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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)
E49833-10
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8 Oracle Databaseの開始

この章では、デフォルトの事前構成済データベースについてのOracle Databaseのアカウント、パスワード、ファイルの場所などの情報を提供します。内容は次のとおりです。

8.1 インストール済Oracle Databaseの内容とディレクトリ位置の確認

次の手順を使用して、Oracle Universal Installerで、Oracle Databaseインストールの内容とディレクトリの場所を確認できます。

  1. 次のコマンドを実行してOracle Universal Installerを起動します。

    $ $ORACLE_HOME/oui/bin/runInstaller
    
  2. 「ようこそ」画面で「インストールされた製品」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを表示します。

  3. インストールした内容を確認するには、リストからOracle Database製品を選択します。

  4. インストールした製品の詳細情報を見るには、「詳細」をクリックします。

  5. 「閉じる」をクリックして、「インベントリ」ダイアログ・ボックスを閉じます。

  6. Oracle Universal Installerを終了するには、「取消」をクリックして、「はい」をクリックして確認します。

8.2 Oracle Enterprise Manager Database Expressへのログイン

Oracle Enterprise Manager Database Expressを起動するには、データベースのインストールおよび作成時にOracle Database Configuration Assistant (Oracle DBCA)で提供されるEM Express URLを使用します。Oracle Enterprise Manager Database Expressへのログインの詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のEM Expressの起動に関する項およびデータベース・ホームページへのアクセスに関する項を参照してください。

データベースのインストールおよび作成時にOracle DBCAがEM Express URLを提供しなかった場合、またはEM Expressポートを後で変更する必要がある場合は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のEM Expressに対するHTTPポートの構成に関する項を参照してください。

8.3 Oracle Automatic Storage Managementの管理

この項では、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インストールの管理について説明します。この項の内容は、次のとおりです。

8.3.1 Oracle Automatic Storage Managementの起動および停止

Oracle ASMを起動および停止するには、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』のOracle ASMインスタンスの起動に関する項、およびOracle ASMインスタンスの停止に関する項を参照してください。

8.3.2 Oracle Automatic Storage Managementユーティリティ

Oracle ASMの管理には、次のツールを使用できます。

  • asmcmd: このコマンドライン・ツールを使用して、Oracle ASMディスク・グループのファイルおよびディレクトリを管理できます。

  • ASMCA: Oracle Automatic Storage Management Configuration Assistant (Oracle ASMCA)は対話型ユーティリティで、Oracle ASMインスタンスの作成または既存Oracle ASMインスタンスのアップグレードを実行できます。

    また、ディスク・グループ、Oracle ASMボリューム、Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)の作成および構成もできます。

  • Oracle Enterprise Manager Cloud Control: Oracle Enterprise Managerがインストールされている場合は、Cloud Controlを使用して、Oracle ASMへの既存のデータベースの移行、Oracle ASMインスタンスのステータス・チェック、Oracle ASMディスク・グループのパフォーマンス・チェック、Oracle ASMディスク・グループの作成または削除などのOracle ASM機能を管理できます。

  • Oracle Enterprise Manager Database Express 12c: このユーティリティを使用すると、ユーザー、パフォーマンス、メモリー、領域管理などの基本的な管理タスクを実行できます。

  • SQL*Plus: Oracle ASM固有のコマンドは、これらのツールのいずれかから実行できます。Oracle ASMインスタンスに接続する場合は、Oracleデータベース・インスタンスへの接続と同じ方法を使用します。


関連項目:

  • asmcmdの詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。

  • Oracle ASMを使用した記憶域の管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。


8.4 SQL*Plusを使用したOracle Databaseへのアクセス

SQL文およびPL/SQL文を実行してOracle Databaseにアクセスするには、SQL*Plusを使用できます。このツールを使用すると、同じデータベース管理操作を実行できるだけでなく、データベースに対して直接、データの問合せ、挿入、更新、または削除を行うことができます。


