目について説明します。
セキュリティ・モデル
使用上の注意
ルールおよび制限
例外
例
ユーザーがUTL_FILE
を使用してアクセスできるファイルおよびディレクトリのセットは、ファクタおよびデータベース・パラメータの数によって制御されます。最初にアクセスできるのは、ユーザーが権限を付与されているディレクトリ・オブジェクトのセットです。ディレクトリ・オブジェクトの性質については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
ユーザーがディレクトリ・オブジェクトUSER_DIR
に対してREAD
とWRITE
の両方のアクセス権を持つ場合、USER_DIR
で記述されているオペレーティング・システム・ディレクトリにあるファイルを開くことはできますが、このディレクトリのサブディレクトリや親ディレクトリにあるファイルを開くことはできません。
最後に、クライアント側(テキストI/O)とサーバー側の両方の実装について、オペレーティング・システム・ファイルに対するアクセス権限のチェックが行われます。
UTL_FILE
では、クライアント側とサーバー側の両方からのファイル・アクセスが提供されています。UTL_FILE
をサーバー上で実行すると、そのサーバーからアクセスできるすべてのオペレーティング・システム・ファイルにアクセスできます。クライアント側では、Formsアプリケーションの場合と同様に、UTL_FILE
によって、クライアントからアクセスできるオペレーティング・システム・ファイルへのアクセスが提供されます。
これまではUTL_FILE
ファンクションのアクセス可能なディレクトリは、UTL_FILE_DIR
パラメータを使用して初期化ファイルに指定してきました。ただし、UTL_FILE_DIR
へのアクセスはお薦めしません。かわりにディレクトリ・オブジェクト機能を使用することをお薦めします。この機能によって、UTL_FILE_DIR
が置き換えられます。UTL_FILE
のアプリケーション管理者による柔軟できめ細かい制御を可能にするディレクトリ・オブジェクトは、動的に(データベースを停止しないで)メンテナンスでき、Oracleの他のツールとの一貫性を保持しています。CREATE
ANY
DIRECTORY
権限は、SYS
およびSYSTEM
に対してのみデフォルトで付与されます。
注意: ディレクトリのアクセス検証には、UTL_FILE_DIR ではなく、CREATE DIRECTORY 機能を使用してください。 |
ハード・リンクまたはシンボリック・リンクのいずれもサポートされていないことに注意してください。
UNIXシステムでは、FOPEN
ファンクションで作成したファイルにはそのファイルの所有者、つまりインスタンスを実行するシャドウ・プロセスの所有者がいます。通常、この所有者はORACLE
です。FOPEN
を使用して作成されたファイルは、UTL_FILE
サブプログラムを使用する書込みと読込みが常に可能です。ただし、権限のないオペレーティング・システムのユーザーがPL/SQLの外部でこれらのファイルを読む必要がある場合は、システム管理者からのアクセス権の入手が必要になることがあります。
注意: ディレクトリ・オブジェクト内のファイルにアクセスするために必要な権限は、オペレーティング・システムに固有の権限です。 |
ファイルの場所とファイル名の各パラメータは、別々の文字列としてFOPEN
ファンクションに指定されるため、ファイルの場所は、アクセス可能なディレクトリ・オブジェクトのALL_DIRECTORIES
ビューで指定したアクセス可能なディレクトリのリストと照合してチェックできます。ファイルの場所と名前は、システム上の有効なファイル名である必要があり、ディレクトリはアクセス可能である必要があります。アクセス可能なディレクトリのサブディレクトリは、必ずしもアクセス可能である必要はありません。サブディレクトリも、ALL_DIRECTORIES
オブジェクトと一致する完全パス名を使用して指定する必要があります。
UTL_FILE
は読込み要求に対する行終了記号を暗黙的に解析するため、GET_LINE
コールに対して戻されるバイト数に影響を与えます。たとえば、UTL_FILE.GET_LINE
のlen
パラメータは、文字データの要求バイト数を指定します。実際にユーザーに戻されるバイト数は、次のいずれかの値よりも少なくなります。
GET_LINE
のlen
パラメータ
次の行終了文字までのバイト数
UTL_FILE.FOPEN
によって指定されたmax_linesize
パラメータ
FOPEN
max_linesize
パラメータは、1から32767の範囲内の数字である必要があります。指定がない場合は、デフォルト値である1024が指定されます。GET_LINE
len
パラメータは、1から32767の範囲内の数字である必要があります。指定がない場合は、デフォルト値のmax_linesize
が指定されます。max_linesize
とlen
に異なる値が指定された場合は、小さい方の値が優先されます。
UTL_FILE.GET_RAW
は行終了記号を無視します。
UTL_FILE
では、UTL_FILE.FOPEN
によってテキスト・モードでオープンされるファイルは、データベースのキャラクタ・セットにエンコードされます。UTL_FILE.FOPEN_NCHAR
によってテキスト・モードでオープンされるファイルは、UTF8キャラクタ・セットにエンコードされます。オープンされたファイルが目的のキャラクタ・セットにエンコードされない場合、ファイルの読取り試行の結果は不定です。1つのキャラクタ・セットにエンコードされたデータが読み取られ、そのデータを別のキャラクタ・セットにエンコードするようにグローバリゼーション・サポートが命じられた(NLS_LANG
などを使用して)場合、結果は不定です。NLS_LANG
