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Oracle® Database Net Servicesリファレンス
12cリリース1 (12.1)
B71289-04
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1 リスナー制御ユーティリティ

この章では、リスナー制御ユーティリティのコマンドとそれに関連する構文を説明します。

ここでは、次の項目について説明します。

リスナー制御ユーティリティの概要

リスナー制御ユーティリティを使用すると、リスナーを管理できます。このユーティリティのコマンドを使用して、1つ以上のリスナーに対して基本的な管理機能を実行できます。さらに、パラメータの設定を表示および変更できます。

リスナー制御ユーティリティ・コマンドの基本的な構文は、次のとおりです。

lsnrctl command listener_name

このコマンドのlistener_nameは、管理対象のリスナー名です。名前を指定しない場合は、デフォルト名のLISTENERとみなされます。

リスナー制御ユーティリティ・コマンドは、LSNRCTL>プログラムのプロンプトでも発行できます。プロンプトを取得するには、オペレーティング・システムのコマンドラインで引数を指定せずにlsnrctlを入力します。lsnrctlを実行すると、プログラムが開始されます。開始後は、プログラム・プロンプトから必要なコマンドを入力できます。LSNRCTL>プログラム・プロンプトからコマンドを発行する基本的な構文は、次のとおりです。

lsnrctl
LSNRCTL> command listener_name

注意:

複数のコマンドを標準的なテキスト・ファイルにまとめると、一連のコマンドとして実行できます。バッチ・モードで実行するには、次のフォーマットを使用します。

lsnrctl @file_name

REMまたは#を使用すると、バッチ・スクリプトにコメントを指定できます。他のすべての行はコマンドとみなされます。一般的に確認が必要なコマンドも、バッチ処理中は確認の必要がありません。


大半のコマンドでは、リスナー制御ユーティリティによって、コマンドの送信に使用されるリスナーとOracle Netとの接続が確立されます。リスナーへのOracle Net接続を開始するには、リスナー制御ユーティリティによって、指定したリスナーのプロトコル・アドレスまたはLISTENERという名前のリスナーを取得する必要があります。取得するには、次のメカニズムのいずれか1つを使用してリスナー名を解決します。

  • 環境変数TNS_ADMINで指定されているディレクトリのlistener.oraファイル

  • ORACLE_HOME/network/adminディレクトリ内のlistener.oraファイル

  • tnsnames.oraファイルなどのネーミング・メソッド

前述のメカニズムでリスナー名を解決できない場合、リスナー制御ユーティリティはデフォルトのリスナー名LISTENERを使用し、ホスト名/IPアドレスを解決してポート1521を使用します。

リスナー制御ユーティリティでは、次のタイプのコマンドをサポートしています。

リスナー制御ユーティリティのSETコマンドおよびSHOWコマンド

SETコマンドを使用すると、指定したリスナーのパラメータ値を変更できます。管理対象のリスナーの名前は、SET CURRENT_LISTENERコマンドを使用して設定します。パラメータの値は、リスナーがシャットダウンされるまで有効です。設定を永続的に保持する場合は、変更内容をSAVE_CONFIGコマンドを使用してlistener.oraに保存します。

SHOWコマンドを使用すると、構成設定の現行の値を表示できます。

分散処理

リスナー制御ユーティリティでは、リスナーの操作をローカルまたはリモートで実行できます。

次の手順では、リモートでリスナーを管理するようにコンピュータを設定する方法について説明します。

  1. リスナー制御ユーティリティ(lsnrctl)実行可能ファイルがORACLE_HOME/binディレクトリにインストールされていることを確認します。

  2. 「リスナー制御ユーティリティの概要」で説明するように、listener.oraファイルまたはネーミング・メソッドを使用して、管理対象のリスナーの名前が解決できることを確認します。

リスナーがリモート管理されている場合は、STARTを除くすべてのコマンドを発行できます。リスナー制御ユーティリティでは、そのユーティリティを実行している同じコンピュータからのみ、リスナーを開始できます。