注意:

  • SQL*Plusを開始する前に、すべての環境変数、特にORACLE_HOMEおよびORACLE_SIDが設定されていることを確認します。環境変数の設定の詳細は、「Oracleソフトウェア所有者環境の構成」を参照してください。

  • さらに、PATH環境変数に$ORACLE_HOME/binディレクトリを含めるように設定することもお薦めします。


次の文を使用して、SQL*Plusを開始し、SYSユーザーとしてログインしてSYSDBAとして接続します。

$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus 
SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
Enter password: SYS_password

たとえば、SYSTEMとしてログオンするには、次のように入力します。

$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus 
SQL> CONNECT SYSTEM
Enter password: password

SYSとしてログインする場合、SYSDBAとして接続する必要があります。

$ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus 
SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
Enter password: SYS_password

関連項目:

  • SQL*Plusを使用したOracle Databaseへのアクセスの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • デフォルト・データベースへの接続の詳細は、『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』を参照してください。

  • CONNECTコマンド構文の詳細は、『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』を参照してください。


8.5 SQL Developerを使用したOracle Databaseへのアクセス

SQL文およびPL/SQL文を実行してOracle Databaseにアクセスするには、SQL Developerを使用できます。SQL文およびPL/SQL文は、SQLワークシートからOracle Databaseへ直接渡されるため、すべての文がサポートされます。

8.5.1 SQL Developer用のJDKパスの設定

次の環境変数を設定し、確実に正しいJDKが選択されるようにします。

  • $ORACLE_HOME

  • $JAVA_HOME=$ORACLE_HOME/jdk

  • $PATH=$JAVA_HOME/bin/:$PATH

Java SDKリリースJDK 1.6.0_11がインストールされている環境でSQL Developerを開始するには、次のコマンドを使用します。

  • $ORACLE_HOME/sqldeveloperへ移動します。

  • $ ./sqldeveloper.shを実行します。

  • 「接続」を右クリックします。ダイアログ・ボックスに、接続名、ユーザー名、パスワードを入力し、ホストの文字列には、接続するデータベースの名前を入力し、「接続」をクリックします。

接続が完了すると、接続ナビゲータを使用してデータベース・オブジェクトの表示、作成、変更を行うことができ、SQLワークシートを使用して、任意のSQL文またはPL/SQL文を発行できます。「ツール」メニューから、「SQLワークシート」を選択します。

SQL*Plus文は、データベースに渡される前に、SQLワークシートで解析する必要があります。SQLワークシートは現在、多くのSQL*Plus文をサポートしています。SQLワークシートでサポートされていないSQL*Plus文は無視され、Oracle Databaseに送信されません。


関連項目:

『Oracle SQL Developerユーザーズ・ガイド』のSQLワークシートでサポートされるSQL*Plus文およびサポートされないSQL*Plus文に関する項を参照してください。

8.6 アカウントとパスワードの確認

Database Configuration Assistant (DBCA)によって作成されたすべてのデータベースには、SYSSYSTEMおよびDBSNMPデータベース・アカウントが含まれています。また、Oracle Databaseには、他の管理アカウントもいくつか用意されています。これらのアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。表8-1では、これらのアカウントとそのユーザー名を示します。


注意:

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、データベース・アカウントの完全なリストを表示します。

表8-1 データベース・アカウント

ユーザー名 説明 関連項目

ANONYMOUS

HTTPによるOracle XML DBへのアクセスを有効化。

『Oracle XML DB開発者ガイド』


APEX_040200

Oracle Application Expressスキーマおよびメタデータを所有するアカウント。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』


APEX_PUBLIC_USER

Oracle Application ExpressリスナーまたはOracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを使用したOracle Application Expressの構成に使用する最小限の権限が付与されたアカウント。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』


