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Oracle® Databaseインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for HP-UX Itanium
E52984-07
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9 Oracle Databaseソフトウェアの削除

この章では、指定したOracleホームに関連するOracleソフトウェアおよび構成ファイルを完全に削除する方法を説明します。削除ツールを使用したOracleソフトウェアの削除に関する情報が含まれます。

削除ツールは、スタンドアロンのOracle Databaseインストール、Oracle Clusterware、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)をサーバーから削除するだけでなく、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)およびOracle Databaseクライアントのインストールも削除します。

Oracle Database、Oracle Clusterware、Oracle ASM、Oracle RACまたはOracle Databaseクライアントのインストールに関連付けられているOracleホーム全体を削除する際には、削除ツールを使用することをお薦めします。個々の製品やコンポーネントの削除はサポートされません。

次の項では、削除ツールについて説明し、ツールを使用する追加オプションに関する情報を示します。


注意:

クラスタ内のノード上にスタンドアロン・データベースがあり、同じグローバル・データベース名(GDN)を持つデータベースが複数ある場合は、削除ツールを使用して削除できるデータベースは1つのみです。

9.1 削除ツールについて

Oracle Database 12cから、データベース・インストール・メディアに削除ツールが統合されています。Oracle Database、Oracle Database ClientまたはOracle Grid Infrastructureインストール・メディアのベース・ディレクトリから、runInstallerコマンドに-deinstallおよび-homeオプションを指定して使用すると、削除ツールを実行できます。

また、削除ツールは、インストール後にOracleホーム・ディレクトリで別のコマンド(deinstall)として使用することも可能です。削除ツールの場所は、$ORACLE_HOME/deinstallディレクトリです。

削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、レスポンス・ファイルを作成します。このファイルのかわりに、以前のdeinstallコマンドで生成されたレスポンス・ファイルを指定するには、–checkonlyオプションを使用するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。

削除ツールによって、Oracleソフトウェアが停止され、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。削除ツールを実行してOracle Grid Infrastructureインストールを削除する場合、rootユーザーとしてroothas.shスクリプトを実行し、Oracle Restartを構成解除するよう求められます。


注意:

Oracle Database 12c リリース1 (12.1.0.2)以上では、Oracle Grid Infrastructureホームのroothas.plスクリプトはroothas.shスクリプトに置き換わりました。

Oracleホームのソフトウェアが実行されていない場合(インストール失敗の後など)、削除ツールは構成を確認できないため、対話的に、またはレスポンス・ファイルですべての構成の詳細を提供する必要があります。


注意:

削除ツールを実行すると、構成解除して削除するホーム以外に、中央インベントリ(oraInventory)に他の登録済ホームが含まれていない場合、削除コマンドはOracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリで次のファイルおよびディレクトリの内容を削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • fast_recovery_area

Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成すること、およびOracleソフトウェアが排他的に使用するOracleベースとOracleホーム・パスを予約することを強くお薦めします。Oracleソフトウェア所有者であるユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所に、ユーザー・データがある場合、このデータは削除ツールによって削除されます。

また、Oracle Grid Infrastructureインストールの場合は、次のようにする必要があります。

  • Grid Naming Service (GNS)が使用中の場合は、DNS管理者がサブドメインのエントリをDNSから削除する必要があります。

Oracle Database構成ファイル、ユーザー・データおよび高速リカバリ領域(FRA)がOracleベース・ディレクトリ・パスの外に配置されていても、これらは削除ツールによって削除されます。


Oracleソフトウェア・インストールの所有者として削除ツールを実行することをお薦めします。削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。

$ $ORACLE_HOME/deinstall/deinstall

deinstallコマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。

./deinstall [-silent] [-checkonly] [-paramfile complete path of input response file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files]
[-tmpdir complete path of temporary directory to use] 
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]
 

データベース・インストール・メディアから削除ツールを実行するには、-deinstallオプションの後に-homeオプションを指定したrunInstallerコマンドを使用し、削除するOracleホームのパスを次の構文で指定します(変数コンテンツはイタリックで示されています)。

./runInstaller -deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-paramfile complete path of input response file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] 
[-tmpdir complete path of temporary directory to use] 
[-logdir complete path of log directory to use] [-help]
 

サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。

削除ツールは、Oracleソフトウェアを停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルを削除します。

また、レスポンス・ファイルを使用して削除ツールを実行することも、次のオプションを選択してツールを実行することもできます。

  • -home

    このフラグは、確認または削除するOracleホームのパスを指定します。

    削除するOracleホームでdeinstallコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、そのOracleホーム以外の場所にあるレスポンス・ファイルを指定し、-homeフラグは使用しません。

    $ORACLE_HOME/deinstallパスから削除ツールを実行する場合は、実行されているホームの場所をツールが認識できるため、-homeフラグは不要です。インストール・メディアからrunInstaller -deinstallを使用する場合は、-homeが必須です。

