Oracle® Services for Microsoft Transaction Server開発者ガイド 12c リリース1(12.1) for Microsoft Windows B72977-02 |
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この章では、Microsoft Transaction ServerおよびOracle Database環境におけるインストールの要件について説明します。
この章の項目は次のとおりです。
OraMTSは、Oracle Database Clientの一部としてインストールできます。OraMTSサービスは、インストールしたOracleホームに対して作成されます。Oracle 12c以降、各Oracleホームには独自のOraMTS RecoveryのWindowsサービスがあります。また、Oracle 12c以降、OraMTSサービスはOracleホーム・ユーザーとして実行されます。
Oracleホーム・ユーザーは、Oracleホームから実行されるOracleサービスの所有者で、インストール後は変更できません。Windows組込みアカウントまたはWindowsユーザー・アカウントを指定できます。セキュリティを強化するため、Oracle Databaseのインストールで、Windowsの組込みアカウントではなく標準のWindowsユーザー・アカウントをOracleホーム・ユーザーとして選択することをお薦めします。Oracleホーム・ユーザーの主な目的は、Windowsユーザー・アカウントを使用してWindowsサービスを実行することです。ただし、このユーザー・アカウント(Oracleホーム・ユーザー)は、データベース管理に使用することのない権限の低いユーザー・アカウントである必要があります。これによって、Oracleホーム・ユーザーで実行するOracle Databaseサービスが持つ権限が、Oracle製品を実行するときに必要な最低限の権限のみになります。Windowsユーザー・アカウントには、ローカル・ユーザー、ドメイン・ユーザーまたは管理対象サービス・アカウントを指定できます。
ソフトウェアのみのインストール、クローン・サイクルまたはデータベースでのAddNode
操作などの一部の場合に、OraMTSサービスを手動で作成する必要がある場合があります。詳細は、「Oracle MTS Recovery Serviceの手動作成」を参照してください。
関連項目: 『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』 |
この項では、OraMTS用にインストールが必要なOracle製品およびOracle以外の製品について説明します。その他のインストール要件は次のとおりです。
Oracle Data Provider for .NET(ODP.NET)クラスタ構成(または任意のフェイルオーバー構成)の場合、Microsoft分散トランザクション・コーディネータ(MS DTC)コンポーネントが稼働しているノードにMicrosoft Transaction Serverをインストールします。これにより、フェイルオーバー中にOracle MTS Recovery Serviceがクライアント・アプリケーションとともに移行されます。これは、リカバリ・トランザクションのスケジューリング時に構成できます。
Microsoft Transaction ServerがインストールされているWindowsコンピュータの製品要件は次のとおりです。
Oracle Data Provider for .NET, Managed Driverは、Oracle Database 12cで導入された100%ネイティブな.NETコードで構成される完全に管理されたデータ・プロバイダです。ODP.NET, Managed Driverは、Oracle Services for MTSの登録およびコミット機能全体を管理対象ドライバとともにインストールされたOracle.ManagedDataAccessDTC.dll
に組み込むことで、管理コードを使用してそれらの機能を実行できます。Oracle Services for MTS Recovery Serviceは管理対象外のままです。
Oracle.ManagedDataAccessDTC.dll
は、分散トランザクションを使用するすべてのODP.NET, Managed Driverアプリケーション用にOracle.ManagedDataAccess.dll
とともにデプロイする必要があります。ODBCなどの管理対象外のデータ・アクセス・ドライバも同じコンピュータ上で分散トランザクションを使用する場合は、管理対象外のOracle Services for MTSも平行して実行できます。
Oracle.ManagedDataAccessDTC.dll
には、32-bit .NET Framework用および64-bit .NET Framework用の2つのバージョンがあり、ODP.NET, Managed Driverとともにインストールされます。Oracle.ManagedDataAccessDTC.dll
のどちらのバージョンも完全に管理されますが、MS DTCアプリケーション・プログラミング・インタフェースが管理対象がコードのため、どちらもプラットフォーム固有である必要があります。そのため、ODP.NET, Managed Driverの登録およびコミット機能は、プラットフォームに応じて32ビットまたは64ビットのMS DTCをコールします。
Oracle.ManagedDataAccessDTC.dll
の2つのバージョンは、次のディレクトリにあります。
32-bit .NET Frameworkの場所: OH\