APPQOSSYS

Oracle Quality of Service Managementで必要なすべてのデータおよびメタデータの格納および管理に使用されます。

なし

AUDSYS

統合された監査証跡データが存在するアカウント。

『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』


BI

Oracleサンプル・スキーマに含まれるBusiness Intelligenceスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


CTXSYS

Oracle Textアカウント。

『Oracle Textリファレンス』


DBSNMP

Oracle Enterprise Managerの管理エージェント・コンポーネントによりデータベースの監視および管理に使用されるアカウント。

『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』


DIP

Directory Integration Platform(DIP)でOracle Internet Directoryでの変更をデータベース内のアプリケーションと同期化するために使用されるアカウント。

なし

DVSYS

このアカウントには2つのロールが関連付けられています。Database Vault所有者ロールは、Database Vaultロールおよび構成を管理します。Database Vaultアカウント・マネージャは、データベース・ユーザー・アカウントの管理に使用されます。

注意: Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェース・テキストの一部は、DVSYSスキーマの中のデータベース表に格納されます。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。DVSYS.DBMS_MACADM.ADD_NLS_DATAプロシージャを使用して、Oracle Database Vaultに別の言語を追加できます。『Oracle Database Vault管理者ガイド』のOracle Database Vaultへの言語の追加に関する項を参照してください。

『Oracle Database Vault管理者ガイド』


DVF

Database Vaultが所有するアカウントで、Database Vaultのファクタ値を取得するためのパブリック・ファンクションが含まれます。

『Oracle Database Vault管理者ガイド』


EXFSYS

Expression Filterスキーマを所有するアカウント。

なし

FLOWS_FILES

Oracle Application Expressのアップロードされたファイルを所有するアカウント。

『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』


GSMADMIN_INTERNAL

Global Data Servicesスキーマを所有する内部アカウント。ロック解除したり、データベース・ログインに使用したりしないでください。

『Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド』


GSMCATUSER

グローバル・サービス・マネージャがGlobal Data Servicesカタログへの接続に使用するアカウント。

『Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド』


GSMUSER

グローバル・サービス・マネージャがデータベースへの接続に使用するアカウント。

『Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド』


HR

Oracleサンプル・スキーマに含まれるHuman Resourcesスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


IX

Oracleサンプル・スキーマに含まれるInformation Transportスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


LBACSYS

Oracle Label Securityの管理者アカウント。

『Oracle Label Security管理者ガイド』


MDDATA

Oracle Spatial and Graphでジオコーダおよびルーター・データの格納に使用されるスキーマ。

『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』


MDSYS

Oracle Spatial and GraphおよびOracle Multimedia Locatorの管理者アカウント。

『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』


OE

Oracleサンプル・スキーマに含まれるOrder Entryスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


ORDPLUGINS

Oracle Multimediaユーザー。Oracleにより提供されるプラグインおよびサード・パーティのプラグインはこのスキーマにインストールされます。

『Oracle Multimediaリファレンス』


ORDSYS

Oracle Multimedia管理者アカウント。

『Oracle Multimediaリファレンス』


ORDDATA

このアカウントには、Oracle Multimedia DICOMデータ・モデルが含まれます。

『Oracle Multimedia DICOM開発者ガイド』


OUTLN

プラン・スタビリティをサポートするアカウント。プラン・スタビリティは、同じSQL文の同じ実行計画の保守を可能にします。OUTLNは、格納されたアウトラインに関連付けられたメタデータを集中的に管理するロールとして機能します。

『Oracle Database概要』


ORACLE_OCM

このアカウントには、Oracle Configuration Managerで使用される構成収集向けのインスツルメンテーションが含まれます。

『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』


PM

Oracleサンプル・スキーマに含まれるProduct Mediaスキーマを所有するアカウント。サンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。

『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』


SCOTT

Oracleサンプル・プログラムおよび例で使用されるアカウント。

『Oracle Database管理者ガイド』


SH

Oracleサンプル・スキーマに含まれるSales Historyスキーマを所有するアカウント。Enterprise Editionのインストール中にサンプル・スキーマをロードした場合のみ使用可能です。