  • -silent

    このフラグは、削除ツールを非対話モードで実行します。このオプションを指定した場合は、次のいずれかが必要です。

    • インストールおよび構成の情報を判別するためにアクセスできる作業システム。失敗したインストールでは、-silentフラグは機能しません。

    • 削除または構成解除するOracleホームの構成値が記述されたレスポンス・ファイル。

    使用または変更するレスポンス・ファイルは、-checkonlyフラグを指定してツールを実行すると生成できます。ツールにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。この方法でも、-silentオプションで使用できるレスポンス・ファイルが生成されます。

    $ORACLE_HOME/deinstall/responseディレクトリにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更することもできます。

  • -checkonly

    このフラグは、Oracleソフトウェア・ホームの構成ステータスをチェックする場合に使用します。-checkonlyフラグを指定して削除ツールを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。-checkonlyフラグにより、削除ツールおよび-silentオプションで使用できるレスポンス・ファイルが生成されます。

  • -paramfile 入力レスポンス・ファイルの完全パス

    このフラグは、デフォルト以外の場所にあるレスポンス・ファイルを使用して削除ツールを実行します。このフラグを使用する場合は、レスポンス・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。

    レスポンス・ファイルのデフォルトの位置は、削除ツールの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合: /response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -params [name1=value name2=value name3=value . . .]

    このフラグは、作成したレスポンス・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、レスポンス・ファイルとともに使用します。

  • -o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

    このフラグは、レスポンス・ファイル(deinstall.rsp.tmpl)が保存されている、デフォルトの場所以外のパスを指定する場合に使用します。

    レスポンス・ファイルのデフォルトの位置は、削除ツールの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合: /response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -tmpdir 一時ディレクトリの完全パス

    このフラグは、Oracle Deinstallation Toolが削除時に一時ファイルを書き込む場所としてデフォルト以外を指定する場合に指定します。

  • -logdir ログ・ディレクトリの完全パス

    このフラグは、Oracle Deinstallation Toolが削除時にログ・ファイルを書き込む場所としてデフォルト以外を指定する場合に指定します。

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。


関連項目:

-localオプションの詳細は、『Oracle Real Application Clustersインストレーション・ガイドfor Linux and UNIX』を参照してください。

9.1.1 以前のリリースのGridホームの削除

以前のリリースからのアップグレードの場合、以前のリリースのGridホームを削除するには、以前のリリースのGridホームの権限をrootユーザーとして手動で変更し、削除コマンドを実行する必要があります。

次に例を示します。

# chown -R grid:oinstall /u01/app/grid/11.2.0
# chmod -R 775 /u01/app/grid/11.2.0

この例で、/u01/app/grid/11.2.0は以前のリリースのGridホームです。

9.2 削除ツールの実行例

インストール・メディアから、-deinstallオプションを指定してrunInstallerコマンドを使用して削除ツールを実行する場合、-homeフラグを入力し、システムから削除するOracleソフトウェアのホーム・ディレクトリへのパスを指定しないかぎり、ヘルプが表示されます。

オプションのフラグ-paramfileを指定すると、レスポンス・ファイルにパスが指定されます。

次の例では、runInstallerコマンドがパス/directory_pathに指定されています(ここで、directory_pathはインストール・メディアのdatabaseディレクトリへのパスで、/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/は削除するOracleホームへのパスです)。

$ cd /directory_path/
$ ./runInstaller -deinstall -home /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/

次の例では、ソフトウェア所有者の場所/home/usr/oracleにあるレスポンス・ファイルが使用されています。

$ cd /directory_path/
$ ./runInstaller -deinstall -paramfile /home/usr/oracle/my_db_paramfile.tmpl

9.3 Deinstallコマンドの実行例

$ORACLE_HOME/deinstallディレクトリからdeinstallコマンドを使用して削除ツールを実行すると、Oracleホーム・パスの入力は要求されずに削除が開始されます。

オプションのフラグ-paramfileを指定すると、レスポンス・ファイルにパスが指定されます。

次の例では、deinstallコマンドはパス/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/deinstallにあり、ソフトウェア所有者の場所(/home/usr/oracle)にあるレスポンス・ファイルを使用しています。

$ cd /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/deinstall
$ ./deinstall -paramfile /home/usr/oracle/my_db_paramfile.tmpl

Oracle Grid Infrastructureホームの場合、スタンドアロン・サーバーのOracle Grid Infrastructureのホーム(この例では/u01/app/oracle/product/12.1.0/grid)にある削除スクリプトを使用します。

$ cd /u01/app/oracle/product/12.1.0/grid/deinstall
$ ./deinstall -paramfile /home/usr/oracle/my_grid_paramfile.tmpl

9.4 Oracle Databaseの削除レスポンス・ファイルの例

-paramfileオプションを指定して削除ツールを実行すると、レスポンス・ファイルに指定した値を使用できます。次に示すのはレスポンス・ファイルの例で、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracle、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)はパス/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/にあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)は/u01/app/oracle/、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory、仮想IPアドレス(VIP)は192.0.2.1、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserver、OSDBAグループはdbaです。

# Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation.  All rights reserved.
ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1
ORACLE_BASE.orcl=/u01/app/oracle
FAST_RECOVERY_LOC.orcl=/u01/app/oracle/fast_recovery_area/ORCL
STORAGE_TYPE.orcl=FS
DB_TYPE.orcl=SI_DB
NETCA_LOCAL_LISTENERS=LISTENER
LOGDIR=/u01/app/oraInventory/logs/
NODE_LIST.orcl=myserver
ObaseCleanupPtrLoc=/tmp/deinstall2012-06-12_09-14-11AM/orabase_cleanup.lst
ARCHIVE_LOG_DESTINATION_LOC.orcl=
ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
DUMP_DESTINATION_LOC.orcl=/u01/app/oracle/admin/orcl
LOCAL_SID.orcl=orcl
INVENTORY_LOCATION=/u01/app/oraInventory
RAW_MAPPING_FILE.orcl=
SID_LIST.orcl=orcl
DB_UNIQUE_NAME_LIST=orcl
DATAFILE_LOC.orcl=/u01/app/oracle/oradata/orcl,/u01/app/oracle/fast_recovery_area/orcl
HOME_TYPE=SIDB
CRS_HOME=false
CREATION_MODE.orcl=y
CONFIGFILE_LOC.orcl=
ORACLE_BINARY_OK=true
DIAG_DEST.orcl=/u01/app/oracle/diag/rdbms/orcl
LOCAL_NODE=myserver
local=false
SPFILE_LOC.orcl=/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/dbs/spfileorcl.ora
inst_group=dba
inventory_loc=/u01/app/oraInventory
MinimumSupportedVersion=11.2.0.1.0
silent=false
DBCA_LOG.orcl=/u01/app/oracle/cfgtoollogs/dbca/orcl
ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1
CCR_CONFIG_STATUS=CCR_DEL_HOME
EMCA_LOG.orcl=/u01/app/oracle/cfgtoollogs/emca/orcl
ORACLE_HOME_VERSION_VALID=true

9.5 Oracle Grid Infrastructureの削除レスポンス・ファイルの例

-paramfileオプションを指定して削除ツールを実行すると、レスポンス・ファイルに指定した値を使用できます。

次に示すのはレスポンス・ファイルの例で、Oracle Grid Infrastructureバイナリ所有者はoracle、Oracle Grid Infrastructureホームはパス/u01/app/oracle/product/12.1.0/gridにあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)は/u01/app/oracle/、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserver、OSDBAグループはdbaです。

# Copyright (c) 2005, 2009 Oracle Corporation.  All rights reserved.
ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/grid
LOCAL_NODE=myserver
HOME_TYPE=SIHA
ASM_REDUNDANCY=EXTERNAL
ORACLE_BASE=/u01/app/oracle/
ObaseCleanupPtrLoc=/tmp/deinstall_bootstrap/orabase_cleanup.lst
SCAN_PORT=0
silent=false
ASM_UPGRADE=false
ORA_CRS_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/grid
MinimumSupportedVersion=11.2.0.1.0
GPNPCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
LOGDIR=/u01/app/oraInventory/logs/
ORACLE_HOME_VERSION_VALID=true
ASM_DISCOVERY_STRING=/scratch/raw/raw*
GPNPGCONFIGDIR=$ORACLE_HOME
ORACLE_OWNER=oracle
ISROLLING=true
ASM_DISKSTRING=/scratch/raw/raw*
CRS_STORAGE_OPTION=0
ORACLE_BINARY_OK=true
MGMT_DB=false
NETCA_LISTENERS_REGISTERED_WITH_HAS=LISTENER
inst_group=svrtech
ASM_AU_SIZE=1
HUB_SIZE=0
ASM_ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
ORA_DBA_GROUP=dba
JREDIR=/u01/app/oracle/product/12.1.0/grid/jdk/jre/
USER_IGNORED_PREREQ=false
inventory_loc=/u01/app/oraInventory
ASM_DISK_GROUPS="+DATA"
ORA_ASM_GROUP=dba
LANGUAGE_ID=AMERICAN_AMERICA.AL32UTF8
CSS_LEASEDURATION=400
ASM_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/grid
ASM_DIAGNOSTIC_DEST=/u01/app/oracle/product/OB
TZ=PST8PDT
REUSEDG=false
SILENT=false
local=false
INVENTORY_LOCATION=/u01/app/oraInventory
GNS_CONF=false
BIG_CLUSTER=false
ASM_DISKS=/scratch/raw/raw1,/scratch/raw/raw2,/scratch/raw/raw3,/scratch/raw/raw4,/scratch/raw/raw5,/scratch/raw/raw6,/scratch/raw/raw7,/scratch/raw/raw8
ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/grid
CRS_HOME=true
ASM_IN_HOME=true
CRFHOME="/u01/app/oracle/product/12.1.0/grid"
ASM_DROP_DISKGROUPS=true
ASM_LOCAL_SID=+ASM
JLIBDIR=/u01/app/oracle/product/12.1.0/grid/jlib
VNDR_CLUSTER=false
ASM_DISK_GROUP=DATA