Oracle Providers for ASP.NETは、ASP.NETプロバイダ・モデルに従い、Oracle Databaseをデータ・ソースとして使用するASP.NETプロバイダのコレクションです。
Microsoft ASP.NETには、アプリケーション状態をデータベースまたはその他のストレージ・メディアに格納する多数のサービスおよびプロバイダが含まれています。開発者は、ショッピング・カートやユーザー情報などのアプリケーション状態を永続的なデータ・ソースに格納できます。アプリケーション状態をデータベースに格納することにより、アプリケーションでは、高可用性を保証し、サーバー・ファームのあらゆるWebサーバーからデータへの信頼できるアクセスを確実にします。ASP.NET状態データはデータベースに集中配置されているため、ユーザーは、アクセスするWebファーム・コンピュータにかかわらず、各自のASP.NET状態データを取得できます。ユーザーがアクセスしている特定のWebファーム・コンピュータに障害が発生しても、ASP.NETデータはデータベース内で永続化されているため情報は失われません。ASP.NETサービスは.NET Frameworkを構成するクラスであり、ASP.NET開発者はこれらのASP.NETサービスを通じてWebアプリケーションをビルドするため、生産性が向上します。
これらのASP.NETサービスはデータソースに依存しませんが、特定のデータ・ソースのデータを格納および取得するように明示的に実装されている特定のASP.NETプロバイダを使用するように構成できます。Oracle Providers for ASP.NETは、すべてのASP.NETプロバイダと同様に、ASP.NETプロバイダ・モデルに従って、ASP.NETサービスが必要とするすべての機能を提供します。単純にOracle Providers for ASP.NETを構成ファイルでデフォルトのプロバイダとして構成するだけで、ASP.NETアプリケーションは、様々なタイプのアプリケーション状態をOracleデータベースに格納できます。格納できるアプリケーション状態は、一般にWebアプリケーション間で使用されます。ASP.NET開発者は、自分でゼロから作成するのではなく、これらのプロバイダを使用することができます。
Oracle Providers for ASP.NETは、32ビットと64ビット(x64)の両方のプラットフォームで利用できます。詳細は、「システム要件」を参照してください。
次のプロバイダが用意されています。
メンバーシップ・プロバイダ
ロール・プロバイダ
サイト・マップ・プロバイダ
セッション状態プロバイダ
プロファイル・プロバイダ
Webイベント・プロバイダ
Webパーツ・パーソナライズ・プロバイダ
キャッシュ依存性プロバイダ
Oracleが提供する各プロバイダの説明は、次のとおりです。
Oracle Membership Provider for ASP.NET
Oracle Membership Providerにより、ASP.NETアプリケーションは、Webサイトの登録済ユーザー情報を、ASP.NETメンバーシップ・サービスを通じてOracleデータベースに格納できます。ユーザーの作成、ユーザーの削除、ログイン資格情報の検証、パスワードの変更およびアプリケーション・ユーザーの管理に関連するその他のタスクを実行するためのメソッドを提供します。
Oracle Role Provider for ASP.NET
Oracle Role Providerにより、ASP.NETアプリケーションは、Webサイト固有のロール情報を、ASP.NETロール・サービスを通じてOracleデータベースに格納し、管理できます。Oracle Role Providerは、ロールの作成、ロールの削除、ロールへのユーザーの追加およびASP.NETアプリケーションで定義されたロールの管理に関連するその他のタスクを実行するためのメソッドを公開します。
Oracle Site Map Provider for ASP.NET
Oracle Site Map Providerにより、ASP.NETアプリケーションは、サイト・マップ情報をOracleデータベースに格納できます。Oracle Site Map Providerは、Oracleデータベースからサイト・マップ・データを読み込んで、SiteMapNode
オブジェクトの逆ツリーを構築する他、サイト・マップからノードを取得するためのメソッドを提供します。
Oracle Session State Provider for ASP.NET
Oracle Session State Providerにより、ASP.NETアプリケーションは、ASP.NETセッション状態サービスを通じてASP.NETセッション情報をOracleデータベースに格納できます。このプロバイダは、E-Commerceアプリケーションのショッピング・カートなど、ユーザーごとのセッション状態を管理します。
Oracle Profile Provider for ASP.NET
Oracle Profile Providerにより、ASP.NETアプリケーションは、個々のWebサイト・ユーザーのプロファイル情報をOracleデータベースに格納できます。このプロファイル・プロバイダは、データベースに永続化されているWebサイト・ユーザー・プロファイルのプロパティを書込みおよび読取りできます。
Oracle Web Event Provider for ASP.NET
Oracle Web Event Providerにより、ASP.NETアプリケーションは、ASP.NET状態監視システムによって発生したイベントをOracleデータベースに格納できます。プロバイダは、データベースのラウンドトリップを最小化するためのバッファおよびフラッシュ機能を提供します。
関連項目: ASP.NETの状態監視およびWebイベント・プロバイダ:http://msdn.microsoft.com/en-us/library/ms178701%28VS.80%29.aspx |
Oracle Web Parts Personalization Provider for ASP.NET
Oracle Web Parts Personalization Providerにより、ASP.NETアプリケーションは、ASP.NET Webパーツ・パーソナライズ・サービスを通じてパーソナライズ・データをOracleデータベースに格納できます。
これは、エンド・ユーザーがWebページのコンテンツ、外観および動作をブラウザから直接変更できるWebサイトを作成するためのコントロールの統合セットに接続します。
関連項目:
|
Oracle Cache Dependency Provider for ASP.NET
Oracle Cache Dependency Providerは、Oracleデータベースで行われた変更に基づく、ASP.NETアプリケーションによってSystem.Web.Caching.Cache
オブジェクトにキャッシュされたデータの自動的な無効化を提供します。このプロバイダにより、ASP.NETアプリケーションはキャッシュされたデータベース・データを使用して、必要な場合にのみデータベースからデータをフェッチできるようになるため、ASP.NETアプリケーションのパフォーマンスが向上します。
関連項目: データベース変更通知の詳細は、Oracle Data Provider for .NET開発者ガイドを参照してください。 |
関連項目: ASP.NETのCacheDependency クラス: http://msdn.microsoft.com/en-us/library/system.web.caching.cachedependency.aspx |