コマンドを発行するときは、リスナー名を引数に指定します。次に例を示します。

LSNRCTL> SERVICES lsnr

名前が省略されている場合は、SET CURRENT_LISTENERコマンドで設定されたリスナー名が使用されるか、デフォルト名LISTENERとみなされます。

Oracle Net Listenerのセキュリティ

ローカル・リスナーの管理は、リスナーを開始したユーザーまたはスーパーユーザーにリスナーの管理を制限する、ローカル・オペレーティング・システム認証により保護されます。デフォルトでは、リモート・リスナーの管理は無効になっています。

デフォルト・モードでリスナーの管理を実行し、リモート・ログインを使用してシステムにリモートでアクセスすることをお薦めします。リスナーをリモート管理する場合は、Oracle Enterprise Manager Cloud ControまたはSecure Shell(SSH)を使用してリモート・ホストにアクセスします。

リスナー制御ユーティリティのコマンド

この項では、次のリスナー制御ユーティリティのコマンドについて説明します。

EXIT

用途

リスナー制御ユーティリティを終了し、オペレーティング・システムのプロンプトに戻ります。

前提条件

なし

構文

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> EXIT

引数

なし

使用上の注意

このコマンドは、QUITコマンドと同じです。

LSNRCTL> EXIT

HELP

用途

リスナー制御ユーティリティの全コマンドのリストや、特定のリスナー制御ユーティリティのコマンドの構文ヘルプを表示します。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl HELP command

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> HELP command

引数

command: リスナー制御ユーティリティのコマンド。コマンドは、次の出力例のように表示されます。

HELPへの引数としてコマンドを入力すると、そのコマンドの使用方法に関する情報が表示されます。引数なしでHELPを入力すると、全コマンドのリストが表示されます。

LSNRCTL> HELP
The following operations are available 
An asterisk (*) denotes a modifier or extended command: 
exit 
quit
reload
services
set* 
show*
spawn 
start
status 
stop 
trace
version

QUIT

用途

リスナー制御ユーティリティを終了し、オペレーティング・システムのプロンプトに戻ります。

前提条件

なし

構文

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> QUIT

引数

なし

使用上の注意

このコマンドは、EXITコマンドと同じです。

LSNRCTL> QUIT

RELOAD

用途

listener.oraファイルを再度読み込みます。このコマンドは、実際にリスナーを停止することなく、静的に構成されているサービスを追加または変更できます。

さらに、リスナーに動的に登録されていたデータベース・サービス、インスタンス、サービス・ハンドラおよびリスニング・エンドポイントが登録解除され、その後、再度登録されます。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl RELOAD listener_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> RELOAD listener_name

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

LSNRCTL> RELOAD
Connecting to (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)))
The command completed successfully

SAVE_CONFIG

用途

トレース・レベル、トレース・ファイル、トレース・ディレクトリを含め、リスナーの現行の構成状態を保存し、listener.oraファイルにロギングします。すべての変更は、フォーマット、コメントおよび文字の大/小文字をできるかぎり保持しながらlistener.oraに格納されます。listener.oraファイルの変更の前に、listener.bakと呼ばれるバックアップ・ファイルが作成されます。

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SAVE_CONFIG listener_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SAVE_CONFIG listener_name

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

使用上の注意

このコマンドを使用すると、実行時の構成のすべての変更をlistener.oraファイルに保存できます。

LSNRCTL> SAVE_CONFIG listener
Connecting to (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)))
Saved LISTENER configuration parameters.
Listener Parameter File   /oracle/network/admin/listener.ora
Old Parameter File   /oracle/network/admin/listener.bak
The command completed successfully

SERVICES

用途

リスナーのクライアント接続リクエストの転送先のデータベース・サービス、インスタンスおよびサービス・ハンドラ(ディスパッチャと専用サーバー)に関する詳細情報を取得します。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SERVICES listener_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SERVICES listener_name

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

使用上の注意

SET DISPLAYMODEコマンドによって、出力のフォーマットと詳細レベルが変更されます。


関連項目:

