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Oracle® Database Testingガイド
12cリリース1 (12.1)
B71349-07
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19.1.1 データ・マスキングの概念

データ・マスキング(データ・スクランブルやデータの匿名化とも呼ばれる)は、本番データベースから非本番テスト・データベースにコピーされる機密情報を、外見は本物であるもののマスキング・ルールに基づいて修正されたデータに置き換えるプロセスのことです。データ・マスキングは、機密データまたは規制対象のデータを非本番ユーザーと共有する必要があるほぼすべての状況において最適です。そのようなユーザーには、アプリケーション開発者などの内部ユーザーや、海外のテスト企業、サプライヤ、カスタマなどの外部のビジネス・パートナなどが含まれます。このような非本番ユーザーは、すべての表のあらゆる列を参照する必要はありませんが、元のデータの一部にはアクセスする必要があります(特に情報が政府の規制によって保護されている場合)。

データ・マスキングを使用すると、組織ではオリジナル・データに類似した特性を持つ、外見は本物で完全に機能するデータを生成し、機密情報のかわりに使用することができます。これと対照的な暗号化や仮想プライベート・データベースの場合は、データが単に隠されるだけであり、適切なアクセス権やキーがあればオリジナル・データを取得できます。データ・マスキングの場合は、元の機密データを取得することも、元の機密データにアクセスすることもできません。

情報コンテンツを不適切な開示から保護すべきデータの例としては、名前、住所、電話番号、クレジット・カードの詳細情報などがあります。本物の本番稼働データベース環境には、貴重な機密データが含まれており、そのような情報へのアクセスは厳重に規制されます。ただし、各本稼働システムには通常、開発用のコピー・データがあり、そのようなテスト環境に対する規制はさほど厳しくありません。これにより、データが不適切に使用されるリスクが非常に高くなります。データ・マスキングでは、データベースの機密レコードを変更し、利用可能ではあるものの機密情報も個人情報も含まれないようなデータにすることができます。マスクされたテスト・データは、アプリケーションの整合性を確保するために、外見はオリジナル・データに類似しています。