を設定する場合は、データベースのキャラクタ・セットと同じものにする必要があります。
UNIXでのCシェル環境変数などのオペレーティング・システム固有のパラメータは、ファイルの場所またはファイル名のパラメータでは使用できません。
UTL_FILE
のI/O機能は、標準のオペレーティング・システムに備えられたストリーム・ファイルのI/O(OPEN
、GET
、PUT
、CLOSE
)機能に類似していますが、いくつかの点で制限があります。たとえば、FOPEN
ファンクションをコールすると、ファイル・ハンドルが戻されますが、後続のGET_LINE
またはPUT
のコールでこのファイル・ハンドルを使用し、ファイルへのストリームI/Oを実行します。ファイルのI/Oが完了した場合、FCLOSE
をコールして出力を完了し、そのファイルに関連付けられたリソースを解放します。
注意: UTL_FILE パッケージは、Oracle Procedure Builderが提供しているクライアント側のTEXT_IO パッケージと類似しています。サーバー・インプリメンテーションに対する制約事項には、UTL_FILE とTEXT_IO の間である程度のAPIに差異が必要です。PL/SQLのファイルI/Oでは、PL/SQL例外を使用して、ユーザーにエラーが戻されます。 |
表251-1 UTL_FILEパッケージの例外
例外名 | 説明 |
---|---|
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ファイルの場所が無効です。 |
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ファイル・ハンドルが無効です。 |
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要求どおりにファイルをオープンできないか、または操作できません。 |
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宛先のバッファが小さすぎるか、または読取り操作中にオペレーティング・システムのエラーが発生しました。 |
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書込み操作中にオペレーティング・システムのエラーが発生しました。 |
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PL/SQL内の未指定エラー。 |
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ファイルは |
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要求した操作は、ファイルがオープンしているため失敗しました。 |
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ファイル名パラメータが無効です。 |
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ファイルの場所に対するアクセス許可が拒否されました。 |
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要求したファイルの削除操作に失敗しました。 |
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要求したファイル名変更操作に失敗しました。 |
UTL_FILE
におけるプロシージャでは、NO_DATA_FOUND
またはVALUE_ERROR
のような事前定義済のPL/SQL例外が発生することもあります。
例1
注意: ここに示す例はUNIX固有のものです。 |
次の文があるとします。
SQL> CREATE DIRECTORY log_dir AS '/appl/gl/log'; SQL> GRANT READ ON DIRECTORY log_dir TO DBA; SQL> GRANT WRITE ON DIRECTORY log_dir TO DBA; SQL> CREATE DIRECTORY USER_DIR AS '/appl/gl/user''; SQL> GRANT READ ON DIRECTORY USER_DIR TO PUBLIC; SQL> GRANT WRITE ON DIRECTORY USER_DIR TO PUBLIC;
有効でアクセス可能なファイルの場所とファイル名は、次のとおりです。
ファイルの場所 | ファイル名 | 読込みおよび書込み |
---|---|---|
/appl/gl/log |
L12345.log |
DBA権限を持つユーザー |
/appl/gl/user |
u12345.tmp |
すべてのユーザー |
次のファイルの場所とファイル名は無効です。
ファイルの場所 | ファイル名 | 無効の理由 |
---|---|---|
/appl/gl/log/backup |
L12345.log |
#サブディレクトリにアクセスできません。 |
/APPL/gl/log |
L12345.log |
#ディレクトリの文字列は、O/Sで要求されている大/小文字区別ルールに従う必要があります。 |
/appl/gl/log |
backup/L1234.log |
#ファイル名にディレクトリ・パスの一部が含まれていない可能性があります。 |
/user/tmp |
L12345.log |
#対応するCREATE DIRECTORY コマンドが発行されていません。 |
例2