SERVICESの出力の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

この例では、デフォルトの表示モードでSERVICES出力を表示します。出力には、次の内容が表示されます。

  • sales1.us.example.comおよびsales2.us.example.comの2つのサービスに属するsalesという名前のインスタンス。このインスタンスには合計3つのサービス・ハンドラがあります。

  • サービスsales1.us.example.comは、1つのディスパッチャでのみ処理されます。

  • サービスsales2.us.example.comは、次の出力で指定されているように、1つのディスパッチャと1つの専用サーバーで処理されます。

LSNRCTL> SERVICES
Connecting to (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=ipc)(KEY=net)))
Services Summary...
Service "sales1.us.example.com" has 1 instance(s).
  Instance "sales", status READY, has 1 handler(s) for this service...
    Handler(s):
      "D000" established:0 refused:0 current:0 max:10000 state:ready
         DISPATCHER <machine: sales-server, pid: 5696>
         (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=53411))
Service "sales2.us.example.com" has 1 instance(s).
  Instance "sales", status READY, has 2 handler(s) for this service...
    Handler(s):
      "DEDICATED" established:0 refused:0 state:ready
         LOCAL SERVER
      "D001" established:0 refused:0 current:0 max:10000 state:ready
         DISPATCHER <machine: sales-server, pid: 5698>
         (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=52618))
The command completed successfully

SET

用途

リスナーのパラメータ値を変更します。パラメータ値の変更は、リスナーがシャットダウンされるまで有効です。変更を永続的なものにするには、SAVE_CONFIGコマンドを使用して変更内容をlistener.oraファイルに保存します。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SET parameter

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET parameter

引数

parameter: 構成の設定を変更するSETパラメータ。パラメータは、次の出力例のように表示されます。

引数なしでSETを入力すると、全パラメータのリストが表示されます。

使用上の注意

SETコマンドを使用してデフォルトのリスナーLISTENER以外のリスナーの構成を変更する場合は、SET CURRENT_LISTENERコマンドを使用して管理対象のリスナー名を設定します。

LSNRCTL> SET
The following operations are available with set.
An asterisk (*) denotes a modifier or extended command.
current_listener 
displaymode
inbound_connect_timeout
log_file
log_directory
log_status
rawmode
save_config_on_stop 
trc_file
trc_directory
trc_level 

SET CURRENT_LISTENER

用途

管理対象のリスナー名を設定します。通常はlistener_nameを必要とする後続のコマンドは、リスナー名なしで発行できます。

構文

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET CURRENT_LISTENER listener_name

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

使用上の注意

SET CURRENT_LISTENERが設定されている場合、リスナー制御ユーティリティのコマンドは設定されたリスナーに対して動作します。リスナーの名前を指定する必要はありません。

LSNRCTL> SET CURRENT_LISTENER lsnr
Current Listener is lsnr

SET DISPLAYMODE

用途

SERVICESコマンドおよびSTATUSコマンドのフォーマットと詳細レベルを変更します。

構文

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET DISPLAYMODE {compat | normal | verbose | raw}

引数

次のいずれかのモードを指定します。

compat: リスナーの以前のリリースと互換性のある出力。

normal: フォーマット済の記述的な出力。オラクル社では、このモードをお薦めします。

verbose: リスナーから受信した全データをフォーマットした記述的な出力。

raw: リスナーから受信した全データをフォーマットせずに表示。この引数は、Oracleサポート・サービスが推奨した場合にのみ使用してください。

LSNRCTL> SET DISPLAYMODE normal
Service display mode is NORMAL

SET INBOUND_CONNECT_TIMEOUT

用途

ネットワーク接続の確立後、クライアントからリスナーへの接続リクエストの完了までの時間を秒単位で指定します。

リスナーが指定の時間内にクライアント・リクエストを受信しない場合、接続は終了します。また、クライアントのIPアドレスと、エラー・メッセージ「ORA-12525:TNS: TNS: リスナーは、クライアントのリクエストを許容時間内に受信しませんでした」がlistener.logファイルに記録されます。


関連項目:

クライアントの接続に関するタイムアウトの指定方法は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

構文

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET INBOUND_CONNECT_TIMEOUT time

引数

time: 時間(秒数)。デフォルト設定は60秒です。

LSNRCTL> SET INBOUND_CONNECT_TIMEOUT 2
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
LISTENER parameter "inbound_connect_timeout" set to 2
The command completed successfully.

