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Oracle® Database JDBC開発者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71308-02
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『Oracle Database JDBC開発者ガイド』の今回のリリースにおける変更点

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)での変更点

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)の『Oracle Database JDBC開発者ガイド』での変更点は次のとおりです。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

Java用のマルチテナント・データソース

複数のPDB (またはテナント)間の共通の接続プールの共有を有効にするには、Oracle JDBCおよびユニバーサル接続プール(UCP)にJava用のマルチテナント・データソースを用意します。Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、次の組合せに基づいています。

  • グローバル・データベース・ユーザー(任意のPDBに対するアクセス権を保持)

  • UCP接続ラベリング

  • コールバック関数での新しいSET CONTAINER

    SET CONTAINER文の利点は、別のPDBへの既存の接続があれば、プールはPDBへの新しい接続を作成する必要がないことです。プールでは、既存の接続を使用でき、SET CONTAINER文を通して、目的のPDBに接続できます。この操作を行うには次のコマンドを使用します。

    ALTER SESSION SET CONTAINER=<PDB Name>
    

    この機能によって、新しい接続を最初から作成する必要がなくなります。

  • UCP接続ラベリング・コールバック・インタフェース

Java用のマルチテナント・データソースの仕組みを次の手順に示します。

  1. Tenant1は、(データベースのIDにマップされた)対応するラベルを使用してgetConnectionメソッドをコールすることで、PDB1への接続を要求します。

  2. UCPは、使用されていない接続がプールにあるかを(データベースのIDにマップされた特定のラベルを仮に使用して)検索します。

  3. 接続Conn1に対してラベルでPDB1が読み取られた場合、それはJDBCに渡され、結果的に、接続の使用のためにTenant1に渡されます。

    それ以外で、PDB1が読み取られる接続ラベルがない場合は、次の手順が実行されます。

    1. UCPは、ユーザーが実装するconfigureコールバック・メソッドを起動し、ALTER SESSION SET CONTAINERコマンドを使用して接続をPDB1に設定します。

    2. SET CONTAINER文は、サーバーに渡され、解析されます。

    3. サーバーは、SET CONTAINER文を実行し、PDB固有のロールをTenant1脚注 1 に割り当てます。

    4. その後、サーバーはConn1PDB1に接続してから、対応するデータベースID (dbid)およびその他のプロパティをJDBCに戻します。

    5. JDBCはUCPに通知して、Conn1Tenant1に接続の使用のために渡します。

非推奨となった機能

次の機能は、今回のリリースで非推奨であり、将来的にはサポートされなくなります。

  • oracle.sqlパッケージの具象クラス

    oracle.sqlパッケージの具象クラスは非推奨です。これらのクラスのかわりに、新しいJDBCインタフェースを使用します。

    これらのインタフェースの詳細は、MoSノート1364193.1を参照してください。

  • defineColumnTypeメソッド

    defineColumnTypeメソッドのほとんどの変数は非推奨です。次の項目の変数がサポートされています。

    • LOBからLONGへの変換

    • LOBプリフェッチ・サイズの構成

    詳細は、JDBC Javadocを参照してください。

  • CONNECTION_PROPERTY_STREAM_CHUNK_SIZEプロパティ

    詳細は、JDBC Javadocを参照してください。

  • Oracleバッチ更新

    Oracleバッチ更新は、標準バッチ更新のために、今回のリリースから非推奨になりました。

    詳細は、「標準バッチ更新」の項を参照してください。

  • EndToEndMetrics関連のAPI

    EndToEndMetrics関連のAPIは今回のリリースで非推奨になりました。

    詳細は、第33章「JDBC DMSメトリック」を参照してください。

サポート対象外機能

次の機能は、Oracleではサポートされなくなりました。今回のリリースのサポート対象外機能の完全なリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

  • 暗黙的接続キャッシュ


関連項目:

このリリースのOracle Databaseでサポート対象外になったすべての機能のリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

その他の変更点

今回のリリースの追加の変更点は次のとおりです。

  • 実行時接続ロード・バランシング

    実行時接続ロード・バランシング機能を使用すると、最適なパフォーマンスを提供するインスタンスに作業要求がルーティングされるため、作業を再配置する必要が最小限になります。暗黙的接続キャッシュがサポート対象外であるため、この機能をユニバーサル接続プールで使用することをお薦めします。そのため、実行時接続ロード・バランシングの章は、今回のリリースでこのマニュアルから削除されました。

    この機能の詳細は、『Oracle Universal Connection Pool for JDBC開発者ガイド』を参照してください。

  • 高速接続フェイルオーバー

    高速接続フェイルオーバーは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)の接続フェイルオーバー機能を、Java Database Connectivity(JDBC)アプリケーションがドライバに依存せずに利用できる方法を提供します。暗黙的接続キャッシュがサポート対象外であるため、この機能をユニバーサル接続プールで使用することをお薦めします。そのため、高速接続フェイルオーバーの章は、今回のリリースでこのマニュアルから削除されました。

    この機能の詳細は、『Oracle Universal Connection Pool for JDBC開発者ガイド』を参照してください。



脚注の説明

脚注 1: PDB内では、グローバル・ユーザーはパスワードで保護されたロールがないと多くの操作を行うことはできません。