DECLARE V1 VARCHAR2(32767); F1 UTL_FILE.FILE_TYPE; BEGIN -- In this example MAX_LINESIZE is less than GET_LINE's length request -- so the number of bytes returned will be 256 or less if a line terminator is seen. F1 := UTL_FILE.FOPEN('USER_DIR','u12345.tmp','R',256); UTL_FILE.GET_LINE(F1,V1,32767); UTL_FILE.FCLOSE(F1); -- In this example, FOPEN's MAX_LINESIZE is NULL and defaults to 1024, -- so the number of bytes returned will be 1024 or less if a line terminator is seen. F1 := UTL_FILE.FOPEN('USER_DIR','u12345.tmp','R'); UTL_FILE.GET_LINE(F1,V1,32767); UTL_FILE.FCLOSE(F1); -- In this example, GET_LINE doesn't specify a number of bytes, so it defaults to -- the same value as FOPEN's MAX_LINESIZE which is NULL in this case and defaults to 1024. -- So the number of bytes returned will be 1024 or less if a line terminator is seen. F1 := UTL_FILE.FOPEN('USER_DIR','u12345.tmp','R'); UTL_FILE.GET_LINE(F1,V1); UTL_FILE.FCLOSE(F1); END;
UTL_FILE
パッケージは、レコード・タイプを定義します。
表251-3 UTL_FILEサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
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ファイルをクローズします。 |
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オープンしているファイル・ハンドルをすべてクローズします。 |
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ファイルの連続部分を新規に作成したファイルにコピーします。 |
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保留中のすべての出力データを物理的にファイルへ書き込みます。 |
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ディスク・ファイルの属性を読み込んで戻します。 |
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ファイル内の現行の相対オフセット位置をバイト数で戻します。 |
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入力用または出力用にファイルをオープンします。 |
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入力用または出力用にファイルをUnicodeでオープンします。 |
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ユーザーに十分な権限があるという前提で、ディスク・ファイルを削除します。 |
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UNIXの |
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指定したバイトの数だけ、ファイル内でポインタを前方または後方に調整します。 |
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オープンしているファイルからテキストを読み込みます。 |
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オープンしているファイルからテキストをUnicodeで読み込みます。 |
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ファイル・ハンドルが、オープンしているファイルを参照しているかどうかを判別します。 |
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1つ以上のオペレーティング・システム固有の行終了記号をファイルに書き込みます。 |
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ファイルに1つの文字列を書き込みます。 |
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ファイルに1行書き込み、それによってオペレーティング・システム固有の行終了記号を1つ追加します。 |
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ファイルにUnicode行を1行書き込みます。 |
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ファイルに1つのUnicode文字列を書き込みます。 |