SET LOG_DIRECTORY


注意:

このコマンドは、自動診断リポジトリ(ADR)が有効でない場合にのみ使用できます。デフォルトでは、ADRは有効であり、ログ・ディレクトリORACLE_HOME/log/diag/product_typeを使用します。

用途

リスナーのログ・ファイルが書き込まれる宛先ディレクトリを設定します。デフォルトで、ログ・ファイルはORACLE_HOME/network/logディレクトリに書き込まれます。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SET LOG_DIRECTORY directory

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET LOG_DIRECTORY directory

引数

directory: リスナーのログ・ファイルのディレクトリ・パス

LSNRCTL> SET LOG_DIRECTORY /usr/oracle/admin 
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
LISTENER parameter "log_directory" set to /usr/oracle/admin
The command completed successfully

SET LOG_FILE


注意:

このコマンドは、自動診断リポジトリ(ADR)が有効でない場合にのみ使用できます。デフォルトでは、ADRは有効であり、ログ・ディレクトリORACLE_HOME/log/diag/product_typeを使用します。

用途

リスナーのログ・ファイルの名前を設定します。デフォルトのログ・ファイル名はlistener.logです。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SET LOG_FILE file_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET LOG_FILE file_name

引数

file_name: リスナーのログ・ファイルの名前

LSNRCTL> SET LOG_FILE list.log
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
LISTENER parameter "log_file" set to list.log
The command completed successfully

SET LOG_STATUS

用途

リスナーのロギングをオンまたはオフに切り替えます。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SET LOG_STATUS {on | off}

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET LOG_STATUS {on | off}

引数

on: ロギングをオンに切り替えます。

off: ロギングをオフに切り替えます。

LSNRCTL> SET LOG_STATUS on
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
LISTENER parameter "log_status" set to ON
The command completed successfully

SET SAVE_CONFIG_ON_STOP

用途

STOPコマンドによるリスナーの停止時に、SETコマンドによって変更されたリスナーのパラメータ値をlistener.oraファイルに保存するかどうかを指定します。

変更が保存されると、リスナー制御ユーティリティは、フォーマット、コメントおよび文字の大/小文字に関するパラメータを保持しようとします。listener.oraファイルの変更の前に、listener.bakと呼ばれるバックアップ・ファイルが作成されます。

全パラメータをただちに保存するには、SAVE_CONFIGコマンドを使用します。

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SET SAVE_CONFIG_ON_STOP  {on | off}

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET SAVE_CONFIG_ON_STOP  {on | off}

引数

on: 構成をlistener.oraに保存します。

off: 構成をlistener.oraに保存しません。

LSNRCTL> SET SAVE_CONFIG_ON_STOP on
LISTENER parameter "save_config_on_stop" set to ON
The command completed successfully

SET TRC_DIRECTORY


注意:

このコマンドは、自動診断リポジトリ(ADR)が有効でない場合にのみ使用できます。デフォルトでは、ADRは有効であり、ログ・ディレクトリORACLE_HOME/log/diag/product_typeを使用します。

用途

リスナーのトレース・ファイルが書き込まれる宛先ディレクトリを設定します。デフォルトで、トレース・ファイルはORACLE_HOME/network/traceディレクトリに書き込まれます。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SET TRC_DIRECTORY directory

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET TRC_DIRECTORY directory

引数

directory: リスナーのトレース・ファイルのディレクトリ・パス

LSNRCTL> SET TRC_DIRECTORY /usr/oracle/admin
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
LISTENER parameter "trc_directory" set to /usr/oracle/admin
The command completed successfully