『Oracle Database管理者ガイド』


SI_INFORMTN_SCHEMA

SQL/MM Still Image Standardの情報ビューを格納するアカウント。

『Oracle Multimediaリファレンス』


SPATIAL_CSW_ADMIN_USR

Catalog Services for the Web(CSW)アカウント。データベースからすべてのレコード・タイプ・メタデータとレコード・インスタンスを、キャッシュされたレコード・タイプのメイン・メモリーにロードするために、Oracle Spatial and Graph CSWキャッシュ・マネージャで使用されます。

『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』


SPATIAL_WFS_ADMIN_USR

Web Feature Service(WFS)アカウント。データベースからすべてのフィーチャタイプ・メタデータとフィーチャ・インスタンスを、キャッシュされるフィーチャ・タイプのメイン・メモリーにロードする場合に、Oracle Spatial and Graph WFSキャッシュ・マネージャで使用されます。

『Oracle Spatial and Graph開発者ガイド』


SYS

データベース管理タスクの実行に使用されるアカウント。

『Oracle Database管理者ガイド』


SYSTEM

データベース管理タスクの実行に使用される別のアカウント。

『Oracle Database管理者ガイド』


SYSBACKUP

バックアップ・タスクおよびリカバリ・タスクの実行に使用されるアカウント。

『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』

(このガイド)

SYSKM

暗号化鍵の管理の実行に使用されるアカウント。

『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』

(このガイド)

SYSDG

Oracle Data Guardの管理と監視に使用されるアカウント。

『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』

(このガイド)

WMSYS

Oracle Workspace Manager用のメタデータ情報の格納に使用されるアカウント。

『Oracle Database Workspace Manager開発者ガイド』


XDB

Oracle XML DBのデータおよびメタデータの格納に使用されるアカウント。

『Oracle XML DB開発者ガイド』



8.7 ユーザー・パスワードのロック解除およびリセット

SYSSYSTEMおよびDBSMPを除く、すべてのOracleシステム管理アカウントのパスワードは、インストール後に取り消されます。ロックされているアカウントを使用する前に、ロックを解除してパスワードをリセットする必要があります。インストール時に事前定義済データベースを作成しても、必要なアカウントのロックを解除していない場合は、次のいずれかの方法を使用して解除する必要があります。


注意:

Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成している場合は、データベース作成後、Database Configuration Assistantを終了する前に「パスワード管理」をクリックしてアカウントのロックを解除できます。


関連項目:

セキュアなパスワードの作成方法の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

8.7.1 Oracle Enterprise Manager Database Expressを使用したアカウントのロック解除およびパスワードのリセット

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、ユーザー・アカウント・パスワードをロック解除およびリセットするには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。


関連項目:

詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Express 12cのウィンドウで、「ヘルプ」をクリックしてください。

8.7.2 SQL*Plusを使用したアカウントのロック解除およびパスワードのリセット

SQL*Plusを使用してロックを解除しユーザー・アカウント・パスワードをリセットする手順は、次のとおりです。

  1. SQL*Plusを起動し、SYSユーザーとしてデータベースにログインし、SYSDBAとして接続します。

    $ $ORACLE_HOME/bin/sqlplus 
    SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
    Enter password: SYS_password
    
  2. 次のコマンドを入力します。accountはロックを解除するユーザー・アカウント、passwordは新規パスワードです。

    SQL> ALTER USER account IDENTIFIED BY password ACCOUNT UNLOCK;
    

    注意:

    アカウントのロックを解除してもパスワードをリセットしなかった場合、パスワードは期限切れのままとなります。そのユーザーとして最初に接続する際にパスワードを変更する必要があります。


    関連項目:

    • 新しいユーザーの追加方法とパスワードの変更方法は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

    • ユーザー・アカウントのロック解除に使用するALTER USER文の構文は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