odp.net\managed\x86
64-bit .NET Frameworkの場所: OH
\odp.net\managed\x64
.NETアプリケーションのターゲット・プラットフォーム(32ビットまたは64ビット)用のディレクトリからOracle.ManagedDataAccessDTC.dll
をデプロイします。
Oracle.ManagedDataAccessDTC.dll
は、.NETアプリケーションから直接参照することはできません。分散トランザクションを使用するときに、ODP.NET, Managed Driverによって暗黙的にロードされます。
Oracle Services for MTS Recovery Serviceは、ODP.NET, Managed Driverと同じコンピュータで実行する必要はありません。管理者は、アプリケーションの.NET構成ファイルで、実行中のリカバリ・サービスがあるホスト・コンピュータ名を指定できます。
Oracle Database 12c以降、Windowsソフトウェア上のOracle Databaseには、OraMTS Recovery Serviceの手動による作成を有効にするためのoramtsctl.exe
ユーティリティが含まれています。ODP.NET, Managed DriverはOraMTS Recovery Serviceを自動的に作成しないため、このユーティリティを実行することでサービスが作成されます。実行すると、サービスは現在のOracleホームに対して作成され、Oracleホーム・ユーザーとして実行されます。ODP.NET, Managed Driverが、同じコンピュータ上または別のコンピュータ上で実行中の既存のOraMTS Recovery Serviceにアクセスできる場合は、このユーティリティを実行する必要はありません。
Oracle MTS Recovery Serviceを手動で作成する手順は次のとおりです。
Oracle Databaseをインストールします。
コマンド・プロンプトを開きます。
次のコマンドを実行します。
oramtsctl -new
Oracle MTS Recovery Serviceを削除するには、次を実行します。
oramtsctl -delete
使用方法
oramtsctl <-new|-delete|-start|-stop|-status|-config|-passwd|-trace|-trcdir> [-host <hostname|IP_address> ...] [-port <number>] [-ip <IP_address>] [-dtchost <DTC_hostname>] [-cluster <on|off>] [-default] -new
新しいOracler1MTSRecoveryService
サービスを作成して開始します。
-delete [Oracle_home_directory]
現在のホームまたは指定されたホームのOracler1MTSRecoveryService
を削除します。
-start
Oracler1MTSRecoveryService
サービスを開始します。
-stop
Oracler1MTSRecoveryService
サービスを停止します。
-status Query Oracler1MTSRecoveryService
サービス・ステータス。
-config [-port <number>] [-ip <IP_address>] [-dtchost <DTC_hostname>] [-cluster <on|off>] [-default]
Oracler1MTSRecoveryService
サービスの構成を表示または設定します。
-defaultを使用して、Oracler1MTSRecoveryService
の構成をリセットします。
-passwd
Oracler1MTSRecoveryService
サービスのユーザー・パスワードを更新します。
-trace [0-5]
トレースを表示またはトレース・レベルを設定します。トレースを無効にするにはレベル0を設定します。
-trcdir [trace_directory]
トレース・ディレクトリを表示または設定します。
-host <hostname|IP_address> ...
名前またはIPアドレスで特定されるホストで操作を実行します。
オプションが指定されていない場合は、ローカル・ホストが使用されます。
-port <number>
サービス・ポートを指定するには、このオプションで-new
または-config
を実行します。
オプションが指定されない場合、サービス・ポートは自動的に構成されます。
-ip <IP_address>
IPアドレスを指定するには、このオプションで-new
または-config
を実行します。
-default
デフォルト構成を設定するには、このオプションで-new
または-config
を実行します。
oramtsctl -new -host host1 host2.domain.com host3 -port 2033
例:
自動構成でサービスをインストールします。
oramtsctl -new
サービスをポート2032にインストールします。
oramtsctl -new -port 2032
ポート2033を使用するようにサービスを構成します。
oramtsctl -config -port 2033
サービスのユーザー・パスワードを更新します。
oramtsctl -passwd
複数のホストにサービスをインストールし、統一ポート2033を使用します。
oramtsctl -new -host host1 host2.domain.com host3 -port 2033