SET TRC_FILE


注意:

このコマンドは、自動診断リポジトリ(ADR)が有効でない場合にのみ使用できます。デフォルトでは、ADRは有効であり、ログ・ディレクトリORACLE_HOME/log/diag/product_typeを使用します。

用途

リスナーのトレース・ファイルの名前を設定します。デフォルトのトレース・ファイル名はlistener.trcです。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SET TRC_FILE file_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET TRC_FILE file_name

引数

file_name: リスナーのトレース・ファイルの名前

LSNRCTL> SET TRC_FILE list.trc
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
LISTENER parameter "trc_file" set to list.trc
The command completed successfully

SET TRC_LEVEL

用途

トレースの特定レベルをリスナーに設定します。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SET TRC_LEVEL level

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SET TRC_LEVEL level

引数

level: 次のいずれかのトレース・レベル

  • off: トレースを出力しません。

  • user: ユーザー用のトレース情報を出力します。

  • admin: 管理用のトレース情報を出力します。

  • support: Oracleサポート・サービス用のトレース情報を出力します。

使用上の注意

このコマンドは、TRACEコマンドの機能と同じです。

LSNRCTL> SET TRC_LEVEL admin
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
LISTENER parameter "trc_level" set to admin
The command completed successfully

SHOW

用途

リスナーの現在のパラメータ値を表示します。

すべてのSETパラメータには、対応するSHOWパラメータがあります。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SHOW parameter

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SHOW parameter

引数

parameter: 構成の設定を表示するSHOWパラメータ。パラメータは、次の出力例のように表示されます。

引数なしでSHOWを入力すると、全パラメータのリストが表示されます。

LSNRCTL> SHOW
The following properties are available with SHOW:
An asterisk (*) denotes a modifier or extended command:
current_listener 
displaymode
inbound_connect_timeout
log_file
log_directory
log_status
rawmode
save_config_on_stop 
trc_file
trc_directory
trc_level 

SPAWN

用途

リスナーを実行しているコンピュータ上のlistener.oraファイル内に別名でリストされているプログラムを起動します。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl SPAWN listener_name alias (arguments='arg1,arg2,...')

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> SPAWN listener_name alias (arguments='arg1,arg2,...')

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

alias: 起動するプログラムの別名は、次のようにlistener.oraファイル・エントリで指定します。

alias = (PROGRAM=(NAME=)(ARGS=)(ENVS=))

次に例を示します。

nstest = (PROGRAM=(NAME=nstest)(ARGS=test1)(ENVS='ORACLE_HOME=/usr/oracle'))

前述のnstestプログラムは、次のコマンドを使用すれば起動できます。

lsnrctl SPAWN listener_name nstest

START

用途

指定したリスナーを開始します。

前提条件

実行中のリスナーがないことが必要です。

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl START listener_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> START listener_name

注意:

データベースがOracleホーム・ユーザーによってインストールされた場合、Microsoft Windowsでユーティリティからパスワードが要求される場合があります。パスワードは、Oracleホーム・ユーザーのオペレーティング・システム・パスワードです。プロンプトは、リスナー・サービスが存在せず、リスナーの起動の一部として作成する必要がある場合にのみ表示されます。

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

使用上の注意

listener.oraファイルに構成されているリスナーをLISTENER以外の名前で開始するには、その名前を挿入します。

たとえば、リスナー名がtcp_lsnrの場合は、次のように入力します。

lsnrctl START tcp_lsnr 

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> START tcp_lsnr

LSNRCTL> START

Starting /private/sales_group/sales/bin/tnslsnr: please wait...