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書式付きの |
|
書式付きの |
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|
このプロシージャは、セッションでオープンしているすべてのファイル・ハンドルをクローズします。これは、PL/SQLプログラムの例外終了などの非常時のクリーンアップ・プロシージャとして使用します。
このプロシージャは、ファイルの連続部分を新規に作成したファイルにコピーします。デフォルトでは、start_line
パラメータとend_line
パラメータが省略されると、ファイル全体がコピーされます。ソース・ファイルは読取りモードでオープンします。宛先ファイルは書込みモードでオープンします。ソース・ファイルのコピー操作では、ファイルの一部を選択するために、開始および終了の行番号をオプションで指定できます。
構文
UTL_FILE.FCOPY ( src_location IN VARCHAR2, src_filename IN VARCHAR2, dest_location IN VARCHAR2, dest_filename IN VARCHAR2, start_line IN BINARY_INTEGER DEFAULT 1, end_line IN BINARY_INTEGER DEFAULT NULL);
パラメータ
表251-5 FCOPYプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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ソース・ファイルのディレクトリ位置。 |
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コピー対象のソース・ファイル。 |
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宛先ファイルが作成される宛先ディレクトリ。 |
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ソース・ファイルから作成された宛先ファイル。 |
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コピー操作を開始する行の番号。デフォルトは、最初の行の |
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コピー操作を停止する行の番号。デフォルトは、ファイルの最後を示す |
FFLUSH
は、ファイル・ハンドルが示すファイルに、保留中のデータを物理的に書き込みます。ファイルに書き込むデータは通常バッファリングされます。FFLUSH
プロシージャは、バッファリングされているデータを強制的にファイルに書き込みます。データは改行文字で終了する必要があります。
フラッシュは、まだオープンしているファイルを読み込む必要がある場合に役立ちます。たとえば、デバッグ・メッセージをファイルにフラッシュして、即時に読み込むことができます。
このプロシージャは、ディスク・ファイルの属性を読み込んで戻します。
構文
UTL_FILE.FGETATTR( location IN VARCHAR2, filename IN VARCHAR2, fexists OUT BOOLEAN, file_length OUT NUMBER, block_size OUT BINARY_INTEGER);
このファンクションは、ファイルをオープンします。最大行サイズを指定でき、最大50ファイルまで同時にオープンできます。「FOPEN_NCHARファンクション」も参照してください。
構文
UTL_FILE.FOPEN ( location IN VARCHAR2, filename IN VARCHAR2, open_mode IN VARCHAR2, max_linesize IN BINARY_INTEGER DEFAULT 1024) RETURN FILE_TYPE;
パラメータ
表251-9 FOPENファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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ファイルのディレクトリ位置。この文字列はディレクトリのオブジェクト名で、大文字で指定する必要があります。 |
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拡張子(ファイル・タイプ)も含めたファイル名で、ディレクトリ・パスはありません。ディレクトリ・パスがファイル名の一部として指定される場合も、 |
|
ファイルのオープン方法を指定します。次のモードがあります。
|
|
改行文字を含むこのファイルの1行当たりの最大文字数(最小値は1、最大値は32767)。指定がない場合は、デフォルト値である1024が指定されます。 |
このファンクションは、指定した最大行サイズで入力用または出力用ファイルを各国語キャラクタ・セット・モードでオープンします。最大50ファイルまで同時にオープンできます。このファンクションを使用すると、データベース・キャラクタ・セットではなくUnicodeでテキスト・ファイルの読込みまたは書込みを実行できます。
NVARCHAR2
のバッファの内容が(データベースの各国語キャラクタ・セットによっては)AL16UTF16またはUTF8の可能性がある場合でも、ファイルの内容は常にUTF8で読取りおよび書込みされます。UTL_FILE
は、必要に応じてUTF8とAL16UTF16の間で変換を行います。
「FOPENファンクション」も参照してください。
構文