    • ユーザーSYSおよびSYSTEMの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。


8.8 データベースの識別

Oracle Databaseソフトウェアは、データベースをグローバル・データベース名により識別します。グローバル・データベース名は、データベース名とデータベース・ドメインで構成されます。通常、データベース・ドメインはネットワーク・ドメインと同じですが、異なる場合もあります。グローバル・データベース名では、あるデータベースが同じネットワーク内の他のデータベースと一意に区別されます。グローバル・データベース名は、インストール時にデータベースを作成するとき、またはDatabase Configuration Assistantを使用するときに指定します。

データベース名入力フィールドを使用して、DB_NAMEDB_UNIQUE_NAMEおよびDB_DOMAIN Oracle初期化パラメータ値を設定します。

次に例を示します。

sales_world.example.com

各項目の意味は次のとおりです。

  • sales_worldはデータベース名です。データベース名(DB_UNIQUE_NAME)部分は30文字未満の文字列で、英数字、アンダースコア(_)、ドル記号($)および番号記号(#)を含めることができますが、アルファベットで開始する必要があります。その他の特殊文字をデータベース名に使用することはできません。

  • sales_woDB_NAMEです。DB_NAME初期化パラメータによって、最大8文字のデータベース識別子が指定されます。

  • example.comは、データベースが位置するデータベース・ドメインです。この例では、データベース・ドメインはネットワーク・ドメインと同じです。データベース名とデータベース・ドメインの組合せにより、グローバル・データベース名が一意になります。ドメイン部分は128文字以内の文字列で、英数字、アンダースコア(_)および番号記号(#)を含めることができます。データベース・ドメイン名はDB_DOMAIN初期化パラメータで指定します。

ただし、DB_NAMEパラメータは必ずしもDB_UNIQUE_NAMEの最初の8文字である必要はありません。

DB_UNIQUE_NAMEパラメータとDB_DOMAIN名パラメータを組み合せて、初期化パラメータ・ファイルのSERVICE_NAMESパラメータに割当てるグローバル・データベース名の値を作成します。

システム識別子(SID)は、特定のデータベース・インスタンスを識別します。SIDにより、あるインスタンスが同じコンピュータ上の他のインスタンスから一意に区別されます。各データベース・インスタンスには一意のSIDとデータベース名が必要です。 ほとんどの場合は、SIDとグローバル・データベース名のデータベース名部分は同じです。


関連項目:

『Oracle Databaseリファレンス』DB_UNIQUE_NAMEおよびDB_NAME

8.9 サーバー・パラメータ・ファイルの検索

デフォルトでは、事前定義済データベースはspfilesid.oraという名前のサーバー・パラメータ・ファイルを使用します。このファイルは$ORACLE_HOME/dbsディレクトリに格納されます。ただし、データベースのOracle ASMを選択した場合、Database Configuration Assistantは一般的にサーバー・パラメータ・ファイルにも同じ記憶域メカニズムを使用します。

サーバー・パラメータ・ファイルが$ORACLE_HOME/dbsディレクトリにない場合、データベースでは初期化パラメータ・ファイルのSPFILEパラメータを使用して検索します。デフォルト初期化パラメータ・ファイルは$ORACLE_HOME/dbs/initsid.oraです。

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用してサーバー・パラメータ・ファイルの場所を表示し、初期化パラメータをリストするには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の初期化パラメータの表示と変更に関する項を参照してください。


関連項目:

詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Express 12cのウィンドウで、「ヘルプ」をクリックしてください。

8.10 表領域、データファイル、REDOログ・ファイルおよび制御ファイルの確認

次の項では、表領域、データファイル、REDOログ・ファイル、および制御ファイルの情報について説明します。

8.10.1 表領域およびデータ・ファイルの識別

Oracleデータベースは、表領域と呼ばれる小さい論理領域に分割されています。各表領域は、1つ以上の物理データファイルに対応しています。データファイルには、表や索引など、論理データベース構造の内容が含まれています。各データファイルを関連付けられる表領域およびデータベースは1つのみです。