TNSLSNR for Linux: Version 12.1.0.1.0 
System parameter file is /oracle/network/admin/listener.ora
Log messages written to /oracle/network/log/listener.log
Listening on: (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521)))

Connecting to (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)))
STATUS of the LISTENER
------------------------
Alias                     LISTENER
Version                   TNSLSNR for Linux: Version 12.1.0.1.0 
Start Date                12-DEC-2012 18:02:25
Uptime                    0 days 0 hr. 0 min. 0 sec
Trace Level               off
Security                  OFF
SNMP                      OFF
Listener Parameter File   /oracle/network/admin/listener.ora
Listener Log File         /oracle/network/log/listener.log
Listening Endpoints Summary...
  (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521)))
The listener supports no services
The command completed successfully

関連項目:

Oracleホーム・ユーザーの詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド for Microsoft Windows』を参照してください。

STATUS

用途

リスナーに関する基本的なステータス情報を表示します。これには、リスナー構成設定の概要、リスニング・プロトコル・アドレスおよびリスナーに登録されているサービスの概要が含まれます。


注意:

リスナーのステータスは、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlのコンソールを介して取得することもできます。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl STATUS listener_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> STATUS listener_name 

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

使用上の注意

SET DISPLAYMODEコマンドによって、出力のフォーマットと詳細レベルが変更されます。


関連項目:

STATUSの出力の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。

次の例では、デフォルトの表示モードでSTATUS出力を表示します。出力には、次の内容が含まれています。

  • リスナー構成の設定

  • リスニング・エンドポイントの概要

  • SERVICESコマンドの出力を簡略化したサービス概要

LSNRCTL> STATUS
Connecting to (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=ipc)(KEY=net)))
STATUS of the LISTENER
------------------------
Alias                     LISTENER
Version                   TNSLSNR for Linux: Version 12.1.0.1.0 -
Production
Start Date                12-DEC-2012 12:02:00
Uptime                    0 days 0 hr. 5 min. 29 sec
Trace Level               support
Security                  OFF
SNMP                      OFF
Listener Parameter File   /oracle/network/admin/listener.ora
Listener Log File         /oracle/network/log/listener.log
Listener Trace File       /oracle/network/trace/listener.trc

Listening Endpoints Summary...
  (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=ipc)(KEY=net)))
  (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521)))
  (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcps)(HOST=sales-server)(PORT=2484)))
 
Services Summary...
Service "sales1.us.example.com" has 1 instance(s).
  Instance "sales", status READY, has 1 handler(s) for this service...
Service "sales2.us.example.com" has 1 instance(s).
  Instance "sales", status READY, has 2 handler(s) for this service...
The command completed successfully

STOP

用途

指定したリスナーを停止します。

前提条件

リスナーが実行されていることが必要です。

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl STOP listener_name
 

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> STOP listener_name 

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

LSNRCTL> STOP
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
The command completed successfully

TRACE

用途

リスナーのトレースを設定します。

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl trace level listener_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> trace level listener_name

引数

level: 次のいずれかのトレース・レベル

  • off: トレースを出力しません。

  • user: ユーザー用のトレース情報を出力します。

  • admin: 管理用のトレース情報を出力します。

  • support: Oracleサポート・サービス用のトレース情報を出力します。

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

使用上の注意

このコマンドは、SET TRC_LEVELコマンドの機能と同じです。

LSNRCTL> TRACE ADMIN lsnr
Connecting to (ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
Opened trace file: /oracle/network/trace/listener.trc
The command completed successfully

VERSION

用途

リスナー制御ユーティリティの現行のバージョンを表示します。

前提条件

なし

構文

オペレーティング・システムでは、次の構文に従って入力します。

lsnrctl VERSION listener_name

リスナー制御ユーティリティでは、次の構文に従って入力します。

LSNRCTL> VERSION listener_name

引数

listener_name: デフォルト名のLISTENERを使用しない場合は、リスナー名を指定します。

LSNRCTL> VERSION listener1
Connecting to ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))
TNSLSNR for Linux: Version 12.1.0.1.0
        TNS for Linux: Version 12.1.0.1.0 
        Oracle Bequeath NT Protocol Adapter for Linux: Version 12.1.0.1.0
        Unix Domain Socket IPC NT Protocol Adaptor for Linux: Version 12.1.0.1.0 
        TCP/IP NT Protocol Adapter for Linux: Version 12.1.0.1.0
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