UTL_FILE.FOPEN_NCHAR ( location IN VARCHAR2, filename IN VARCHAR2, open_mode IN VARCHAR2, max_linesize IN BINARY_INTEGER DEFAULT 1024) RETURN FILE_TYPE;
このプロシージャは、UNIXのmv
ファンクションと同じように、既存のファイルに新規の名前を指定します。
構文
UTL_FILE.FRENAME ( src_location IN VARCHAR2, src_filename IN VARCHAR2, dest_location IN VARCHAR2, dest_filename IN VARCHAR2, overwrite IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
パラメータ
表251-14 FRENAMEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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ソース・ファイルのディレクトリ位置。 |
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名前変更対象のソース・ファイル。 |
|
宛先ファイルの宛先ディレクトリ。 |
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ファイルの新しい名前。 |
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デフォルトは |
このプロシージャは、指定したバイトの数だけ、ファイル内でポインタを前方または後方に調整します。
構文
UTL_FILE.FSEEK ( file IN OUT UTL_FILE.FILE_TYPE, absolute_offset IN PL_INTEGER DEFAULT NULL, relative_offset IN PLS_INTEGER DEFAULT NULL);
使用上の注意
FSEEK
を使用すると、最初にファイルのクローズと再オープンを行わずに、ファイル内の前の行を読み込むことができます。ナビゲートするバイト数を把握しておく必要があります。
relative_offset
を使用する場合、このプロシージャは前方検索(relative_offset
> 0の場合)、または後方検索(relative_offset
< 0の場合)を行い、指定されたrelative_offset
バイトの数のみファイルを検索します。
指定されたバイト数に至る前にファイルの先頭まで到達した場合、ファイル・ポインタはファイルの先頭に置かれます。指定されたバイト数に至る前にファイルの終わりに達した場合、INVALID_OFFSET
エラーが発生します。
absolute_offset
の場合、このプロシージャは、バイト数で指定された絶対位置を検索します。
ファイルがバイト・モード操作用にオープンしている場合は、INVALID
OPERATION
例外が発生します。
このプロシージャは、ファイル・ハンドルが示すオープン・ファイルからテキストを1行読み込んで、出力バッファ・パラメータに配置します。テキストは、ファイルまたはlen
パラメータの最後まで読み込まれますが、行の終了記号は含まれません。FOPEN
に指定されているmax_linesize
を超えることはできません。
使用上の注意
行がバッファに収まらない場合は、READ_ERROR
例外が発生します。ファイルの終わりに到達したためにテキストが読み込まれなかった場合は、NO_DATA_FOUND
例外が発生します。ファイルがバイト・モード操作用にオープンしている場合は、INVALID_OPERATION
例外が発生します。
行終了記号の文字はバッファに読み込まれないため、ブランク行を読み込むと空の文字列が戻されます。
buffer
パラメータの最大サイズは、より小さいサイズをFOPEN
に指定しないかぎり、32767バイトです。指定しない場合は、デフォルト値の1024が設定されます。「GET_LINE_NCHARプロシージャ」も参照してください。
このプロシージャは、ファイル・ハンドルが示すオープン・ファイルからテキストを1行読み込んで、出力バッファ・パラメータに配置します。このファンクションを使用すると、データベース・キャラクタ・セットではなくUnicodeでテキスト・ファイルの読込みを実行できます。
ファイルは、各国語キャラクタ・セット・モードでオープンされ、UTF8キャラクタ・セットにエンコードされます。想定されるバッファのデータ・タイプは、NVARCHAR2
です。別のデータ・タイプ(NCHAR
、NCLOB
またはVARCHAR2
など)の変数が指定されていると、テキストの読取り後にNVARCHAR2
から標準の暗黙的な変換が実行されます。
「GET_LINEプロシージャ」も参照してください。
構文
UTL_FILE.GET_LINE_NCHAR ( file IN FILE_TYPE, buffer OUT NVARCHAR2, len IN PLS_INTEGER DEFAULT NULL);
このプロシージャは、RAW
文字列値をファイルから読み込み、読み込んだバイトの数だけ、ファイルのポインタを前方に調整します。UTL_FILE.GET_RAW
は行終了記号を無視します。
構文
UTL_FILE.GET_RAW ( file IN UTL_FILE.FILE_TYPE, buffer OUT NOCOPY RAW, len IN PLS_INTEGER DEFAULT NULL);
使用上の注意
このサブプログラムでは、ファイルの最後を超えて読込みを試みるときにNo_Data_Found