注意:

SYSAUX表領域およびSYSTEM表領域は、すべてのOracle Database 12cのデータベースに存在している必要があります。

表8-2は、デフォルトの事前定義済データベースが提供する表領域を示しています。

表8-2 表領域およびデータファイル

表領域 データファイル 説明

EXAMPLE

EXAMPLE01.DBF

サンプル・スキーマを組み込んだ場合は、それが格納されます。

SYSAUX

SYSAUX01.DBF

SYSTEM表領域の補助表領域として機能します。これまでSYSTEM表領域を使用していた一部の製品およびオプションでは、SYSAUX表領域が使用されるようになり、SYSTEM表領域の負荷が低減します。

SYSTEM

SYSTEM01.DBF

Oracle Databaseに必要な表、ビューおよびストアド・プロシージャの定義を含むデータ・ディクショナリが格納されます。この領域の情報は自動的に保守されます。

TEMP

TEMP01.DBF

SQL文の処理中に作成された一時表および索引が格納されます。GROUP BY句、ORDER BY句、またはDISTINCT句など、多くのソートが必要なSQL文を実行する場合は、この表領域の拡張が必要になる可能性があります。

UNDOTBS

UNDOTBS01.DBF

UNDO情報が格納されます。UNDO表領域には、データベースに対する変更をロールバックまたはUNDOするために使用されるトランザクション履歴を保持する、1つ以上のUNDOセグメントが含まれています。

すべての初期データベースは、自動UNDO管理モードで実行するように構成されます。

USERS

USERS01.DBF

データベース・ユーザーにより作成されたデータベース・オブジェクトが格納されます。



関連項目:

詳細は、『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、データベースおよびそれに関連付けられた表領域によって使用されているデータ・ファイルのリストを表示するには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の表領域およびデータ・ファイルの情報の表示に関する項を参照してください。

8.10.2 REDOログ・ファイルの位置

事前定義済データベースは3つのREDOログ・ファイルを使用します。REDOログ・ファイルには、データベース・バッファ・キャッシュ内のデータに対する変更がすべて記録されます。インスタンスに障害が発生すると、Oracle DatabaseではREDOログ・ファイルを使用して、メモリー内で変更のあったデータがリカバリされます。

Oracle DatabaseはREDOログ・ファイルを循環して使用します。たとえば、オンラインREDOログが3つのファイルから構成される場合、Oracle Databaseは最初のファイルの後、2つ目のファイル、3つ目のファイルの順に書込みをします。次の循環では、1つ目のファイルの後、2つ目以降のファイルを再使用して書込みをします。


関連項目:

REDOログ・ファイルの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、事前構成済のデータベースのREDOログ・ファイルを表示または変更するには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』のオンラインREDOログ・ファイルの情報の表示に関する項、およびアーカイブREDOログ・ファイルの情報の表示に関する項を参照してください。

8.10.3 制御ファイルの位置

事前定義済データベースは2つの制御ファイルを使用します。データベースごとに2つ以上の制御ファイルを保持し、CONTROL_FILES初期化パラメータを各制御ファイルが示されるように設定することをお薦めします。

制御ファイルは、管理ファイルの一種です。Oracle Database 12cでは、データベースを起動して実行するために制御ファイルが必要です。制御ファイルは、データベースの物理構造を定義します。たとえば、制御ファイルは、データベース名と、データベースのデータファイルおよびREDOログ・ファイルの名前と場所を定義します。

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、事前構成済のデータベースの制御ファイルの情報を表示するには、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』の制御ファイルの情報の表示に関する項を参照してください。


関連項目:

CONTROL_FILES初期化パラメータ値の設定については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、表領域、データファイル、REDOログ・ファイルおよび制御ファイルに関連する様々なタスクを実行する方法の詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Expressのウィンドウで「ヘルプ」をクリックしてください。