例外が発生します。アプリケーションの処理ループ内でこの例外を捕捉して、この状態を許可する必要があります。
PROCEDURE Sys.p (n IN VARCHAR2) IS h UTL_FILE.FILE_TYPE := UTL_FILE.FOPEN('D', n, 'r', 32767); Buf RAW(32767); Amnt CONSTANT PLS_INTEGER := 32767; BEGIN LOOP BEGIN Utl_File.Get_Raw(h, Buf, Amnt); -- Do something with this chunk EXCEPTION WHEN No_Data_Found THEN EXIT; END; END LOOP; UTL_FILE.FCLOSE (h); END;
このファンクションは、オープン・ファイルをファイル・ハンドルが識別しているかどうかをテストします。IS_OPEN
は、ファイル・ハンドルが、オープン状態でクローズしていないファイルを示しているかどうかを通知するのみです。これは、ユーザーがファイル・ハンドルを使用しようとしたときに、オペレーティング・システムのエラーが発生しないことを保証するものではありません。
このプロシージャは、入力ファイル・ハンドルが示すファイルに、1つ以上の行終了記号を書き込みます。行終了記号はプラットフォーム固有の文字や文字列であるため、このプロシージャはPUT
とは異なります。
PUT
プロシージャは、ファイル・ハンドルが示すオープン・ファイルに、バッファ・パラメータ内に格納されているテキスト文字列を書き込みます。このファイルは書込み操作用にオープンされる必要があります。PUT
は、行終了記号を追加しません。NEW_LINE
を使用して行を終了するか、またはPUT_LINE
を使用して行終了記号付きの完全な1行を書き込んでください。「PUT_NCHARプロシージャ」も参照してください。
このプロシージャは、ファイル・ハンドルが示すオープン・ファイルに、バッファ・パラメータ内に格納されているテキスト文字列を書き込みます。このファイルは書込み操作用にオープンされる必要があります。PUT_LINE
は、プラットフォーム固有の行終了文字または文字列で行を終了します。
「PUT_LINE_NCHARプロシージャ」も参照してください。
このプロシージャは、ファイル・ハンドルが示すオープン・ファイルに、バッファ・パラメータ内に格納されているテキスト文字列を書き込みます。このファンクションを使用すると、データベース・キャラクタ・セットではなくUnicodeでテキスト・ファイルの書込みを実行できます。このプロシージャは、書き込まれたテキストに行セパレータが追加されることを除いて、PUT_NCHARプロシージャと同じです。「PUT_LINEプロシージャ」も参照してください。
このプロシージャは、ファイル・ハンドルが示すオープン・ファイルに、バッファ・パラメータ内に格納されているテキスト文字列を書き込みます。
このファンクションを使用すると、データベース・キャラクタ・セットではなくUnicodeでテキスト・ファイルの書込みを実行できます。このファイルは、各国語キャラクタ・セット・モードでオープンされる必要があります。テキスト文字列は、UTF8キャラクタ・セットで書き込まれます。想定されるバッファのデータ・タイプは、NVARCHAR2
です。別のデータ・タイプの変数が指定されていると、テキストの書込み前にNVARCHAR2
への暗黙的な変換が実行されます。
「PUTプロシージャ」も参照してください。
このプロシージャは、書式付きのPUT
プロシージャです。これは、制限付きのprintf
()のように動作します。「PUTF_NCHARプロシージャ」も参照してください。
構文
UTL_FILE.PUTF ( file IN FILE_TYPE, format IN VARCHAR2, [arg1 IN VARCHAR2 DEFAULT NULL, . . . arg5 IN VARCHAR2 DEFAULT NULL]);
このプロシージャは、PUT_NCHARプロシージャの書式設定されたバージョンです。PUTF_NCHAR
を使用すると、データベース・キャラクタ・セットではなくUnicodeでテキスト・ファイルの書込みを実行できます。このプロシージャは、書式要素\n
および%s
を含む書式文字列を受け入れ、書式文字列内の%s
の連続インスタンスを最大で5つの引数に置き換えることができます。書式文字列および引数に想定されるデータ・タイプは、NVARCHAR2
です。
別のデータ・タイプの変数が指定されていると、テキストの書式化前にNVARCHAR2
への暗黙的な変換が実行されます。書式化されたテキストは、ファイル・ハンドルが示すファイルにUTF8キャラクタ・セットで書き込まれます。このファイルは、各国語キャラクタ・セット・モードでオープンされる必要があります。
構文
UTL_FILE.PUTF_NCHAR ( file IN FILE_TYPE, format IN NVARCHAR2, [arg1 IN NVARCHAR2 DEFAULT NULL, . . . arg5 IN NVARCHAR2 DEFAULT NULL]);
パラメータ
表251-26 PUTF_NCHARプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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テキストや書式文字 |
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1から5個までのオプションの引数文字列。 引数文字列は、書式文字列内の%s書式指定文字に、順序正しく置き換えられます。 引数より多い書式指定文字が書式パラメータ文字列内にある場合は、引数のない各%sは空の文字列に置き換えられます。 |